新サクラ大戦・光   作:宇宙刑事ブルーノア

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チャプター2『倫敦華撃団と伯林華撃団』

チャプター2『倫敦華撃団と伯林華撃団』

 

黒騎士 ランスロット

 

降魔『業火』

 

地底怪獣 デットン登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝都中央駅・大帝国ホテルに通じる連絡通路前………

 

華撃団大戦に参加する、各国華撃団への挨拶をすみれに代わって任された誠十郎(+ゼロ)とさくらが最初に訪れたのは………

 

帝都中央駅に隣接している『大帝国ホテル』を拠点としている『倫敦(ロンドン)華撃団』だった。

 

「大帝国ホテルに滞在か………お金持ちな華撃団だな」

 

『何か嫌味ったらしいぜ』

 

ホテル住まいな倫敦華撃団にそんな感想を漏らす誠十郎とゼロ。

 

「高級過ぎて………入るの、ちょっとドキドキしちゃいます」

 

根っからの庶民なさくらは、高級ホテルである大帝国ホテルに入るのに若干の躊躇いを覚える。

 

「確かに少し緊張するな………でも、“帝国華撃団の代表”として、堂々と入ろう」

 

「はい!」

 

しかし誠十郎が毅然とした態度を見せると、さくらも表情を引き締める。

 

そして、2人は揃って大帝国ホテルへと入って行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大帝国ホテル・ロビー………

 

「これは………凄いな」

 

『まるで光の国みてぇだな』

 

思ったよりも高級(豪華)な内装に誠十郎が感嘆の声を漏らしていると、ゼロは故郷を思い出す。

 

「高級ホテルってこんな感じなんですね。ステキです………」

 

さくらも思わず溜息を漏らす。

 

「ねえ、キミ………中々強そうだね!!」

 

とその時、ロビー奥の階段の上からそんな声が降って来た。

 

「「………!?」」

 

その声に、誠十郎とさくらが反応した瞬間………

 

「行くよ………勝負!!」

 

声の主………ランスロットが其処から跳躍!

 

「でやあああっ!!」

 

上段に振り被った剣を、さくら目掛けて振り下ろしながら降下して来た!!

 

「!!」

 

さくらは驚きながらも、天宮國定を抜き放ちつつ振り下ろされた剣を躱す!

 

「さくら!!」

 

「フッ!!」

 

誠十郎が声を挙げる中、さくらは反撃とばかりに横薙ぎを繰り出すが、弾かれる。

 

ランスロットは、そのまま剣をまるで小枝でも振るかの様にして、次々と連撃を繰り出して来る。

 

「ははっ! これが帝国華撃団の実力なの!?」

 

「くっ………!」

 

防戦一方のさくらに向かって、ランスロットは挑発するかの様にそう言い放つ。

 

其処で、さくらは後ろに跳んで一旦距離を取る。

 

「勝つのはあたし達………倫敦華撃団だ!」

 

するとランスロットは、刀を顔の脇に構え、鋭い突きを繰り出した!!

 

その突きがさくらを刺し貫いた!

 

………かに思えたが、

 

「!? 何っ!?」

 

驚くランスロット。

 

さくらは紙一重で躱しており、僅かに切れた髪がパラパラと宙に舞う。

 

「はあああああっ!」

 

其処でさくらは、剣を壁に突き刺してしまったランスロットに向かって、身体を独楽の様に回転させての横薙ぎを繰り出した!!

 

「!? なっ!?」

 

しかし、今度はさくらが驚く。

 

「“二剣”で無ければやられていたよ………」

 

ランスロットはもう1本の剣を抜き、さくらの横薙ぎを背面で受けていた。

 

「アンタ、やるね」

 

「クッ!」

 

直ぐ様飛び退いて、距離を取るさくら。

 

(雰囲気が変わった………!)

 

そして、二剣となったランスロットの雰囲気が変わった事を瞬時に感じ取る。

 

「さあ………行くよっ!!」

 

再度さくらに斬り掛かって行くランスロット。

 

『誠十郎! 代われっ!!』

 

「!? ゼロッ!?」

 

と其処で、ゼロが誠十郎の身体を動かし、両者の間に割って入った!

 

「!? 神山隊長っ!?」

 

「!? 馬鹿っ! 急に飛び込んで来るなっ!!」

 

さくらは驚きで動きを止めたが、ランスロットは剣を止められず、誠十郎に斬り掛かってしまう!

