新サクラ大戦・光   作:宇宙刑事ブルーノア

2 / 112
チャプター2『帝劇支配人・神崎 すみれ』

チャプター2『帝劇支配人・神崎 すみれ』

 

月ノ輪怪獣 クレッセント登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如として帝都中央駅に現れた降魔との戦いで命を落とした神山 誠十郎。

 

だが、自分の身を顧みずに少女を守ろうとした勇気に感動したウルトラマンゼロが彼と一体化。

 

誠十郎は一命を取り留めた。

 

自分が1度死に、ウルトラマンゼロと一体化した事で助かったと知った誠十郎は仰天したが………

 

どうにか落ち着きを取り戻すと、転属先の任地へと向かいながら、お互いの事を話し合ったのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝都・東京の通り………

 

『太正時代に降魔………それに降魔大戦か………この地球も中々大変な事になってんだな』

 

「俺からしてみればお前の方が大変だよ………ウルトラマン………光の国………宇宙警備隊………アナザースペース………怪獣に宇宙人だなんて………」

 

ゼロと交換した情報を言い合いながら通りを歩く誠十郎。

 

しかし、ゼロの声は誠十郎以外には聞こえていないので、傍から見ると誠十郎が独り言を言っている様にしか見えない。

 

「何より………俺が1度死んだなんて………」

 

自分の右手を見ながら、信じられないと言った様子で呟く誠十郎。

 

『本当だ。けど心配するな! 俺が融合してお前の身体を治療している。治ったらまた普通に生きてられるぜ』

 

「因みに、その治療ってのはどれぐらい掛かるんだ?」

 

『暫くは掛かるぜ。何せ心臓を貫かれて、ほぼ即死状態だったからなぁ』

 

「そうか………まあ、お前のお陰でこうして生きてられるんだ。感謝してるよ」

 

『良いって事よ(タイガの時みたいな事にならなくて良かったぜ………)』

 

かつてフューチャーアースで融合した『タイガ・ノゾム』の様な事にならず、内心で安堵するゼロ。

 

『ああ、そうだ。俺がお前と一体になっている事はなるべく秘密にして於いてくれ。この地球だと色々と面倒な事になりそうだからな』

 

「分かった。まあ、言ったところで信じて貰え無さそうだがな………」

 

ゼロの言葉にそう返しながら、ふと街頭の時計に目を遣る誠十郎。

 

「!? しまったっ!? もうこんな時間なのかっ!?」

 

其処で、約束の時間が直ぐ訪れようとしている事に気付いて思わず大声を挙げる。

 

「マズイ………色々あってすっかり遅くなってしまった………此処からじゃ間に合わない………転属初日から遅刻だなんて、最悪だぞ!」

 

アタフタとし出す誠十郎。

 

『ったく、しょうが無えなぁ………一寸代われ』

 

「えっ? 何を………!」

 

と其処で、ゼロがそう言ったかと思うと、誠十郎の身体が一瞬脱力したかの様にダランとなる。

 

しかし直ぐに顔を上げたかと思うと、その目付きが鋭くなっていた。

 

「行くぜぇっ!!」

 

そして次の瞬間!!

 

凄まじい速さで走り出した!!

 

その速さは、道を走っている自動車を追い越す程だった。

 

しかも其れでいて、通りを歩いている人には全くぶつからない様に動いている。

 

(ど、如何なってるんだぁっ!?)

 

「お前は今、俺と融合してるんだ。今のお前は普通の人間より身体能力が大幅に上がってる」

 

心の中で仰天の声を挙げる誠十郎に、誠十郎(ゼロ)が答える。

 

(! じゃあ、駅で降魔を倒せたのも!?)

 

「ああ、そうだ。しかし、アレは其れ“だけ”じゃない。お前の持ってる『霊力』って力も作用したんだ。お陰で、元の姿にならなくても俺の技の一部が使えた」

 

帝都中央駅で降魔を倒した時の事を思い出す2人。

 

そのまま誠十郎(ゼロ)は、驚く人々を尻目に、光の様に走り抜けて行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀座・大帝国劇場前………

 

「着いたぜ! 此処で良いんだな?」

 

程無くして、目的地である大帝国劇場前に辿り着く誠十郎(ゼロ)。

 

(あ、ああ、そうだ………ま、間に合ったか)

 

「其れじゃあ、代わるぜ」

 

