チャプター9『明かされる真実』
??? 登場
東京湾・幻庵の魔城………
カミーラ(さくら)が、闇とマイナスエネルギーの塊となり、帝剣へと吸い込まれ、更に上空の次元の裂け目に撃ち込まれたかと思うと………
裂け目は一気に拡大を始めた!!
「! 裂け目が!?」
「イカン! あのままでは幻都の封印が解かれる!!」
ミカサの方でも、すみれが声を挙げた瞬間に、鉄幹が艦橋へ飛び込んで来た!
「! 天宮 鉄幹さんっ!?」
「ちょっ! 戦闘中に入ってきたらアカンッ!!」
驚くカオルと慌てて追い出そうとするこまち。
「フハハハハハハハッ! いよいよだぁっ!! 遂に降魔皇様が復活なされるのだぁっ!!」
一方、長年の悲願が達成されようとしている幻庵は、喜びを爆発させている。
「さあ蘇り下さい、降魔皇様っ! そして世界を闇に包み、人間共に死と恐怖をぉっ!!」
絶叫の様にそう叫ぶ幻庵。
………その瞬間!!
「余興はココまでよぉ」
アゴナがそう言ったかと、思うとダークリングを取り出した。
「!? ダークリング!?」
『って事は、コイツが俺達の世界に怪獣や宇宙人を呼び寄せていたのか!?』
それを見たゼロと誠十郎が、以前ジャグラーからリク経由で齎された情報を思い出していると………
「ぶるあああああああっ!!」
アゴナが独特な咆哮と共に、ダークリングを掲げた!
広がっていた次元の裂け目に溜まっていた凄まじいエネルギーが飛び出し、ダークリングへと降り注いだ!
「!? アゴナ様!? 何をっ!?………」
幻庵が狼狽している間に、ダークリングはどんどんエネルギーを吸収。
遂には全てのエネルギーを吸い尽くし、次元の裂け目が消滅してしまった………
「! 次元の裂け目が………」
「そ、そんなぁっ!? 降魔皇様ぁっ!!」
漸く成されると確信していた降魔皇の復活が一瞬で潰えた事に、愕然となる幻庵。
「アゴナアアアアアアァァァァァァァァッ! 貴様ぁ、降魔皇様を裏切ったかぁっ!!」
だが、すぐさま怒りと憎悪を全開にし、アゴナへと飛び掛かる。
「ぶるあああああああっ!!」
「!? ぐばっ!?」
しかし、キリエロイドとなったアゴナにより、頭を鷲掴みにされたかと思うと、そのまま地面に叩き付けられて一瞬で組み伏せられる。
「な、何だぁ!?」
「仲間割れ………?」
突然争い始めたキリエロイド・アゴナと幻庵の姿に、華撃団メンバーにも混乱が広がる。
「ぐうううっ!………オノレェッ、アゴナァッ!! 許さんぞぉっ!! よくも我等降魔が悲願! 降魔皇様の復活をぉっ!!」
「愚かよのぅ、幻庵。真実を知らぬと言うのわなぁ」
幻庵を組み伏せたままそう言い放つキリエロイド・アゴナ。
「真実だと!? 何を言っている!? 狂ったか!?」
そして次の瞬間………
キリエロイド・アゴナの口から信じられない言葉が飛び出した………
「そもそも降魔皇とは、『我が創り出した玩具』よぉっ!」
「………えっ?」
「何………だと………?」
「い、今奴は何と言った!?」
キリエロイド・アゴナの言葉に、華撃団メンバーは完全に動揺する。
「…………」
すみれでさえも、目を見開いて信じられないと言う様に呆然と立ち尽くしている。
「降魔皇様が貴様の創り出した玩具だと!? 馬鹿も休み休み言えっ! やはり狂ったかっ!!」
信じられるかとそう返す幻庵。
「ならば貴様は降魔皇が何時何処で生まれ、如何やって降魔の皇となったか知っておるのかぁ?」
「!?」
だが、キリエロイド・アゴナにそう言われた瞬間、幻庵は気付いた………
自分の中に在る降魔皇に関わる記憶が………
自分が降魔皇の部下であるという事以外に………
『存在しない』という事に………
「有るワケなかろうなぁ。貴様は降魔皇によって創られた存在………即ち、『玩具の玩具』なのだからなぁ」
「そ、そんなっ!? 嘘だ! 嘘だ嘘だ嘘だぁっ!!」
自身の存在すらも揺らぎ、崩され去った幻庵が、狂った様に叫び散らす。
「オイ、アゴナとやら! 降魔皇は貴様が創ったってのは一体如何言う事だっ!!」
とそこで、米田が怒声の様な声色で、キリエロイド・アゴナにそう問い質した。
「我はキリエル人の中で最も力を持った存在………即ち、キリエル人の王と成るべき存在だった」
