Fate Grand Order 絶対魔導王政ブルボン   作:華原晋

39 / 47
軍神復活

兵士達

「おおおおおおおお!!」

 

マシュ

「歓声!?」

 

ジャンヌ・ダルク(オルタ)

「何が起ったの?」

 

クウニー(?)

「民衆よ、兵士達よ、その手に銃を取れ。この国の主権、それは諸君らの掌にある!」

 

クウニー(?)

「国のために、仲間のために、愛する者のために、傷つき弾尽きてなお戦うお前たちの強さを───

 そしてこの天才(オレ)に率いられたお前たちの強さを、ヨーロッパ中に知らしめるのだ!

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト(クウニー)

「お前らこそ、我が栄光ある大陸軍。

 そしてオレこそは、共和国の皇帝ナポレオン・ボナパルトだ!」

 

兵士達

「皇帝!?」

 

兵士達

「まさか!? 本物?!」

 

兵士達

「本物だ。本物の皇帝ナポレオンだ」

 

兵士達

「皇帝、俺たちの皇帝だ!」

 

兵士達

「おいみんな皇帝だ、俺たちの指揮を執っているのは皇帝だぞ!」

 

兵士達

「大陸軍万歳!」

 

兵士達

「祖国に勝利を! 皇帝万歳!」

 

兵士達

「指揮官は皇帝! 勝てる、きっと勝てるぞ!」

 

マシュ

「クウニーさんが・・・」

 

立香

「ナポレオン・ボナパルト!?」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「そうだ。俺こそ共和国の皇帝、ナポレオン・ボナパルト。誰かが期待する限り、誰かが〝もしも〟と願う限り、そのすべてに応えてみせる男だ」

 

共和国皇后ジョセフィーヌ・ローズ(ローズ)

「皇帝だけじゃないわ。私もいるわよ!」

 

兵士

「凄い、ジョセフィーヌ皇后もいるぞ!」

 

兵士

「皇帝の幸運の女神だ」

 

兵士

「ばあさん万歳!」

 

共和国皇后ジョセフィーヌ・ローズ

「うっさい、せっかく若返ったのにヒトをばあさん呼ぶな! そのあだ名禁止!!」

 

マシュ

「ローズさんが、皇后ジョセフィーヌ・ローズ?!」

 

ジャンヌ・ダルク(オルタ)

「ちょっと待ってよ! じゃあ私たちが今戦っているのは誰?」

 

立香

「敵も大元帥ナポレオンなんでしょ?」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「馬鹿野郎! 大元帥だが大将軍だか知らんが、この俺がそんなものに収まる器だと思っているのか? ローマ法王に与えられる王冠すら要らん。この俺に相応しい称号があるとすれば、ヨーロッパの王、〝大欧王〟くらいを持ってこい!」

 

ジャンヌ・ダルク(オルタ)

「つまりあっちは偽物ってことね! マリー王妃と同じく」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「そういうこった。

 起きろ! ミシェル! 負傷なんかしている場合か!」

 

ミシェル

「こ、皇帝?」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「お前は馬鹿の樽屋じゃねえ! 猛者ぞろいの大陸軍にあって、なお勇者の中の勇者と称された男、ミシェル・ネイ元帥だ!」

 

ミシェル

「!?」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「あの地獄のロシア遠征でただ一人心折れなかった不死身の男が、これくらいのケガで寝てる場合か!」

 

ミシェル・ネイ元帥

「お、思い出した! 俺は、大陸軍元帥、ミシェル・ネイ。

うひょおおおおお!」

 

兵士

「ネイ元帥だ!」

 

兵士

「大陸軍一の勇者、ミシェル・ネイ元帥だ!」

 

兵士

「ネイの兄貴だ!」

 

マシュ

「一瞬にして兵士達の士気があがりました」

 

立香

「これは、勝てるかも・・・」

 

ミシェル・ネイ元帥

「勝てるかも、じゃなくて、勝っちまうんだよ。あいつはな」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「戦いは最後の5分間にある。まだ負けてない」

 

立香

「はい」

 

ミシェル・ネイ元帥

「勝つぞおおおおおおお!!」

 

兵士達

「うおおおおおおおお!!」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「──────」

 

味方の歓声の中で、ナポレオンは静かに目を閉じ、黙考する。

 

──軍事史では19世紀前半を〝ナポレオンの時代〟という。

 

あまたの英雄の中でも、個人の名が冠された時代区分を有するのは、唯一人、彼だけである。

 

〝天才〟

 

そう称される男の限界まで研ぎ澄まされた直感と───

 

芸術の域にまで編み上げられた軍略───

 

絶頂と奈落の底の全てを経験した軍歴。

 

その全てを動員し、

 

思考はこの戦場に顕現しうる、無限に近い可能性の中を

 

──光速で駆け巡る──

 

時間としてはわずか数秒の瞠目

 

だがそれで十分、

 

──彼はついに、細い、糸のようなわずかな可能性さえ手繰り寄せたのだ──

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「──よし、作戦を伝える。

 本隊は、現時刻をもってこのヴァルミー丘を放棄する」

 

ジャンヌ・ダルク(オルタ)

「結局逃げるわけ?」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「逃げるんじゃない。丘をあえて敵に取らせるんだ。

ネイ、お前は左翼後方で残った騎兵部隊を臨時で再編しろ! 大至急でだ」

 

ミシェル・ネイ元帥

「──まさか、アウステルリッツ!?」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「そうだ。あの戦争芸術の傑作を再現する。

 オレ率いる本隊は丘を捨てて、右翼後方の沼地に下がる。ジョセフィーヌ、お前は俺が本隊にいることを敵味方に派手に宣伝しろ!」

 

共和国皇后ジョセフィーヌ・ローズ

「わかったわ」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「ネイ、お前はこの丘を占領した敵が追撃に移った瞬間に、左翼後方から丘を奪い返せ! 伸びきった敵の側面を突いて敵を分断するんだ!」

 

ミシェル・ネイ元帥

「だがアウステルリッツの時は朝から発生した霧を利用して接近したが、今度はどうするつもりだ?」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「安心しろ、霧の代わりになるものを用意する。できるな?」

 

ミシェル・ネイ元帥

「当たり前だ。スルト元帥(パン屋)にできて俺(樽屋)にできないわけがねえ。そっちこそ、後退したまま敗走するんじゃねえぞ?」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「馬鹿野郎! あのダヴー元帥(ハゲ)にできて、オレにできないわけ無いだろう?」 

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「立香、お前たちカルデアの一行はネイと同行しろ! 馬には乗れるな?」

 

ジャンヌ・ダルク(オルタ)

「中世の騎士をなめないで! 

乗馬はアンタよりよっぽどうまいわよ」

 

マシュ

「私が馬の手綱を取ります。先輩は私の後ろに乗ってください」

 

立香

「わかった、マシュ」

 

ジャンヌ・ダルク(オルタ)

「とっとと終わらせるわよ!」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。