チャプター3『獅子の瞳が輝いて』
宇宙超人 スチール星人・ソドロ
暗闇宇宙人 カーリー星人・ジャッパー
奇怪宇宙人 ツルク星人・ギリツ
怪異宇宙人 ケットル星人・スプリー登場
帝都・銀座の一角………
「し、師匠っ!? 何でこの地球にっ!?」
『!? 何っ!?』
「ゼロさんのお師匠さん!?」
レオの姿を見たゼロが驚き、誠十郎とさくらもビックリした様子を見せる。
「やっぱり! あの方は………ウルトラマンレオ!!」
一方でクラリスは、何処ぞのGUYS隊員の様に目を輝かせる。
「ウ、“ウルトラマンが
と其処で、スチール星人・ソドロが悲鳴の様な声を挙げると、脇目も振らずに逃走した!
「あ! テメェッ!!」
「追え、ゼロ」
「えっ!?」
レオがそう言って来て、ゼロは再度驚きの声を挙げる。
「話は後だ。此方は任せておけ。コイツ等も“
そう言うレオの視線の先には、殺気を溢れさせているカーリー星人・ジャッパー、ツルク星人・ギリツ、ケットル星人・スプリーの姿が在った。
「ウルトラマンレオ………」
「同胞の仇………」
「今此処で討ってくれる」
肩の角を揺らすカーリー星人・ジャッパーに、両手の刃を鈍く光らせるツルク星人・ギリツ、そして巨大な槍・アトミックランスを構えるケットル星人・スプリーがそう言い放つ。
「むんっ!」
其れに対し、レオは得意の宇宙拳法の構えを執る。
「行け! ゼロッ!!」
「! 分かったぜ、師匠っ!!」
ゼロはこの場をレオに任せ、スチール星人・ソドロを追ったのだった。
帝都・某所………
「ヘエッ! ヘエッ! ヘエッ! 此処まで来れば………」
自慢の速さでかなり離れた場所まで逃げて来たスチール星人・ソドロ。
しかし………
「ハアッ!!」
その眼前に、ゼロが土煙を巻き上げながら着地する!
「!? うおおっ!?」
「逃がしゃしないぜ」
急ブレーキを掛けたスチール星人・ソドロに向かって、ゼロはそう言い放つ。
「うぐうっ! オノレェッ!!」
逃げ切ったと思ったのにアッサリと追い付かれ、スチール星人・ソドロは自棄になった様に右手を上げたかと思うと、その手に“刀身が燃えている剣”が出現した!
「其奴はファイヤー星人の………盗んだのか? 手癖の悪い野郎だぜ」
「五月蠅いっ! 死ねぇっ!!」
ゼロが呆れた様に言う中、スチール星人・ソドロは燃える剣を振り下ろして来る。
「おっと!」
側転しながらサッと回避するゼロ。
「うおおおっ! 死ねぇっ! ウルトラマンゼロォッ!!」
そんなゼロを追い、燃える剣を振り回すスチール星人・ソドロ。
「よっ! ほっ! はっ!」
しかし、元々剣の心得なぞ無いスチール星人・ソドロの太刀筋は滅茶苦茶で洗練もされておらず、ゼロは軽々と回避し続ける。
「ぬおおっ! オノレェッ!!」
スチール星人・ソドロは、怒りのままに大きく横薙ぎに、燃える剣を振るう。
「ハアッ!!」
ゼロは其れを、大きく跳躍して躱すと、そのままスチール星人・ソドロの背後へと着地。
「………ルナミラクルゼロ」
そして、ルナミラクルゼロへとタイプチェンジをすると、ウルトラゼロランスを取り出した。
「ぬおおおっ!!」
そんなゼロに向かって、スチール星人・ソドロは大上段から燃える剣を振り下ろす。
「むんっ!」
ルナミラクルゼロは、ウルトラゼロランスを横にして其れを受け止める。
「ハアッ!」
そのまま、ウルトラゼロランスごと両腕を突き出すと、燃える剣はスチール星人・ソドロの手から離れてアッサリと宙に舞った!
