新サクラ大戦・光   作:宇宙刑事ブルーノア

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第3話『崩れる平和の祭典と新たな守り手』
チャプター1『開幕、世界華撃団大戦!』


第3話『崩れる平和の祭典と新たな守り手』

 

チャプター1『開幕、世界華撃団大戦!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝劇地下・司令室………

 

『全世界の【華撃団大戦】のファンの皆様、お待たせ致しました! 第3回世界華撃団大戦の舞台、此処帝都東京に、続々と各国の華撃団が集結しております!!』

 

「始まったな………」

 

司令室に集まり、モニターで集結する世界華撃団の姿を見ていた花組一同の中で、誠十郎がそう呟く。

 

次々と『WLOF級 空中戦艦』が、華撃団大戦の会場である『帝国競技場』へ乗り付けて来る。

 

『最初に登場致しまするは、最近は見掛けませんでしたが、帝都防衛にも日夜奮闘していた事で、御存知の方も多い上海華撃団です』

 

アナウンサーがそう言うと、上海華撃団のシャオロンとユイの姿が映し出された。

 

『先頭に立つのは【炎の飯使い】ことヤン・シャオロン隊長であります。そして続くはホワン・ユイ隊員であります』

 

カメラに向かって手を振るユイとは対照的に、シャオロンは終始顰めっ面で、不機嫌そうな様子だった。

 

「シャオロンの奴、無愛想過ぎじゃねえか?」

 

()()()から、ずっとあの調子だそうです」

 

そんなシャオロンの姿を見た初穂とクラリスがそう漏らす。

 

(確かに、幾ら何でも変だな………“華撃団の隊長”が、この()()()()で“あんな表情”でいるなんて………)

 

『アイツ………益々酷くなって無えか?』

 

誠十郎もそんなシャオロンの姿に疑問を抱き、ゼロも態度が悪化していると感じる。

 

「そう言えば、如何して私達は帝劇で待機するよう指示されたんですか?」

 

各国の華撃団が集結する中、自分達“帝国華撃団が()()を命じられた事”に疑問を呈するクラリス。

 

「決まってます! ()()()なんですから、後で“特別に一杯紹介して貰える”んですよ!」

 

『だと良いがな………』

 

前向きに考えるさくらだったが、ゼロは一抹の不安を感じる。

 

「次は『倫敦華撃団』。出て来た」

 

と其処であざみがそう言い、次の華撃団………

 

イギリスの『倫敦(ロンドン)華撃団』の姿が映し出される。

 

『続いて登場するのは、遥か霧の都から訪れた円卓の騎士団………【倫敦華撃団】であります! 大英帝国の伝統と格式を身に纏い、現れ出でたるは華麗なる貴公子【アーサー】団長!』

 

金髪で金色の戦闘服に身を包み、剣を携えた青年………『アーサー』が映し出される。

 

『円卓の騎士を率い、サーの称号を持つ現代の騎士。“騎士道の体現者”です』

 

(騎士か………)

 

騎士と称されるアーサーの姿に、ミラーナイトを重ねるゼロ。

 

『其れに続くは、全華撃団中【最強の剣士】とも噂されるブラックナイト・【ランスロット】!』

 

アナウンサーは続いて、亜麻色の髪をポニーテールに纏め、黒い戦闘服を纏っている女性剣士………『ランスロット』を紹介し始める。

 

『涼やかな瞳と流れる亜麻色の髪、優雅な姿でありながら不敵な笑みが絶対の自信を感じさせます』

 

其処でモニターからは、割れんばかりの歓声が響いて来る。

 

『そして、お聞き下さい! この大歓声です。まるで帝国競技場が無数のカナリアに占拠されてしまったかの様です。女性の声援が一際多い様ですね』

 

「凄い人気ですね」

 

「貴族様だし、凄え強ぇらしいから、まあ当然かもな」

 

その様子に、クラリスと初穂がそう漏らす。

 

「其れだけじゃないわ。高貴さと優雅さを兼ね備えた演技も、見事なものよ」

 

「完璧ですね、本当に。まるで、“物語の主人公”みたいです。まあ、ゼロさんには劣りますけど」

 

アナスタシアがそう補足すると、クラリスはそんな感想と惚気を漏らす。

 

『へへへ、照れるぜ』

 

「…………」

 

照れているゼロと、何と無く納得が行かない誠十郎だった。

 

「その次に入場した『ランスロット』さんはどんな方なんですか?」

 

「『黒騎士』の異名を持つ倫敦華撃団の切り込み隊長。二刀流から繰り出される剣技は、イナズマに喩えられる程の速さらしい」

 

さくらがランスロットについて尋ねると、あざみがそう答える。

 

「隊長の二刀流と、どっちが強いんだろうな?」

 

「ははっ………さて、如何だろうな。手合わせするのが、今から楽しみだよ」

 

初穂の問いに、誠十郎ははぐらかす様にそう返す。

 

『オイ、誠十郎。其処は“勿論俺の方が上だ”って言うトコだぜ』

 

