新サクラ大戦・光   作:宇宙刑事ブルーノア

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第2.5話『夢のヒーロー』
チャプター1『いくさちゃん』


第2.5話『夢のヒーロー』

 

チャプター1『いくさちゃん』

 

地底怪獣 マグラー

 

コンピューター生命体 パワードダダ登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝都・郊外………

 

「おおりゃあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

キュイイイイイィィィィィィーーーーーーーッ!!

 

初穂機のハンマーを横っ面に喰らった『地底怪獣 マグラー』が怯んだ様子を見せる。

 

「其処っ!!」

 

「行きますっ!!」

 

其処へ、アナスタシア機とクラリス機から、弾丸と魔導弾が見舞われる。

 

マグラーの身体から次々と爆発が上がる。

 

キュイイイイイィィィィィィーーーーーーーッ!!

 

堪らずマグラーが咆哮を上げると………

 

「ニンッ!」

 

あざみ機が、その口の中に焙烙火矢の様な爆弾を放り込む!

 

口の中で爆弾が爆発し、悶絶するマグラー。

 

「「ハアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」」

 

その隙を衝いて、誠十郎機とさくら機が顔面を斬り付ける!

 

キュイイイイイィィィィィィーーーーーーーッ!!

 

と其処で、マグラーは形勢不利と思ったのか、花組に背を向けて逃走を始める。

 

「! マズイッ! 市街地に向かうぞっ!!」

 

その逃走先が市街地となっているのを見た初穂が叫ぶ。

 

「隊長! ココは私が!」

 

「クラリス、頼む!」

 

誠十郎に促され、クラリスはコックピット内で魔導書を開いた。

 

「ゼットン! お願いっ!!」

 

クラリスがそう言うと、魔導書から光の玉が飛び出し、市街地へ向かうマグラーの頭上を飛び越える様にして先回りすると、ゼットンが現れる。

 

ゼットーン………ピポポポポポポポ………

 

キュイイイイイィィィィィィーーーーーーーッ!?

 

突如進行方向に現れたゼットンを、即座に圧倒的に格が上と認識したマグラーは、再度踵を返して逃走を続けようとする。

 

しかし、ゼットンに片手で尻尾を摑まれ、アッサリと失敗する。

 

ゼットーン………ピポポポポポポポ………

 

ゼットンはそのまま腕を上に振ったかと思うと、マグラーの身体が軽々と宙に舞う。

 

そのまま今度は腕を振り下ろし、地面へと叩き付ける。

 

キュイイイイイィィィィィィーーーーーーーッ!?

 

大ダメージを受けて悶えるマグラーを、ゼットンは容赦無く蹴り飛ばす。

 

地面を転がり、仰向けになって手足をバタバタとするマグラー。

 

ゼットーン………ピポポポポポポポ………

 

そんなマグラーに向かって、ゼットンはトドメの火球を放った!

 

1兆度の火球を食らったマグラーは、そのまま大爆発・四散した。

 

「やったっ!!」

 

「凄いわね、ゼットンは………」

 

あざみが歓声を挙げ、アナスタシアがゼットンの圧倒的な力に感嘆する。

 

「お疲れ様、ゼットン」

 

ゼットーン………ピポポポポポポポ………

 

クラリスから労いの言葉を受けると、ゼットンは再び光の玉となり、魔導書の中へと戻って行った。

 

「頼もしい仲間が出来ましたね、神山隊長」

 

『全くだぜ。“()()ゼットンを手懐ける”なんてな。まるでレイオニクスみたいだな』

 

「はは、そうだな(また知らない単語が………)」

 

さくらの無邪気な声を聴きながら、心の中でゼロにツッコミを入れる誠十郎。

 

「其れでは皆さん。何時もの、やりましょうか?」

 

「おう、そうだな」

 

「「「「「「勝利のポーズ、決めっ!」」」」」」

 

お約束の勝利のポーズを決め、花組メンバーは帝劇へと帰投するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜………

 

帝劇地下・格納庫内………

 

無限の整備を終えた令士が、何やらパソコンの様な機械を弄っている。

 

「良し! コレで完成だっ!!」

 

最後の部品を組み込んだ令士がそう声を挙げる。

 

「遂に出来たぜ。ふふふ………我ながら良い出来だ」

 

パソコンの様な機械を見ながら、満足気に頷く令士。

 

「ふああ~~………もうこんな時間か。いい加減寝るか………明日が楽しみだぜ」

 

欠伸を漏らし、時計で時間を確認した令士は、格納庫を後にする。

 

無人となった格納庫内………

 

と、その時………

 

令士が弄っていたパソコンの様な機械に、スパークの様な物が走る。

 

そして、画面に奇妙な模様の様な物が映し出されたかと思うと………

 

ダァダアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーッ!!

