Fate Grand Order 絶対魔導王政ブルボン 作:華原晋
市民
「うおおおおおお!!」
市民
「革命万歳! 市民万歳!」
市民
「我らがリーダー、ロベスピエールが復活した今こそ、革命の時だ!」
市民
「革命だ! 王妃と貴族は我々の主権を奪う簒奪者だ!」
市民
「うおおおおおお!」
王大陸軍将校
「な、何をしている! ロベスピエールは政治犯だ。撃て!」
王大陸軍兵士
「し、しかし・・・」
王大陸軍将校
「アイツの恐ろしさがわからんのか?
ええい銃を貸せ! いいか、銃はこうやって使うんだ!」
ロベスピエール
「うぐ!」
クウニー
「銃火に身をさらして、貴様死ぬ気か!?」
ロベスピエール
「革命家は死を恐れない。運命を恐れない。
革命家は死してもなお、その意思は生き続ける永遠のものだからだ」
クウニー
「・・・・・・」
ロベスピエール
「それに拷問の際につけられた傷が深くてね、元より革命のリーダーは務められそうにない。
ジェネット、君が私の代わりにリーダーとなれ!」
ジェネット
「私が!?」
ロベスピエール
「君の才能は私に劣らない。君が民衆のリーダーとなるべきだ」
ジェネット
「私には・・・そんな資格はない。ロベスピエール」
ジェネット
「民衆が求めているのは、君だ。それに、私は・・・
──民衆を、愛せない」
ロベスピエール
「・・・・・・」
ジェネット
「私は・・・俺は、君と違って民衆を愛せない。そんな私にリーダーの資格なんかない」
ジェネット
「革命の理想には共鳴しよう。革命家の高潔さには敬意を払おう。
しかし民衆には愛すべき価値はあるのか? 我々の人生を捧げる価値はあるのか? 民衆たちは投獄された君を助けようとはせず、現状に甘んじ、だがこの期に及んで、再び君にすがろうとしている」
ジェネット
「第一身分も第二身分も醜い。だが第三身分たる彼らも醜い。
この世で美しいものがあるとすれば、革命家である君だけだ。私が革命家を目指したのも、そんな貴方と一緒にいたかったからだ」
ロベスピエール
「・・・ジェネット、英雄というのはどうやって生まれるのだと思う?」
ジェネット
「英雄?」
クウニー
「!?」
ロベスピエール
「〝英雄〟とは、行いによって生まれるものでは無い。それを待ち望んだ民衆によって生み出されるもの。そして人々に語り継がれるもの。いわば、過去に生きる存在」
ロベスピエール
「では我々革命家とは何か? それは人々の未来の理想に生きる存在。つまりは未来に生きる存在。
そして現在に生きる民衆たちとは、究極的には相いれず、我々は彼らの現実に押され、切り捨てられることを宿命づけられている存在」
ジェネット
「そうだ。理想に生きる僕たちは清廉にして孤独、つまり革命家とは孤高の存在だ。
孤高たる革命家は、なぜ民衆に裏切られ、捨てられることを承知で彼らに尽くすのだ?」
ロベスピエール
「確かに我々は清廉にして孤独な存在。
だが、決して孤高ではない。孤独であっても、孤高ではないのだ」
ジェネット
「孤独であっても、孤高ではない?」
ロベスピエール
「未来に生きる我々の理想は、民衆にとっての未来の現実、いずれ民衆が生きる未来の現実。
──ゆえに我々は孤高ではない。我々の理想は、いずれ人々が生きる現実なのだから」
ジェネット
「・・・」
シェイエス
「・・・・・・」
ロベスピエール
「今の民衆を愛せなくてもよい。未来の民衆を愛すればよい。
今の民衆に愛されなくてもよい。未来の民衆に愛されればよい。
──我々は民衆の、ほんの少し先を歩いているだけなのだ」
ロベスピエール
「ジェネット。再び求める。君が、私に代って民衆の代表となってくれ。智謀も度胸も弁才も、君は私に劣らない」
ジェネット
「・・・ようやく、君が見ているものを、〝俺〟も見れた気がするよ
俺の決意も決まった。君と共に、未来の民衆のために殉じよう」
(おもむろにカツラとドレスを脱ぎ捨てるジェネット)
ジェネット
「聞け! 我こそは革命家ロベスピエールが腹心にして懐刀。ルイ・アントワーヌ・レオン・ド・サン=ジュストである」