「あっ!?」
「レボリウムスマッシュ」
間抜けな声を挙げてしまったスチール星人・ソドロに、ルナミラクルゼロは右掌を押し当て、そのまま衝撃波を放つ!
「!? ぐおおおおおっ!?」
「ミラクルゼロスラッガー」
そして、ブッ飛ばされる
「ゲボアッ!?」
無数のゼロスラッガーに斬り刻まれるスチール星人・ソドロ。
更に、駄目押しとばかりに弾いた燃える剣が落ちて来て、その特徴的な頭部を刺し貫いた!
「!? ガバッ!? む、無念んんんーーーーーっ!!」
未練がましい断末魔を挙げると、スチール星人・ソドロはバタリと倒れ、爆発四散したのだった。
「自業自得だぜ」
『ゼロ! 早くお師匠さんの所に戻ろう! 相手は3人だ! 加勢しないと!』
「ああ~?別に“心配無い”と思うぜ?」
『えっ?』
「だって、“俺の
ウルトラマンレオVSカーリー星人・ジャッパー、ツルク星人・ギリツ、ケットル星人・スプリー
「「「「…………」」」」
星人3人に取り囲まれた状態で、構えを執り続けているレオ。
圧倒的に不利な状況の筈なのに、その姿に動揺は微塵も感じられない。
「ウルトラマンレオ! 死ねえええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」
最初に仕掛けたのは、ツルク星人・ギリツ。
両腕の刃を鈍く光らせ、レオに斬り掛かる。
「むんっ!」
しかしレオは全く慌てず、両手でツルク星人・ギリツの両腕部分を摑んで受け止める。
「貰ったあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」
両手が塞がったレオに、すかさず今度はカーリー星人・ジャッパーが必殺の突進を繰り出すが………
「デヤアアッ!!」
「ゴバアッ!?」
レオはツルク星人・ギリツを抑えたまま、後ろ回し蹴りを繰り出し、アッサリとカーリー星人・ジャッパーを弾き飛ばす。
「テヤアアアアァァァァァーーーーーーッ!!」
と今度は、ケットル星人・スプリーがアトミックランスを構えて突っ込んで行くが………
「イヤアッ!!」
「おうわっ!?」
「ぎゃあっ!?」
レオは抑えていたツルク星人・ギリツを投げ付けた!
「グウアッ! オノレェッ!!」
弾き飛ばされたカーリー星人・ジャッパーが立ち上がると、再度レオに向かって突撃して行く。
「串刺しになれえええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!」
トップスピードに乗った突進がレオに迫る。
「ムンッ!!」
だがレオは、その突進が命中するかに思われた瞬間、独楽の様に回転しながら身を翻して躱したかと思うと………
「イヤアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーッ!!」
赤熱化させた右手の手刀・『ハンドスライサー』で、カーリー星人・ジャッパーの左肩の角を叩き斬った!!
「ぐああああぁぁぁぁぁーーーーーーっ!?」
角の折れた左肩を手で押さえながら、カーリー星人・ジャッパーが仰け反ると………
「エイヤアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!」
まるで燕返しの様に、振り下ろしたハンドスライサーを瞬間的に振り上げて右肩の角も叩き斬る!!
「があああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」
「イヤアァッ!!」
更に、悶えたカーリー星人・ジャッパーに横蹴りを喰らわせて距離を取る。
「むううんっ! エイヤアァッ!!」
そして、火球状の赤い光球・『エネルギー光球』を眉間目掛けて放つ!
「!? ぬおあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」
直撃を受けたカーリー星人・ジャッパーの身体が赤色に発光したかと思うと眉間が爆発。
直後に、今度は全身が爆発して木っ端微塵になった!