 

不気味な叫び声が木霊し、其れが収まった瞬間、画面も消えてしまったのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日………

 

再び、帝劇地下・格納庫内にて………

 

「令士、一体何の用だ? 俺でなく、花組の皆も呼び出して?」

 

集まった花組一同の中で、誠十郎が代表する様に令士に問い質す。

 

「ふふふ、実は“良い物”を作ったんだ」

 

「良い物?」

 

「一体何ですか?」

 

あざみが首を傾げ、さくらがそう問い掛ける。

 

「ズバリ、コレだっ!!」

 

令士はそう言うと、あのパソコンの様な機械を示した。

 

「何だコリャ?」

 

「蒸気演算機みたいにも見えますけど………」

 

「コイツは、“疑似的に戦闘を再現する装置”だ。無限に乗り込んで、()()の様な戦闘体験が出来る」

 

初穂とクラリスが問うと、令士は説明し出す。

 

「そうだな………『いくさちゃん』とでも呼んでくれ!」

 

其処で令士は、その機械を『いくさちゃん』と命名する。

 

「あら、意外と可愛い名前ね」

 

『要は“シミュレーター”って事か』

 

アナスタシアとゼロがそう呟く。

 

「『いくさちゃん』ねえ………戦闘を体験とか、また()()()()装置だな」

 

しかし、誠十郎は胡乱な目でいくさちゃんを見遣る。

 

「お前、全然信じてないだろ!? 良ーし分かった! 試して貰おうじゃねえか!!」

 

そんな誠十郎に、令士は怒った様にそう言い放つ。

 

「仕方無いな………ん?」

 

と、誠十郎が試してやろうと思った瞬間、スマァトロンが鳴った。

 

「誰からですか? 神山隊長」

 

「支配人だ。先日の戦闘の件で気になる所が有るそうだ」

 

さくらの問いにそう返すと、誠十郎はスマァトロンを仕舞う。

 

「と言う訳だ、令士。俺は支配人の所へ行って来る」

 

「仕方無ぇなぁ。じゃあ、先にさくらちゃん達に試して貰うとするか」

 

やや不満そうにしながらも、令士は花組の皆を見ながら言う。

 

「皆、十分に気を付けるんだぞ」

 

「抜かせ」

 

軽口を叩き合いながら、誠十郎は格納庫を後にしたのだった。

 

「其れじゃあ、早速お願いしようか。皆無限に乗り込んでくれ」

 

「分かりました」

 

「おう」

 

「了解」

 

「ハイ」

 

「楽しみね………」

 

令士に促され、花組のメンバーは自分の無限へと搭乗し、起動させて行く。

 

「良ーし、皆起動出来てるな? 其れじゃあ、早速開始するぜ」

 

いくさちゃんのキーボードを操作し始める令士。

 

すると、さくら達の意識は電脳世界へとダイブして行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いくさちゃんの仮想空間内………

 

「! コレは!?」

 

自分達が、()()()()()()帝都の街中に居る事に驚くさくら。

 

『驚いたかい? コレが“疑似戦闘が出来る空間”さ』

 

通信機から令士の声が響く。

 

「スゲェー………如何見ても、本物にしか見えないぜ」

 

「感覚も全く違和感無くて………本当に“無限に乗って帝都に立っている”みたいです」

 

初穂とクラリスも、感嘆の声を漏らす。

 

「まるで幻術………」

 

「ホント、凄いわね………WLOFでもこんな装置は持って無いわ」

 

あざみとアナスタシアも、驚きを隠せずに居る。

 

『其れじゃあ、早速仮想敵を出して行くぜ』

 

「あの、司馬さん。ひょっとして怪獣とかも出るんですか?」

 

令士が、倒すべき仮想敵を出現させようとしたところ、さくらがそう尋ねて来る。

 

『いや。残念だが、未だ怪獣や星人のデータは不足しててな。出せるのは、降魔や傀儡機兵だけだ。だから、クラリスちゃんのゼットンも“()()使え無い”って事になる』

 

