Fate Grand Order 絶対魔導王政ブルボン 作:華原晋
ジェネット
「まず私が、祖国フランスの現状について、説明しましょう。
すべての異変は、オーストリア帝国から、王女マリー・アントワネットが輿入れしてきたことから始まったのです」
<ダヴィンチちゃん>
『ほう』
ジェネット
「オーストリア王女マリー・アントワネットは普通の王女ではありませんでした。彼女は〝魔導〟という不思議な力を持ち、輿入れするや否や、不可思議な〝奇跡〟を実現し、人々を驚かせました」
ジュネット
「何もないところから火をおこしたり、糸で作った傀儡を、まるで生きている動物の様に操ったり、病人の病気を治したり」
マシュ
「マリーさんが・・・」
<ダヴィンチちゃん>
『まるで‹魔術›だね。この世界のマリーは、魔術刻印あったのかね~』
ジュネット
「そしてより重要なことは、マリー王妃は自分の臣下である貴族たちに、その奇跡の力を分け与えることができたのです。王妃と、同じく魔導に目覚めた国王ルイ16世は、その奇跡の力をお気に入りの部下たちに分け与えました」
<ダヴィンチちゃん>
『前言撤回だ。そこはまるで〝魔術〟とは異なる。魔術は基本的に一子相伝だし、それに魔術刻印は決してほいほいと分け与えれれるものじゃない。そんなことが可能なら、それは魔術刻印と似て非なるものだ』
マシュ
「秘すことこそが魔術の本質と言います。そもそも公にできる時点で魔導は明らかに魔術とは異なるものです」
ジェネット
「そして魔導の力を分け与えられた貴族は自ら〝魔導貴族〟を名乗り、その力を背景に新たな特権階級、〝第二身分〟を形成しました。そして魔導を与えられなかった人々を、〝第三身分〟として支配したのです」
<ダヴィンチちゃん>
『我々が知るフランスの身分制度とずいぶん異なるね』
ジェネット
「第二身分である彼ら貴族は、国民に対し新たなる税を課しました。それが血液に対する税です」
マシュ
「それが、あの血がたくさん入っていた樽ですか」
<ダヴィンチちゃん>
『まさに、血税だね。だが血を集めてどうするのだろう?』
ジェネット
「私も詳しくは知りませんが、血液と魔導には何らかの関係があるみたいです。集められた血液は、樽に詰められて毎日のようにどこかに運ばれています」
<ダヴィンチちゃん>
『そこは理解できる。血液は、魔力と切っても切れないものだからね。集めた血液は何らかの形で魔導に使われるのだろう』
ジェネット
「ここ最近のフランスでは凶作が続いていて、血税はまさに命を削り取る過酷なものです。血税の負担に耐え切れない人も多いのです」
マシュ
「それが先ほどの騒動でしたか」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「ふざけた世界ね。誰も、その〝血税〟に対して、抵抗しなかったの?」
ジェネット
「もちろん抵抗する人々はいました。真っ先に異議を唱えたのは、ロベスピエール様でした」
<ダヴィンチちゃん>
「フランス革命時における高名な革命家ね」
ジェネット
「しかし、抵抗は鎮圧され、収監されてしまいました」
<ダヴィンチちゃん>
『やはり、魔導を持つ貴族たちには勝てなかったってことかな?』
ジェネット
「それもあります。しかしそれ以上に、王政側に強力な軍事指導者がいたのです。
それが〝大元帥ナポレオン〟です」
マシュ
「え!?」
立香
「ナポレオンだって!?」