Fate Grand Order 絶対魔導王政ブルボン   作:華原晋

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皇帝の采配

【ヴァルミー丘後方 共和国皇帝ナポレオン本隊】

 

大陸軍兵士

「敵、想定通り我々が放棄したバルミー丘を占領!」

 

大陸軍兵士

「こちら向かってきます。数およそ3万!」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「ヴァルミー丘の敵兵力はどうだ?」

 

大陸軍兵士

「大半が丘を下りこちらに向かったため、少数の模様です」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「フン、敵は勝った気のようだな。だが勝つのは俺たちだ」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「聞け! 大陸軍の兵士諸君! 逃げるフリは終わりだ。この沼地で敵を迎え撃つ。敵の数は3万、我が軍の4倍だ!」

 

兵士

「4倍・・・」

 

兵士

「・・・か、勝てるのか?」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「たった4倍の敵しか用意できなくて、諸君らにすまないと思っている。〝張り合い〟が無くてすまないと」

 

兵士

「!?」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「諸君、聞きたまえ! この日この場において、諸君らを臨時の〝皇帝親衛隊〟とする!」

 

兵士

「俺たちが〝皇帝親衛隊〟!?」

 

兵士

「信じられない。夢みたいだ」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「そうだ。ヨーロッパを席巻した大陸軍の中でも最強の、俺直属の精鋭部隊! 地上最強の軍団だ!」

 

皇帝親衛隊兵士

「うおおおおお!!」

 

皇帝親衛隊兵士

「やった!!」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「───だがすまないな、〝皇帝親衛隊〟の諸君! 敵を〝わずか4倍〟しか用意できなくて。このくらいの兵力差で勝ったくらいでは、皇帝親衛隊の栄光ある名に傷がつきかねない」

 

皇帝親衛隊兵士

「─────────」

 

皇帝親衛隊兵士

「は・・・はは、確かにたった4倍の敵とは、俺たちも甘く見られたものだ!」

 

皇帝親衛隊兵士

「そうだそうだ!」

 

皇帝親衛隊兵士

「確かに、その3倍は欲しいぜ・・・」

 

皇帝親衛隊兵士

「いや、そりゃちょっと多すぎるだろ」

 

皇帝親衛隊兵士

「そんなことない。かつて見た伝説の古参親衛隊は、そのくらい強かった」

 

皇帝親衛隊兵士

「しかも皇帝が直接指揮するんだ。負けるわけがない」

 

皇帝親衛隊兵士

「そうだ! 〝皇帝親衛隊〟の栄誉に傷をつけるな!」

 

皇帝親衛隊兵士

「やるぞおおおお!」

 

皇帝親衛隊兵士

「うおおおおおおお!!」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「お前たちは、皇帝親衛隊! 

栄光も苦難も俺と共にあり、ワーテルローの地で俺を守るために最後の一人まで戦い散った男達、その伝統を継ぐ者達」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「───諸君らに命ずる。ネイが敵に突撃するまでの時間を稼ぐ!

 今こそ皇帝親衛隊の力を見せつける時!」

 

皇帝親衛隊兵士

「見せつける時!!」

 

皇帝親衛隊兵士

「俺たちは───」

 

皇帝親衛隊兵士

「皇帝親衛隊!!」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「ヒトよ、願え!」

 

皇帝親衛隊兵士

「願え!!」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「お前たちに、不可能は無い!」

 

皇帝親衛隊兵士

「不可能は無い!!」

 

共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト

「なぜなら、───オレがいるからだ」

 

───宝具解放───

〝凱歌を高らかに告げる虹弓〟《アルク・ドゥ・トリオンフ・ドゥ・レトワール》

 

奇跡を体現した英雄、共和国皇帝ナポレオン・ボナパルトより放たれる砲火。

 

絶望を打ち破り、逆境を超える虹色の炎が、轟音を伴い遥か前線に放たれた。


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