Fate Grand Order 絶対魔導王政ブルボン 作:華原晋
マクシミリアン・ロベスピエール
──弱者を助けたい──
──市民を守りたい──
──不正を正したい──
そんな思いの炎は、貧しき幼少の頃から、この国の頂点に立ち、最後を迎えたあの日まで
遂には消え去ることは無かった
かつて母に死なれ、父に見捨てられた幼き私は
筆舌しがたい苦難の末、弟妹を養いながら、勉学に励んだ
ついに私は弁護士となり、弱者のために、弁護士として、無償で弁舌を振るう
だが、法で弱者を救うには限界はあった。
結局のところ、法が間違っていれば、人々を救うことはできないのだ
不条理と、差別と、不徳
その源にある身分制度と悪法
私は市民達の期待を一身に受けながら三部会に立ち、
悪法そのものを変えようとした
そして王室の頂点にあって、私と同じく、先進的な考えを持つルイ16世と出会う
それは地獄の玉座に、天使が座していたかのような、有り得ない奇蹟
──友になれたかもしれない
──同志となれたかもしれない
だが、王権に立つルイ16世と
市民に立つ私とが共に歩むことを
歴史は決して許さなかった
国王が優秀で善良であるほど
王政復古派の力は根強いものとなり
繰り広げられる内乱によって、多くの民衆が命を落とした
私は、理想を、革命を守るため、
敬愛してやまなかった国王さえも
断頭台に送らざるを得なくなる
──恐怖なき理想は無力である──
──理想を守るため、王族を処刑し
──理想を守るため、政敵を処刑し
──理想を守るため、かつての同志さえ処刑した
私の右腕は、いつしか彼らの返り血で、汚れ果てていた
だが、そんな私を
現実に生きる市民達は理解せず
遂には、彼らは私を恐れるようになった
〝恐怖を行う人〟(テロリスト)
それが、私につけられた最後のあだ名
やがて彼らの恐怖と怒りを浴びながら
私もまた、断頭台の露と消えることとなる
だが当時の人々は知りえなかったろう
──その右腕は、返り血にまみれ果てても──
──その心は、穢れを知らない純白のものであったということを──
断頭台に立つ側になっても、後悔は微塵もない
今は理解されなくとも
未来に、必ず理解される日が来る
──私の孤独は、いつか必ず癒されるのだから──
【あとがき】
私が学生の時には教科書に「ロベスピエールの独裁」と載っており、彼は理想的な独裁者の典型例であると習っていたのですが、最近の資料を読む限りは、軍事面等はカルノーらとの共同統治であり、独裁ではなかった様です
私財を蓄えず、市民に尽くした彼が、皮肉にも恐怖を行う人、テロリストの源になります