「そうですか………残念です」

 

其れを聞いたクラリスが、少し残念そうな様子を見せる。

 

『心配すんな。何れは、ゼットンや怪獣との戦闘も出来る様にしてみせるさ』

 

「! ハイ、ありがとうございます」

 

しかし令士からそう言われると、笑みを浮かべてお礼を言った。

 

「オイ、司馬。早く始めさせてくれよ。さっきからもうウズウズしてんだ」

 

と其処で、待ちくたびれたかの様に初穂が言う。

 

『分かった分かった。其れじゃあ、仮想敵を出現させるぜ』

 

令士がそう言うと、花組の無限達の前に傀儡機兵と降魔が出現する。

 

「来た来た!」

 

『気を付けてくれよ。仮想空間とは言え、本物と(ほぼ)変わりは無い。油断してたら、アッと言う間にやられちまうぜ』

 

「ハイ! 行きますっ!!」

 

令士に威勢良く返事を返すと、さくら機が刀を抜いて突撃。

 

他のメンバーも、次々に傀儡機兵や降魔に攻撃を開始するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝劇地下・格納庫内………

 

「よ~し、良い感じだ。流石、俺。自分の天才ぶりが怖いぜ」

 

いくさちゃんの仮想空間内を映しているモニターで、さくら達が戦っている様子を見ながら、令士が自画自賛する。

 

と、その時………

 

いくさちゃんのモニターの映像が乱れ始める。

 

「アレ? 如何した?」

 

直ぐにキーボードを弄り出す令士。

 

しかし、画面の乱れは収まるどころか益々酷くなる。

 

「オイオイオイオイ、待ってくれよ! いきなり故障だ、なんて洒落(シャレ)にならねえぞっ!!」

 

焦った令士は、モニターをバンバンと叩き始める。

 

その瞬間!!

 

ダァダアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーッ!!

 

不気味な咆哮と共に、モニターに奇妙な怪人の顔が映し出された!!

 

「!? うわあっ!? な、何だコイツはっ!?」

 

驚きながらも、再度キーボードへと手を伸ばす令士。

 

「!? びりびりー! しびればびれぶー!!」

 

途端に令士の身体を電流が襲い、そのまま弾き飛ばされた!

 

ダァダアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーッ!!

 

怪人が再び咆哮を挙げると、いくさちゃんからスパークが放たれ始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮想空間内………

 

「やあああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

傀儡機兵・侍を気合の声と共に斬り捨てようとしているさくら機。

 

しかし、その刃が当たると思われた瞬間に、突如傀儡機兵・侍の姿が消えてしまう。

 

「!? ととっ!? あ、アレ………?」

 

「オイ! 如何なっちまってんだ!?」

 

「敵が突然消えました………」

 

さくら機が蹌踉ながらも踏み止まっていると、初穂とクラリスからそう声が挙がる。

 

2人の言葉通り、アレ程居た傀儡機兵や降魔が、()()()()()消えてしまっていた。

 

「司馬さん、如何したんですか?」

 

さくらが令士に問い掛けるが、通信機からはノイズしか返って来ない。

 

「故障かしら?」

 

「造っていきなり故障なんて、司馬も大した事無い」

 

アナスタシアがそう言うと、あざみから辛辣な意見が出される。

 

「司馬さん? 司馬さん?」

 

再度令士へと呼び掛けるさくら。

 

すると………

 

ダァダアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーッ!!

 

「!? キャアッ!?」

 

通信機からあの不気味な咆哮が聞こえて来て、さくらは思わず悲鳴を挙げる。

 

「な、何だ今のは!?」

 

他の機体にも流れていたらしく、初穂が声を挙げる。

 

「! ああっ!? 見て下さいっ!!」

 

「「「「!?」」」」

 

其処へ今度はクラリスが声を挙げ、さくら達が見たのは………

 

帝都の建物や地面が、まるで基盤や回路の様なデザインへと変わって行く光景だった。

 

更に、空の上にも“同じデザインの()()()()()”が現れる。

 

「な、何が起こってるの?」

 

「やっぱり故障でしょうか?」

 

と、さくらとクラリスがそう言い合っていた時………

 

ダァダアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーッ!!

 

あの咆哮と共に、スノーノイズの様な巨大な塊が現れたかと思うと、其処から白い体に幾重もの黒い線が入った怪人………

 

『コンピューター生命体 パワードダダ』が出現した!!

