Fate Grand Order 絶対魔導王政ブルボン   作:華原晋

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突破

天を駆ける咆哮が地に舞い落ち、業火となってあたり一面を薙ぎ払う。

 

ヴァルミー丘周辺を焼き払った砲撃も、天才にとっては反撃のための第一手に過ぎなかった。

 

ミシェル・ネイ元帥

「つづけ!!」

 

ネイ騎兵

「おおおおお!」

 

砲煙の中から、鬨の声とともに騎兵部隊が飛び出す。

 

この奇襲を担ったのは急編成されたミシェル・ネイ元帥率いる騎兵部隊だった。

 

ジャンヌ・ダルク(オルタ)

「ケホケホ・・・目くらましに宝具の砲煙を使うなんて、なんて男なの!」

 

ネイ騎兵

「奇襲成功!! ヴァルミー丘周辺の残存敵部隊,突然の我らの出現に狼狽している模様」

 

ミシェル。ネイ元帥

「このまま蹂躙する!」

 

ネイ騎兵

「おおおお!!」

 

矛を交える必要すらない。馬蹄で踏みつぶす。

無数の王陸軍兵士が吹き飛ばされ、宙を舞う。

 

ネイ騎兵

「丘の奪還に成功!」

 

ミシェル・ネイ元帥

「とどまっている暇はねえ。速度を落とすな! 」

 

ネイ騎兵

「おおおお!」

 

王陸軍将校

「丘を、奪還されただと!」

 

王陸軍兵士

「後方遮断。我々は完全に孤立しました!」

 

王陸軍将校

「いかん、全軍後退、戻るんだ!」

 

王陸軍兵士

「沼地に逃げ込んだ敵が反転攻勢をかけてきました! 後退できません!」

 

王陸軍将校

「なんだと?!」 

 

───その瞬間、戦争の流れは完全に逆転した───

 

まるで電流が大地を駆け巡ったかのように、王陸軍全体に動揺が走る。

 

攻守は瞬く間に入れ替わり、王陸軍側が、完全に後手にまわることとなった。

 

〝戦争で最も重要なことは、主導権イニシアティブを取ること。そして主導権とは古来より、機動をもってのみ確保される〟

 

そして機動に特化した兵科こそ、騎兵であった。

 

騎兵とは天才の兵科である。

 

この機動力に長ける反面、防御力に決定的に劣るこの兵科を使いこなせる人物は、歴史以上数えるほどしかいない。

 

───英雄ナポレオン・ボナパルト───

 

彼は間違いなくその一人であり、あらゆる才能の中で最も稀有な才能、すなわち〝軍才〟を有する英傑、その中でも最高峰に存在する天才だった。

 

ミシェル・ネイ元帥

「このまま敵中央を食い破り、敵本陣に突撃する!!」

 

ネイ騎兵

「おおおお!!!」

 

そして天才ナポレオンが抜擢した大陸軍一の勇将、ミシェル・ネイ元帥は、その期待に応えうる類まれなる指揮官の一人だった。

 

だが、王陸軍を率いる指揮官は凡将ではない。

 

〝大元帥 〟

 

そう称し、敵対する王大陸軍を率いる〝彼〟もまた、かつて天才ナポレオンが抜擢した逸材の一人であり───

 

ネイ騎兵

「前方に敵部隊! 方陣を展開! 砲兵、こちらに狙いを定めてます!」

 

ミシェル・ネイ元帥

「なんだと! この奇襲に備えてやがったのか!」

 

カリー・ド・マルシェ(コウモリ)

「────あんたたちの皇帝より伝令よ」

 

カリー・ド・マルシェ(コウモリ)

「〝俺を信じてこのまま突っ込め〟、だってさ」

 

マシュ

「カリーさん!」

 

カリー・ド・マルシェ(コウモリ)

「吸血鬼を使い走りにするなんて、吸血鬼使いの荒い男ね」

 

ミシェル・ネイ元帥

「突っ込むってマジか? なんかすんごくワーテルローっぽいんだが! 今更だが、アイツ前に一度裏切ったことを恨んでないよな?」

 

ジャンヌ・ダルク(オルタ)

「今更ビビってるの? フランス一の勇者が聞いてあきれるわね!」

 

ミシェル・ネイ元帥

「ふん! 女に笑われるほど腐っちゃいねえ! 

 大陸軍元帥の死にざまをみよ! 全騎、俺に続け!」

 

ネイ騎兵

「元帥を死なすな!」

 

ネイ騎兵

「元帥の前に出ろ! 俺たちが盾になるんだ!」

 

<ダヴィンチちゃん>

『───待って、後方より急速接近する熱源を確認! これは!?』

 

マシュ

「ナポレオンさん宝具!? 2発目!?」

 

ジャンヌ・ダルク(オルタ)

「アタシたちに直撃するコースよ」

 

ミシェル・ネイ元帥

「アイツ、俺たちごと敵を焼き払う気か!?」

 

マシュ

「させません。

 宝具上方展開 〝今は遥か理想の城〟(ロード・キャメロット)!!」

 

マシュが展開した宝具、円卓の騎士団の伝説の居城、その伝説を具現化したその宝具が、業火から味方を守るために展開される。

 

ネイ騎兵

「おお!」

 

ネイ騎兵

「すごい!」

 

ネイ騎兵

「巨大な盾で、あの砲撃をしのいだ!」

 

ネイ騎兵

「前方の敵砲兵部隊、壊滅!」

 

ネイ騎兵

「味方の損害、───ありません!」

 

マシュ

「───ナポレオンさんは私の宝具で防げるギリギリまで攻撃力を落としていたみたいです」

 

ミシェル・ネイ元帥

「アイツ、これを計算にいれていたのか! 

 へっ、性格の悪さは、変わってねえぜ」

 

立香

「これが、天才───」

 

ジャンヌ・ダルク(オルタ)

「天才だかなんだかしらないけど、アタシの背中を撃つなんて、今度会ったらひっぱたいてやる!」

 

ミシェル・ネイ元帥

「俺の分も頼んだぜ! 聖魔女様!」

 

ミシェル・ネイ元帥

「敵部隊は崩れた! このまま中央を蹂躙し、敵本陣を強襲する! 

 いくぞおおおおお!!」

 

ネイ騎兵

「おおおおおおおおおお!」

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