誠十郎(ゼロ)がそう言ったかと思うと、再び身体が一瞬脱力したかの様にダランとなり、顔を上げると目付きが戻っていた。

 

「やれやれ………此処が新しい任地か………大帝国劇場………劇場?」

 

意識の戻った誠十郎が、新たな任地・大帝国劇場を見上げ、驚きの声を挙げた。

 

「特務艦隊から劇場に配置換えって、いったい、何が如何なってるんだ?」

 

『オイ、誠十郎。劇場って何だ?』

 

と怪訝な顔をしている誠十郎に、ゼロがそう尋ねる。

 

「あ、ああ………劇場ってのは、役者が芝居とか演劇とかを見せる場所さ」

 

『へえ~、生で映画をやる場所って事か?』

 

「ま、まあ、そうとも言えなくも無いか………?」

 

カルチャーギャップに頭を掻く誠十郎。

 

「あのー、すみません。お掃除の邪魔なんですけど」

 

と其処で、箒を手にした着物に袴姿で黒いロングストレートの髪型の少女が、誠十郎に声を掛けてきた。

 

「! うわっ! すみません! 失礼しました」

 

誠十郎は、驚きながら飛び退く様に少女から離れる。

 

「劇場に何か御用………ですか?」

 

「私は、帝国海軍少尉・神山 誠十郎です。えっと、此処に来る様に言われて………」

 

首を傾げる少女に、誠十郎は自己紹介をして説明しようとしたが………

 

「! 若しかして………! 誠兄さん!? う、嘘っ!?」

 

その少女が何かに気付いた様に、誠十郎を見ながらそう声を挙げた。

 

「………? えっと、何処かでお会いしましたか?」

 

しかし、誠十郎は少女に見覚えが無く、そう問い返す。

 

「えええええっ!? 若しかして………忘れちゃったんですかっ!? ほら!」

 

すると少女は、オーバーなリアクションで後ろに下がったかと思うと、手にしていた箒を脇に構え、まるで抜刀の様に振るった!

 

「うわっ!?」

 

突然箒を眼前に振られて、誠十郎は1歩下がる。

 

「! 若しかして………さくらちゃん!? 天宮さんのところの」

 

「はいっ!」

 

「子供の時以来だから………10年振りくらいかな?」

 

少女の名は、『天宮 さくら』

 

子供の頃に別れた、誠十郎の年下の幼馴染だった。

 

「えへへ。覚えていてくれて、良かった!」

 

花が咲いた様に笑うさくら。

 

「久しぶりに会えて、俺も嬉しいよ。えっと………」

 

『誠十郎。こういう時はキレイになったなって言ってやるもんだぜ』

 

と其処で、ゼロが口を挟んでくる。

 

「(あ、ああ………確かに、子供の頃の記憶しか無いから。見違えたな)キレイになったね」

 

ゼロに促される様にそう口にする誠十郎。

 

「な、何を言い出すんですか!? いきなり!」

 

「ははっ………素直な感想だったんだけどな」

 

「もう………恥ずかしいよ………」

 

さくらは頬を染めて、モジモジとする。

 

「ッ!」

 

その仕草に、誠十郎はドキッとする。

 

『へえ~、可愛い娘じゃねえか。お前が死に際に会いたがってたのも分かるぜ』

 

(う、煩い!………って!? 何でゼロがその事を知ってるんだっ!?)

 

『いや、融合する時にお(・)前(・)の(・)1(・)番(・)新(・)し(・)い(・)記(・)憶(・)が垣間見えてな。まあ、一心同体だからな』

 

「ふざけるな、お前っ!!」

 

と其処で、誠十郎は左腕のウルティメイトブレスレットを摑んでガチャガチャとする。

 

「ど、如何したんですか!? 誠兄さんっ!?」

 

突然奇行に走った誠十郎に、さくらは驚きの声を挙げる。

 

「!? あ、あ~! いや! な、何でも無いよ! 一寸腕が痒かっただけさっ! ハハハッ!」

 

其処で、さくらが居た事を思い出した誠十郎は、笑って誤魔化す。

 

「?」

 

そんな誠十郎の姿に、さくらは首を傾げるのだった。

 

「其処の御2人さん。公衆の面前で、イチャつかないで貰えるかしら?」

 

すると其処へ、女性の声が聞こえて来たかと思うと………

 

大帝国劇場から、紫の着物を纏って扇子を携えた、ショートヘアーの茶髪に左目に泣き黒子のある女性が姿を現した。

 