 

が!!

 

「よっとっ!」

 

何と誠十郎(ゼロ)は、振り下ろされたランスロットの二剣を、其々()()()白羽取りして止めて見せる!

 

「!? なっ!?」

 

「!!」

 

ランスロットは驚愕に目を見開き、彼女を止めようと現れたアーサーも思わず固まった。

 

「クッ!!」

 

直ぐ様飛び退き、誠十郎(ゼロ)から距離を取るランスロット。

 

「………キミも強いね。私の剣を“素手で”受け止めたのは、キミが初めてだ」

 

しかし尚、戦意は折れていない様子で、ギラつく目で誠十郎(ゼロ)を見遣る。

 

「そいつは光栄だな」

 

其れに対し、誠十郎(ゼロ)は不敵に笑って返す。

 

「改めて勝負しようじゃ無いか」

 

「良いぜ………乗ってやるよ」

 

ランスロットがそう言い放つと、誠十郎(ゼロ)はそう返して………

 

()()()()()構えを取った。

 

「? 何故抜かない? その腰の刀は飾りかい?」

 

腰に携えている二刀を抜かずに構えを取る誠十郎(ゼロ)に、ランスロットが怪訝な顔をする。

 

「“抜かない”んじゃねえ………()()()()()()()だけだ」

 

すると、誠十郎(ゼロ)はそんな言葉を返した。

 

「! 貴様! ふざけるなよっ!!」

 

舐められていると思ったランスロットは、怒りも露わに斬り掛かる。

 

『オイ、ゼロッ!?』

 

「任せておけって………」

 

誠十郎が慌てるが、ゼロは両腕にエネルギーと霊力を集中させる。

 

「ハアアアアアアッ!!」

 

二剣を、誠十郎(ゼロ)目掛けて振り下ろすランスロット。

 

「フッ!」

 

迫り来る二剣に対し、誠十郎(ゼロ)は腕を構える。

 

すると、『ガキィンッ!!』と言う金属同士がぶつかり合った様な鈍い音が響き渡る。

 

「!? 嘘だろっ!?」

 

「へへっ」

 

驚愕するランスロットに対し、誠十郎(ゼロ)は不敵に笑う。

 

ランスロットが振り下ろした二剣は、誠十郎(ゼロ)の()で止められていた!

 

エネルギーと霊力を集中して、腕を硬化させたのだ!!

 

嘗て、師匠・ウルトラマンレオが、『奇怪宇宙人 ツルク星人』と戦った時に使った戦法である。

 

「こ、こんな事がっ!?………うわああああっ!!」

 

戦慄しながらも、二剣で目にも止まらぬ連撃を次々に繰り出すランスロット。

 

「よっ! ほっ! はっ!」

 

しかしその全てを、誠十郎(ゼロ)は硬化させた腕で全て防いで見せる。

 

ランスロットの剣が命中する度に、鈍い金属音が響き渡るが、誠十郎(ゼロ)の腕には掠り傷1つ付かない。

 

「か、神山隊長………凄い………」

 

誠十郎(ゼロ)の絶技に言葉を失うさくら。

 

「…………」

 

その様子を見ていたアーサーは、最早ランスロットを止める事も忘れ、口を開いたまま愕然としていた。

 

と………

 

不意に、『パキィーンッ!!』と言う、金属が砕けた様な破砕音が鳴り響いた。

 

「そ、そんな………」

 

ランスロットが膝を着く。

 

その手に握っている二剣は、刀身が中程から砕けて無くなっていた。

 

如何やら、硬化させた誠十郎(ゼロ)の腕の防御による反動に耐え切れなかった様だ。

 

「如何する? 未だやるか?」

 

「………私の………負けだ………」

 

誠十郎(ゼロ)がそう問うと、ランスロットは力無くそう返したのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よ、ようこそ、帝国華撃団の諸君。僕が倫敦華撃団団長、『アーサー』だ」

 

若干引き攣った顔をしながらも、必死に取り繕った様子で自己紹介をして来た、倫敦華撃団の隊長もとい団長の『アーサー』

 

「君が、帝国華撃団の隊長………神山 誠十郎くんか。ランスロットが失礼をしたね。ケガは無かったかな?」

 

「ああ、この通り。掠り傷1つ無えよ」

 

そう言って、ランスロットの剣を受け止めていた腕を見せる誠十郎(ゼロ)。

 

その言葉通り、ランスロットの剣を受け止めていた腕には、傷1つ付いていない。

 

「そ、そうか………“宇宙人を生身で退けた”と言う噂は聞いていたが、如何やら本当の様だね」

 

冷や汗を流しながら、アーサーは頷く。

 

(ゼロ! 何て事をしてくれたんだ!?)