(いやいや、自惚れも良い所だろう)

 

ゼロの言葉に、心の中でそう突っ込む。

 

『さあ、いよいよ登場です。皆様お待ちかねの、()()華撃団!』

 

と其処で、アナウンサーが新たな華撃団を紹介し始める。

 

『第一回、第二回の華撃団大戦で共に優勝し、前人未到の三連覇を目指す………最強兵団………【伯林(ベルリン)華撃団】! 堂々の優勝候補筆頭であります!!………!』

 

銀髪の女性とオレンジ色のツインテールの少女が映る中、アナウンサーの声が途切れる。

 

『………は、迫力です。何と言う、迫力でしょう。これこそ………正しく、王者の風格。圧倒的です。圧倒的………』

 

「………凄ぇ迫力だな。アナウンサーまで黙り込んじまったぜ」

 

「………はい。画面越しでも、気圧されてしまいます」

 

圧倒的な迫力を持つ伯林華撃団に、また初穂とクラリスがそう漏らす。

 

「ケタ違いの実力よ。欧州でも敵無し。辛うじて、倫敦華撃団が対抗出来るか?と言われているぐらいね」

 

「評論家による予想では、当然の様に『優勝当確』でした。流石です」

 

アナスタシアとさくらが続いてそう言う。

 

「アタシ等の予想は?」

 

「勿論『当確』です。()()()()()()………失礼ですよね、ホント」

 

初穂の問いに、クラリスがやや憤慨した様子を見せながらそう言う。

 

「やっぱり、そうですか………」

 

気落ちした様子を見せるさくら。

 

公演の客足も伸び始め、降魔だけでなく怪獣や星人相手にも奮戦して来たので、帝都市民の間でこそ帝国華撃団の人気は上がり始めているが、評論家の批評は厳しかった。

 

『誠十郎。ココは隊長のお前が鼓舞するところだぞ』

 

「(分かってる)負ける気で戦う積りは無い。精一杯、頑張ろう」

 

席から立ち上がりながら、皆に向かってそう呼び掛ける誠十郎。

 

「その通り! 力の限り、戦い抜きましょう!」

 

「気持ちだけで実力は覆らないけど………“()()と言う想い”は大事ね」

 

誠十郎の言葉に、さくらが元気を取り戻し、アナスタシアが厳しい事を言いつつも同意して来る。

 

「常に“トップ”を目指す積りで居ないと、優勝なんて夢のまた夢だから」

 

「お、見ろよ。次の華撃団が登場するみたいだぜ」

 

アナスタシアが言葉を続けると、次の華撃団の紹介が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さて、最後に………開催国である我が国から、帝国華撃団です!』

 

「よっしゃ! 来たああああっ!!」

 

漸く帝国華撃団の紹介が来て、初穂が歓声を挙げる。

 

()()()()()()も多いでしょうが、日本の帝都には帝国華撃団が存在しています。第3回世界華撃団大戦が帝都で開催される事となり、最近再結成されましたが、実力は発展途上。各国に胸を貸して貰う、いえ………()()()()()()()()()()()と言えるのではないでしょうか』

 

『言ってくれるぜ』

 

やや()き下ろした様なアナウンサーの物言いに、ゼロが憤慨する。

 

『最近では、帝都に現れる様になった新たな脅威である怪獣や宇宙人相手に奮戦しておりますが………其処で忘れていけないのが【彼】の存在!』

 

しかし其処で、アナウンサーの語気が変わる。

 

『御存知! 『ウルトラマンゼロ』!!』

 

そして、映像が帝国華撃団からウルトラマンゼロへと変わる。

 

「! ゼロさん!?」

 

『突如帝都に現れた謎の巨人! その圧倒的な力で怪獣や宇宙人を薙ぎ倒し! 身体の色を変える変身で能力を変える等、その力は計り知れません! 正に“神秘の超人”!!』

 

ゼロが紹介され始めた事にさくらが驚いていると、ワイドゼロショットを放つゼロや、ストロングコロナゼロやルナミラクルゼロの姿が映し出される。

 

『一体彼は何者なのか? 何処から来て何処へ行くのか? 今帝都のみならず、世界中で注目される存在です。さて、其れでは開催の日程と勝敗予想を………』

 

「ちょっと待てコラッ!」

 

やがて、アナウンサーが世界華撃団大戦の開催日程と勝敗予想を流し始めると、初穂が憤慨した様子を露わにする。

 

「もう終わりなんですかっ!? 殆どゼロさんの紹介じゃ無かったですか!!」

 

「開催国なのに、あんまりです。ゼロさんを紹介したのは評価しますけど」

 

さくらとクラリスもそう声を挙げる。

 

「ふふ………随分と舐められたものね………」

 

「成敗したい………」

 

クールに流すアナスタシアと、対照的にクナイを取り出して怒りを見せているあざみ。

 

「まあまあ、落ち着けよ。アナウンサーに怒ったって仕方が無い」

 

「悔しくないんですか!?隊長!」

 

