Fate Grand Order 絶対魔導王政ブルボン 作:華原晋
カペー店長
「何者、だと? まさかこのフランスで、我が名を問う者がいようとはね。
だが、あえてその問いに答えよう。我はルイ=オーギュスト・ブルボン。フランス国王ルイ16世である」
マシュ
「カペーさんが、ルイ16世!?」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「このおっさんが、フランスの王様で、マリー・アントワネットの旦那?」
ルイ16世 (カペー店長)
「みんな、黙っていてゴメンね。ボクがフランス王なんだ」
マリア・テレジア
「ルイ・・・フランス国王である貴方自ら反徒に与するとは、なんと愚かな男なのでしょう」
ルイ16世
「愚かなのは貴女だ。彼らが反徒なら、パリ市民を苦しめる貴女はオーストリアからの〝侵略者〟に過ぎない。さらにマリーの友に手を挙げるなど、もはや捨て置けぬ」
マリア・テレジア
「痴れ事を!」
<ダヴィンチちゃん>
『カペー技師、いやルイ16世の魔力上昇、これは───女帝マリア・テレジアと同規模のもの』
マリア・テレジア
「──────」
ルイ16世
「──────」
<ダヴィンチちゃん>
「魔法使い級二体の魔力の激突だ! 巻き込まれたら一瞬でミンチ肉になっちゃうぞ
!!」
マシュ
「先輩、私の後ろに下がってください!」
<ダヴィンチちゃん>
『信じられない。ルイ16世もまた、魔法使いとでも言うのか?
ルイ16世
「ふむ、天才である君でも、間違えることはあるんだね。
ボクは決して〝魔法使い〟ではない。そしてそれは、義母上も同じ!」
マリア・テレジア
「つくづく愚かな! わたくしたちの権威を自ら否定するとは」
ルイ16世
「〝権威〟とは、長年の努力と英知の積み重ねとして完成されるもの。
けっして〝偽物〟を本物に見せかけることではないのです」
ルイ16世
「カルデアの者達よ。神秘に携わり、多くの英霊と交流を持った君たちならわかるはずだ。
目を凝らし、真実の姿を見たまえ
──ぬん!」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「王妃の光を押し返した?!」
マシュ
「先輩、みてください。〝神聖杯〟の輝きが!」
立香
「あの輝きは、普通の聖杯のもの!? 〝神聖杯〟じゃ、ない!?」
<ダヴィンチちゃん>
『魔力計も正常に戻った。計測開始!!
──王妃の魔力は特大だが、魔法じゃない。繰り返す、王妃は魔法使いなんかじゃないぞ!』
立香
「つまり、〝神聖杯〟も〝魔法〟も、真実のものではない!?」
ルイ16世
「当然だ。考えてもみたまえ、〝神聖杯〟が本物なら聖堂教会が黙ってはいないし、〝魔法〟が真実なら、魔術協会は何としてでも確保しにくるだろう」
<ダヴィンチちゃん>
『た、確かに。
まさか王様にオカルト分野のダメ出しを喰らうことになるとはね』
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「そんなこと言ってる場合? 来るわよ!」
マリア・テレジア
「・・・我が権威の秘密を知った限りは、もはや生かしてはおけません。
骨すら残さず塵と消えなさい!!」
<ダヴィンチちゃん>
『マリア・テレジアの魔力が再び増大!! 魔法じゃないけど、とてつもない魔力量だ』
衝突する二人の魔力
ルイ16世
「──くっ
残念だ、少しばかり、勝てないみたいだ」
マリア・テレジア
「同じ〝第一身分〟たる王族のよしみで過分に力を与えてしまいましたが、貴方の力は私が分け与えたもの。
勝負ありましたね、ルイ」
ルイ16世
「・・・はい、義母上さま。勝負はボクの勝ちですね」
マリア・テレジア
「負け惜しみとは、貴方らしくな──
しまった、ロベスピエールが逃げた!!」
ルイ16世
「ええ、もとより彼らの目的はあの男の救出ですからね」
自らの敗北と、ロベスピエールの脱走がもたらす意味を悟り、この優雅なる女帝の瞳が初めて憎悪の色に染まる。
マリア・テレジア
「──貴方、暴動でも起こすつもり?」
ルイ16世
「いいえ陛下、革命です」
マリア・テレジア
「・・・ふっ
なんという愚かな男なのでしょう。自らを処刑した男を、妻を、私の娘を処刑した男を、
この薄暗い監獄塔で、私の孫を虐待死させたあの男を解放するなんて!!」
ルイ16世
「義理母上、それもまた、王たる者の宿命なのです」
マリア・テレジア
「・・・もはや、貴方と交わす言葉もありません。
誰か、ここへ来なさい!!」
兵士A
「はっ!!」
マリア・テレジア
「プロシア方面に展開している大元帥に、至急帰還命令を!」
ルイ16世
「パリを、戦場になさるおつもりで?」
マリア・テレジア
「話す言葉は無いと言ったはずですが、答えてあげましょう。必要とならば焼き野原にする覚悟です」