 

『何だよ? 別に怪我したワケじゃねえだろ?』

 

(“そう言う問題”じゃ無い! お前が腕で剣を受け止めようとした瞬間は肝が冷えたぞ!!)

 

しかし誠十郎本人は、ゼロに対してそう抗議の声を挙げていた。

 

「今日は態々挨拶に来てくれてありがとう。天宮さんは素晴らしい剣士だ。そして君も“途轍も無い”戦士だ。華撃団大戦、楽しみにしているよ」

 

と其処で、再度取り繕ったアーサーがそう述べる。

 

『じゃ、後は任せたぜ』

 

「(オ、オイ!………ったく)此方こそ。“胸を借りる”積りで、挑ませて貰います」

 

と其処でゼロが引っ込み、誠十郎は何とか平静を装ってアーサーに返す。

 

(胸を借りる、か………“皮肉”にしか聞こえないよ)

 

その誠十郎の言葉に、アーサーは内心でそう思うのだった。

 

「…………」

 

一方、剣と共にプライドも砕かれたランスロットは、誠十郎を睨み付ける様に見据えていた。

 

「えっと、改めて初めまして。神山 誠十郎です。その………」

 

「ランスロットで良いよ、神山………さっきの事は気にしなくて良い。剣を砕いてしまったのは、あたしが“未熟”だからだ」

 

挨拶して来た誠十郎にそう返すものの、その顔は納得が行っていない様子だ。

 

「見てろ………華撃団大戦の場でリベンジだ! 今度は必ずあたしが勝つ!!」

 

誠十郎をビッと指差しながら、ランスロットはそう宣言する。

 

(これは………大変な人の機嫌を損ねてしまったかも知れないな)

 

『面白くなってきたじゃ無えか、誠十郎』

 

内心で冷や汗を流す誠十郎に、ゼロは無責任にそう言うのだった。

 

「神山くん。君達の健闘を祈るよ」

 

と其処で、アーサーがそう言いながら右手を差し出し握手を求めて来た。

 

「ありがとうございます」

 

其れに対し誠十郎も自分の右手を差し出し、ガッチリと握手を交わす。

 

「では、他の華撃団の方々への挨拶も有りますので、コレで失礼致します」

 

「ああ。試合でまた会おう」

 

最後にそう言い合うと、誠十郎(+ゼロ)とさくらは、大帝国ホテルを後にしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝都中央駅・大帝国ホテルに通じる連絡通路前………

 

「さくら。ランスロットさんは強かったかい?」

 

帝国ホテルを出た誠十郎が、さくらにそう尋ねる。

 

「はい。強かったです。今まで戦った誰よりも………」

 

「『倫敦の黒騎士』か………流石は“最強剣士”と言われるだけの事は有るな」

 

「はい………でも正直、神山さんの方が凄かったですよ。剣を腕で受け止めるなんて」

 

「ああ、いや………」

 

流石に返答に困る誠十郎。

 

「お陰で(わたし)、楽しくなって来ました」

 

「………楽しく?」

 

「だって、沢山の華撃団の人達と競い、戦える! こんな経験、そうそう出来る事じゃ無いですよね!?」

 

『相変わらず、前向きな奴だぜ』

 

前向きなさくらの言葉に、ゼロが感心する。

 

(わたし)、今まで以上に華撃団大戦が楽しみになりました!」

 

「ははっ………ホントに前向きな意見だな。其れでこそ、さくらだ」

 

「さあ、神山さん! 次は伯林(ベルリン)華撃団に会いに行きましょう!」

 

「ああ、そうだな………」

 

そう言い合うと、次に伯林華撃団の元へと向かう誠十郎(+ゼロ)とさくらだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方………

 

大帝国ホテル・ロビー………

 

「帝国華撃団・天宮 さくら………あたしに“2本目の剣を抜かせる”なんてね。そして神山 誠十郎………あんな屈辱を覚えたのは初めてだよ!」

 

「正直、“本当に人間か?”と疑ったよ。彼個人の実力()()で勝敗が決まるものでは無いが………かと言って“無視出来る存在”では無い」

 

