ハイスクールSBR~堕天した花嫁~   作:不知火新夜

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49話_俺達、冥界に入りました

「リアスちゃんの実家って、悪魔の偉い方なんでしょう?そしたら正装じゃないと失礼にならないかしら?」

「そうだな。それに俺も臨時だとは言え上級悪魔になったし、色々な行事にも行かなくちゃならない…父さん、サイズ的に俺に合いそうな和服無い?」

「和服?そりゃまた変わったリクエストだな…和服か…あるかな…」

「主イッセー、和服なら融通して頂ける存在に心当たりがある。少しこの場を空けても宜しいか?」

「ああ、頼むぜヴァーリ。ゼノヴィア、同行を頼んで良いか?」

「了解した、イッセー」

「部長の実家か…何だか今から緊張して来たよ」

「俺もだよ、れーちゃん」

 

冥界へ行く日が迫っている今、俺達はその準備に取り掛かっていた。

母さんも言っていたがグレモリー家は魔王様を輩出した悪魔の中でも由緒ある家柄、しかも俺自身も上級悪魔、故に周囲から舐められない様な恰好・立ち振る舞いをして行かないとならない(和服をチョイスしたのは、スーツだとサイズの許容範囲が狭いし、今から俺用の奴を買うとなると間に合わず、制服だとありきたり過ぎるからな)。

その点も気を付けなければならないが、一番の問題は、リアスと俺との関係だ。

大分前の話ではあるが、かつてはグレモリー家とフェニックス家、更にはサーゼクス様主導でリアスとあの焼き鳥野郎との婚儀が結びかかっていて、焼き鳥野郎とのレーティング・ゲームに勝利した事でそれは破談した。

それについては両家も納得していた事ではあるも、その後の俺とリアスとの関係はどうか…れーちゃんがいながらリアスにアーシアにゼノヴィアにオーフィスとも恋人となった俺…そんな俺に叩き潰されたとなれば面白くないだろう。

サーゼクス様は特に気にした様子は無かったが、授業参観の時に少し話しただけのリアスの父さんや、まだ会った事もないリアスの母さんはどうなるか…

 

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「ま、まさか何時もの駅の地下深くが冥界の駅だったなんて…」

「悪魔の技術ってすげぇ…人間界と冥界とを繋ぐエレベーターとか…」

「色々と人間に影響され過ぎじゃね?普通其処は魔法陣か何か、とにかくオカルト的な物っしょ」

「そういやこの街って悪魔が管理を請け負っていたんだった…駅に関係者を配置しても不思議じゃないよな…」

「ほぇー、此処が冥界…」

「聞いていたイメージとは少し違うな」

 

そして迎えた冥界のグレモリー家への帰省(いや、俺達の場合は合っているのか?)の日…冥界は初めての俺達6人(俺、アーシア、ゼノヴィア、フリード、大輔、良太)は驚きの声を上げていた。

何しろこの街の駅に設置されているエレベーター、それが何時もの表示よりも更に下の階を表示して、到着したと思ったらもうそこが冥界だからな、色んな意味でびっくりだ。

 

「びっくりするのも無理は無いわね…朱乃達も最初はそうだったもの」

「あ、あはは…いっちゃん大丈夫?」

「おーい、早く行かないと置いて行くぜ?」

「イッセー、早く」

「分かった、今行く!…流石に下駄はやり過ぎか?」

 

オーフィスと佳奈の呼び出しに急いで向かうも、アザゼルさん(ヴァーリが言っていた和服を融通してくれる心当たりがアザゼルさんだった。確かに俺が依頼で伺った時も和服だったな)から貰った和服に合わせようとチョイスした、下駄に履きなれないからか思う様に走れない…今後慣らしていかないとな。

 

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「Hey,Boy’s and Girl’s!今日は俺達GRIDの特設ライブに集まってくれて」

「「「「「ありがとー!」」」」」

『Yeah!』

「それじゃ早速メンバーの紹介だ!まずはドラムのDaisuke!」

「ドラムのDaisukeだ!火を噴くドラミングを見せてやるぜ!」

「続いてベースのRyota!」

「ベースのRyotaだ!俺のベースに熱狂するなよ!」

「今日はキーボードとコーラスのGenshiroがいないから…サポートメンバーを連れて来たぜ!キーボードのArthur!」

「初めまして、キーボードのArthurです!私のキーボードは、全てを浄化させますよ!」

「いや俺達悪魔だからな!浄化させたらマズいからな!コーラスとレディースボーカルのOrphith!」

「我、ボーカル」

「最後はこの俺、ギターとメンズボーカルのIssei!俺の旋律に付いて来られるかい?以上、今日はこの5人で」

「「「「「派手にやるぜ!」」」」」

『Yeah!』

 

グレモリー家の領地に向かう途上の列車の中で急遽始まったGRIDのライブ、リアスの「イッセーの歌声を、ライブの形で聞きたいわ」という頼みから、列車が貸しきりというのもあってやる事となった(普通はこういう公共の場で、独断でやったら駄目だからな、読者の皆)。

シトリー会長の帰省に同行した元はいないが、代わりに「鍵盤楽器には自信があります」とキーボード担当としてアーサーが入った…コーラス担当がオーフィスなのは、まあ中の人ネタという事で。

 

「メンバーの紹介も終わった所で、一曲目スタートだ!一曲目は俺達の18番!」

「「「「「『BraveHeart』!」」」」」

 

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「かっこいい、かっこいいよ、いっちゃん!」

「これがイッセー率いるGRIDの音楽…凄いわ…」

「凄く良い曲でしたイッセーさん!私、感動しました!」

「これが、イッセー達が奏でる、ジャパニーズロックという奴か…凄い迫力だ…」

「お兄様のキーボード演奏も凄かったです!」

「大ちゃんも良ちんも、いい味出していたねぃ!変態コンビっ振りは何処えやらって奴か?」

「オーフィスって…歌上手いんだな…」

「「「「「ありがとー!」」」」」

 

曲の終了と共に響き渡る拍手と、所々から発せられる俺達メンバーへの声援…良かった、やった甲斐があったぜ!

さて、列車にいる時間は長い、このまま二曲目行くか!

 

「この勢いで二曲目に移るぜ!観客の皆、何かリクエストは無いかい?」

「そしたらイッセー、授業参観の時に鼻歌で歌っていたあの曲をお願いできるか?」

「『WildFlowers』だな、ゼノヴィア!良いぜ!それじゃあ二曲目はゼノヴィアのリクエストで」

「「「「「『WildFlowers』!」」」」」

 

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「周りが明るくなった…皆、そろそろよ」

「タイムリミットか。皆、今日は俺達GRIDの歌を聞いてくれて」

「「「「「ありがとー!」」」」」

『Yeah!』

 

何曲か演奏を続けていると、窓からの景色が一変し、それまでのトンネル内である事を示す真っ暗から日が暮れる寸前の様な紫色の空が広がった…これが、冥界…

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