 

「!?」

 

「か、怪獣!? いや、星人か!?」

 

「そんな!? 確か、怪獣は出せない筈じゃっ!?」

 

突如出現したパワードダダに、さくら・初穂・クラリスが驚愕する。

 

その瞬間、パワードダダが両手を花組に向け、ニュートロン光線を放った!

 

「! 危ないっ!!」

 

「「「「!!」」」」

 

あざみの声で、さくら達は一斉に散開する。

 

直後に、ニュートロン光線が先程までさくら達が居た場所に命中。

 

派手に爆発を起こす。

 

「まさか………アレは()()なの?」

 

「!? 本物っ!?」

 

「そんな!? 此処は“仮想空間の中”の筈じゃ!?」

 

アナスタシアの推察に、初穂とクラリスがまさか?と言う。

 

「けど、あの怪人からの“殺気”は本物………」

 

しかしあざみが、パワードダダが向けて来ている殺気が紛れも無く()()である事を感じ取り、そう言う。

 

「も、若しこの空間でやられちゃったら………私達、如何なるの!?」

 

「「「!!」」」

 

其処でさくらが挙げた疑問に、初穂・クラリス・あざみがハッとする。

 

「さあ、分からないわね………けど………間違い無く“()()では居られ無い”でしょうね」

 

アナスタシアが、一見冷静ながら、冷や汗を一筋流してそう言うのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝劇・支配人室………

 

「報告は以上です」

 

「そう、分かったわ。どうもありがとう」

 

すみれに報告を終えた誠十郎。

 

「そう言えば、司馬くんが何やら“面白い物”を造ったそうですわね?」

 

「ええ、まあ………アイツの発明は()()()()()信頼出来るんですが、流石に今回は眉唾物な気がしますが………」

 

いくさちゃんの事を訊いて来たすみれに、誠十郎がそう返していると………

 

「すみれ様! 大変ですっ!!」

 

カオルが慌てた様子で、ノックもせずに支配人室へ入って来た。

 

「うわっ!? カオルさん!?」

 

「如何したのです? そんなに慌てて?」

 

軽く驚く誠十郎と、冷静に問い質すすみれ。

 

「さくらさん達が危険ですっ!!」

 

「!?」

 

「何ですって!?」

 

しかし、続いて齎された報告に2人揃って驚くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝劇地下・格納庫内………

 

「クソッ! まさかこんな事になるなんて!!」

 

「司馬はん! はよ何とかしてぇなっ!!」

 

いくさちゃんのキーボードを必死に操作している令士の横で、こまちがそう急かす。

 

「令士! 皆っ!」

 

「何が有りましたの!?」

 

其処へ、カオルに連れられた誠十郎とすみれがやって来る。

 

「あ、隊長はん! すみれはん! 其れが………」

 

「信じられ無いだろうが、司馬くんが作った“いくさちゃんの()()()()()に”、怪人が出現した」

 

令士が入力を続ける中、こまちが答えようとしたところ、無限が並んでいる方から姿を見せたサコミズがそう言う。

 

「何ですって!?」

 

「仮想空間内に怪人が!? さくら達は!?」

 

すみれが驚きの声を挙げ、誠十郎がサコミズの脇を擦り抜けて、無限に乗っているさくら達の様子を見に行く。

 

「さくら!!」

 

「…………」

 

そして、ハッチの開いていたさくらの無限の中を覗き込むと、“ハイライトの消えた瞳で固まっている”さくらの姿を見付ける。

 

他の無限にも、同じ様な状態になっている初穂・クラリス・あざみ・アナスタシアの姿が在った。

 

「さくら! 如何したんだ、さくら! 返事をしてくれっ!!」

 

誠十郎はさくらに呼び掛けながら、無限から引っ張り出そうとする。

 

「いけない、神山くん! 動かすんじゃない!!」

 

しかし、イデが慌てた様子で止めて来る。

 

「イデさん!? 如何してですか!?」

 

「今、彼女達の意識はいくさちゃんの中の仮想空間内に在る。いくさちゃんと接続している無限から離したら、意識だけが仮想空間内に分離され、2度と元に戻れなくなる!」

 

「! そ、そんなっ!?」

 

イデの言葉に、誠十郎は再度さくらを見遣るが、やはり彼女はハイライトの消えた瞳のまま、ピクリともしない。

 

