ハイスクールSBR~堕天した花嫁~   作:不知火新夜

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44話_俺、会談に参加しました、ら…

「失礼します」

「どうぞ、お入りください」

 

グレイフィアさんの勧めに応じて生徒会室に入る…と、其処には会談の為にこの場に集結した、3大勢力の重要なポストに就く方達が勢ぞろいしていた。

まず左側にはアザゼルさんやヴァーリを始めとした堕天使陣営…俺の姿を見て親しげに返事するアザゼルさんと、好戦的な視線を向けるヴァーリが特徴的だった。

続いて奥側には、ミカエルさんやイリナを始めとした天使陣営…何故かイリナから、聖剣による物では無い、聖なる気配がした…天使にでもなったのか?まさか…なぁ?

更に右側には、サーゼクス様やセラフォルー様、シトリー会長及びその眷属の皆を始めとした悪魔陣営…匙、緊張する気持ちは分かるがガチガチ過ぎるぞ。

そして手前側には、リアス達オカルト研究部メンバー…そう、コカビエルの一件に関わった面子だ…俺達の席も、こちら側にある。

今回の参加者が勢ぞろいした事で正面に向き直ろうとした各陣営の面々…だったが、俺に続いて入って来たオーフィスの存在を見て、大部分がそれを止めて顔を驚愕に染める…まあ、世界最強クラスの龍神が、下級悪魔の俺に連れられて会談の場に入って来たとあれば驚きだよな。

事情を知らされていない天使陣営と堕天使陣営は特に顕著…いや、堕天使陣営、特にアザゼルさんとヴァーリの驚愕の色合いは激しかった…その内アザゼルさんの目からは僅かながら敵意が感じられる辺り、まさか…?

事情を既に知っていた為に大した驚きを見せず、周囲の驚き様に苦笑いしていた悪魔陣営の中で、サーゼクス様も向かいのアザゼルさんの様子に訝しむ様な表情を見せる…これは、ありそうだな。

 

「思わぬ存在の参加に驚いておられる様だが、定刻となった為、会談を始めよう。その前に確認事項が1つ。此処に集結している者達は、最重要禁則事項である『神の不在』を認知している」

 

驚きに染まった会談の場を平静に戻そうと、サーゼクス様が仕切る…その際の問いには全員が肯定する様な反応を示した。

 

「では、認知している物として話を始めよう」

 

こうして会談はスタートした…といっても、最初の方は1万年位前の大戦や、その他過去の小競り合い等を経た現状の確認だ…途中でアザゼルさんの発言で場が凍り付いたりしたが問題なく進んでいく…アザゼルさん、何しているんですか貴方。

 

「それじゃあリアス、この前のコカビエルの件について説明を」

「はい、ルシファー様」

 

その後、サーゼクス様の勧めに応じてリアスが、この前のコカビエルの件の説明を始める…余談だが、幾ら兄妹でも今日は公の場、リアスも魔王としてのサーゼクス様の名前で返答していた。

その様子に少し寂しそうなサーゼクス様を他所に、リアスの説明が始まる…途中、コカビエルの事件に大きく関わった俺とゼノヴィア、木場とフリードも補足として説明した。

 

「以上が、今回の事件の顛末です」

「ありがとう、リーアちゃん☆」

 

…セラフォルー様、此処は公の場なんですから。

 

「それにしてもアザゼル、此処数年に渡って神器所有者を堕天使陣営に引き入れたり、神器の研究を加速させたりしていた様ですが、何を企んでいるのです?『白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)』に『黒刃の狗神(ケイネス・リュカオン)』…神滅具の所有者が貴方達の陣営に入った時は警戒した物です。堕天使は再び、戦争を始める物だと」

「それは我ら悪魔陣営も同じだ。堕天使陣営は比較的損傷が重くない、神器所有者を引き入れる事で我らを制圧するつもりだ、と。

 

彼女が…オーフィスが、イッセー君の所に身を寄せ、今日、彼女と貴方が対面するまではね」

 

ミカエルさんから始まったアザゼルさんへの追及、サーゼクス様が続くも、一呼吸おいて告げた事実は、周囲を再び驚愕させるには充分だった。

 

「…その口振りだと、『知っている』のか?」

「ああ…テロ組織『禍の団』、それに備えていたのだろう?」

「…BINGOだ。お前さんが考えている通りだよ」

「『禍の団』?一体何の話をしているのです?」

「ああ悪い悪い、今から説明する」

 

サーゼクス様とアザゼルさんの話からしてアザゼルさんも『知って』いた様だ…唯一『知らない』が故に会話について行けないミカエルさんが疑問を投げ掛け、それにアザゼルさんが答えようとしたその時、

 

「っ!タスク!」

「っちぃ!奴さんの来襲か!」

「イッセー君の予想通りになったか…!ギャスパー君をこちらに呼んでおいて正解だった!」

「この只ならぬ気配…その『禍の団』というのは、まさか…!」

「ああ、その通りだ!3大勢力を始めとした人外達の現状を、良しとしない連中が設立したテロ組織だよ!」

 

外から只ならぬ気配を察知して、ミカエルさんやアザゼルさん、サーゼクス様と共に外を警戒すると其処には巨大な魔法陣と、其処から大量に飛び出て来る魔法使いが見えた…『禍の団』はやっぱりこの会談の場を狙って来たか!

