新サクラ大戦・光   作:宇宙刑事ブルーノア

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エピローグ『さらばウルトラマンゼロ』

エピローグ『さらばウルトラマンゼロ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太正世界の地球での長きに渡るキリエル人・アゴナとの戦いは終わりを告げた………

 

少なくない被害を受けた世界各国だが、ウルティメイト華撃団の活躍もあり、復興は順調に進んだ。

 

そして、帰還を果たした初代帝国華撃団・巴里・紐育華撃団は………

 

そのまま解散となった。

 

アゴナとの決戦の際に、既にボロボロの身体を酷使した為、もう大神達は戦闘に耐えられる状態ではなかったのだ。

 

だが、当の大神達に悲観は無かった………

 

既に立派な後継者達が育っていたからだ。

 

彼女達の引退公演を兼ねた復興祈願の舞台では、新旧各国華撃団メンバーが総出演すると言う、歴史的な大舞台となったのだった。

 

その後、初代帝国華撃団・巴里・紐育華撃団メンバーは、再び司令兼支配人となった大神を残し、故郷や故国に帰還(新次郎は新生紐育華撃団の教官に抜擢され、再び渡米)。

 

其々の道を進みつつ、ウルティメイト華撃団のオブザーバーを務め、更なる後進の育成に励む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平和になった太正世界の地球………

 

それは、ゼロ達との別れも意味していた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝都・東京湾に面したとある海岸………

 

「さて………」

 

「行っちゃうんですね、ゼロさん………」

 

ウルティメイトイージスを装着したウルティメイトゼロを見上げながら、さくらが寂し気に呟く。

 

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

誠十郎達や三国華撃団の面々も、寂しそうな様子を見せている。

 

「そんな顔すんなって。この宇宙はもう平和になったんだ。俺達の力はもう必要無い」

 

「ゼロくんの言う通りだ。コレからは俺達がこの星の平和を守って行くんだ」

 

ウルティメイトゼロがそう返し、旧華撃団メンバーを代表して来ていた大神も言う。

 

尚、あの戦いの後、すみれが持っていたエボルトラスターは光となって消えてしまっていた。

 

まるでもう必要が無くなったと言う様に………

 

「ゼロ、老師によろしくな………」

 

「ああ、伝えとくぜ」

 

レオへの言付けを頼むシャオロン。

 

「あの青いウルトラマンの正体は分からず終いか………色々とお礼を言いたかったんだけどね」

 

(藤宮………)

 

アグルの正体が分からず終いで残念がるアーサーの横で、ランスロットは一瞬水平線を見やった。

 

「ミライ………私は必ず何時か、光の国へ行く! 私が行けなかった時は、私の意思を継ぐ者がきっと辿り着いて見せる!」

 

「うん、楽しみにしているよ、エリスちゃん」

 

ミリアに何時か光の国へ行く事を宣言するエリス。

 

「リク、改めてお礼を言うわ。ありがとう………貴方のお陰で、私は運命を覆す事が出来た」

 

「ヘヘ………ジーッとしてても」

 

「ドーにもならねぇ!」

 

お決まりの台詞と共にフィスト・バンプを交わすリクとアナスタシア。

 

『アナスタシアからリクへの好意を感知』

 

「シーッ! シーッ!」

 

浮かんでいたネオブリタニア号のレムがそんな事をサーチしていると、先に乗り込んでいたペガが慌てて静かにさせようとする。

 

「皆さん、お世話になりました」

 

「コッチこそ、色々と助かったぜ」

 

「何時でも遊びに来て下さいね」

 

「待ってる」

 

『ああ』

 

大地、初穂、クラリス、あざみ、そしてエックスもそう言い合う。

 

「ゼロ………今まで本当にありがとう。お前が居なかったら、俺はあの日死んでいたし、花組の隊長に成る事も無かった」

 

「誠十郎………」

 

「…………」

 

ウルティメイトゼロに向かって敬礼する誠十郎。

 

誠十郎なりの最大限の感謝の印だった。

 

「ゼロさん、その………もし、わたし達だけじゃ如何にもならない事が起こったその時は………また、助けに来てくれますか?」

 

「当たり前だろう。俺は………『ウルトラマン』だぜ」

 

「! ハイッ!」

 

ウルティメイトゼロの返事にさくらは嬉しそうに笑顔を浮かべる。

 

「じゃあ………行くか」

 

「「「うん!(ハイ!)」」」

 

そこで、ミライ、大地、リクはノーモーションで変身。

 

4人のウルトラマンが並び立ったかと思うと………

 

「テヤッ!」

 

「ハッ!」

 

「イーサァッ!」

 

「ハアッ!」

 

一斉に飛翔した。

 

『ネオブリタニア号、発進します』

 

それを追う様に、ネオブリタニア号も発進する。

 