「す、凄い………」
「アッと言う間に1人やっつけた………」
「………ゼロに輪を掛けて強いぜ」
「流石はゼロの“お師匠さん”ね………」
立ち所にカーリー星人・ジャッパーを倒したレオの実力に、さくら・あざみ・初穂・アナスタシアが圧倒される。
「アレが宇宙拳法の技! 正に“真紅の獅子”! ウルトラマンレオ!!」
「ろ、老師………スゲェ………」
クラリスは感動で目が輝き捲っており、シャオロンも呆気に取られていた。
「ぬおおおっ!!」
と其処で、ツルク星人・ギリツが再び両腕の刃で斬り掛かる。
「エエヤアァッ!!」
だが、何と!!
ツルク星人・ギリツが振るって来た右腕の刃に、レオは真正面から
「なっ!? ぬおおおっ!!」
驚きながらも素早く左腕の刃を振るうツルク星人・ギリツだったが………
「エイヤアァッ!!」
その刃も、レオの拳によって砕かれた!
「なああっ!?」
「イイヤアァッ!!」
自慢の武器を失ったツルク星人・ギリツに、レオは正拳突きを喰らわせる!
「!? ゴバナッ!?」
その正拳突きの余りの威力に、ツルク星人・ギリツの正拳突きを喰らった反対側の背中が弾けて、肉片が飛び散った!
「ア………ゴ………ア………」
「ぬうううんっ! イヤアアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーーッ!!」
身体の中身が殆ど無くなったツルク星人・ギリツへのトドメに、レオは真っ直ぐに伸ばした両腕から発する光線・『シューティングビーム』を放つ!
「!?!?」
ツルク星人・ギリツは、断末魔を挙げる間も無く爆発四散した。
「ウルトラマンレオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーッ!!」
と、残るケットル星人・スプリーが、アトミックランスを構えて猛烈な突進による突きを繰り出す。
「ムンッ!」
だがレオは、その突きをアッサリとアトミックランスの先端を両手で摑んで止める。
「イヤアッ!!」
「! ゴハアッ!?」
そして前蹴りを繰り出すと、ケットル星人・スプリーはアトミックランスを手放し、蹌踉て後退る。
「ムウンッ!!」
レオは、奪ったアトミックランスを両手で持つと膝に叩き付けて圧し折り、放り投げた。
「! ぬうっ! うおおおっ!!」
ケットル星人・スプリーは大きく跳躍し、レオの頭上を跳び越える。
「イヤアァッ!!」
其れを追う様にレオも大跳躍!
ケットル星人・スプリーが着地すると………
「ヤアアアァァァァーーーーーッ!!」
その背に向かって、燃える右足の跳び蹴り………必殺の『レオキック』を繰り出す。
嘗て戦ったケットル星人も、着地の瞬間を狙い、この技で倒した。
「馬鹿めっ! 嘗ての同胞とは違うぞっ!!」
だが、このケットル星人・スプリーは弱点を克服していたのか、素早く立ち上がると、レオキックを繰り出しているレオの方に向き直り、防御姿勢を取った。
「エイヤアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」
しかし、レオはキックを敢行。
レオキックが、ガードしていたケットル星人・スプリーの両腕に当たったかと思うと………
何と両腕が粉々に砕け、更にそのまま直撃した上半身も木っ端微塵になった!!
