Fate Grand Order 絶対魔導王政ブルボン   作:華原晋

23 / 47
革命

カペー店長

「何者、だと? まさかこのフランスで、我が名を問う者がいようとはね。

 だが、あえてその問いに答えよう。我はルイ=オーギュスト・ブルボン。フランス国王ルイ16世である」

 

マシュ

「カペーさんが、ルイ16世!?」

 

ジャンヌ・ダルク(オルタ)

「このおっさんが、フランスの王様で、マリー・アントワネットの旦那?」

 

ルイ16世 (カペー店長)

「みんな、黙っていてゴメンね。ボクがフランス王なんだ」

 

マリア・テレジア

「ルイ・・・フランス国王である貴方自ら反徒に与するとは、なんと愚かな男なのでしょう」

 

ルイ16世

「愚かなのは貴女だ。彼らが反徒なら、パリ市民を苦しめる貴女はオーストリアからの〝侵略者〟に過ぎない。さらにマリーの友に手を挙げるなど、もはや捨て置けぬ」

 

マリア・テレジア

「痴れ事を!」

 

<ダヴィンチちゃん>

『カペー技師、いやルイ16世の魔力上昇、これは───女帝マリア・テレジアと同規模のもの』

 

マリア・テレジア

「──────」

 

ルイ16世

「──────」

 

<ダヴィンチちゃん>

「魔法使い級二体の魔力の激突だ! 巻き込まれたら一瞬でミンチ肉になっちゃうぞ

!!」

 

マシュ

「先輩、私の後ろに下がってください!」

 

<ダヴィンチちゃん>

『信じられない。ルイ16世もまた、魔法使いとでも言うのか?

 

ルイ16世

「ふむ、天才である君でも、間違えることはあるんだね。

 ボクは決して〝魔法使い〟ではない。そしてそれは、義母上も同じ!」

 

マリア・テレジア

「つくづく愚かな! わたくしたちの権威を自ら否定するとは」

 

ルイ16世

「〝権威〟とは、長年の努力と英知の積み重ねとして完成されるもの。

 けっして〝偽物〟を本物に見せかけることではないのです」

 

ルイ16世

「カルデアの者達よ。神秘に携わり、多くの英霊と交流を持った君たちならわかるはずだ。

目を凝らし、真実の姿を見たまえ

 ──ぬん!」

 

ジャンヌ・ダルク(オルタ)

「王妃の光を押し返した?!」

 

マシュ

「先輩、みてください。〝神聖杯〟の輝きが!」

 

立香

「あの輝きは、普通の聖杯のもの!? 〝神聖杯〟じゃ、ない!?」

 

<ダヴィンチちゃん>

『魔力計も正常に戻った。計測開始!!

 ──王妃の魔力は特大だが、魔法じゃない。繰り返す、王妃は魔法使いなんかじゃないぞ!』

 

立香

「つまり、〝神聖杯〟も〝魔法〟も、真実のものではない!?」

 

ルイ16世

「当然だ。考えてもみたまえ、〝神聖杯〟が本物なら聖堂教会が黙ってはいないし、〝魔法〟が真実なら、魔術協会は何としてでも確保しにくるだろう」

 

<ダヴィンチちゃん>

『た、確かに。

 まさか王様にオカルト分野のダメ出しを喰らうことになるとはね』

 

ジャンヌ・ダルク(オルタ)

「そんなこと言ってる場合? 来るわよ!」

 

マリア・テレジア

「・・・我が権威の秘密を知った限りは、もはや生かしてはおけません。

 骨すら残さず塵と消えなさい!!」

 

<ダヴィンチちゃん>

『マリア・テレジアの魔力が再び増大!! 魔法じゃないけど、とてつもない魔力量だ』

 

衝突する二人の魔力

 

ルイ16世

「──くっ

 残念だ、少しばかり、勝てないみたいだ」

 

マリア・テレジア

「同じ〝第一身分〟たる王族のよしみで過分に力を与えてしまいましたが、貴方の力は私が分け与えたもの。

勝負ありましたね、ルイ」

 

ルイ16世

「・・・はい、義母上さま。勝負はボクの勝ちですね」

 

マリア・テレジア

「負け惜しみとは、貴方らしくな──

 しまった、ロベスピエールが逃げた!!」

 

ルイ16世

「ええ、もとより彼らの目的はあの男の救出ですからね」 

 

自らの敗北と、ロベスピエールの脱走がもたらす意味を悟り、この優雅なる女帝の瞳が初めて憎悪の色に染まる。

 

マリア・テレジア

「──貴方、暴動でも起こすつもり?」

 

ルイ16世

「いいえ陛下、革命です」

 

マリア・テレジア

「・・・ふっ

 なんという愚かな男なのでしょう。自らを処刑した男を、妻を、私の娘を処刑した男を、

 この薄暗い監獄塔で、私の孫を虐待死させたあの男を解放するなんて!!」

 

ルイ16世

「義理母上、それもまた、王たる者の宿命なのです」

 

マリア・テレジア

「・・・もはや、貴方と交わす言葉もありません。

 誰か、ここへ来なさい!!」

 

兵士A

「はっ!!」

 

マリア・テレジア

「プロシア方面に展開している大元帥に、至急帰還命令を!」

 

ルイ16世

「パリを、戦場になさるおつもりで?」

 

マリア・テレジア

「話す言葉は無いと言ったはずですが、答えてあげましょう。必要とならば焼き野原にする覚悟です」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。