Fate Grand Order 絶対魔導王政ブルボン 作:華原晋
ジェネット
「王妃によって見いだされた若手軍人ナポレオンは、旧態依然としたフランス王国陸軍とオーストラリア陸軍を解体して新たに〝王大陸軍(ロワ・グランダルメ)〟を創設。その圧倒的な軍事力で民衆の反乱を鎮圧しただけでなく、列強の軍隊をも撃破してヨーロッパの大半を征服してしまいました」
<ダヴィンチちゃん>
『流石は軍神ナポレオンといったところか。
ありがとう。これで大体の状況は把握できたね。おそらく〝聖杯〟は王妃マリー・アントワネットが持っていて、それが〝魔導〟の力の源であると考えて間違いない』
マシュ
「しかし、マリーさんがそんなことをするとはとても考えられません」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「どうかしら? あの王妃も暗黒面に落ちれば
〝パンが無ければピッザァを食べればいいじゃない〟って感じになるわよきっと。
それよりも、私にとっては一番大切な疑問が残っているんだけど?」
ジェネット
「それは何でしょうか?」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「決まっているわよ。どうしてジャンヌ・ダルクが〝聖魔女〟なの?」
<ダヴィンチちゃん>
『確かに、ジャンヌダルクを神聖視する風潮はこの当時のフランスにもあったが、それは聖女であって聖魔女なんてものではないからね』
ジェネット
「ああ、それについては、私の友人から直接説明した方がいいでしょう。ちょうどお店に来る時間帯です。どうぞこちらに」
マシュ
「お店、ですか?」
<ダヴィンチちゃん>
『へえ~、この家の表は酒場だったんだ。ジェネットちゃんのお店かい?』
ジェネット
「いいえ、店長が行方不明になってしまったらしくて、一時的に私がお借りしているだけです。
でも、酒場はいろいろと好都合なんですよ。いろいろな情報が集まりますし、人が集まっていても共謀を疑われにくいですから」
ジェネット
「あっ、みなさん集まっておられましたか」
気弱そうな紳士
「やあ、同士ジェネット君。先に上がらせてもらっていたよ」
ジェネット
「同志シェイエス様。もう来られていたのですね」
シェイエス
「ああ、町で噂の聖魔女を、謎の美女が連れ出したという噂を聞いてね。きっと君だと思っていたよ」
ジェネット
「はい。こちらは〝聖魔女〟ことジャンヌダルク御一行様です。
皆さんにも紹介します。我らがパリ解放同盟の盟主、同志シェイエス様です」
<ダヴィンチちゃん>
『エマシュエル=ジョセフ・シェイエス。その名はデータにある。フランス革命初期のリーダーだね。その後、ロベスピエールら他の革命家との内ゲバに敗れて地下に潜伏して逃げ延びた。通称『革命のモグラ』
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「あだ名が革命のモグラ・・・
────だっさ」
シェイエス
「モグラと呼ぶでない!」
ジェネット
「同志シェイエス様は、皆の思想的なリーダーでもあり、その臆病・・・いえ用心深さから他の同志たちが逮捕されても、今まで逃げ延びることができた方なのです」
シェイエス
「ふん。
しかし、なるほどクウニー君。君が書いた小説のジャンヌダルクのイメージにぴったりだね」
クウニー
「・・・そうだな。確かに俺の作品に登場する
聖魔女ジャンヌ・ダルクそのものだ」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「どういうこと?」
ジェネット
「同志クウニーは小説家の卵で、ずっと売れなかったんですけど、最近書いた革命宣伝用の小説がヒットしたんです。それが『聖魔女ジャンヌ・ダルク』。圧政に疲れた民衆の前に聖魔女ジャンヌ・ダルクが現れ、民衆たちを救うという小説です」
クウニー
「たまたまヒットしただけだ」
ジェネット
「そんなことないわ、クウニー。貴方は恋愛物よりも、ああいった作品の方が向いているわ。だってあなたの恋愛小説、ちっとも面白くないんだもの」
クウニー
「フン、ほめているのかけなしているのか、どっちなんだ」
ジェネット
「もちろんほめているのよ」
クウニー
「まあいい。それで、彼女が聖魔女ジャンヌ・ダルクというわけか。町でも噂になっているぞ。後ろの二人の外国人もだ」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「げ、また民衆に囲まれちゃう」
ジェネット
「それなら私が手を貸すわ。大丈夫、お化粧して服を着替えればバレません。お化粧は得意だし、服も色々もっているから、安心して下さい」
マシュ
「それは、いろいろと助かります」