Fate Grand Order 絶対魔導王政ブルボン   作:華原晋

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怪人カリー・ド・マルシェ

マシュ

「ま、まあ・・・カリーさんの能力のお話はこの辺で。

 それにカリーさんは吸血鬼ということですので、マリー王妃の吸血鬼疑惑について、有益な情報を持っておられるかもしれませんし・・・」

カリー・ド・マルシェ

「さっそく〝カリー〟って、呼んでくれるなんて、なんて素直ないい子なんでしょう。マシュちゃんだっけ? お礼に貴方の全身を極上のカレー味にしてあげよっか?」

 

マシュ

「え、私の体を、カレー味に、ですか?」

 

立香

「───ごくり」

 

マシュ

「せ、先輩。そんな目でみないでください! だ、ダメです、体をカレー味になんて」

 

ジャンヌ・ダルク(オルタ)

「気色の悪いことしないで! まったく、セクハラみたいな事にしか使えない能力ね」

 

ジェネット

「それで、マリー王妃の真祖疑惑についての調査結果を教えてもらえないですか? 腐っても吸血鬼なのですから、有力な情報を得られたはずです」

 

マシュ

(腐っても)

 

ジャンヌ・ダルク(オルタ)

(意外と毒舌ね、このコも)

 

カリー・ド・マルシェ

「じゃあまず貴方たちの立てている仮説の検証からしましょうか。

 貴方たちは、王妃マリー・アントワネットは強力な吸血鬼で、第二身分の貴族たちは王妃に噛まれた吸血鬼、って考えてるんでしょう?」

 

<ダヴィンチちゃん>

『その通りだ。それなら第二身分の〝魔導〟と呼ばれる異能力や、あの生命力についての理由付けができるからね』

 

マシュ

「パリの市民から徴収した膨大な血液についても、彼らの食料として説明がつきます」

 

カリー・ド・マルシェ

「でも残念。吸血鬼として断言するけど、王妃マリーも第二身分の貴族たちも、誰一人として吸血鬼じゃないわ」

 

マシュ

「!!」

 

ジェネット

「それは、本当ですか?」

 

カリー・ド・マルシェ

「間違いないわ。まず吸血鬼の大本には二種類あるの。一つ目が聖霊が受肉したケースね。もう一つが魔術師が寿命を求めて魔術的に吸血鬼化したケース。根源を目指すには、人間の体では時間が足りないからね」

 

<ダヴィンチちゃん>

「人間は与えられた寿命の間で、なすべき事を成せばいい、と私は思うけどね」

 

カリー・ド・マルシェ

「それは天才の意見ね。でも魔術師という人種は、そうは考えないのよ」

 

マシュ

「カリーさんはどちらのケースなんですか? 聖霊にも魔術師にもみえませんが」

 

カリー・ド・マルシェ

「私は力ある吸血鬼に血を与えられて、眷属として吸血鬼化したケースね。

 そしてここでポイントなんだけど、眷属を作り能力を分け与えるためには〝血を吸う〟んじゃなくて〝血を与える〟必要があるの。」

 

カリー・ド・マルシェ

「つまり王妃は数万人の第二身分の貴族を眷属とするために〝血を与えている〟という事になるわけね。でもそんなのは吸血鬼の中の最高冠位である死祖でも、可能なのが何人かいるかってレベルよ」

 

カリー・ド・マルシェ

「そんな最強クラスの死祖がいたら、アタシじゃなくても気が付くし、そもそも埋葬機関が黙ってはいないわ」

 

<ダヴィンチちゃん>

「確かに、死祖討伐は埋葬機関の責務、それに魔術協会に匹敵する力を持つ聖堂教会なら、何らかの形で介入してくることもできるかもしれない」

 

ジャンヌ・ダルク(オルタ)

「じゃあ、あのパリ中から集めた血液は何のためのものよ?」

 

カリー・ド・マルシェ

「むしろそれが第二身分が吸血鬼ではない決定的な証拠よ。吸血鬼が食料とする血は、生き血でなければ意味がない。ワイン用の樽に詰めて何時間もかけて貴族たちの元に運ぶなんて、論外よ」

 

マシュ

「な、なるほど」

 

カリー・ド・マルシェ

「加えて言うと、パリの市民から集めた血は、ヴェルサイユには運ばれていないわ」

 

ジェネット

「では、どこに?」

 

カリー・ド・マルシェ

「さあ、距離的にパリ市内のどこかに〝工房〟があることは間違いないわ。そこで血液は、あるものと合成される

 ここで貴方達が先ほど話していた話題に戻るわね。ヴェルサイユ宮殿にあるはずなのに、無いもの」

 

<ダヴィンチちゃん>

『そうか宝石!! 宝石と血液、つまり一種の宝石魔術という事か!』

 

カリー・ド・マルシェ

「そゆこと。フランス中から集められた宝石は、パリの市民からの血液と合成されて、第二身分達の魔力の源となっているの」

 

カリー・ド・マルシェ

「これがその物的証拠。とある貴族から盗んだ宝石だけど、血の匂いと共に魔力を放っているわ。第二身分の貴族たちはこれを体内に宿すことで、魔導の力と生命力を身に着けたというわけ」

 

マシュ

「体内に宿す、つまり食べてしまうわけですか」

 

カリー・ド・マルシェ

「その通り。アタシは血の味のする宝石なんて、食べる気しないけどね」

 

<ダヴィンチちゃん>

『しかし、いくら宝石魔術といっても、宝石に一般人の血液をぶっかければいいもんじゃない。高度な魔術の素養と技術が必要になるはずだ』

 

立香

「もしその秘密があるとすれば──」

 

マシュ

「それは、〝聖杯〟の可能性が高いですね」

 

<ダヴィンチちゃん>

『ねえカリー、王妃の周りに不思議な杯の噂はないかい?」

 

カリー・ド・マルシェ

「杯? そうねえ、無いこともないわよ」

 

ジャンヌ・ダルク(オルタ)

「なんですって!?」

 

カリー・ド・マルシェ

「宝物庫にあるはずだから、今から行ってみる?」

 

マシュ

「はい、ぜひ」

 

<ダヴィンチちゃん>

『うまくいけば戦わずして聖杯を確保できるね』

 

カリー・ド・マルシェ

『じゃあついてらっしゃい、こっちよ』

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