ハイスクールSBR~堕天した花嫁~   作:不知火新夜

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79話_俺、指導を続けます

「あ、あの、イッセーさん?今日はトレーニング・ルームには行かないんですか?」

「ああ。今日はちょっと趣向の変わった特訓をしようとな」

 

毎日の日課となっているギャスパーのトレーニング、だけど今日は何時もの、B1階にあるトレーニング・ルームでは無く、1階の俺の部屋でやる事にした。

更に言うと、

 

「いっちゃん?」

「あらイッセー?此処でギャスパーのトレーニングをするって聞いたけど、私達は何で、此処でスタンバイしているのかしら?」

 

其処にいたのは、ゲームのコントローラーを構えて待っているれーちゃんと、リアスの姿があった。

 

もう一度言う、『ゲームのコントローラーを構えて待っている』れーちゃんとリアスの姿があった。

 

「ギャスパー、今日のトレーニングは趣向を変えて、俺とお前、れーちゃんとリアスでゲームをする。其処で1位を取って見せろ」

「え、えぇ!?それってトレーニングなんですかぁぁぁぁ!?」

 

失礼な、これでもちゃんとトレーニングと言える内容を考えているんだがな。

因みにテレビ画面に映し出されているタイトル画面には、某昔話の主人公を模したキャラクターが車掌姿で敬礼し、背景には日本の様々な場所の特産物を模したキャラクターが飛び跳ねたり踊ったりする様子が映し出されていた。

そう、俺達がやろうとしているゲームは『○太郎電鉄』、通称『○鉄』シリーズのとある1作だ。

 

「まあ詳しい内容は後で説明するとして、とりあえず初期設定を終わらせよう」

「そうだね。ちゃちゃっと終わらせて、始めちゃお」

「ええ、そうね」

「は、はい!」

 

まずはメンバーの名前を決めるか。

けど、ただ単に自分の名前を付けるだけじゃ面白くないから、ちょっと捻った物にするか。

で、決まった名前が、

 

俺→ホープ社長

れーちゃん→アルク社長

リアス→マリサ社長

ギャスパー→ユズキ社長

 

中の人ネタぇ…

さて、順番決めはどうなるか?

 

ユズキ社長(ギャスパー)→マリサ社長(リアス)→アルク社長(れーちゃん)→ホープ社長(俺)

 

この順番になったか、ギャスパーのトレーニング内容からして好都合だな。

年数はどうするか、うーん、3年位で良いか?これなら長くても2時間位で終わりそうだし。

よし、初期設定を完了した所で、今回のトレーニングの発表だ。

 

「さてギャスパー、今日のトレーニング内容を発表する。このゲーム中、お前のターン時のみ、神器の使用を許可する。お前のターンなら、サイコロを振る時だろうが、カード駅に止まってカードルーレットが回る時だろうが、?駅に止まってイベントルーレットが回る時だろうが、使って構わない。それらを用いて1位を取って見せろ」

「成る程、神器を用いた人力TASって訳だね。あ、人力じゃなかったね」

「ぼ、ボクの力だけでTASをしろって事ですかぁ!?」

「レイネル、TASって何かしら?」

「Tool-Assisted-Superplay、その頭文字を取ってTASと命名された、如何にも人智を超えた様に見えるゲームプレイ動画のジャンルです。普通だったら専用機材とかを使うんですけど、いっちゃんのトレーニング内容からして、ギャスパー君の神器がその代替になるって事ですね」

 

ネット動画とかで良く見かける動画ジャンル、TAS。

今日のトレーニングは、そのTASを、ギャスパーの神器によって現実の物とする、という物だ。

現状、ギャスパーの神器による効果は、時を『止める』か『止めない』か、のみ。

通じる相手になら現状でも強力ではあるのだが、通じない相手となると途端に無用の長物と化してしまう両極端な代物、そして、例え通じる相手にも、『止め』続けるのはギャスパーへの負担も多い。

それを、『止める』でも『止めない』でも無い、『鈍くする』という選択肢を作れないか?というのが今回のトレーニングの意図する所で、その方法として有用なのがTASだ。

TAS動画を撮る上で重要な機能と言えば何か、それはゲームスピードの変更だ。

通常ゲームはプレイヤー及びテレビの間隔に合わせる為に、コントローラーの入力受付を数十分の1秒毎に行う(バッサリ言うと、ゲーム機のフレーム処理毎に)。

その入力受付を延ばす方法、それがゲームスピードを、引いてはゲーム機の『時間』を『鈍くする』事だ。

だが、『止める』と上手く行かない。

ゲーム機の動作こそ止まり、現時点でテレビに映し出されている内容が保存されるが、同時に入力受付も行われなくなっている。

現状のギャスパーでTASをやろうとすれば、適当な所で『止め』て、内容を確認してから解除、其処から何フレーム経ったら入力を、という無茶をする必要がある。

故に『鈍くする』事を覚える必要があり、そのトレーニングとして最適、という訳。

これを覚えれば、これまで神器の能力が全く以て通じなかった相手にも、完全に通じなくとも『鈍くする』事も可能になり、また、これまで通じていた相手にも、力をセーブして『鈍くする』程度に収め、温存しつつ優位に進める、という事が出来る様になる。

まあ、折角真剣にゲームを楽しもうとしていたれーちゃんやリアスには申し訳ないけど、今回は、ちょっとな。

さて、上手く行くかどうか…

 

------------

 

「に、二刀流カード!も、貰っちゃいます!」

「開始早々二刀流カード!?」

「いきなりか、それも目押しで…」

 

俺の考えたトレーニングの、理想と言える結果、それをギャスパーは、難なく実現して見せてくれた。

まず開始早々に二刀流カードを目押しで引き、

 

「此処で4を出せば目的地…

ここです!や、やった!」

「ま、また目押しで決めた…」

「つまりボンビーは、俺に付く訳か」

 

あと4マスで目的地、という状況で目押しによって到着し、

 

「?駅に付きました!何にしようかな…

えいっ!やった、援助金ですぅ!」

「此処で援助金ゲット!?」

 

?駅のイベントで、莫大な援助金をゲットし、

 

「よし、伊賀上野を独占ですぅ!あ、のっとり君!」

「ちょ、ちょっと!?どの物件乗っ取るつもり!?」

 

莫大な資金に物言わせて俺達の物件を次々と乗っ取り、

 

「やったぁ!埋蔵金ですぅ!」

「うわぁ…

トレーニング内容を言い出した俺が言うのもあれだが、

 

こ れ は ひ ど い な」

 

終わって見れば、ギャスパーが圧倒的大差で1位、俺達は2位争いに終始するしか無かった。

まあゲームの方は、これなんて無理ゲーだよ、と思うが、トレーニングとしては良い結果になって良かったぜ。

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