先程のさくら、そして誠十郎(ゼロ)との戦いを思い出し、ランスロットとアーサーは苦い顔を浮かべていた。

 

「まさか帝国華撃団にあれ程の存在が居たとは………ひょっとすると、伯林華撃団()()()強敵になるかも知れないな」

 

「関係無いよ。帝国華撃団だろうと伯林華撃団だろうと………“戦うだけ”さ」

 

其処でランスロットは、不敵な笑みを浮かべてそう言い放つ。

 

「ランスロット………何時も言っているけど、僕達は“騎士であり華撃団”なんだ。戦う事ばかりに囚われていてはいけないよ?」

 

「またお説教? やめてよ。あたしは、戦う事が出来れば其れで良いの。其れが“()()()()守る事や華撃団の為になれば良い”んでしょ?」

 

そんなランスロットをそう注意するアーサーだったが、ランスロットは何処吹く風と言った様子である。

 

「全く………」

 

アーサーは、そんなランスロットの姿に一抹の不安を感じるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその頃………

 

誠十郎(+ゼロ)とさくらは………

 

伯林華撃団が滞在している空中戦艦を目指して、銀座の街を歩いていた。

 

「しかし、何とか間に合ったかな?」

 

「何がですか?」

 

不意にそう漏らした誠十郎に、さくらが尋ねる。

 

「華撃団大戦だよ。隊長になった頃は、“如何にもならない”と思ってたけど………皆一生懸命、特訓に従いて来てくれた。充分に、勝てる可能性は有る」

 

「そ、そうですか………」

 

誠十郎の言葉に、さくらはゼロ直伝の特訓の事を思い出し、若干引き攣った表情となる。

 

「本当は、もうちょっと連携とか深めたかったんですけど」

 

「大丈夫。怪獣や星人との実戦での経験値も有る。君達は強くなってる。俺が保証するよ」

 

「………はいっ!」

 

『まっ、俺から言わせれば未だ未だだけどな』

 

さくらに向かって誠十郎はそう言うが、ゼロが茶々を入れる。

 

(ゼロ………そりゃ、“お前の基準”から見ればそうかも知れないが………)

 

と、誠十郎がゼロにそう返していると………

 

「きゃあああ!!」

 

突如として悲鳴が響き渡った!!

 

「何だっ!?」

 

「何っ!?」

 

慌てて辺りを見回す誠十郎とさくら。

 

「神山さんっ! 彼処です! 降魔ですっ!!」

 

キシャアアアアアアッ!!

 

さくらが指差したその先では、人々の襲い掛かろうとしている数匹の降魔『業火』の姿が在った。

 

「降魔だとっ!?」

 

「早く帝劇に戻りましょう!」

 

「いや、街の人達の避難が先だ!」

 

誠十郎とさくらがそう言い合っていると………

 

「無用だ。3秒で片付ける」

 

何処からとも無く、そんな声が聞こえて来た。

 

「!? 何だっ!?」

 

誠十郎がそう言った瞬間………

 

暴れる降魔『業火』達の中に、1機の霊子戦闘機が降り立った!

 

其れは、十字状のスリット上を移動するカメラアイを持ち、両腕に機関砲を装備した白銀の機体………

 

伯林華撃団の『アイゼンイェーガー』だった!

 

キシャアアアアアアッ!!

 

そのアイゼンイェーガーに、1匹の降魔『業火』が襲い掛かる。

 

が、次の瞬間!!

 

アイゼンイェーガーは両腕の機関砲を展開したかと思うと………

 

まるで舞う様な無駄の無い動きで、機関砲を連射。

 

降魔『業火』達は次々に撃ち抜かれ、倒れ伏し、全滅。

 

その間、僅か3秒!