「神崎支配人!」

 

「神崎………支配人………?」

 

さくらが声を挙げると、誠十郎も女性を見遣る。

 

(この女………)

 

一方ゼロは、その女性から“何か”を感じ取っていた。

 

「!」

 

と女性は、誠十郎を見ると一瞬表情を変えたが、直ぐに元へ戻す。

 

「貴方が、神山 誠十郎くんね。待っていましたわ。私は………『神崎 すみれ』。この大帝国劇場の支配人をしています」

 

そして、誠十郎に向かってそう名乗った。

 

(神崎………すみれ………どこかで聞いた事がある様な………)

 

「ようこそ、大帝国劇場へ。歓迎致しますわ」

 

誠十郎が女性………『神崎 すみれ』の名に聞き覚えを感じていると、すみれは誠十郎にそう言うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、その後………

 

誠十郎はすみれに連れられ………

 

大帝国劇場の支配人室を訪れていた………

 

 

 

 

 

大帝国劇場・支配人室………

 

「神山 誠十郎………飛び級で海軍兵学校に入校。卒業後、海軍に配属され各地で作戦に参加」

 

誠十郎の経歴が書かれた報告書を読み上げているすみれ。

 

「多数の武勲を上げた後に、海軍特務海防艦『摩利支天』の艦長として、対降魔特別任務に就く」

 

『へえ~、お前案外凄かったんだな、誠十郎』

 

(案外とは何だ?案外とは)

 

ゼロはそんな誠十郎の経歴に感心しているが、誠十郎は余り感心している様に見えないゼロの態度に不満そうにする。

 

「………中々の経歴ね」

 

「優秀な仲間のお陰です」

 

「謙虚ね。そんな貴方にお願いしたいお仕事が有るのよ」

 

「はっ!」

 

そう言われて姿勢を正す誠十郎。

 

「神山くん。貴方は………『帝国華撃団・花組』を知っているかしら?」

 

『? 帝国華撃団?』

 

(………詳しく聞いてみるか)

 

誠十郎(とゼロ)は、すみれから帝国華撃団・花組は劇場が本拠地である事の説明を受ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………と、いうワケですわ」

 

「成程………理解しました」

 

『親父達が居た地球に在った防衛チームみたいなモンか………』

 

すみれから説明を受け、納得している誠十郎と、自分なりの解釈をするゼロ。

 

(そう言えば………神崎 すみれって………嘗てのトップスタァの名前だった様な………)

 

と其処で、兵学校時代で受けた授業の一部が記憶に蘇ってくる誠十郎。

 

(まさか、目の前のこの人は………嘗ての帝国華撃団・花組の隊員!?)

 

『へえ、只者じゃねえとは思ってたが、そういう事か』

 

目の前に居るすみれが、伝説的な人物である事に気付くと、ゼロも納得が行った様な様子を見せる。

 

「さて、此処からが本題」

 

と、其処ですみれは表情を引き締め、再度誠十郎に話し掛ける。

 

「神山 誠十郎くん。貴方に………帝国華撃団・花組の隊長になって貰いたいの」

 

「!? お、俺が………隊長ですかっ!?」

 

突然の大抜擢に、誠十郎は戸惑いの声を挙げる。

 

『オイオイ、スゲェーじゃねえか、誠十郎! 隊長だぜ、隊長! ゾフィー隊長と同じになるのか!』

 

無邪気に喜ぶゼロは、ウルトラ兄弟の長男であり、宇宙警備隊の隊長である『ゾフィー』の事を思い遣る。

 

………その際一瞬、誠十郎の頭が『火山怪鳥 バードン』に燃やされる光景を想像してしまったりしていたが。

 

(い、いやしかし………いきなり隊長だなんて………)

 

『ビビッてんじゃねえ! 男は度胸だ!!』

 

「(他人事だと思って………しかし、俺が選ばれたと言うのは事実だ)了解しました!! 若輩の身ではありますが、精一杯務めます!」

 

「良いお返事ね。期待しているわよ」

 

誠十郎の返事に、すみれは満足そうに頷く。

 

「ありがとう、神山くん。これから頼りにさせて貰うわね?」

 

「はっ! 此方こそ、よろしくお願い致します」

 

そう言ってすみれに向かって敬礼する誠十郎。

 

「新しい花組の初任務は………『世界華撃団大戦』に勝つ事よ」

 

