新サクラ大戦・光   作:宇宙刑事ブルーノア

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第1話『新たなる風と光』
チャプター1『舞い降りた光』


宇宙に煌くエメラルド………

 

太陽系第3惑星・地球………

 

その直ぐ近くの宇宙に、不意に穴の様なモノが開いたかと思うと………

 

「ハッ!」

 

其処から、鎧の様な物を纏った巨人が飛び出して来た。

 

「………アレがこの宇宙の地球か」

 

巨人がそう呟いていると穴は塞がり、纏っていた鎧が光と共にブレスレットに代わり、巨人の左手首に装着される。

 

 

 

 

 

彼の名は………『ウルトラマンゼロ』

 

あの誰よりも地球を愛したウルトラ戦士・『ウルトラセブン』の息子である。

 

光の国の若き戦士である彼は、悪のウルトラマン・『ウルトラマンベリアル』との戦いを皮切りに、別の宇宙へと旅立ち………

 

其処で様々な戦いを潜り抜け、仲間と出会い………

 

神秘のウルトラマン・『ウルトラマンノア』から託された『ウルティメイトイージス』により、時空を超える力を手に入れた。

 

以降、様々な宇宙を飛び回り、後輩に当たるウルトラマン達を助けたりして戦っている。

 

 

 

 

 

そして今………

 

ゼロは、とある宇宙の地球を訪れていた。

 

「………イージスが反応している。間違い無いな。あの地球で何かが起ころうとしている」

 

左手のブレスレット………『ウルティメイトブレスレット』の青いランプが点滅しているのを見て、ゼロは確信する。

 

この地球に何かが起ころうとしているのを………

 

「! この気配は!?………怪獣?………いや、違う」

 

其処でゼロは、怪獣によく似た奇妙な気配を感じ取る。

 

「………行ってみるしかねえか!」

 

ゼロはそう言って、地球へと降下して行くのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太正19年、帝都・東京。

 

後に『降魔大戦』と呼ばれる史上最大の戦いが勃発。

 

帝都・巴里・紐育の華撃団はその脅威に果敢に立ち向かい、そして世界は救われた。

 

彼等勇敢なる華撃団………

 

その全員の消滅と引き換えに………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

其れから10年の時が過ぎ………

 

太正29年………

 

1人の男が、帝都・東京を訪れようとしていた………

 

「兵学校を出て、念願の海上勤務に就いたってのに………あの事件の所為で陸上(おか)に左遷か………」

 

窓の外を眺めながら愚痴る様に呟く、腰に打刀と脇差の大小拵えを携えた青年………『神山 誠十郎』

 

若い海軍少尉であるが、とある理由で転属となり、その任地へと向かっている最中である。

 

「特務艦の艦長に任命された時は心躍ったが、短い夢だったな………ホント、醒めないで欲しかった」

 

ガックリと肩を落とす誠十郎。

 

如何やら左遷されたと思っている様だ。

 

「………まあ、済んだ事は仕方無い。気持ちを切り替えていこう」

 

しかし、何時までも気落ちしてはいられないと、半ば無理矢理に気持ちを切り替える。

 

「さて………今度の着任先では、どんな任務が待っているのかな?」

 

そう言って、彼は再び蒸気飛行船の窓から、眼下に広がる帝都の街並みを見下ろすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新サクラ大戦・光

 

第1話『新たなる風と光』

 

チャプター1『舞い降りた光』

 

降魔登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝都中央駅・ロビー………

 

程無くして、誠十郎を乗せた蒸気飛行船は、帝都中央駅へと到着。

 

「へえ………此処も随分と綺麗になったもんだ」

 

中央改札を抜けた誠十郎は、綺麗な中央ロビーの様子に軽く声を漏らす。

 

「前に来た時は、10年前の戦いの傷痕が所々に残っていたが………今はすっかり元通り………いや、其れ以上の発展ぶりだ」

 

降魔大戦時、帝都は全域が戦場となり、壊滅的な被害を受けたとされるが………

 

其れが、10年で以前よりも発展した状態となっている事に驚きを隠せていない様子だ。

 

「さて………約束の時間まで、未だ余裕があるな。ちょっと、辺りを………」

 

と、誠十郎が言い掛けた瞬間、周りの人々が騒めき出した。

 

「ん?………騒がしいな、一体何だ?」

 

其れに誠十郎が気付いた瞬間!

 

突然!!