「そうだぜ! アンタ、其れでも男かよ!?」

 

誠十郎が落ち着かせようとするが、さくらと初穂が噛み付く様にそう返して来る。

 

「静かになさい」

 

と其処で手を叩きつつ、カオルを伴ったすみれが姿を見せた。

 

()()を出せば、嫌でも取材されるわ。要は、“無視出来ない様になれば良い”のです。“下馬評が最低()()()()()”、勝てば否応無く注目される」

 

『だな。ガタガタ抜かす奴ぁ、実力を見せ付けてやりゃあ良いんだ』

 

すみれの言葉に、ゼロが同意する。

 

「“帝国華撃団此処に在り”と、目に物見せてお遣りなさい」

 

「神崎司令の言う通り………俺達は、()()()()出場するんだ。だから、この華撃団大戦で如何戦い、如何勝つのか、其れを話し合おうじゃないか」

 

誠十郎がそう言うと、さくら達は気持ちを切り替え、華撃団大戦を勝ち抜く作戦会議へと入る。

 

(………イラストレーターの話では………今回の華撃団大戦こそが、“帝国華撃団、そして世界の大きな転機になる”と………一体どの様な………)

 

その時すみれは、以前イラストレーターから言われていた帝国華撃団と世界の大きな転機について、一抹の不安を抱いていた。

 

「其れで神山くん、帝国華撃団が勝つ為の作戦は思い付いた?」

 

しかし今は、其れを頭の片隅に追い遣り、華撃団大戦への作戦について誠十郎に尋ねるのだった。

 

「“帝国華撃団としての強み”を活かして戦おうと思います」

 

「帝国華撃団としての強み? 其れは何かしら?」

 

「俺達の強みは……! 勿論! ()の事に決まってるだろ!」

 

と其処でゼロが主導権を奪取し、立ち上がりながらそう言い放った。

 

「俺が必ず! 帝国華撃団を優勝させる!!」

 

「「「「「…………」」」」」

 

一片の疑いも無くそう言い放つ誠十郎(ゼロ)の姿に、花組一同は呆気に取られた様な表情となる。

 

(オイ、ゼロ!)

 

大言を吐いてしまった事に、誠十郎は焦るが………

 

「フフフ………実の所、其れが“1番の強み”かも知れないですわね」

 

しかし何と、すみれは誠十郎(ゼロ)の言葉を肯定した。

 

「今の花組は出来たばかりの部隊。チームワークも未だ未だ未熟ですわ。結束力を引き出せるか如何かは………神山くん、()()()()ですわ」

 

(ほ、本当に俺が“切り札”だった………全力で頑張ろう………)

 

『そうだぜ、誠十郎。その気概を忘れんじゃねえぞ』

 

すみれからの言葉を受け、誠十郎が決意を新たにすると、ゼロは主導権を返した。

 

「其れで神山くん。作戦は引き続き考えて貰うとして………もう1つ、“お願いしたい事”が有るの」

 

「何でしょうか?」

 

「開催国の代表として、各国の参加者に挨拶して来て欲しいのよ。私もサコミズさんもちょっと外せない用事があるから………(わたくし)の代理として、お願い出来るかしら?」

 

「分かりました………上海華撃団にもですか?」

 

すみれの代理として各国華撃団への挨拶を頼まれる誠十郎だが、表情を強張らせてそう尋ね返す。

 

銀座での戦闘の際に、明らかにさくらを殺そうとしていたシャオロン。

 

流石に看過出来る事では無く、上海華撃団とWLOFに抗議を上げた。

 

しかし、上海華撃団からの解答は今だ無く、WLOFに至っては『華撃団同士の事は華撃団同士で話し合って解決せよ』と言う、完全に職務放棄な答えが返って来た。

 

その為、帝国華撃団と上海華撃団は現在も気不味い関係が続いているのだ。

 

「そうですわね………()神山くんが上海華撃団の人達と会うのは好ましく無いわね。そちらには後で私が言っておくわ」

 

「お気遣い、感謝します」

 

すみれもその辺の事情を考慮し、上海華撃団は後回しで良いと結論付けた。

 

「あの………私も一緒に行って良いですか? どんな人達が相手なのか、会っておきたいんです」

 

と其処で、さくらが遠慮がちにそう言って来た。

 

「えぇ、構わないですわ。失礼の無い様にね」

 

「はい!」

 

「では、開催セレモニーも終わった事ですし、一先ず解散にしましょう」

 

さくらに許可を出すと、すみれはこの場を解散とするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

いよいよ新サクラ大戦の目玉『世界華撃団大戦』の開幕となります。
しかし、この華撃団大戦………
トンでもない事になります。
詳しくはこの後の展開にて………

また、今回も上海華撃団の出番は大幅カットとなります。
説明した通り、あんな事があった後で普通に交流出来るかと言われたら、答えはNOですからね。

次回は倫敦華撃団と伯林華撃団と会合。
どちらも衝撃的な展開になりますので、お楽しみに。

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