新サクラ大戦・光   作:宇宙刑事ブルーノア

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明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。


チャプター2『望月 八丹斎』

チャプター2『望月 八丹斎』

 

バルタンバトラー・ゲカホ 登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日・帝劇にて………

 

「………そう言えば、あざみを見ていないな」

 

さくら達とすみれ達に朝の挨拶を済ませた誠十郎が、そう思い立って声を挙げる。

 

『昨日居なくなって其れっきりだったな』

 

「そうだった。忙しくて、つい忘れてたよ」

 

ゼロの指摘に、頭を掻く誠十郎。

 

その後、あざみの部屋へと向かったが不在だったので、気になった誠十郎は帝劇の皆にあざみについて聞いて回った。

 

 

 

 

 

経理室のカオルを訪ねると、令士が『蒸気天国』なるスケベ雑誌を()()で購入しようとしていた事を露見させ………

 

大道具置き場で『キミは堕天使 あのコは悪魔』なるポエミーなクラリスのノートを発見して届けに行くと、中身を見たのか問い詰められ、危うく重魔導の餌食にされそうになり(尚、クラリスもあざみを見ていないそうだ)………

 

舞台にて、アナスタシアの指導で爆発的に演技力を向上させているさくらの姿を目撃し、アナスタシアの指導に感謝を告げた後にあざみについて尋ねたが、彼女も行方を知らなかった………

 

今度は楽屋に移動し、初穂と話し込んでいたさくらに初穂と共に改めてあざみを見なかったか?と尋ねたが空振りだった。

 

 

 

 

 

(ん~~? あざみの奴、何処行ったんだ?)

 

『如何やら、普段から“居なくなるのが常”みてぇだな』

 

全く目撃情報の無いあざみに誠十郎が思わずぼやくと、ゼロがそう言って来る。

 

すると其処で、スマァトロンが鳴った。

 

(ん? こまちさんから電文だ)

 

こまちからの電文が届いたらしく、確認する誠十郎。

 

『助けて! 神山さん!!』

 

電文には本文が無く、題名だけにそう打ち込まれていた。

 

「!? コレはっ!?」

 

『只事じゃ無えぞ! 何か有ったな!?』

 

「クッ!!」

 

誠十郎は、直ぐ様こまちの居る売店へと向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝劇・売店前………

 

「早く言え。望月 あざみは何処だ?」

 

淡々とした様子で、こまちにそう問い質しているのはミスターI。

 

………その手には、黒光りする拳銃が握られている。

 

「アンタに何を教えられるかい!?」

 

そんなミスターIに対し、気丈に言い返すこまちだが、銃を突きつけられている恐怖は隠せず、足が小刻みに震えている。

 

「こまちさん!」

 

其処へ現れた誠十郎が直ぐ様間に割って入り、こまちを背に回して庇う。

 

「! 神山さん! 助かったわー!」

 

「…………」

 

安堵の息が漏れるこまちとは対照的に、様子の変わらないミスターI。

 

「お前は、確か……?」

 

『あの時、プレジデントGの傍に居た奴だ』

 

「帝国華撃団・隊長、神山 誠十郎………望月 あざみは何処だ?」

 

誠十郎とゼロがミスターIの事を思い出していると、ミスターIは銃口を誠十郎に向けた。

 

「! あざみ!? 何故あざみを!?」

 

「お前が知る必要は無い」

 

あざみが指名された事を誠十郎は問い質すが、ミスターIは冷たくそう返す。

 

「さあ、望月 あざみを出せ」

 

「断る! あざみは帝国華撃団の隊員! 大切な仲間だ!!」

 

「ならば()()

 

ミスターIはそう言い、銃の引き金に指を掛けた。

 

「!?」

 

『誠十郎!!(マズイ! 代わらねえと!!)』

 

反射的に身構える誠十郎と、意識を入れ替えようとするゼロ。

 

その時!!

 

「!? 其れはっ!?」

 

ミスターIが誠十郎の左腕………ウルティメイトブレスレットを見て動揺を見せた。

 

「!?」

 

『何だ………?』

 

突然動揺を見せたミスターIに、誠十郎とゼロは困惑する。

 

「クッ!」

 

そして、今までの態度が嘘の様に踵を返して逃げ去って行った。

 

「何だったんだ………? ん?」

 

突然逃げ出したミスターIに困惑するばかりの誠十郎だったが、其処で足許に1枚の写真が落ちているのに気付く。

 

『アイツが落としたのか?』

 

「そうみたいだな………」

 

何かの手掛かりになるか、と写真を拾い上げると、写っているものを確認する誠十郎。

 

其処には、隠し撮りしたと思われるあざみと、彼女と話していると思われる奇妙な“赤い仮面を付けた老人”の姿が在った。

 

「!? コレは!? あざみ!?」

 

『どうやら、コイツがあざみを探してる理由みたいだな………』

 

「神山さん! 大丈夫かいな!?」

 

誠十郎とゼロがそう言い合っていると、こまちが駆け寄って来る。

 

「こまちさん! あざみを見ませんでしたか!?」

 

其処で誠十郎は、あざみの事を尋ねる。

 

「えっ? あざみはん? さあ~、出掛けたのは見たけど、何処へ行ったかは………」

 

「戻ったら自分の部屋か俺の部屋で待機する様に言って下さい!」

 

こまちが戸惑いながらそう返すと、そう言い残して帝劇から飛び出して行った!

