ハイスクールSBR~堕天した花嫁~   作:不知火新夜

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58話_俺達、健闘を誓い合いました

焼き鳥野郎の引き籠りを改善してから更に数日が経ち、リアス達のレーティング・ゲームが迫って来たこの日、サーゼクス様がその前夜祭(1日前じゃないから語弊があるが)としてパーティを開く事になり、俺達兵藤眷属は、リアスが先程指定した場所で待ち合わせた…のだが、

 

「な、なんだ…?急に薄暗くなった?」

「いっちゃん、アレ!」

「な、なんだアレは!」

「お、大きいドラゴンですか!?」

 

其処に現れたのは紫色を基調とした、巨大なドラゴンだった。

良く見るとその背にはリアスに朱乃さん、小猫ちゃんに木場、佳奈に美月、塔也にフリード、大輔に良太、そしてギャスパー…リアスの眷属が勢ぞろいしていた…まさか、コイツに乗って来たのか?

余談だが、大輔がまるでミイラみたいな包帯ぐるぐる巻きになっていたのには少し笑った。

 

「ごめんね一誠、待たせたかしら?」

「いや、ついさっき来たばかりだ。所で、このドラゴンは一体?」

「彼は魔龍聖(ブレイズ・ミーティア・ドラゴン)タンニーン。ドラゴンから転生した、最上級悪魔なの。昨日まで大輔の指導をしていた縁で、今日のパーティの会場に連れて行ってくれる事になったのよ」

 

ドラゴンの転生悪魔…どおりでドラゴンとしての力の他に、悪魔としての力を感じる訳だ。

しかし大輔が包帯ぐるぐる状態になる程って、どんな指導をしたんだが…アザゼル先生がメキメキと力を付けているとは言っていたが、こうもしたら嫌でも付くだろう…

 

「初めましてと言うべきだな、兵藤一誠。リアス嬢から紹介のあった、タンニーンだ。此度は上級悪魔への昇格、おめでとう…まさかドライグとアルビオンが同じ釜の飯を食べる日が来るとは思いも寄らなかったが、その面構え、力の膨大さ…成る程、それも納得できる」

「初めまして、兵藤一誠です。いえ、まだまだ俺は未熟ですよ」

『そう謙遜する事は無いぞ、相棒。未熟は未熟でも、相棒の場合は成長の余地に溢れているという意味、それでいて今の時点で我らをも凌駕して見せるのだから恐れ入る』

『ヴァーリも今までの相棒の中で最高の才を有していたが、一誠はその遥か上をいっていた…強さを尊ぶヴァーリが惹かれるのも当然の摂理と言えるな』

「ああ、主イッセーは全世界の頂点を狙える存在と言っても過言じゃ無い」

 

いやヴァーリ、それは流石に言い過ぎだぜ…確かに全世界でも5指に入ると言われる強さのオーフィスからは、自分と同等の物を感じると言われていたが、そのオーフィスですら、世界最強のグレートレッドには全く歯が立たなかったんだ、それと同等の物を持っている…程度でしかない俺だと余計厳しいんじゃないか?

 

「まあその話は置いて…今日は宜しくお願いします、タンニーンさん」

「うむ、では出発だ!」

 

------------

 

「さ、サバイバル生活…?」

「ああ…ここ数週間、タンニーンのおっさんの領地で、おっさんの攻撃をかわしたり迎撃したり、或いは反撃に転じたり…今思えばあれが地獄とも言うべき場所なんだろうな…」

 

会場へ向かう途中、俺達は訓練の内容やその成果を発表し合っていた。

大輔はと言うと…タンニーンさんの領地に強制拉致され、悪魔に転生する前は『6大龍王』の一角に数えられたタンニーン殿自らの猛攻に晒される毎日だったとか…それなんてスパルタトレーニング!?

 

「まあでも、イッセーがガキの頃から積んで来た特訓を考えれば…これ位どうと言う事は無いさ。部長から聞いたぜ、幼い頃に離れ離れになったレイネルちゃんとまた会いたい、一緒になりたい一心で極限まで追い込むトレーニングを続けていて、それで得た強さで部長含めた色んな人を救って…改めて、お前の事格好いい奴だって、親友として誇らしい奴だって思ったぜ」

「…サンキューな」

 

其処まで誇られるのもくすぐったいな…当時の俺は、れーちゃんへの想いで一杯一杯、他の事なんか気にする余裕が無かった…というのもあったしな。

 

「俺は主に、朱乃さんやアザゼル先生から、魔力や神器の使い方を教わったな。基礎的な事が主だったけど、これが面白くってさ、グレモリー家にある魔力関連の蔵書を読み漁っては、グレイフィアさんに注意されたっけ…散らかすなとか、暗い中で本を読むなとか」

「ははは…良太らしいな」

 

余りの変態振りで影に隠れがちではあるが、良太は難関校で知られる駒王学園の入学試験を余裕で合格し、今でも学年で1桁順位に届くか届かないかという好成績をキープし続ける秀才で、特に興味を持った事への知識の吸収量は凄まじい…それが変態化を促進させた挙げ句『3サイズスカウター』とか呼ばれる羽目になるのはなんて皮肉だろうか。

 

「まあそんな事もあって、何とか物に出来た気がするんだ、俺の神器『躁鬱の音』をさ。今の俺が自慢できる事と言ったら、弦楽器掻き鳴らす位しかないからな、今の部長の眷属の中では…だからそれで、部長の想いに貢献したいんだ」

「あわよくばリアスと…とか考えていないだろうな、リアスは俺の彼女だからな?」

「別にそんなんじゃねぇよ…てか、部長ともフラグ建てたのかよお前、見境ないな…まあそれでも、俺達の親友であるお前を部長は救ってくれたんだ…今度は俺が、いや俺達が、部長の想いを叶えるべく、奔走する番だ」

「良太…」

 

ついひと月位前までエログッズを学校に持ち込みエロトークを繰り広げ、女子にセクハラ物の暴言を繰り出した奴とは思えない位、この2人は成長した。

後は…今言った様などうしようもない位の変態ぶりが落ち着けば良いんだがな…タンニーンさんの領地でサバイバル生活を強いられていた大輔は分からないが、良太はグレモリー領でナンパやら覗きやらを仕出かそうとしていたらしいからな…

 

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「一誠!それに大輔に良太も!」

「おう元、久しぶりだな」

「元気してたか?」

「そっちも厳しい訓練を積んだ様だな、前に会った時とはえらい面構えが違うじゃねぇか」

 

パーティ会場に着くと、一足早く着いたのか、元を始めとしたシトリー会長の眷属達がいた。

向こうもそれに気付いたのか、近づきつつ挨拶を交わす…良太の言う通り、その表情には気迫が漂っていた。

 

「ああ。そっちもって事は、お前らもかなりの物だったみたいだな…一月前に悪魔になったばかりだとは思えない位だぜ。だが俺だって会長からの厳しい訓練を乗り越えたんだ。一誠にも、リアス先輩の眷属になったお前ら2人にも、レーティング・ゲームでは負けないぜ!」

「望む所だ、二天龍の力を見せてやるぜ!」

「俺達だって負けないぜ!」

「後で後悔したって遅いぜ!」

 

そう言葉を交え、俺達は健闘を誓い合った。

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