「ヌンッ!!」
下半身だけになった、ケットル星人・スプリーの背後に着地を決めるレオ。
下半身だけになっていたケットル星人・スプリーの身体がバタリと倒れたかと思うと、そのまま爆発四散した。
「ス、スゲェ………」
「星人3人を相手に、まるで苦にして無かったわね」
「寧ろ逆に圧倒してた」
初穂・アナスタシア・あざみがレオの強さに舌を巻く。
「ゼロさんが強いのも納得です」
「ホント、そうだね………」
クラリスとさくらも、そう呟く。
「老師………」
そして、シャオロンもレオを見上げる。
「…………」
と、その視線に気付いたのか、レオがシャオロンを見遣る。
「!」
レオとシャオロンの視線が交差する。
「………!」
やがてシャオロンは、レオに向かって包拳礼を執って深々と頭を下げた。
「…………」
其れを見たレオが、満足そうに頷く。
「………イヤアッ!!」
そしてレオは、空の彼方へと飛び去って行ったのだった。
その後………
宇宙空間にて………
飛び去ったレオが宇宙へと出ると、程無くしてゼロがやって来た。
「師匠。何故、この地球に?」
「今、様々な宇宙で、怪獣や星人が“
ゼロの問いに、レオはそう返す。
『この地球に怪獣や星人が!?』
「やっぱり、“何者か”が
誠十郎が驚きの声を挙げると、ゼロもそう呟く。
「………彼が、
と其処で、今度はゼロと融合している誠十郎の存在を感じ取ったレオがそう尋ねて来る。
「ああ。神山 誠十郎………ちょいと情け無い所も有るが、立派な奴だぜ」
『オイ、情け無いって何だよ?』
ゼロの紹介に、誠十郎は不満気に呟く。
「そうか………神山 誠十郎。ゼロが世話になっているな」
『いえ。俺の方こそ、ゼロには何時も助けられています』
レオの言葉に、誠十郎はそう返す。
「そうか………俺はそろそろ行かねばならん。この事を光の国へ報告せねば、な………ゼロ、そして神山 誠十郎。恐らく、この先も様々な困難が立ちはだかるだろう。だが、“お前達が力を合わせれば必ず乗り越えられる”………其れを忘れるんじゃないぞ」
『ハイ!』
「分かってるって」
誠十郎はしっかりと返事を返し、ゼロも若干砕けてはいるが、承知と頷く。
「頼んだぞ………」
そう言い残すと、レオは地球から離れて宇宙空間に消えて行った。
『これからも、様々な怪獣や星人が引っ切り無しに出て来るワケか………』
「ああ………けど、必ず乗り越えてやるさ!
『ああ!』
ゼロと誠十郎はそう言い合い、地球………帝都へと帰還するのだった。
帝都・銀座某所………
「お~~い!」
「あ! 神山隊長!」
地球へと戻ったゼロは、見付からない様に変身を解除。
誠十郎へと戻ると、手を振りながら花組の元へと戻った。
「隊長さん! 無事だったか!」
「ああ、危ない所だったけどな」
「良かったぁ………安心しましたよ」
初穂に誠十郎がそう返すと、クラリスが安堵の息を吐く。
「………神山」
と其処で、シャオロンが誠十郎に声を掛けた。
「シャオロン………」
「「「「「…………」」」」」
シャオロンを見ると、さくら達に若干の緊張の色が走る。
「………その」
と、シャオロンが何か言おうとした瞬間………
「オイ、見ろ! ヤン・シャオロンだぞ!!」
「ホントだ!」
「怪獣野郎だっ!!」
戦闘が終わった事を確認しに出て来たのか、帝都市民達が集まって来た。
「!」
途端に口を噤むシャオロン。
「オイ、帝国華撃団! 何でソイツをやっつけないんだよ!?」
「ソイツは怪獣だろう!? 早く退治してくれよ!」
「そうだそうだ!」
口々に“シャオロンを退治せよ”と叫ぶ帝都市民達。
「待って下さい! 確かにあの時、上海華撃団は怪獣になりましたが、其れは彼等の所為では………」
「アンタ、帝国華撃団の隊長だろ!?」
「帝国華撃団が怪獣を庇うのか!?」
宥めようとする誠十郎だが、興奮している帝都市民達は聞き入れない。
(マズイ………このままだとマイナスエネルギーが………)
その様はマイナスエネルギーが発生しそうな程であり、ゼロが危機感を覚える。
「ですから………」
「帝都から出てけ! 怪獣野郎っ!!」
と、その時!!
