Side ヴァーリ
「さてディオドラ、何か弁解する事はあるか?」
「ぼ、僕は
シスターが大好きだ。そんなシスターを見る為に、幼少の頃から教会に行っていたんだ。勿論家に秘密にしていたけど結局バレて叱られたよ、『悪魔が教会に近づくなど言語道断』てね」
地に伏しているディオドラ・アスタロトに向けて処刑を通告した主イッセーだが、その後に発した言葉はうって変わって「話は聞いてやる」と言わんばかりの物だった、まるで裁判官が被告人に弁論の場を与えているかの如く…だがそれに対してディオドラ・アスタロトが発した言葉は意外な物だった。
何を喋っている、と突っ込もうとしたが、その引きつった笑み…実際は別の表情をしようとしているのに無理矢理笑おうとしている様なその表情を見て、俺は得心がいった…間違い無い、主イッセーはディオドラ・アスタロトに洗いざらい『自発的に』吐かせているんだ、自らの力を以て。
「でも時が経っても僕は諦められなかった。シスターたちのあの清楚な姿…
あの姿をどんな風に壊したら良いのか楽しみでしょうがなかったよ!今いる眷属の女の子達もまた、地元では有名なシスターだったよ。まあ、僕の誘惑に負けて追放された末に、壊れて行ったけど。あはは、清楚なシスターを抱いて、闇の中に堕ちて行く様は正に、僕の欲を満たすのに相応しい」
っ…こいつ、間違い無い!
黒歌が言っていた、幾多のシスターが追放されたという『噂』、その張本人がコイツであり…アーシアもまたその『噂』の犠牲者である事、今のコイツの話ではっきりした!
「ならばアーシアもか?」
「そうさ、僕の計画さ。僕の欲を満たす為にね!けが人を装って彼女に近づき、悪魔の気を出して周囲に気付かせる。其処に彼女が僕の傷を治す様を見せ付けて追放させ、其処を僕が近づいて堕とす…その予定だったけどその前に堕天使陣営に引き取られちゃったから、今度は上から虐げられている下級堕天使を利用して、アーシアを殺させて僕の眷属とし、堕天使達も皆殺しにしようとしたけど、まさかその堕天使の1人と君が幼馴染だったとは予想外にも程があるよ。お蔭でリアス・グレモリーに先を越された挙げ句、アーシアは君の女になってしまったって訳さ。傷も残っちゃって、取り越し苦労になっちゃったからさ…思い通りにならない物は皆ぶっ壊しちゃえと思って、奇襲も仕掛けたけど…何もかもが台無しだよ!」
「な…!ディオドラ・アスタロト…!アーシアを、シスター達の人生を、その想いを弄んだ挙げ句、私達をも利用していたなんて…許せない「待ってくれ、れーちゃん」い、いっちゃん?」
全てを白状したディオドラ・アスタロトに激昂したレイネルが飛びかかろうとするも、何故か主イッセーがそれを止めた、その主イッセーの表情は、顔色こそ素で真っ赤となった為伺えないが、如何にも冷静沈着といった顔付きだった…この落ち着き具合、妙な違和感があるな…。
「そうか、良く喋ってくれたな。そんなに喋って口が渇いただろう。水でも飲むと良い」
「あ、ああ、ありがとう」
そういって差し出した水を、『躊躇なく』手にして口にするディオドラ・アスタロト…だが、それは、
「ゴク…ゴク…っ!?あが、ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!?か、身体がぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「そんなにがぶ飲みすると身体に悪いぞ、
その水から発する聖なる気、そして主イッセーが口にした言葉…そう、悪魔にとっては猛毒と言える『聖水』だった、それを勢いよく飲みこんだら、その苦しみは想像を絶するものとなる…それを『自発的に』飲ませ、苦しませる…間違い無い、主イッセーは本気でキレている…!
「さて、自らの罪を告白したのは良いが、それをどうするかはまだ決まっていないな。どうした物か?」
「あがが、じゃ、じゃあ腹を斬ろう。日本の武士の重罪に対する罰として切腹という物があるだろう…罪人に多大な苦しみをさせながら死に至らしめ、そしてそれが名誉な物と教え込ませる…それが良いな。そうだ、このオーフィスの『蛇』で増幅された力も使おう(ドズゥ!)がはぁ!(ギギギギ!)あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
『自発的に』行われたディオドラ・アスタロトの切腹…遂に始まった、主イッセーによる処断が…あくまで、『始まった』だけだが。
「あぐ、済まない、忘れていたよ。幾多のシスターを犯しぬいた愚息も罰してしかるべきだったね(グシャッ!)ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ディオドラ・アスタロトは更に『自発的に』股間を魔力によって叩き潰した…そう、『自発的に』去勢を行ったのだ。
「がぁぁ…おっといけない、汚物を撒き散らしては迷惑だったね(ヒュゴォ!)ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ…!」
そしてディオドラ・アスタロトは『自発的に』、撒き散らされた色んな体液を、露出した内臓を、そして自らを順番に、魔力の業火で焼き尽くし…そして、断末魔の悲鳴を上げながら息絶えた。
全て、全て主イッセーがディオドラ・アスタロトに『自発的に』行わせた所業…主イッセーの力、これ程までの力とは恐れ入る…っ!
「其処の者、『出て来て跪き、名を名乗れ』」
「がっ!?わ、我が名はシャルバ・ベルゼブブ…」
俺が物陰からの気配を察知すると同時に主イッセーも気付いた様だ、自らの力を以て出て来させたのは、初老の悪魔だった…ベルゼブブと名乗っていたが、まさか旧魔王ベルゼブブの血筋か?
「ベルゼブブと名乗っていたが、貴様も旧魔王派、もっと言えば旧魔王ベルゼブブの血筋を継ぐ者か?」
「あ、ああそうだ、我ら真の魔王の血筋に『旧』魔王の烙印を押した偽りの魔王共を滅するべく、我らは禍の団に協力した。ディオドラの奴もスパイとして引き入れ、連中の様子を探らせ、グラシャラボラスの次期当主を殺したが…奴は『蛇』のコピーをあからさまに披露して計画を露見させた!挙げ句に薄汚いドラゴンを宿した貴様に成すすべも無かった!奴を引き入れたのは失敗だった「そうか、もう良い。『散れ』」ぐぁぁぁぁぁぁ…!」
シャルバ・ベルゼブブは主イッセーの力によって『自発的に』計画の真相を白状し、主イッセーの指示によってその身は滅びた…やはり、グラシャラボラスの次期当主は禍の団がやったのか…
「此処はもう安全の様だ…皆、帰ろう」
シャルバ・ベルゼブブの身が滅び、他の脅威が無い事を確認した主イッセーはそう告げ、転送された場所へと足を向かわせた…その圧倒的な力を背負った姿が、まるで雲の上にあるかの様な錯覚を受けた…主イッセーとは、嘗てライバルだと思っていた存在とは、超えるべき目標と定めていた存在とは、此処まで差が開いているのか…
皆さんが待ち望んでいたディオドラ(ついでにシャルバ)処刑ですが、どうでしょうか?
「いいぞもっとやって良かった」「やめたげてよぉ!」等の感想があれば遠慮なくお願いします!