 

「「…………」」

 

『へえ………』

 

その一瞬の出来事に、誠十郎とさくらは呆然となり、ゼロも感心した様に呟く。

 

やがて、降魔『業火』を片付けた白銀のアイゼンイェーガーの隣に、もう1機の橙色掛かったアイゼンイェーガーが降り立つ。

 

その2機から、其々に搭乗者が降りて来ると、何かを言い合う。

 

「………!」

 

と其処で、誠十郎とさくらの存在に気付いた銀色のアイゼンイェーガーに乗っていた人物………エリスが近寄って来る。

 

橙色のアイゼンイェーガーに乗っていたマルガレーテも其れに続き、誠十郎とさくらの前に立つと2人揃って姿勢を正し、敬礼して来た。

 

「伯林華撃団隊長、エリスだ」

 

「帝国華撃団・花組隊長、神山 誠十郎です。ご協力、ありがとうございました」

 

自己紹介するエリスにそう返しながらお礼を述べて、頭を下げる誠十郎。

 

「協力等していない。“()()()降魔を倒しただけ”だ」

 

「「…………」」

 

やや冷淡とも取れるその物言いに、誠十郎とさくらは思わず黙り込む。

 

「………帰投する。行くぞ、マルガレーテ」

 

「Jawohl!」

 

そして、直ぐに帰投しようとマルガレーテに呼び掛ける。

 

と、その時!!

 

グアガアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!!

 

突如、咆哮と共に誠十郎達の直ぐ傍の石畳の地面を突き破って、『地底怪獣 デットン』が出現した!

 

「!? なっ!?」

 

「怪獣っ!?」

 

『アレは地底怪獣 デットンだ!』

 

エリスとさくらが驚きの声を挙げ、ゼロがその怪獣の名前を告げた瞬間!

 

グアガアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!!

 

デットンは咆哮と共に、搭乗者の居ないアイゼンイェーガー2機を蹴り飛ばした!!

 

「!? アイゼンイェーガーッ!!」

 

エリスが思わず声を挙げた瞬間、2機のアイゼンイェーガーは建物の側面に叩き付けられた!!

 

火花を散らし、蒸気漏れを起こして擱座するアイゼンイェーガー。

 

グアガアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!!

 

其れを確認すると、デットンは誠十郎達を見下ろす。

 

「! うっ!」

 

「ひっ!?」

 

身長55メートルのデットンに見下ろされ、強豪と言われている伯林華撃団のエリスとマルガレーテも流石に怯んだ。

 

「! さくら! 2人を連れて離れろっ!!」

 

と其処で、ゼロと入れ替わった誠十郎が、刀を1本抜きながらさくらにそう言う。

 

「! 神山さん!?」

 

「ハアッ!!」

 

さくらが驚きの声を挙げた瞬間、誠十郎(ゼロ)は刀をデットン目掛けて投擲した!

 

投げ付けられた刀は、デットンの左目に突き刺さった!!

 

グアガアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!?

 

目をやられたデットンが、悲鳴の様に咆哮を挙げる。

 

「コッチだ、不細工野郎! コッチへ来いっ!!」

 

其処で誠十郎(ゼロ)は、デットンに向かってそう挑発の言葉を投げ掛け、さくら達から離れる様に走り出した。

 

グアガアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!!

 

目をやられた事か、挑発された事への怒りか、デットンは誠十郎(ゼロ)を追ってさくら達から離れる。

 

「! 誠兄さん!」

 

「無茶だっ!!」

 

思わず誠兄さん呼びしてしまうさくらと、声を挙げるエリス。

 

グアガアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!!

 

と其処でデットンは、平手打ちの様に建物を叩き、瓦礫を誠十郎(ゼロ)目掛けて飛ばした!!

 

「!? うおおおおおっ!?」

 

飛んで来た瓦礫が直撃し、舞い上がった粉塵で誠十郎(ゼロ)の姿が見えなくなった。

 

「誠兄さあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーんっ!!」

 

グアガアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!!

 

悲鳴の様な声を挙げるさくらに、今度は貴様達の番だと言わんばかりにデットンが向き直る。

 

と、その時!!

 

「おおりゃああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーッ!!」

 

上空から現れたゼロが、デットンの脳天に急降下キックを見舞った!!

 

グアガアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!?

 

モロに喰らったデットンが、地面に叩き付けられる様に倒れる。

 

「セヤッ!!」

 

「! ゼロさんっ!!」

 

「! アレが噂の!!」

 

「ウルトラマンゼロ………」

 

着地を決めたゼロにさくらが歓喜の声を挙げ、エリスとマルガレーテは直で見るゼロの迫力に言葉を失う。

 

(ゼロ! 街の人の避難が未だ終わってない!)

 

「分かってる! 速攻で片付けてやる!!」

 

未だ街の人々の避難が終わっていない為、即座にケリを着けようと、ゼロはウルティメイトブレスレットを叩いて、ストロングコロナゼロに変わる!