 

駅のステンドグラスを突き破って、何かがロビー内へ飛び込んで来た!!

 

キシャアアアアアアッ!!

 

其れは、羽根と一体化した腕を持ち、顔に目の無い異形の生物………

 

『降魔』の姿だった!!

 

「こ、降魔っ!?」

 

「キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

誠十郎が叫んだ瞬間、1人の女性が悲鳴を挙げ、其れを皮切りにした様に人々が我先にと逃げ出す。

 

グルルルルルッ………

 

降魔は、低い唸り声を挙げるとそんな人々を見回し、今にも襲い掛からんとする。

 

「イカンッ!」

 

誠十郎は、咄嗟に腰の二刀に手を伸ばす。

 

しかし、柄を握ろうとした瞬間、その手が止まってしまう………

 

「くっ………(俺に………何か出来るのか?)」

 

そんな思いから、刀を抜く事が出来ない誠十郎。

 

キシャアアアアアアッ!!

 

と其処で、降魔が再び咆哮を挙げると、或る方向を向いた。

 

「あ、あああ………」

 

其処には、恐怖の余り尻餅を着いて動けなくなっている、幼い少女の姿が在った。

 

そんな少女を、格好の獲物と見た降魔はその少女に近付く。

 

「ヒイッ!?」

 

少女の顔が恐怖に歪む。

 

「! 止めろおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

その瞬間、誠十郎は刀を抜き放ち、少女に襲い掛かろうとする降魔の背中に飛び掛かった!!

 

キシャアアアアアアッ!!

 

「! グハッ!?」

 

だが、降魔の尻尾が鞭の様に振るわれ、弾き飛ばされてしまう。

 

「ガハッ!」

 

そのままロビーの壁に叩き付けられる誠十郎。

 

次の瞬間!!

 

キシャアアアアアアッ!!

 

「!? ガッ!?」

 

降魔の尻尾が再び伸び、誠十郎の胸を串刺しにした!!

 

「亜子ちゃん!」

 

とその間に、少女の母親が尻餅を着いていた少女を抱き上げ、降魔の傍から逃げ去って行く。

 

降魔の尻尾が誠十郎から抜き放たれると、誠十郎の身体は力無く床に落ち、ピクリとも動かなくなった。

 

その下には、血溜りが広がって行く………

 

降魔によって貫かれた場所は心臓………

 

誠十郎は完全に即死状態だった………

 

だが、その時………

 

突如、空から光が舞い降りて、誠十郎の身体に吸い込まれていった。

 

降魔から逃げ惑う人々は、誰1人その光景に気付かない………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(俺は………死んだのか?………はは………呆気無い最期だったな………)

 

遠くなって行く意識の中で、誠十郎はまるで他人事の様にそう考える。

 

ふとその瞬間………

 

1人の少女の顔が過る。

 

(さくらちゃん………今頃どうしているかな………大きくなっただろうなぁ………死ぬ前に………一目会いたかったなぁ)

 

其れは幼少時に別れた、幼馴染の顔だった。

 

『煮え切らない奴かと思ったが、結構熱いところ有るじゃねえかよ』

 

(えっ!?………だ、誰だっ!?)

 

しかし、突然聞こえてきた声に、誠十郎の意識は急激に覚醒し始める。

 

『お前のその勇気、感動したぜ………心配するな。俺が助けてやる。その代わり、暫く身体を貸してもらうぜ』

 

(身体を借りる!? 如何言う事だ!? お前は誰だっ!?)

 

その瞬間………

 

誠十郎の目の前に、光が溢れる。

 

そしてその光の中に佇む、1つの巨大なシルエットの姿が在った。

 

(光の……巨人?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝都中央駅・ロビー………

 

キシャアアアアアアッ!!

 

「こっちに来るぞぉっ!!」

 

「早く逃げろぉっ!!」

 

「バカ! 押すなぁっ!!」

 

「上海華撃団は如何したんだよぉっ!?」

 

パニックになり、出口へと殺到してしまった為、出入り口で鮨詰め状態となってしまっている人々に迫って行く降魔。

 

「お母さん!」

 

「亜子ちゃん!」

 

その最後尾には、あの母娘の姿が在った。

 

キシャアアアアアアッ!!

 

とうとう降魔は、その親子に襲い掛かろうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………その時!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

回転しながら飛んで来た『何か』が、降魔の左腕を根元から切断した!!