帝都市民の1人が、シャオロンに向かって石を投げ付けた!
「!!」
立ち尽くすシャオロン。
だが………
「!? うっ!?」
何と、さくらがシャオロンの前に躍り出て、代わりに石礫を浴びた!
「!? さくらっ!?」
「「「「!?」」」」
「!!」
「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」
その場に居た全員が、驚き固まる。
「っ!」
石礫は、丁度こめかみ辺りに命中し、切れた皮膚から血が流れ出す。
「さくら! 何て事を!!」
女優の命である顔を負傷した事に、誠十郎が慌てながらハンカチを取り出して、血が流れるさくらのこめかみに当てる。
「私は大丈夫です、神山隊長………」
と、そのハンカチを自分の手で押さえると、さくらが帝都市民達の方に歩み寄った。
「「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」」
血を流しながら近付いて来たさくらの迫力に、帝都市民達は狼狽し、全員が1歩下がる。
「皆さん………」
するとさくらは、そんな帝都市民達に向かって頭を下げたかと思うと………
「シャオロンさんを………許してあげて下さい」
「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」
そう言って、帝都市民達を驚愕させた。
「! さくら!………君は………」
「「「「…………」」」」
誠十郎と初穂達も、信じられないモノを見る様な目でさくらを見遣る。
「天宮………」
シャオロンも目を見開いている。
「確かに、“色々な事”が有ったかも知れません………でも! シャオロンさんだって
そう言い放ち、頭を下げ続けるさくら。
「………!」
其処へシャオロンがさくらの隣へ移動した思うと、その場に跪いて、帝都市民達に向かって土下座する!
「申し訳ありませんでした!」
そして、心からの謝罪の言葉を口にするシャオロン。
「全ては、この俺の不徳の致すところです………本当に申し訳ございません!」
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
そんなシャオロンの姿を見て、言葉が出なくなる帝都市民達。
「オイ、オメェ達………こうまで頭下げられて、“許さねえ”だなんて、江戸っ子なら言わねえよなぁ?」
すると其処で、帝都市民達の背後からそう言う声が聞こえて来たかと思うと、スーツ姿で如何にも
周囲には、その手下と思しき連中の姿も在る。
「! ダ、『ダンディ団』の『団 耕助』!?」
「ダンディ団って………あの東城会と共に、帝都の裏を全て取り仕切ってるって言う!?」
帝都の裏社会のトップに君臨する人物の登場に、帝都市民達は動揺を露わにする。
「安心しな。俺達ゃ
団はそう言ってニヤリと笑う。
「「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」」
其れだけで、帝都市民達の背筋に寒気が走る。
「で、如何すんだ? お前さん達………ソイツを許すのか? 許さねえのか?」
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
団の問い掛けに、帝都市民達は再度シャオロンを見遣る。
「「…………」」
この一連の間、シャオロンは隣のさくらと共に頭を下げ続けていた。
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
その姿を見た、帝都市民達の表情からはドンドンと険が取れて行く。
(マイナスエネルギーが消えた………?)
其れに伴ってマイナスエネルギーも消滅し、ゼロは驚きを露わにする。
「その………悪かったよ」
「すまなかった」
「許してくれ」
そして、口々に謝罪の言葉を口にする。
「! ありがとうございます!」
「………ありがとうございます」
さくらは喜びを露わにし、シャオロンは尚も頭を下げ続ける。
「其れでこそ“江戸っ子”だぜ」
と其処で、団は懐から何かを取り出したかと思うと、さくらに向かって投げた。
「わっ、と!」
其れをキャッチするさくら。
其れは塗り薬であった。
「“良く効く”って評判の軟膏だ。女優さんの顔に傷が有っちゃいけねえからな。塗っときな」
「あ、ありがとうございます!」
「気にすんな。何たって俺達は………『ダンディ』だからな」
団はそう言うと、手下達と帝都市民達を引き連れて去って行った。
………何故か、フィンガースナップでリズムを刻んで踊りながら。
「良かったですね、シャオロンさん」
「天宮………本当にすまねえ」
其れを見送ったさくらがそう言うと、シャオロンはさくらの方に向き直り、再度土下座する。
「もう良いですよ。気にしないで下さい」
「…………」
朗らかに笑ってそう言うさくらに、シャオロンは土下座したまま涙を流すのだった。
「ったく、お人好しにも程が有るぜ」
「でも、さくらさんらしかったです」
「許せる人間は強い………正にさくらはそう」
其処へ、初穂・クラリス・あざみがそう言いながらさくらの周りに集まる。
「さくら………」
『………優しさを失わないでくれ。弱い者を
誠十郎も感慨深そうにさくらを見ていると、ゼロがそんな言葉を呟いた。
(ゼロ、其れは………?)