『世界華撃団大戦?』

 

「其れは、何でしょうか?」

 

新しく出た単語に、ゼロと誠十郎は首を傾げる。

 

「詳しい事は追々説明しますわ。今は『華撃団大戦』の事を心に留めておいて」

 

「了解しました」

 

「其れじゃあ………カオルさん。一寸席を外して頂けるかしら?」

 

其処ですみれは、傍らに控えていた秘書であり帝劇の事務・経理・財務を担当している、黒いスーツ姿に眼鏡の女性・『竜胆 カオル』に言う。

 

「えっ? あ、ハイ。分かりました」

 

当初の予定とは異なるすみれの行動に、カオルは一瞬困惑したものの、直ぐに気を取り直し、支配人室から退室しようとする。

 

「! きゃあっ!?」

 

と、カオルが支配人室のドアを開けると、外から悲鳴が聞こえて来た。

 

「………天宮さん?」

 

その悲鳴の主………さくらの姿を見て、カオルが首を傾げる。

 

「アイテテテテ………あ、えっと~」

 

「………盗み聞きしようとしていたのですか?」

 

痛がりながら目を泳がせるさくらに、カオルは鋭い目付きでそう指摘する。

 

「し、してません! だって、扉が厚くて聞こえなかったんですから!」

 

「つまり、盗み聞きしようとしていたのは事実だと?」

 

「あうっ!?」

 

「………一寸此方へ」

 

カオルは眼鏡を光らせて、さくらを連れて行く。

 

「あ、誠兄さ………」

 

誠十郎に助けを求めようとしたさくらの目の前で、扉は無情に閉められた。

 

「さくらちゃん………」

 

「ふふふ、仕方の無い娘(こ)ですこと………其れで神山くん。改めて訪ねたい事がありますので」

 

呆れる誠十郎にすみれは笑いを零したが、直ぐに険しい表情を浮かべて誠十郎にそう言う。

 

「何でしょうか?」

 

「貴方………一体何(・)者(・)ですの?」

 

眼光鋭く誠十郎を見据えるすみれ。

 

「な、何って………自分は帝国海軍少尉の………」

 

「そうではありませんわ………『貴方の中に居るもう1人』の事ですわ」

 

「!? も、もう1人って!?」

 

そう指摘された誠十郎は動揺を露わにする。

 

「な、何の事だか、自分にはサッパリ………」

 

「見縊らないで下さるかしら。この神崎 すみれ………戦いに出る為の霊力は失ったとは言え、“霊的な存在を見る目”は未だ衰えて等おりませんわ」

 

誤魔化そうとする誠十郎を、言葉でバッサリと切り捨てる。

 

「邪悪な気配は感じませんわ………いえ、寧ろコレは………『あの人』と同じ様な気高い魂を感じますわ」

 

「お、俺は………!?」

 

と其処で、誠十郎の身体が一瞬脱力したかと思うと………

 

「驚いたな………地球人に最初(はな)っから見破られたのは初めてだぜ」

 

ゼロの人格が表に出て、目付きが鋭くなった。

 

「貴方が神山くんの中に居る者ね。地球人とは………まるで、“自分が宇宙人だ”とでも言いた気な口ぶりね」

 

「その通り。俺の名はゼロ。M78星雲に在る光の国からやって来た宇宙人………ウルトラマンさ」

 

親指でビシッと自分を指差しながら、誠十郎(ゼロ)はそう言い放つ。

 

「光の国?………ウルトラマン?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝都・東京、銀座の一角………

 

と或るビルの屋上に佇む影が在った。

 

「…………」

 

帝都中央駅で、上海華撃団の様子を盗み見ていたあのローブの人物だ。

 

「…………」

 

ローブの人物は、一瞬眼下の道行く人々を見下ろしたかと思うと、左手に握ったあの赤いリング………

 

『ダークリング』を構える。

 

そして、ローブの中にしまっていた右手を出したかと思うと………

 

その右手には、カードの様な物が握られていた。

 

カードには怪獣の絵が描かれており、何やら文字の様なモノが書かれている部分もある。

 

そのカード………『怪獣カード』を、ダークリングの中に挿し込む様に入れるローブの人物。

 

『クレッセント』

 

すると、ダークリングからくぐもった闇の声が響く。

 

そして、カードを挿し込んでいたのとは反対側の方向から、赤い竜巻の様なエネルギーが放たれる。

 

そのエネルギーは蛇の様に曲がりくねりながら、上空へと昇って行くと1つの塊になる。

 

そして、周囲から赤黒い霧の様な物………

 

『マイナスエネルギー』を吸収し始めた!!