 

「テロ組織ですか…!つまりここ数年の貴方の行動は、その為の自衛手段の確立、という事ですね?」

「ああ、そういう事だ!尤も、ちょっと予想外の事態が起こったが…!」

「アザゼルさん、細かい話は後にしましょう!今は敵を倒しますよ!」

「ああ、そうだな!ヴァーリ、行ってきてくれ!白龍皇であるお前が出れば、奴等も動揺する筈だ!」

「了解。禁手」

『Vanishing Dragon Balance Breaker!』

 

アザゼルさんの指示でヴァーリが禁手を発動し、それによってあの時見た白い鎧を纏った状態で敵陣に殴り込んでいく…あれが、あれが二天龍の禁手か…

 

「俺達も行くぞ!」

「はい!エレン!」

「ヒヒィィィン!」

 

俺を除く皆は翼を展開、俺はエレンを呼び出して乗り込み、窓から外に飛び出たその時、

 

『オーフィス、探しましたよ』

「新手か!?」

「これは旧魔王レヴィアタンの魔法陣?…まさか?」

 

俺達の前に現れた魔法陣と、其処から聞こえて来た女性の声…!

 

「ごきげんよう、偽りの魔王達…そして各陣営のトップの皆様」

 

現れたのは、金髪で眼鏡を掛け、結構過激なドレスを身に纏った女性…気配からして悪魔、それもかなりの強さの持ち主…サーゼクス様の口振りからして、かつての魔王の末裔か…!

 

「先程からの口振りからして『禍の団』に与したと思って良いという事かい?旧魔王の血を引く者、カテレア・レヴィアタンよ」

「察しが早くて助かります。その通り、我々旧魔王派は禍の団への参加を決めました」

「カテレアちゃん!どうして…!」

「良くもまあぬけぬけとその様な言葉が出ますね、セラフォルー!ですがそれも今日まで!今日此処で貴方を殺し、私が魔王を名乗ります!そして世界を破壊し、新たなる世界を作る!その為に私は力を得ようとし…途中で逃げられはしましたが、此処で事を成せれば問題はありません!」

 

カテレアと呼ばれたその悪魔の話から、旧魔王の血筋を引く者達は皆禍の団に加入したか…!だが、

 

「カテレア…逃げられた、と言うのは、禍の団の『元』トップである彼女…オーフィスの事かい?」

「…ええ、そうですよ」

「な…それは本当ですか!?つまり件のテロ組織の元頭首が会談に参加していたという事ですか!?」

「て事になるな。しかしオーフィスが禍の団を抜けて、しかもサーゼクスがそれを知っていたとはびっくりだったぜ。これが予想外の事態だ」

 

向こうの誤算は、オーフィスがこちら側に付いた事。

サーゼクス様へ報告した際に聞いた事がある…オーフィスは、その力を一部分抽出した『蛇』を作り出せるという事を…これを飲み込む事によって力を格段に増強させる事が出来る事を。

禍の団の連中は、単なる象徴としての他に『蛇』を狙って引き入れようとしたのだろうが…そっちの好きにはさせないぜ!

 

「オーフィス、今すぐこちらへ戻りましょう?此処にいても静寂は得られない…次元の狭間には帰れない…グレートレッドは倒せませんよ?」

「どうでも良い。静寂より、イッセーへの恋心を満たす方が良い」

「こ、恋心!?な、何を言って…」

「へ、こ、恋心だって!?おいおいオーフィス、お前、嘘だろ!?」

「偽りなし。我、イッセーに恋をした。故に禍の団を抜けた」

「本当です、そして俺も…まあそういう事でオーフィスは俺の大切な存在だ。無理にでも連れて行くと言うなら…容赦しないぞ、クソババァ!」

「っ!貴様!」

 

まさかの脱退理由に驚愕する周囲、それに便乗して挑発すると簡単に乗ってくれた、カテレアが激昂してこちらに魔力で作ったであろう氷の槍を連射するが、

 

「しぇぇあぁぁ!」

「なっ!小癪な!」

「今度はこっちから行くぜ!(ズバババババババ!)タスク・ガトリング!」

「くっこの程度!」

 

爪の斬撃で軽々と斬り伏せ、反撃とばかりに爪弾を掃射するも魔力による壁で塞がれる…流石にこれ位は防御されるか、なら!

 

「喰らいなさい!」

「ボォォォル…ブレイカァァァァァァ!」

 

時間が無いと言わんばかりに、カテレアが放った魔力による多種多様な攻撃と、俺が放ったボール・ブレイカーが衝突…する事無く、

 

「な!?馬鹿な(ドゴォォォォォォォ…!)きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…!」

 

ボール・ブレイカーの突進によってカテレアの攻撃は全てかき消され、そのままカテレア本人に正面衝突し、勢いを殺す事無く直進を続け、その勢いに耐えられなかったカテレアの、まずは両手両足、次に頭、そして最後は上半身と下半身を千切って、消していった。

 

「な…何だったんでしょうか、今の?」

「スゲェ…俺でも手こずりそうなアイツを、事も無げに倒しやがった…」

「はは、信じられない様だけど、あれでもまだ彼の強さの全てじゃないんだ。と、話している暇は無い!私達も加勢しよう!」

「分かっています!」

「3手に分かれるぞ!」

 

俺の戦いぶりを見ていた各陣営のトップ勢が気を取り直して各戦場に向かう…その時だった。

 

「っ!アザゼルさん、危ない!」

「は?(ガキィン!)うおっ!?な、お前…!」

「ヴァーリ、お前…どういうつもりだよ!アザゼルさんを襲うなんて…!」

 

俺の目の前には、鎧で覆われた左腕をアザゼルさんに一閃しようとして弾かれた状態の、ヴァーリの姿があった。

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