それを受けて、キリエロイド・アゴナが語り出す。
「だが、愚かにも我以外のキリエル人はそれを認めようとしなかった………そればかりか、王たる我を排除しようとしてきた………最も、返り討ちにしてやったがなぁ」
『! アイツ、自分の同族を………』
「そして我は絶滅寸前となったキリエル人共に見切りを付け、次元を渡った………その最中に手に入れたのよぉ、このダークリングをなぁ」
膨大エネルギーを吸収し、闇のオーラを放っているダークリングを掲げてそう言い放つキリエロイド・アゴナ。
「そして確信したのだ。我はキリエル人の王などに納まる器では無かったのだと。我が支配するのは全ての宇宙よ!!」
「何つう傲慢だ………」
「傲慢では無い。確定した未来よぉ」
呆れた様に呟いたゼロビヨンドに、キリエロイド・アゴナは当然の様にそう返す。
「そして我はこの宇宙のこの地球をその中心地とする事に決めた」
「何故この地球を選んだんですの!?」
「知れた事ぉ………この地球には素晴らしい闇の力が溢れていたからよぉ」
「!!」
キリエロイド・アゴナの言う闇の力と言うのが、降魔を始めとした魔の存在や、呪術や魔術と言った負の力の技術である事を察するすみれ。
「先ずは邪魔になるであろう華撃団なる連中を排除する為の玩具………降魔皇を創り出した。その強さは貴様も良く知るところであろう? 神崎 すみれぇ」
「…………」
そう言われたすみれは、悔しそうに拳を握り、歯を食いしばる。
「華撃団の連中が想像以上に善戦した事は想定外だったがなぁ………そこで我は更なる玩具を創り出した。一見して希望とも見える絶望の為の玩具をなぁ」
「希望に見える絶望の為の玩具………?」
「!? ま、まさかっ!?」
キリエロイド・アゴナの言葉に、鉄幹の脳裏に、『ある予感』が過る………
「そうよぉ。貴様等が必死に求めていた『帝鍵』………アレの作り方を考えたのも我よぉ」
「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」
華撃団メンバーに再度衝撃が走った。
「そ、そんな!? そんな馬鹿なっ!? 帝剣は天宮家に代々伝わる神器だぞ!!」
「それは我が植え付けた偽の記憶よお。まあ、天宮家の女が妙な力を持っているのは事実だがなあ」
「で、では! 私は何の為に妻の命を!!………」
「決まっておろう………無駄死にさせたのよお」
「!??!」
狼狽する鉄幹に、キリエロイド・アゴナは更に追い打ちを掛ける。
「愚かな男よのぉ~。我が考えた帝鍵の生成方を何も疑いもせずに………帝都を救ったと言う功績にでも目が眩んだかぁ? フアハハハハハハッ!!」
「う、うわああああぁぁぁぁぁーーーーーっ!?」
キリエロイド・アゴナが嘲笑うと、鉄幹は頭を抱えて蹲り、悲鳴の叫びを挙げた。
帝都を救う為、娘の未来の為に妻を犠牲にする事を受け入れた………
妻もそれを望んでいたと信じていた鉄幹………
だがそれは、たった今全て崩れ去った………
「何てこった………」
「あの降魔大戦が………壮大なマッチポンプだったと言うのか!」
「全ては奴の掌の上か………」
降魔大戦の何もかもが全て仕組まれた事だったという事実に、シャオロン・アーサー・エリスは愕然となる。
「二都作戦が政府によって強引に押されたのも、作戦に関わった政府関係者が全員変死したのもテメェの仕業かっ!!」
「如何にも………直前で帝国華撃団の隊長が気付いたのには驚いたが、最後はダークリングの力で強引に発動させてやったわぁ」
「! やはり大尉は二都作戦の中止する積りだったのですね!!」
米田の言葉にキリエロイド・アゴナはそう返し、すみれは米田から聞いた話を思い出す。
「なら、如何して旧華撃団が消滅してから今の今まで大人しくしてやがった!? 随分と回り諄いじゃねえかっ!!」
「そおれはぁ………この為よぉっ!!」
と、ゼロビヨンドが更にそう問い詰めた瞬間………
キリエロイド・アゴナは、組み伏せていた幻庵にダークリングを向けた!
すると!!
闇のオーラを放っていたダークリングが、怪しく輝いたかと思うと………
幻庵の身体からマイナスエネルギーを吸収し始めた!!