「何とかならないんですか!?」

 

「恐らく、原因は“仮想空間内に居る怪人”だ。ソイツを倒す事が出来れば、天宮ちゃん達の意識は戻る筈だ」

 

「じゃあ、俺も無限で………」

 

「駄目だ」

 

「何故ですか!?」

 

「仮想空間に送られるのは、飽く迄()()()のデータだ………“ウルトラマンゼロであるデータ”は反映されない」

 

「!!」

 

「つまり、仮想空間内では君は()()()()()()()()()()()()()んだ」

 

「…………」

 

そう言われ、誠十郎は沈黙する。

 

「兎も角、ココは任せてくれ! 必ず何とかして見せる!」

 

イデはそう言うと、いくさちゃんを弄っている令士の方へと向かった。

 

「………ゼロ………今回は“お前でも”駄目なのか………?」

 

悔し気に拳を握り締めながら、ゼロにそう問う誠十郎。

 

『いや………手は有るぜ』

 

「!? 本当かっ!?」

 

だが、ゼロからそう返事を聞いて直ぐに気を取り直す。

 

『データが無いんなら、“()()()()データになってそのいくさちゃんの中に入り込めば良い”だけの話だ』

 

「そんな事が出来るのか?」

 

『前に、メビウスの奴がやった事が有るってのは聞いた。だが………」

 

「だが?」

 

『“仮想空間での戦い”ってのは、俺としても“未知の領域”だ。下手をすればデータ化されたまま元に戻れなくなるかも知れん。其れでもやるか?』

 

「やる! そうしなきゃさくら達を助けられないんだろう!?」

 

ゼロの問いに、迷い無くそう返す誠十郎。

 

『へっ、其れでこそ“俺の相棒”だぜ………じゃあ、行くぜっ!!』

 

「ああ!」

 

誠十郎は自身の無限の陰に隠れ、ウルティメイトブレスレットからウルトラゼロアイを取り出す。

 

「デュワッ!」

 

ウルトラゼロアイを装着すると、そのまま人間サイズのゼロの姿となる。

 

「ハアッ!!」

 

ゼロが気合を入れると、その身体が“光の粒子状のデータ”に変化する。

 

そして誠十郎の無限を介して、いくさちゃんの中へと突入するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮想空間内………

 

ダァダアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーッ!!

 

不気味な咆哮と共に、花組目掛けて次々にニュートロン光線を放つパワードダダ。

 

「キャアッ!」

 

直撃は躱したが、至近距離への着弾で思わず声を挙げるさくら。

 

「チキショウッ! このままじゃジリ貧だぜ!!」

 

「如何すれば……?」

 

初穂とクラリスがそう言うが、状況打開の手立てが無い。

 

ダァダアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーッ!!

 

と其処で、パワードダダがまたもニュートロン光線を放とうとする。

 

「! マズイッ!!」

 

「クッ!」

 

あざみとアナスタシアの表情が強張る。

 

 

 

 

 

その時!!

 

 

 

 

 

「オリャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

叫びと共に現れたゼロが、ウルトラゼロキックをパワードダダに見舞った!

 

「「「!?」」」

 

「「ゼロさんっ!?」」

 

驚く初穂・あざみ・アナスタシアと、思わず声を挙げるさくらとクラリス。

 

「待たせたな! ウルトラマンゼロ! 参上だっ!!」

 

着地を決めると、そう言い放つゼロ。

 

ゼロの初となる“仮想空間での戦い”が開始された………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

幕間話第1弾。
いくさちゃんを主軸とした話です。
本来ならば原作第3話の中での登場となった『いくさちゃん』ですが、コレの存在を知った時から、「コレであの『夢のヒーロー』が出せるんじゃねえ?」と思いまして、今回の幕間話を作りました。

登場怪獣は『パワードダダ』をチョイスしました。
最初はグリッドマン怪獣を最初から出そうかと思ったのですが、この作品はウルトラマンとのクロスなので、そちらをメインにしようと思い、丁度グリッドマンに出ても違和感無い設定のパワードダダの事を思い出し、抜擢してみました。
勿論、グリッドマン怪獣も出ますのでご安心を。

幕間話ですので次回で完結となります。
仮想空間での戦いで苦戦するゼロと花組を助ける為、いよいよ『夢のヒーロー』が登場します。
お楽しみに。

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
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