ハイスクールSBR~堕天した花嫁~   作:不知火新夜

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50話_俺達、主の実家に招かれました

『お帰りなさいませ!リアスお嬢様と眷属の皆様!』

『ようこそおいで下さいました!兵藤様と眷属の皆様!』

「うおっ!?びっくりした…皆出迎えに来た執事か何かか?」

「ええ、そうよ。ただいま、皆。お出迎えしてくれてありがとう」

 

列車が駅に到着し、俺達がホームに降りると、待っていましたと言わんばかりにグレモリー家から出迎えに来たであろう執事やメイドの大軍からの挨拶の轟音が鳴り響いた…す、スゲェ…

そしてその轟音にびっくりした俺とは対照的に、気にした様子もなくリアスは出迎えてくれた大軍に礼を言う…これが何時ものグレモリー家の、いや、貴族の光景なのだろうか…イマイチ、臨時とはいえ俺もその仲間入りしたという実感が沸かない。

 

「お帰りなさいませ、リアスお嬢様に、その眷属の皆様。そして兵藤様とその眷属の皆様、道中お疲れ様です」

「ただいまグレイフィア。元気そうね」

「久しぶりですグレイフィアさん、流石は名門って言われているグレモリー家って所ですか…信じられない光景を見た気がします」

「兵藤様も臨時とはいえ上級悪魔となった身、そしてその力量があれば直ぐにでも『臨時』の文字は消えるでしょう、今から慣れる事をお勧めします。それでは皆様、馬車を何台か手配しましたのでお乗り下さい。本邸までこちらでご案内します」

「…私達とイッセー達は此処で一旦お別れかしら」

「…そう、だな。俺は仕事の関係でヴァーリ達を監視しなければならないしな」

 

大軍から出て来たグレイフィアさんの案内で俺達は馬車(ここら辺も貴族の何時もの光景か?徹底されているな)に乗り込もうとするが…多くても10人位か、このサイズだと。

…仕方ないな、リアスは大輔と良太(冥界は初めて)とギャスパー(対人恐怖症)の面倒も見なきゃならないし、俺はオーフィスとヴァーリとアーサーとルフェイと美猴(元テロリスト)を監視する必要がある…そう結論付け、後ろ髪引かれながらも俺達は別々の馬車に乗り込んだ。

 

「そんじゃあ、点呼取るぞ。れーちゃん」

「はい!」

「ゼノヴィア」

「ああ、此処だ」

「アーサー」

「はい、此方に」

「アーシア」

「は、はい!」

「ルフェイ」

「はい!」

「ヴァーリ」

「此処に」

「美猴」

「おう!」

「最後にオーフィス」

「ん」

「良し、全員いるな。運転手さん、出発して下さい」

「了解しました、兵藤様」

 

点呼で全員いる事を確認した俺のゴーサインに返事した運転手さんは手綱を操って、グレモリー家本邸への道へと馬車を進ませた。

 

------------

 

「兵藤様、到着いたしました」

「はい…!す、スゲェ…!」

「お、大きい…」

「流石は名門グレモリー家という所か…」

「ほぇー、凄いお城です…」

 

馬車が走り出して1時間近くは経っただろうか、馬車が止まり、運転手さんの到着の知らせに応じながら外に出ると、其処には…巨大、と言うしかない位にデカい城がそびえ立っていた。

更には俺の目前に立っている門、そしてその隙間から見える、道の両脇で待機している執事とメイドの列…つくづく、名門って凄いなと思える。

 

『リアスお嬢様と眷属の皆様、お帰りなさいませ!』

『兵藤様と眷属の皆様、ようこそおいで下さいました!』

「ど、どうも、お出迎えありがとうございます」

「ただいま、今帰ったわ」

 

流石に2回目だからこの轟音は予想できたので、戸惑いつつも挨拶した。

と、そこへ、

 

「リアスお姉様!お帰りなさい!」

 

紅い髪の男の子がリアスに抱き付いて来る…紅い髪、何処かリアスに似た顔付き…リアスの親族か何かか?

 

「リアス、その子は?」

「この子はミリキャス、ミリキャス・グレモリー。お兄様の子で私の甥なの」

 

サーゼクス様の…て事は、母親はグレイフィアさんか?

