Fate Grand Order 絶対魔導王政ブルボン 作:華原晋
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「最後に残ったのは、お前だけだな、ダヴー」
ダヴー元帥
「はい」
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「さすがだな。
仮の君主とはいえ最後まで忠誠を尽くすとは、都合が悪くなると裏切る連中とは大違いだ」
共和国皇后ジョセフィーヌ・ローズ
「だってさ、聞こえてる、ネイ?」
ミシェル・ネイ元帥
(ドキっ!! やっぱ俺が裏切った事を根に持ってる。絶対根に持ってる!)
ダヴー
「贖罪をいたします、皇帝」
そういうとダヴーは静かに帽子を取る。
その頭髪は、まるで山火事の跡の山のように無残に枯れ果てていた。
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「聞きたいことは一つだけだ。
なぜ俺を名乗った?」
ダヴー元帥
「───貴方に、ナポレオンになりたかったからです」
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「・・・・・・・」
ダヴー元帥
「戦場で奇跡を起こし続ける貴方は、私にとっては軍神そのものでした。私は軍神としての貴方が創り出す伝説の一部となることが、この上なく幸せでした」
ダヴー元帥
「しかしロシア遠征の頃から、貴方は軍神としての輝きを、次第に失っていきました」
敬愛の念はいつしか反転し、苛立ちは憎悪へと変化していきました」
ダヴー元帥
「そしてワーテルローの敗戦の折、思ってしまったのです」
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「・・・・・・」
ダヴー元帥
「私なら勝てた、私の方が強い、私こそ、軍神ナポレオンに相応しいのだと───」
ダヴー
「───思い上がり、万死に値します」
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「・・・・・・」
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「気にするな、ダヴー」
ダヴー元帥
「いいえ、この不敬、この裏切り、軍人として許されるものではありません。大恩ある貴方を裏切り、思い上がって、その名を騙ったのですから──」
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「過去の事はいい。俺にだって非はある」
ダヴー元帥
「しかし───」
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「気にするな」
ダヴー元帥
「私は、私は──」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「──────」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「このハゲーーーー!!!!」
ダグー元帥
「!!」
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「うお!?」
共和国皇后ジョセフィーヌ・ローズ
「ひゃ!!」
マシュ
「い、言ってしまいました・・・」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「違うでしょ、違うでしょ? 過去の事をネチネチネチネチと・・・」
マシュ
「・・・ジャンヌさんがそれを言いますか」
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「───いいかダヴー、尊敬する相手と戦ってみたい!? 尊敬する人間になりたい?
それは軍人として、当然の思いだ」
ダヴー
「!?」
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「俺だってイスカンダルと戦いたい! イスカンダルになりたい!
そして競い合い、オレの方が強いと、俺が史上最強だと示したい!」
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「そのどこがおかしい?
お前のその感情は、武人として当然のことなんだ!」
ミシェル・ネイ元帥
「そうだぜダヴー、俺だって皇帝に勝ちたいぜ!」
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「黙れネイ、お前なんかに負けるか!」
ミシェル・ネイ元帥
「やってみなけりゃわかんねえだろ?」
ダヴー元帥
「・・・ふふ、
しかし、完敗でした。やはり私の思い上がりに過ぎなかったようです」
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「当たり前だ。部下にそうそう追い抜かれてたまるか!」
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「───だが教えてやる。おれの部下の采配の中で、嫉妬を感じたのはお前だけだ。ダグー」
ダヴー
「!?」
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「ワーテルローの時は、先に負けちまってすまねえ。お前はパリで頑張ってくれてたのにな」
ダヴー元帥
「───こ、光栄の極み」
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「ちくしょう、ワーテルローは勝てた戦いだったのに・・・すべてネイのアホが悪いんだ。こいつが大砲の援護も無しに突撃しやがるから・・・」
ミシェル・ネイ元帥
「ちょ、とばっちり! いい話じゃなかったの!」
共和国皇后ジョセフィーヌ・ローズ
「私を捨てて若い女に乗り換えるから、ツキに見放されたのよ」
ミシェル・ネイ元帥
「そうだそうだ」
ダヴー元帥
「ふふ・・・」
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「ネイ、ジョセフィーヌ、ダグー
我らは栄えある大陸軍
いつの日かまた轡を並べて戦おうぞ!」
ミシェル・ネイ元帥
「おう!」
共和国皇后ジョセフィーヌ・ローズ
「ええ、もちろん」
ダヴー
「御意!」
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「おっと、俺たちも消える時間の様だ」
ミシェル・ネイ元帥
「しまった、ジェネットちゃんに告白するの忘れてた」
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「アイツは男だ、あきらめろ」
ミシェル・ネイ元帥
「だから男装の麗人だと言ってるだろ! なあ皇后?」
共和国皇后ジョセフィーヌ・ローズ
「さあ、自信があるならベッドで確かめてみたらどうかしら? じゃあねみんな──」(消滅)
ミシェル・ネイ元帥
「ベッドでついてたらどうするん──」(消滅)
共和国皇帝ナポレオン・ボナパルト
「ではな、今度会ったら勲章くらいはやろう。見事な働きだった──」(消滅)
<ダヴィンチちゃん>
『聖杯も回収したし、これで万々歳だね』
マシュ
「私たちも帰りましょう」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「・・・ちょ、ちょっと待って!」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「ダヴー元帥、えーと、さっきはその・・・」
ダヴー元帥
「?」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「だから、髪の事を・・・ご、ごめ・・・」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「・・・・・・」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「──貴方の生き方、とっても素敵よ。ダヴー」
ダヴー元帥
「!?」
ダヴー元帥 (にっこり)
────終───