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「兵藤一誠…取るに足らぬ存在と思っていたが…これ程までだとは!」
「なんてヤローだよ…こんなつえー奴だなんて聞いてねぇぞ!」
「どうするのよ…あんな奴がいたらこっちの計画に多大な支障が出るわ!」
「我々は踏んではいけない地雷を踏んでしまったという事か…旧魔王派め、なんて真似を…!」
「人間のままで今の力を手にしていたのなら此方に引きこもうとも思っていたが…今の彼は危険分子でしかない。我々の計画の為にも、真っ先に排除しよう」
とある部屋にて、5人の男女がモニターを囲んで口々に言葉を交わしていた…其処に映る映像には、征龍を発現させ、旧魔王派の悪魔達を蹂躙するイッセーの姿があった。
其処へ、
「でひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!この期に及んでやっとその化け物の凄さが分かった訳?英雄派諸君?」
「此処の連中は皆、少しも理解しようとしていませんでしたからね。あの化け物の脅威を正しく理解していたのは、リゼヴィム様と私のみ」
人を小馬鹿にするような笑い声を上げた、銀髪が映える中年男性と、慇懃無礼な態度を取る、同じく銀髪が映える青年の2人が現れ、場に緊迫した空気が流れ出した。
「リゼヴィム・ヴァン・ルシファー!?それに、ユーグリット・ルキフグスもか!」
「旧魔王派の腰抜け共が今更何の用だ?」
リゼヴィム・ヴァン・ルシファーと呼ばれた中年男性と、ユーグリット・ルキフグスと呼ばれた青年…2人共、イッセー達のレーティング・ゲームを狙って襲撃を企てた禍の団・旧魔王派に属する悪魔で、リゼヴィムはその名の通り旧魔王ルシファーの末裔、ユーグリットはその従者であるルキフグス家の出身だった…が、今回の襲撃には参加していなかった。
何故なら、
「どっかの誰かさんが言っていたじゃん?勇敢と無謀は違うってさ。あんな化け物にバカ正直に挑むのは無謀、それに気付いていた僕ちん達が腰抜け言われるの覚悟で参加しなかったのは勇敢、て訳。Do you understand?」
「貴方達もこれで分かったでしょう、あの化け物の恐ろしさを前々から危惧していた私達の眼が、節穴では無かった事が」
『っ…!』
彼らは前々から気付いていたからだ…彼らが『化け物』と恐れる、イッセーの脅威に。
禍の団が、イッセーを『赤龍帝である以外、何も無い』と歯牙にもかけていなかった時から。
「全く此処はバカチンの吹き溜まりだよホントに。あの化け物の恐ろしさをちっとも理解出来なかったばかりか『赤龍帝である以外、何も無い』だってさぁ。本当に笑わせて貰ったよ、でひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」
「んだとコラ!だったらテメェらはどうやってアイツの強さに気付いたって言うんだよ!あんな魔力も身体能力も無ぇ、赤龍帝でしか無かった筈のアイツが!」
「…あっきれたー、本気でそう思っていた訳?あの化け物が悪魔社会デビューした、焼き鳥とそのしもべ達とのレーティング・ゲームの映像を見ていないの?僕ちんもユーグリット君から見せられた映像であの化け物の凄さが分かったクチだけど、それでも大分マシだったと思うよ?」
「その映像は悪魔社会内で広まっていたのでそれを此方にもリークしたのですが、他の旧魔王派の方々にも見せた所、その反応に私も呆れて物が言えませんでしたよ。赤龍帝の力を過剰にアピールする為のCG合成だと思い込んでいたそうです」
「ホントにびっくりしたよー。で、僕ちん達があの化け物の恐ろしさを知らしめようとしても聞く耳持たないし、どうしようかと思ったよ。知っている奴もいたにはいたけどさ、あの糞ガキのいる所は気に食わないし、オーフィスは気付いた途端にトンズラこいちゃうし、結局糞ガキ達も出て行っちゃうしで、相談できる相手がユーグリット君しかいなかった訳だよ」
「ですがこれで分かった筈です。貴方達がその節穴な目で、歯牙にもかけない存在だと思い込んでいたあの化け物が、実は我らにとって恐れを抱くべき脅威だという事が」
リゼヴィムが糞ガキと言った存在…それは、彼の孫であり現代の白龍皇、そして今はイッセーの眷属となったヴァーリの事…そう、ヴァーリはリゼヴィムと、知らず知らずの内に禍の団に共に所属していた事になる。
一方、リゼヴィム達に言われ放題の5人の男女…英雄派と呼ばれた集団の幹部一同はその馬鹿にし切った、見下し切った態度に歯噛みしつつも、イッセーの脅威に全く気付けなかった為に反論はこれ以上出せなかった。
が、そんな中、1人の男性…学生服の上に漢服を羽織るという出で立ちをした男性が歩み寄り、
「…だが兵藤一誠を滅しなければ我らの目的を果たせない。何か策はあるのか?態々こちらの失態を馬鹿にする為だけに出向いた訳では無いだろう?」
「さっすが英雄派の代表!あの乱世の奸雄とか言われていた人間の末裔は切り替えが早いね!後ろの連中も、見習ったらいいと思うよ。でひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」
乱世の奸雄…三国志に登場する英雄、曹操孟徳が少年期に、当時有名な人物鑑定家だった許劭に評された事が知られている異名である…その曹操の末裔であり、英雄派の代表らしい青年は、リゼヴィムにそう問いかけた。
そんな彼の問いにリゼヴィムは他の男女を馬鹿にしつつも、
「で、対策だったね。まあ一言で言える位シンプルだけど、これがかなり難しいって奴。
あの化け物に匹敵する化け物をぶつけるか、あの化け物の弱点を突けば良いだけの話さ。尤も、オーフィスをも超えちゃった今、前者はお勧めしないね」
そう提案した…イッセーへの警戒の網は今、禍の団・英雄派にて築かれ始めた。
一先ずこれで第6章、及び第2部は完結となります。
それで今後の更新ですが、当分は第6章と第7章の間の日常パートの更新が主となり、その更新スピードも遅くなります。
その理由ですが、
・征龍が余りに強すぎ、このまま本編を進めてもイッセーが蹂躙するだけの展開になる。
・日常パート、特にデートシーンが余り書かれていなかった(登場人物たちの置かれた背景を考えると仕方なかったですが…)。
・この時系列を舞台にした原作、及び現在投稿している他のハイスクールD×D二次創作(ハイスクールGaear×Möbius等)とのクロス外伝を考えている。
等からです。
勝手な方針変更ですいませんが、今後もハイスクールSBRを、僕、不知火新夜をどうぞ宜しくお願いします。