『嘗て「ウルトラマン
(………何100回裏切られても、信じる事を止めないでくれ、か)
Aの変わらぬ願いの言葉は、確かに誠十郎の心に響いた。
「…………」
とそんな中、アナスタシアは1人、何かを考えている様な様子を見せていた。
「? アナスタシア? 如何したんだい?」
「………ねえ、キャプテン。あの、レオってウルトラマン………
「ああ、其れが何か………?」
「ひょっとしたら、ウルトラマンゼロも普段は人間の姿をしていて、何処かに潜んでるんじゃないかしら?」
「!?」
『おっと………流石に鋭いな』
アナスタシアの思わぬ指摘に誠十郎は動揺するが、ゼロは余裕を見せる。
「い、いや、其れは………! ハイ! 此方誠十郎!」
何と返せば良いかと誠十郎が必死に考えていた所へ、天の助けとばかりに帝劇から通信が入る。
「! ホントですか!? 分かりました! 直ぐ伝えます!! 皆ー! ユイくんが目を覚ましたそうだ!!」
「! ホントですか!?」
「! ユイ!………良かった………ユイ」
其れは、昏睡状態だったユイが目覚めたと言う連絡であり、誠十郎が即座に皆へ伝えると、さくらが声を挙げ、シャオロンも漸く立ち上がって安堵の表情を浮かべた。
「コレで1件落着だな」
「ええ………あ! 浮かびました! 脚本のアイデア!!」
初穂に返事したクラリスが、新たな脚本のアイデアを思い付く。
「じゃあ、最後にアレをやって帰る」
「良し! じゃあ、行くか!」
あざみがそう言い、誠十郎が音頭を執る。
「せーの!!」
「「「「「「勝利のポーズ、決めっ!」」」」」」
シャオロンと共に勝利のポーズを決め、花組はユイ達の待つ帝劇へと帰還したのだった。
その後ユイは、経過も順調で程無く退院。
破壊されていた神龍軒も、お詫びも兼ねた帝都市民達の手で再建。
上海華撃団は、正式にウルティメイト華撃団への参加を表明し、設備も再び使用可能となった。
そして帝劇では、クラリスが今回の事件からインスピレーションを受けて執筆した新たな脚本の劇………
『怪獣使いと少年』が公開された。
差別や未知なるものへの恐怖心、集団心理の恐ろしさを一切オブラートに包まず、生々しく描写したこの作品は、“帝劇始まって以来の異色作”として帝都市民に衝撃を与えた。
其れと同時に、帝都市民達の心に深く刻まれる事となり、人々はこの話を“反面教師”とし、人に優しく在る様に誓ったのだった。
次回予告
あざみ「お待たせ。やっと、あざみの出番。
でも、あざみは忍者としては、まだまだ実力不足。
その所為で、隊長が………!
やっぱり、私じゃ………皆を守れないのかな?
次回『新サクラ大戦』
第4話『仮面の下』
太正桜にブラックホールが吹き荒れるぜっ!!