 

!? キシャアアアアアアッ!!

 

切断面から紫色の血液を噴き出し、悲鳴の様な咆哮を挙げる降魔。

 

「「!?」」

 

其処で母娘が見たのは………

 

「………ヘヘッ」

 

放り投げた脇差をまるでブーメランの様に左手でキャッチして逆手に構え、右手にも太刀を逆手に構えて、不敵に笑っている目付きの鋭くなった誠十郎(?)の姿だった。

 

「妙な奴だな………怪獣とは違うみたいだが………」

 

左腕の無くなった降魔を見ながらそう呟く誠十郎(?)。

 

キシャアアアアアアッ!!

 

とその瞬間、降魔が誠十郎に標的を変え、襲い掛かって来る。

 

「ま、良いか………どの道、倒す事には変わり無えからな!」

 

誠十郎(?)はそう言うと、二刀の刃を擦り合わせて、火花を散らしたかと思うと………

 

「デェリャッ!」

 

身体を回転させながら、二刀を勢い良く放り投げた!!

 

回転しながら降魔へと向かう二刀。

 

キシャアアアアアアッ!!

 

しかし、そんなモノに当たるかと言う様に身を捻って躱す降魔。

 

そのまま丸腰の誠十郎(?)に噛み付こうとしたが………

 

「フッ! ハアッ!」

 

誠十郎(?)が飛んで行った二刀に手を伸ばして、まるで引き寄せようとするかの様に動かしたかと思うと………

 

何と二刀が反転し、今度は降魔の右腕を切断した!!

 

!? キシャアアアアアアッ!!

 

両腕を失った降魔は、バランスを崩して倒れる。

 

「フッ!」

 

またもブーメランの様に戻って来た二刀をキャッチすると、腰の鞘へと戻す誠十郎(?)。

 

グルルルルルッ………

 

両腕を失いながらも、何とか起き上がる降魔。

 

「デヤアァッ!!」

 

だがその瞬間に、誠十郎(?)は降魔に向かって跳躍!

 

「オオリャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

そのまま、右足に炎を纏わせた飛び蹴りを繰り出す!

 

その蹴りが、降魔の頭に命中したかと思った途端!!

 

降魔の頭が、まるでポップコーンの様に弾け飛んだ!!

 

「フッ!!」

 

両腕と頭の無くなった降魔の背後に着地する誠十郎(?)。

 

そして降魔の身体がバタリと倒れたかと思うと、紫の煙と共に爆発した!

 

「へっ、ザっとこんなもんよ」

 

誠十郎(?)がそう言った瞬間、突然の出来事に呆然となっていた人々が一斉に歓声を挙げ始める。

 

「おう、サンキューッ!………!? ハッ!?」

 

とそこで、誠十郎の目付きが元に戻る。

 

「コ、コレは!?………お、俺がやったのか!?」

 

まるで先程までの事を覚えていないかの様に、降魔が居なくなっている事と、歓声を浴びている事に戸惑い始める誠十郎。

 

「あ、あの!」

 

「! ハ、ハイッ!?」

 

其処で声を掛けられ、誠十郎は吃りながら返事を返す。

 

声を掛けてきたのはあの母娘だった。

 

「あ、ありがとうございます! お陰で私もこの娘も助かりました!!」

 

「ありがとう! お兄ちゃん!!」

 

誠十郎に向かってそう感謝を告げる母娘。

 

「あ、ああ、いえ………」

 

覚えていないながらも、助ける事が出来た事に誠十郎は安堵の表情を浮かべた。

 

と其処で、ロビー内に有った時計が鐘を鳴らす。

 

「! イ、イカン! 約束の時間に遅れるっ!!」

 

誠十郎は約束の時間が迫っている事に気付き、慌てて帝都中央駅を後にするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

其れから少しして………

 

「はあっ!? 生身で降魔を倒したあっ!?」

 

到着した時には既に事が終わっていた為、駅員から事情を聴取していた上海華撃団の隊長『ヤン・シャオロン』が驚きの声を挙げる。

 

「信じられない………」

 

同じく上海華撃団の隊員である『ホワン・ユイ』も、驚きに目を見開く。

 

「ですが本当なんです。二刀を携えた男性が、まるでブーメランの様に刀を飛ばして、飛び蹴りで降魔の頭を砕いたんです」

 

だが、駅員は真実だと言葉を続ける。

 

「………一体何者だ? ソイツ?」

 