「ゼロ!」

 

「ゼロさーん!」

 

とそこで、誠十郎とさくらが駆け出し、他のメンバーも海岸を走り出した。

 

飛び去って行くゼロ達を追い、必死に手を振る誠十郎達。

 

「さようならーっ!!」

 

「ありがとうーっ!!」

 

口々に別れと感謝の言葉で出る。

 

「ハアッ!」

 

やがてその前方に、ウルティメイトイージスで開いた次元の裂け目が出来、ゼロ達はその中へと飛び込んで行く。

 

そして全員が飛び込むと、次元の裂け目は閉じる。

 

誠十郎達は立ち止まり、次元の裂け目が在った位置を見上げながら、手を振り続けた。

 

「………さらばだ、ウルトラマンゼロ………帝都を、地球を救ってくれた勇者よ」

 

只1人、その場に佇んでいた大神が、虚空に向かってそう呟いたのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある惑星の黄金の街並みに中に佇む一際目立つ巨大な宮殿状に建造物にて………

 

「キリエル人・アゴナ………死んだか。所詮は我等の誘いを断った愚か者か」

 

その中に佇んでいた黄金でヒューマノイドタイプの異形がそう言い放つ。

 

「………そろそろ『ザ・キングダム』の寿命も尽きる………行動を急ぐ必要が有るな」

 

そう言いながら、黄金の異形………『究極生命体 アブソリュートタルタロス』は黄金に染まっている空を見上げるのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太正世界の地球を去ったゼロ達は、その後ジードとペガ、大地とエックスは自分達の宇宙の地球へと帰還。

 

ゼロとメビウスは、そのままM78星雲・光の国へ戻った。

 

 

 

 

 

M78星雲・光の国………

 

「じゃあ、ゼロ。僕は一旦コロッセオの方に顔を出して来るから」

 

「ああ、分かった」

 

到着後、メビウスはコロッセオへと向かう。

 

「さて、今回の事を報告しないとな………ハア~、メンドクセェ」

 

そしてゼロは、太正世界の地球での一連の事を報告する為、宇宙警備隊の本部を目指して飛んだ。

 

と、その時!!

 

「お疲れ様です! 俺は………」

 

「!? なっ!?」

 

突如1人のウルトラマンが飛び出して来て、ゼロは激突してしまう。

 

「イッテッ!! 何だっ!?」

 

「す、スミマセン! え、えっと! お疲れ様です、ウルトラマンゼロさん! 自分、『ウルトラマンZ』と申し上げるもので、あの、その!」

 

「オイ、落ち、落ち着け! 何々だ、お前は? ゼット?」

 

「ウルトラマンゼロさん! いや、ゼロ師匠! 俺を弟子にして下さいっ!!」

 

コレが後に『ゼロの弟子』を自称する事になるまだ『3分の1人前』の若き戦士………

 

最後の勇者『ウルトラマンZ』とゼロの出会いだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新サクラ大戦・光………完

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

to be continued 『ウルトラマンZ』&『ウルトラギャラクシーファイトシリーズ』




2年以上の連載となった『新サクラ大戦・光』も、これにて完結となります。

平和になった太正世界の地球。
もうこの地球を守るのは、その世界の人々です。
ゼロ達は去って行きます………

しかし、もしまた危機が訪れれば、ゼロ達は再びやって来るでしょう。
何故なら彼等は………『ウルトラマン』だから。

そして物語は、若き戦士達が引き継ぎます………

長い間ご愛読ありがとうございました。
私はサクラ大戦からオタクの道へ入りました。
そして新サクラ大戦が発売されると聞いた時は嬉しく思いましたが、残念ながらオールドファンが納得出来る出来ではありませんでした。
ならば、自分で納得の行く新サクラ大戦を作ろうと思い筆を取りました。
クロスオーバーが得意だったので、新サクラ大戦の世界を救うにはウルトラマンぐらいの力が必要だと思い、公式でも自由な立場に居るゼロを召喚してみました。
多くの皆様に楽しんで頂けた様で、とても嬉しかったです。

さて、次回作ですが………
誠に申し訳ありませんが、予定はありません。
と言うのも、実を言うと最近執筆活動が苦痛に感じる様になってしまってきていて………
このサイトには掲載していない作品も含めると、もう彼是10年以上はやってきたので、いい加減ネタ切れしたのと歳のせいで体力・気力、更には集中力が落ちているのも自覚しております。
物書きは飽く迄趣味ですので、苦痛に感じたら趣味とは言えないと思い、筆を擱く事に致しました。
楽しみにされていました皆様には本当に申し訳無いと思っております。
今まで応援ありがとうございました。
作品はずっと掲載しておく積りなので、何時でも見て楽しんで下さい。

また何処かでお会いしましょう。
ありがとうございました。

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