「!? ギャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」
マイナスエネルギーを吸収されている幻庵から凄まじい悲鳴が挙がる。
「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」
『な、何をっ!?』
「マイナスエネルギーを吸い取ってやがる!?」
何度目とも知れぬ驚愕を浮かべる華撃団メンバーに、誠十郎も驚いていると、ゼロビヨンドがそう言う。
「マイナスエネルギーとは妬みや憎しみといった『負の感情』………ならばぁ、元々負の存在である降魔がマイナスエネルギーを発すれば、如何なるぅ?」
「!? 途轍もない程のマイナスエネルギーが発生する!!」
「その通おりぃっ! 故に我は幻庵の行動を監視し、奴が絶頂の所を一気に蹴落とした上で冷遇し、只管に怒りと妬み、憎しみの煽ってマイナスエネルギーを蓄積させていたのよぉ!!」
「何………だと………!?」
マイナスエネルギーを吸われ続け、遂には自身もダークリングに吸収されようとしている幻庵から微かに声が漏れる。
「御苦労だったなぁ、幻庵………貴様の役目はコレで終わりだぁ。最期に最も極上のマイナスエネルギーを貰おうかあ………絶望と言う名のなあぁ」
「ウワアアアアァァァァァーーーーーッ!!」
絶望の悲鳴と共に、幻庵は完全に、握っていた帝剣ごとダークリングに吸収されてしまった………
『幻庵………』
そんな幻庵の最期を見た誠十郎は、敵とは言え、同情を禁じ得なかった。
「フフフフ………機は熟した」
と、神器『帝剣』のエネルギー、さくらが持っていた『絶界』の力、そして幻庵が溜め込んでいたマイナスエネルギーを取り込み、強大な闇のオーラを放っているダークリングを見て、キリエロイド・アゴナはそう言い放つ。
「さあぁっ! 今こそ全宇宙を闇に包み、我が支配するのだあっ!!」
そう叫んでダークリングを掲げたかと思うと、蓄えられた闇の力とマイナスエネルギーが一気に解放される!!
その瞬間に、魔城の上空に在った暗雲が一瞬にして地球全土を覆い尽くす程に拡大!!
「魔城を中心に、暗雲が全世界へ拡大!!」
「信じられへん………世界が闇に包まれてもうた!!」
観測していたカオルと小町から悲鳴の様な報告が挙がる。
その直後!!
魔城全体に地震の様な凄まじい振動が走る!!
「!? うおわっ!?」
「のわっ!?」
余りに凄まじい振動に、無限に乗っている初穂達は疎か、ウルトラマン達も立って居られなくなる。
「コレは!?………」
「下から何か巨大なモノが上がって来る?………」
「う………な、何なんですか?………この圧倒的な闇の力の感覚は?………」
その振動が、魔城の地面の下から何か上がって来ていると言う感覚なのを感じ取るアナスタシアにあざみと、そこから強大な闇の力を感じ取り、気分を悪くするクラリス。
と、とうとう地割れが起こり始めたかと思うと、そこから強大な闇の力が噴出!
その余波により、降魔やレギオノイド、ロボフォーにザムリベンジャー達が爆散して行く!!
「! 急速離脱っ!!」
「! 了解っ!!」
そこですみれが叫び、魔城の外壁に突き刺さったままだったミカサが緊急離脱。
その際に、ゼロ達が魔城内に残して来た誠十郎機が、自動操縦で戻って来て、甲板の上に降り立つ。
「! 神山さんの無限!」
「急いで回収して!!」
すぐさま誠十郎機を艦内へ回収させるすみれ。
その直後!!
魔城が一瞬にして崩れ落ちた!!
「! チイッ!!」
「フハハハハハハハッ!!」
慌てて空へと退避するゼロビヨンドと、背に翼を出現させ、高笑いと共に浮遊するキリエロイド・アゴナ。
そして遂に………
魔城を押し退ける様にして、新たな超巨大建造部が競り上がって来た!!
「コレは………遺跡、なのか?」
現れた超巨大建造物が、まるで遺跡を思わせる姿なのを見て、サコミズが呟いた瞬間………
「そおう! コレこそが『超古代遺跡 ルルイエ』よおぉっ!! そしてえぇっ!!」
キリエロイド・アゴナがそう言い放ち、巨大建造物………『超古代遺跡 ルルイエ』の中心に、ダークリングを向けたかと思うと………
ダークリングに溜まっていた全てのエネルギーがルルイエの中心部へと注がれた!!
「さあ! 蘇るのだあぁっ! 邪神よおぉっ!!」
キリエロイド・アゴナの叫びが木霊した瞬間………
ギャアゴオオオオオオオオオォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーッ!!
ルルイエ中心部の地面が爆ぜ、咆哮と共に………
巨大なアンモナイト状の体から無数の触手が生え、下顎に目が付いていると言う特異な姿をした怪獣………
否!
