ハイスクールSBR~堕天した花嫁~   作:不知火新夜

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65話_作戦、遂行されました

純粋な力量に勝るリアスの眷属を、知略と技量に長けたシトリー会長の眷属がどう崩していくか、そんな前評判が大勢を占めていた今日のレーティング・ゲーム。

だがその蓋を開けてみれば、

 

『ほらほらぁ、ナマス斬りだぜぇ!』

『ぐっがぁぁぁぁぁ!何で、何で神器が使えないんだ!?』

『ふっはっやぁぁ!』

『きゃぁぁぁぁぁぁ!結界が、結界が張れない…!?』

『せいっはっとう!』

『あぐっ!?攻撃を返せないなんて…!』

 

フリードが、塔也が、大輔が、木場が、佳奈が、美月が、小猫ちゃんが…とにかくリアスの眷属達が剣を振るって、自らの持つ神器や魔力が使えない事に戸惑っているシトリー会長の眷属達を斬りつけているという、何時の時代の白兵戦だよと言いたくなるような光景だった。

 

『Yeah!上げて行くぜぇぇぇぇぇぇ!』

 

そしてそのBGMとして流れている良太のソロライブ、恐らくあれが、今の光景の原因だろう…考えたな、良太。

 

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Side 大輔

 

作戦タイムの時、良太はこんな提案をしていた。

 

「こういう入り組んだフィールドとなれば、重要なのが偵察…つまりサーチャーの役割です。死角を無くして行ける存在ならば尚良い。俺達で言うなら、仙術を用いた小猫ちゃん、刺客の血を使ったフリード、そして、ヴァンパイアの能力を使ったギャスパーですね。特に、自分の周囲に範囲が限られる小猫ちゃんとフリードと比べて、ギャスパーは確か複数の蝙蝠に変化出来るんですよね。だとすれば隅々まで探索できる分、有用です。ですが相手はそれを承知していると聞きました。となれば強力な『目』となるギャスパーを真っ先に潰し、向こうの大局的な動きを悟られない様にしてくる筈です。ギャスパーはハーフとはいえヴァンパイア、弱点はかなり多く、対処のしようがあります」

「確かにね…で、何か策はあるのでしょう、良太?そんな顔しているわよ」

「はい。いっその事、ギャスパーを陽動として使いましょう」

「え、お、囮ですかぁぁぁぁ!?」

「良太、相手の出方が分からない以上、ギャスパーを失うのはかなり痛いわよ?」

「逆に言えば、向こうはギャスパーを撃破すれば優位に動けると考えるでしょう、その優位に浮かれている所を突きます。まず各自の動作ですが、腕っぷしの強い人と、素早く動ける人、そして罠の察知が得意な人の3人ずつ、計3チーム作ります。お勧めは、塔也先生とフリードと大輔、木場と小猫ちゃんと俺、朱乃さんと脇澤と美月ちゃん、ですね。まず塔也先生達はこのまま2階を進んでください。次に朱乃さん達は立体駐車場へ行き、罠を配置しつつ屋上へ向かって下さい。そして俺達は立体駐車場を経由して1階へ向かい、

 

スタッフルームへ向かいます」

「スタッフルーム…成る程、そういう事?」

「ええ、そういう事です。レーティング・ゲームの舞台となる異空間は、人間界とかの建造物を忠実に再現した物となっていると聞きました。恐らくは放送機材も使える筈。其処へいち早く向かい、ギャスパーがやられたのを合図に、俺が躁鬱の音による効果を付加した音色を、フィールド全域に撒き散らします。撒き散らすのは…

 

『生命が持つ人智及ばざる力を封ずる』音色」

「人智及ばざる力…まさか!?」

「そう…敵味方問わず、魔力の行使、俺以外の神器の発動等々…様々な人智の範囲外の力を封じます。シトリー会長側の大半は、元は一高校生でしか無かった、いわば戦闘訓練とかを受けていない一般人…対してこちらは、元は堕天使である塔也先生に脇澤に美月ちゃん、教会で訓練を受けていた木場にフリード、猫魈である小猫ちゃん…人員は勿論の事、魔力が封じられた時に物を言うのが其々の近接格闘経験です、これなら勝ちはより確実な物となるでしょう。勿論、シトリー会長側にもそういった方面が得意な面子もいる筈です、其処で木場」

「何だい、元浜君?」

「何かしらの特殊能力はいらない、とにかく剣としての性能に特化した聖魔剣を人数分確保してくれ。この音色の中であっても、流石に聖剣の気までは封じられません、故に音色を発している時はこれを得物とすれば、武器持ちの相手にも優位に戦えます…

 

以上が、俺が立てた…名付けて、403作戦(オペレーション・フォービドゥン)!」

 

403作戦、か…何て言うか、すげぇ発想だなお前、本当に俺と同じく初レーティング・ゲームなのかよ…

 

「403作戦…本当にレーティング・ゲームが、戦場が初めてとは思えない、大胆な作戦ね…分かったわ良太、貴方の作戦、採用よ。祐斗、早速だけど良太の要求通りの聖魔剣を人数分お願いね」

「はい、部長。元浜君、期待通りの物を作って見せるよ」

「おう、期待しているぜ、イケメン野郎」

 

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こうして、良太が立案して採用された403作戦は、

 

「トドメだ!(ザン!)喰らえ!」

「ぐぁぁぁぁぁぁ!」

「匙先輩!?」

「よそ見は(ドズゥ!)厳禁だってねぇ!」

「あぐぅ…!?」

『ソーナ・シトリー様の『兵士』2名、リタイア』

 

ものの見事にスムーズに進行し、シトリー会長の眷属は悉くリタイアして後は王である会長のみ、一方でこちらは、囮となったギャスパーの犠牲だけで済んでいる…まさか、此処まで上手く行くとは思わなかったぜ。

さて、後は何処にいるかも分からないシトリー会長を探しに、

 

『皆、聞こえる?』

「はい、どうしました部長?」

「何かあったのか、主リアス?」

「あれ、何かこんな場面を以前見た気がすんだけど…」

 

『これから、ソーナに一騎打ちを仕掛けるわ』

「「「え!?」」」

 

通信機越しに届いたリアス部長からの連絡、それは、俺達3人は勿論、他の場に散らばる仲間達の度肝を抜いた。

 

「うわ出たよ、ご主人様の『私が私が』精神が」

「待たれよ主リアス、貴殿はライザー殿とのレーティング・ゲームで何を学んだ!主が出向く必要など今は無い筈だぞ!」

「今は絶対的に優勢な状況なんですよ!403作戦だって順調すぎる位順調です!このまま行けば勝ちは確実!それを態々ドブに投げ捨てるつもりですか!?」

『勿論分かっているわ、今それをする必要性が無いのも、却って敗北の危機を招く事も…でも、でも今日どうしても私がソーナを討ちたいの!勿論、皆を立ち合いとして連れて行くつもりだし、危なくなったらお願いするつもりよ…だからお願い!』

 

リアス部長のその迫真の声での懇願に、俺達は頷くしかなかった…何か、考えがあっての事だろうけど…

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