 

「テエヤッ! ウルトラハリケーンッ!!」

 

デットンを捕まえると、ウルトラハリケーンで上空へと投げ飛ばした!!

 

「ハアッ!!」

 

其処で今度はウルティメイトブレスレット自体が輝いたかと思うと、ウルティメイトイージスが装着され、ウルティメイトゼロとなる。

 

「ウルティメイトゼロソードッ!!」

 

そして右腕のウルティメイトゼロソードから、ソードレイ・ウルティメイトゼロを“斬撃波”としてデットンに放った!!

 

斬撃波のソードレイ・ウルティメイトゼロは、デットンを縦一閃に両断!!

 

グアガアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!?

 

デットンは、そのまま断末魔と共に空中で爆発四散したのだった。

 

「やったっ!」

 

「強い………圧倒的では無いか」

 

「…………」

 

さくらが飛び上がって喜びを露わにし、エリスはゼロの強さに感嘆し、マルガレーテは不機嫌そうに黙り込んだ。

 

「………ルナミラクルゼロ」

 

其処でゼロは、ルナミラクルゼロへと変身。

 

「ミラクル・リアライズ」

 

ミラクル・リアライズで、壊れた街とアイゼンイェーガーを修復する。

 

「シュワッ!!」

 

其れを確認すると、空の彼方へと飛び去って行った。

 

「さよなら~、ゼロさ~~んっ!」

 

「お~~い、さくら~!」

 

さくらがその姿を手を振って見送っていると、同じ様に手を振りながら誠十郎が現れる。

 

「! 誠………神山さん! 無事だったんですね!?」

 

「ああ、ウルトラマンゼロが助けてくれたんだ」

 

また危うく誠兄さんと言い掛けながらも、誠十郎の無事を喜ぶさくらに誠十郎はそう返す。

 

「神山隊長。無事で何よりだ」

 

其処で、エリスも誠十郎にそう言って来る。

 

「エリスさん」

 

「済まないが、帝国華撃団の基地へアイゼンイェーガーを入れさせて貰えないだろうか?」

 

「えっ?」

 

と、続いての申し出に、誠十郎は首を傾げた。

 

「あのウルトラマンゼロの光線で修復された様だが、()()()()チェックを行いたい。ココからならば、私達の空中戦艦より帝劇の方が近いからな」

 

「ああ、そういう事ですか………」

 

其れを聞いて、納得が行った表情となる誠十郎。

 

『ま、当然だな。初穂達だって最初から信じたワケじゃねえしな。いきなり俺がした事を信じられ無いのも無理無えさ』

 

「(すまん、ゼロ)分かりました。直ぐに神崎司令に許可を取りますので」

 

「助かる………」

 

エリスは、申し訳無さそうに頭を下げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後………

 

令士とイデを中心とした帝劇整備班メンバーにより、アイゼンイェーガーは帝劇へと搬送。

 

エリスとマルガレーテも、予定外の帝劇訪問を行う事となったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウルトラ怪獣大百科

 

怪獣コンピューター、チェック!

 

『地底怪獣 デットン』

 

身長:55メートル

 

体重:2万トン

 

能力:ブルドーザー2500台分の怪力

 

初登場作品:帰ってきたウルトラマン第3話『恐怖の怪獣魔境』

 

霧吹山に出現し、サドラと交戦になった後、帰ってきたウルトラマンことジャックと共同で交戦。

 

追い詰めるものの、劣勢になると逃亡を計り、スペシウム光線で倒された。

 

実は初代ウルトラマンで使われたテレスドンの着ぐるみだったのだが、劣化が酷くなっており、補修を兼ねた結果、別の怪獣になったしまった。

 

その為、設定ではテレスドンの弟とされている。




新話、投稿させて頂きました。

倫敦華撃団と伯林華撃団と初会合。

倫敦華撃団では、原作ではさくらとのみ交戦でしたが、此方では誠十郎(ゼロ)も参戦。
レオ直伝の戦法でランスロットを打ち破ります。
お陰で目を付けられる事に………(笑)

一方、伯林華撃団は原作通りに降魔を退けるものの、続けて現れたデットンの前に思わぬ窮地に。
そこへゼロが登場。
ウルティメイトイージスの力であっという間にケリを着けます。
そして、伯林華撃団は帝劇への訪問をする事となります。

次回はいよいよ華撃団大戦の開幕式。
ですが、原作よりもトンでもない事態に………

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