降魔を生身で倒したという誠十郎の存在を訝しむシャオロン。

 

「…………」

 

そんな上海華撃団の姿を、駅の天窓の上から見下ろしている謎の人物が居た。

 

身体はローブ、頭部はフードにすっぽりと覆われ、その正体はまるで分らない。

 

唯一見えている左手には………

 

『黒い羽根状のパーツが装飾されているグリップの付いた赤いリング』が握られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

噂にされている誠十郎はと言うと………

 

「…………」

 

難しい顔をして、着任地へと向かっていた。

 

(俺はあの時………確かに死んだ筈だ………)

 

思い起こされるのはつい先程の光景………

 

自分は降魔に胸を貫かれ、死んだ筈であると。

 

確かにあの時、死の感覚を感じた………

 

だが気が付いてみると、何時の間にか自分が降魔を倒しており、しかも貫かれた筈の胸には傷痕1つ無かった………

 

「どうなってるんだ?………ん?」

 

左手で髪を掻き上げ、苦悩する誠十郎だったが、其処でその左腕に………

 

見慣れないブレスレットが着けられている事に気付く。

 

「何だコレ? こんな物着けて無かったぞ?」

 

『其れはそうだ。そいつは、元は俺が着けていた物だからな』

 

「!? 誰だっ!?」

 

突然聞こえて来た声に、誠十郎は足を止めて周りを見回す。

 

しかし、その声の主らしき人物は見当たらず、何人かの通行人が怪訝な目で誠十郎を見遣る。

 

「………気の所為か? いや、でも確かに………」

 

『俺が居るのは、お前の中だぜ』

 

「!? また聞こえたっ!?」

 

再び聞こえて来た声に、誠十郎は戸惑うばかりである。

 

「ん………?」

 

其処で、左腕のブレスレット………ウルティメイトブレスレットの青いランプが光っている事に気付く誠十郎。

 

「!? まさかっ!?」

 

『漸く気付いたか』

 

誠十郎が或る可能性に思い至った瞬間、ブレスレットを介して声の主………ウルトラマンゼロの姿が見て取れた。

 

「お、お前はっ!?」

 

『俺はゼロ。ウルトラマンゼロだ!』

 

「ウ、ウルトラマンゼロ!? 何者だ、一体!?」

 

『分かり易く言うと宇宙人だな』

 

「う、宇宙人っ!?」

 

『自分の命も顧みず、子供を助けようとしたお前の勇気、感動したぜ。今日から俺とお前は一心同体だ!!』

 

「ええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーっ!?」

 

ゼロのその言葉に、誠十郎は通行人に奇異な目で見られている事も忘れて、大声を挙げてしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コレが後に………

 

この星の運命を大きく左右する………

 

奇跡の出会いとなる事を………

 

この時、誠十郎もゼロも知る由は無かったのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新連載、投稿開始させていただきました。

新サクラ大戦とウルトラシリーズのクロスオーバーです。

サクラ大戦は私がオタクになる切っ掛けの作品でして、思い入れのある物です。
新サクラ大戦も、色々と言いたい事はありましたが、新キャラクター達は好きになれたました。
なので、コイツで1つ書いてみるかなと思いまして。

で、考えた結果がウルトラシリーズとのクロスオーバーです。
ウルトラシリーズは色々と便利なところがあるので、新サクラ大戦側に改変が遣り易くなるのと、あと単純に1番好きなヒーローなので。
相性も良いと個人的に思いまして。

さて、原作では上海華撃団が間に合って危機一髪となるが、この作品では間に合わず、命を落としてしまった誠十郎。
そんな彼に、ウルトラマンゼロが一体化します。
誠十郎のキャラは好きなんですが、大神さんとの差別化か、ちょっと奇行が目立つ場面はありまして………
その辺を一体化しているゼロがフォローするって事をさせようかと。
逆にゼロが要らぬ世話焼いて、更なる奇行となってしまう事もあるかも知れませんが(笑)
メインカップリングは、誠十郎×さくらとなります。
幼馴染カップルは最強(完全に趣味)

勿論、ゼロ以外にも色々なウルトラマンが客演予定であり、更にウルトラシリーズ側の登場人物が平行宇宙の別人として登場したります。

誠十郎が生身でゼロの技を使えた事は、次回で軽く説明します。
そして、謎のフードの人物………
一体何者なのか?
所持している物はやはり………

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
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