 

やがてそれは、1つの形を作り………

 

キシャアアアアアアッ!!

 

独特の効果音と共に、『月ノ輪怪獣 クレッセント』の姿となった!!

 

「な、何だアレはっ!?」

 

「ば、化け物だぁっ!?」

 

「新手の降魔かっ!?」

 

突如として町中に現れた50メートルを超える巨大な怪獣の姿に、人々は仰天の声を挙げる。

 

その直後!!

 

キシャアアアアアアッ!!

 

クレッセントは、その赤い目から同色の放射熱線『クレスト・エンド』を放つ。

 

クレスト・エンドはビルに命中したかと思うと、一瞬にしてビルを粉々に爆発四散させた!!

 

「!? うわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

「キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

途端に人々は恐怖の悲鳴を挙げ、我先にと逃げ惑い始めた。

 

キシャアアアアアアッ!!

 

クレッセントはそんな人々を追い回すかの様に、その巨体で建物を踏み潰しながらゆっくりと歩き出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び、帝劇・支配人室では………

 

「………とまあ、こんな具合だ」

 

「成程………神山くんは、1度死んだのだけれど貴方のお陰で生きている、って事ですわね」

 

誠十郎(ゼロ)から説明を受けたすみれが、納得の行った様子を見せる。

 

「ならば、お礼を申し上げなければなりませんわね………ありがとうございます、ウルトラマンゼロさん。神山くんを助けて頂いて」

 

「良いって事よ。しかし、俺が言うのも何だが、随分と簡単に信じるし、受け入れるんだな?」

 

「ふふふ、私を誰だと思ってらっしゃるの? 今更“その程度の事”で狼狽えたりしませんわ」

 

(さ、流石は伝説の花組の一員………)

 

動じないすみれの態度に、内側に引っ込んでいる誠十郎も感服する。

 

と、その時!!

 

「!? 何ですのっ!? この邪悪な気配はっ!?」

 

「コレは!? マイナスエネルギーッ!?」

 

すみれと誠十郎(ゼロ)は、マイナスエネルギーの流れを感じ取る。

 

2人は直ぐに窓の傍に駆け寄り、外を見遣る。

 

其処には、帝劇1階の支配人室からでもハッキリと見える巨体を揺らしながら、街を破壊して歩くクレッセントの姿が在った。

 

「な、何ですの、アレはっ!?」

 

流石に、クレッセントの姿にはすみれも驚きを隠せなかった。

 

「月ノ輪怪獣 クレッセント! さっきのマイナスエネルギーの流れは奴か!!」

 

一方ゼロは、光の国のデータベースで見たデータを思い出し、そう声を挙げる。

 

「怪獣!? アレが怪獣ですの!?」

 

先程ゼロから説明を受けた怪獣の姿に、すみれは再度驚きを示す。

 

「すみれ様! 大変ですっ!!」

 

と其処へ慌てた様子のカオルが、ノックもそこそこに支配人室へ飛び込んで来た!

 

「! 分かってますわ。直ぐに司令室に………」

 

すみれは地下の司令室へと移動しようとしたが………

 

「天宮さんが出撃しましたっ!!」

 

「!? 何ですってっ!?」

 

「!?」

 

(さくらちゃんがっ!?)

 

続くカオルの言葉で、またもゼロ、誠十郎共々驚きの声を挙げたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

前回、ゼロと一体化した誠十郎が降魔を生身で倒せたのは、ゼロと一体化しているお陰の他に、霊力も作用したからです。
都合、生身で戦わざる場面も多々出てくるので、その為の措置の一環だと思って下さい。

そしてメインヒロインの天宮 さくらと伝説の人である神崎 すみれの登場です。
いきなりゼロの事を看破したすみれさんですが、これはやはり彼女なら見破りそうだなと思ったのと、ゼロとして戦う場合、司令官である彼女の協力が不可欠になると思い、事情を知っていてもらわないとと思いまして。

そして謎の人物が持っていたあの『ダークリング』によって、太正の世界に遂に怪獣が出現!
暴れる月ノ輪怪獣 クレッセントを止める為、さくらが単身出撃しますが………
次回、遂に太正の世界にウルトラマンゼロが姿を見せます!

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。