『邪神 ガタノゾーア』が姿を現した!!
次回予告
誠十郎「邪神 ガタノゾーアによって闇に覆われた地球………
圧倒的なその力に、俺達は手も足も出ない………
もう終わりなのか………
………いや! 俺は………俺達は諦めないっ!!
必ず悪を滅ぼし、正義を示してみせる!!
次回『新サクラ大戦』
第10話『遥かな星からの帰って来た希望』
太正桜にブラックホールが吹き荒れるぜっ!!
それが! それこそが!!」
???「そうだ! それこそが帝国華撃団だ!!」
???「ゼロを………俺の息子を舐めるなよ」
第9話・完
ウルトラ怪獣大百科
怪獣コンピューター、チェック!
『帝国機兵 レギオノイド』
身長:53メートル
体重:3万5000トン
能力:レギオビーム、ダブルアームドリル(α)、レギオノイドガンビーム(β)
初登場作品:劇場版『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦! ベリアル銀河帝国』
ベリアル銀河帝国の量産型メカ。
両腕がドリルなのが陸戦型のα。
ガンポッドなのが宇宙戦型のβ。
ロボット怪獣にしては量産型の為か珍しく強豪では無い。
劇中では数多くの機体が登場し、次々に破壊されていた。
しかし、後ので作品で登場したダダがカスタマイズした機体は、ゼロビヨンドと引き分けると言う大健闘を見せた。
『戦闘円盤 ロボフォー』
身長:40メートル
体重:9万トン
能力:レーザー光線「リアンレーザー」、ストップ光線、ミサイル、ロケット弾、リング状の拘束光線
初登場作品:ウルトラマン80第24話『裏切ったアンドロイドの星』
ファンタス星人に扮したアンドロイドの乗る宇宙船が変形したUFO型ロボット。
言わば、ロボット怪獣型の円盤生物。
多彩な武装でUGMと80を苦戦させたが、最後はイエローZレイとサクシウム光線、バックルビームと連続攻撃を受け、墜落した。
『復讐ロボット ザムリベンジャー』
身長:63メートル
体重:7万2000トン
能力:バリア、両手から放つ強力な破壊光線とミサイル
初登場作品:ウルトラマンネオス第6話『ザム星人の復讐』
指導者を(結果的に)殺されたザム星人の残党が造り上げたロボット。
ザム星人を模した外見をしており、ロボット怪獣らしき強豪。
強固なバリアと、圧倒的なパワーでネオスを圧倒したが、セブン21が誘導装置を壊した事で弱体化。
頭部をネオス・パンチで破壊されて倒された。
『愛憎戦士 カミーラ』
身長:49メートル
体重:3万9000トン
能力:カミーラウィップ、アイゾード
初登場作品:劇場版『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』
超古代遺跡ルルイエに封印されていた闇の巨人のリーダー。
実は嘗てのティガダークことウルトラマンティガの恋人。
3000万年前に超古代文明を滅ぼした張本人。
ティガを闇の巨人へ戻そうとしたが、叶わぬと知るとルルイエの闇とガタノゾーアの残留思念を取り込み、デモンゾーアとなる。
最期はグリッターティガにデモンゾーアごと倒され、本当は光が欲しかった事を吐露して息を引き取った。
悪のウルトラウーマンと言う特殊な立ち位置故に人気が高く、後にはダークネスヒールズの一員に選ばれたり、トリガーにてリブートキャラのカルミラが登場した。
新話、投稿させて頂きました。
降魔皇復活かと思われた瞬間に、遂に動いたアゴナ。
そしてその口から衝撃の真実が明かされます。
何と!!
降魔皇も帝剣も、元はアゴナが創り出したモノだった!!
つまり、降魔大戦は壮大なマッチポンプであったと!
あの犠牲を良しとしない大神さんが、何故帝剣を使ったのか言う理由を考えた結果………
実は帝剣は罠だったと言う事にしようと思い至り、そこから降魔皇も実は仕込みであり、降魔大戦事態が仕組まれていたと言う展開を思いつきました。
こうでもしないと帝剣を使った事に納得の行く理由が出来なかったので。
そして幻庵を冷遇した理由………
それは降魔である幻庵から上等なマイナスエネルギーを収集する為でした。
様々な強大な負のエネルギーを集めて、アゴナが企んでいた事………
そう、皆のトラウマ怪獣………
『邪神 ガタノゾーア』の復活です!
アゴナ曰く、キリエル人の残党は奴にビビッて逃げ出したが、アゴナはこの邪神を制御可能としています。
果たして、1度はティガを葬り、地球を闇に閉ざしたこの邪神を倒せるのか?
次回、希望が帰ってきます………
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。