あざみは、本物の忍者になれる………?」
???「フォッフォッフォフッフォッフォフォッフォッフォッフォッフォッフォッ」
第3.5話・完
ウルトラ怪獣大百科
怪獣コンピューター、チェック!
『宇宙超人 スチール星人・ソドロ』
身長:1.75メートル~49メートル
体重:60キロ~2万8000トン
能力:頭部から放つ怪光線と高温火炎
初登場作品:ウルトラマンA第40話『パンダを返して!』
当時大流行していたパンダを盗みにやって来たという、変わった星人。
犯行時は人間に擬態しているが、時速60キロ以上で走る事が出来る。
パンダグッズに飽き足らず、本物のパンダを母星に密輸しようとしたが、Aに倒される。
尚、スーツは1、2話で使われたセパレートタイプのAのスーツを改造したもの。
実はオーブにて、写真でだがさらりと再登場していたりする。
『暗闇宇宙人 カーリー星人・ジャッパー』
身長:2.3メートル~58メートル
体重:160キロ~2万8000トン
能力:両肩の鋭い角での突進、電撃、ビーム
初登場作品:ウルトラマンレオ第6話「男だ! 燃えろ!」
レオ初期に登場した通り魔宇宙人の1人。
その鋭い角で次々に女性を襲い、MAC隊員も殉職させた。
等身大と巨大時で姿がまるで違う。
この星人への対策として、レオ(ゲン)はセブン(ダン)からかの有名なジープ特訓を受ける。
最後は突進を躱されて動けなくなった所で角を切断され、その切断された角を弱点の眉間に突き刺されて倒された。
『奇怪宇宙人 ツルク星人・ギリツ』
身長:2.4メートル~54メートル
体重:50キロ~2万トン
能力:両腕の鋭利な刃
初登場作品:ウルトラマンレオ第4話「涙よさよなら…」、第4話「男と男の誓い」
レオ初期に登場した通り魔宇宙人の1人。
やはり等身大と巨大時で姿がまるで違う。
両腕の刃で次々と人々を惨殺し、レオの犯行に見せかけようとしたのか、或いは挑発の為にかレオを象った宇宙金属製のレリーフを現場に捨てて行った。
その刃の切れ味は抜群で、自動車のドアごと人間を胴体から真っ二つにしてしまう。
1度はレオを倒すが、特訓で3段攻撃を身に着けたレオに歯が立たず、最後は両腕を切断され、倒れた所にその腕の刃が突き刺さり死亡した。
『怪異宇宙人 ケットル星人・スプリー』
身長:1.9メートル~49メートル
体重:80キロ~2万4000トン
能力:ミサイルも発射出来る巨大槍『アトミックランス』
初登場作品:ウルトラマンレオ第11話「泥まみれ男ひとり」
レオ初期に登場した通り魔宇宙人の1人。
等身大と巨大時の差異が小さい。
平均年齢が20万歳と言う超高齢の種族。
その為、若く繁栄している連中が大嫌いと言う傍迷惑な宇宙人。
超高齢とは思えぬ程に身体能力が高く、レオと互角か其れ以上。
特に跳躍力が優れているが、其れが災いし、着地の隙を衝かれてレオキックで倒された。
尚、有名なレオヌンチャクはこの回で登場した。
新話、投稿させて頂きました。
ウルトラマンレオ、強し!
星人3人を相手に圧倒!
嘗ては1度敗れた相手も、アレから更に強くなったレオの前では敵ではありません。
そしてレオから齎された情報………
やはり何者かが、サクラ大戦の地球に怪獣や星人を呼び寄せている。
一件落着かと思いきや、またも帝都市民達の風評被害に晒されるシャオロン。
しかし、さくらの身体を張った説得と、特別ゲストのダンディ団の活躍で無事解決。
これで上海華撃団も正式にウルティメイト華撃団の仲間です。
次回はあざみ回。
忍者である彼女のメイン回なので、あの宇宙忍者が登場です!
お楽しみに。
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。