 

「ミリキャス、久しぶりね!」

「はい!あの、貴方は?」

「俺は兵藤一誠。つい最近までリアスの眷属だったんだけど、色々あって上級悪魔になったんだ。宜しくな!」

「貴方が、お父様が言っていた!話に聞いていた通り、凄く格好いいです!あの、イッセー兄様と呼んでも良いですか?」

「に、兄様…ああ、良いぜ!」

「はい、イッセー兄様!」

 

兄様、か。

 

------------

 

それから城の中に入った俺達は、途中で出迎えてくれたリアスの母さん、ヴェネラナさん(余りに若い外見から、俺を始めとした数人がリアスの姉さんかと思った…どうやら余剰の魔力で外見を維持しているとの事…改めて、悪魔ってすげぇ)と自己紹介を交わしつつ、グレイフィアさんの案内で各々に割り振られた部屋に入った…あと少ししたらリアスの父さんも帰って来るらしく、その時に合わせて夕食に呼ばれるとの事だ。

さあ、どうなるか…

 

「兵藤様、夕食の支度が整いました」

「はい、今行きます」

 

グレイフィアさんの呼び出しに応じ、俺は部屋を出る…何だか今、戦場に出陣する兵士みたいな気分だ、良くドラマとかで「娘さんを俺に下さい!」と言って結婚の許しを得ようとするシーンがあるが、その時の男の心情も、似た様な物なのかも知れないな。

 

「兵藤様をお連れしました」

「兵藤一誠君、今日は良く来てくれたね。歓迎するよ」

「は、はい。今日はご招待いただきありがとうございます」

 

普段ならしない様な言葉遣いになりつつも、案内された席に着く。

席にいるのは、俺、リアスの父さん…長ったらしいからグレモリー卿で良いか、ヴェネラナさん…3人だけ?…つまり、夕食前に俺に話がある、という事か。

 

「時に兵藤一誠君…いや、堅苦しいからイッセー君、と呼んで良いかい?」

「は、はい」

 

来た…!

 

「…今日から、私の事はお義父さんと呼んでくれても構わない」

「………………へ?」

 

…えーと?

 

「貴方、性急にも程がありますわ。イッセー君が反応に困っているでしょう」

「う、うむ。しかし、めでたいではないか。我々にとってもリアスにとっても、願っても無い縁だ、素数でも数えていないと平静になれん」

「貴方、まだまだ浮かれるにはまだ早い、という事ですわ。この場で中の人ネタが出る程の状態で持ち出しても、話が纏まりませんわ」

「そ、そうだな。どうも私は急ぎすぎるきらいがある…2、3、5、7、11、13、17、19、23、29…」

「あら、本当に素数を数え出してしまったわ…御免なさいねイッセー君。うちの人、取り乱すと素数を数えて止まらなくなってしまう癖があって」

「あ、あはは…ところでヴェネラナさん、今の話ですが…その…」

「その話ですが…イッセー君は、暫くこちらに滞在するのでしょう?」

「はい、ヴェネラナさん達に挨拶をするのもそうですが、俺も上級悪魔となった身、色々と参加しなければならない行事もあるでしょう…明日の若手悪魔の会合も、リアスと共に招待されていますし」

「その行事において恥ずかしくない様、貴方には紳士的な振る舞いも身に着けて貰わなければなりませんから。こちらでマナーや悪魔社会の歴史に文字、その他諸々の学習をして頂きます」

「有難いです。サーゼクス様から重要犯罪人保護観察官の任も受けた以上、報告書の類も提出する必要があるでしょうし、今から学ばなければと思っていた所です」

「職務熱心ですね。その信念を忘れないようにお願いしますわ。

 

将来、リアスを嫁として預ける家の頭首として、恥ずかしくない様に」

 

!…それって…

 

「あ、言葉が足りませんでしたわね。正妻の座を狙っている訳ではありませんわ。貴方には将来を共にする存在が既にいる事、サーゼクスから聞き及んでいます。リアスの意見もまだ聞いておりません。今は頭の片隅に置くだけでも構いませんわ。ですが…」

 

その後にヴェネラナさんから聞いた話で、俺は色々な意味で仰天すると共に、1つの覚悟を決めた…

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