 

「あ、神山さん!………何が有ったんや?」

 

残されたこまちは、只困惑するばかりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あざみを探し、帝都を走り回る誠十郎(+ゼロ)

 

しかし、1番可能性が高かった『みかづき』が空振りに終わり、神龍軒の方も尋ねてみたが、シャオロン達はあざみを見ていなかった。

 

「あざみ………一体何処に居るんだ?」

 

『誠十郎。“あの写真の場所”は如何だ?』

 

やや焦りを見せ始めた誠十郎に、ゼロがそう言う。

 

「! そうか! 銀六百貨店の屋上遊園地!」

 

誠十郎は、あの写真の場所が銀六百貨店の屋上遊園地であった事を思い出し、直ぐ様其処へと走り出した!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀座大通り・銀六百貨店の屋上遊園地………

 

「あざみの写真に写っていた場所は、この観覧車の近くで間違いない筈だが………」

 

今日は遊園地は営業しておらず、屋上に人影は無かった。

 

「ん? アレは………」

 

そして、誠十郎は観覧車の下にあざみと、あの仮面の老人の姿を発見した。

 

和やかに話しているかの様に見えるあざみと仮面の老人。

 

すると其処で、不意に仮面の老人があざみへ手刀での突きを繰り出した!

 

「! 危ないっ!!」

 

あざみは難無く躱したが、今度は素早く振り下ろしの手刀を繰り出そうとしており、誠十郎は咄嗟に両者の間に割って入り、仮面の老人の手刀を受け止める。

 

すると仮面の老人は、誠十郎の足を払って来た!

 

「!?」

 

『チイッ!!』

 

反応出来ず転ばされそうになった誠十郎だったが、其処でゼロが入れ替わり、普通の人間では有り得ない反応速度で受け身を執って素早く立ち上がった。

 

「!?」

 

誠十郎(ゼロ)のその様に、仮面の老人は僅かに動揺を見せる。

 

「隊長!?」

 

其処であざみが、誠十郎(ゼロ)が現れた事に驚きを示す。

 

「………里の掟41条、驚いても大声を出さない」

 

と、其れを見た仮面の老人が、あざみに注意する様にそう言う。

 

「あう………」

 

途端に、あざみはシュンとした様子を見せる。

 

「! お前は!?」

 

一方誠十郎(ゼロ)は仮面の老人を見て、“何か”に気付いた様な様子を見せる。

 

「………儂は望月流忍術頭領………『望月 八丹斎』じゃ」

 

其処で仮面の老人………望月流忍術頭領『望月 八丹斎』は、そう名乗りを挙げた。

 

『と、頭領?………望月だって? じゃあ若しかして、あざみの………?』

 

八丹斎の言葉に、誠十郎は“或る可能性”に思い至る。

 

「儂は名乗ったぞ。お主こそ何者じゃ?」

 

「………俺は誠十郎。帝国華撃団・隊長の神山 誠十郎だ」

 

()()()()()()()()、八丹斎に向かってそう名乗る誠十郎(ゼロ)。

 

「ああ、あんたが華撃団の隊長さんか。あざみから、全て報告を受けておるよ」

 

其れを聞いて、八丹斎は合点が行った様な様子を見せる。

 

「あざみよ、今日は帰って良いぞ。儂は、隊長さんとちと話が有る」

 

「でも………」

 

八丹斎の言葉に、あざみは渋る様な様子を見せる。

 

「心配するで無い。大丈夫じゃ。取って食ったりはせん」

 

「う、うん………其れじゃあ、隊長。頭領を………よろしくお願いします」

 

八丹斎がそう続けると、あざみは誠十郎(ゼロ)に向かってペコリと頭を下げ、何時もの様にいきなり消えるのではなく、歩いてその場を去って行った。

 

「さて………コレでゆっくりと話が出来るのう」

 

「ああ、俺も“色々と()が有る”からな」

 

『ゼロ? 如何したんだ?』

 

意識を入れ替えたままで、八丹斎に対し警戒を露わにしているゼロに、誠十郎が首を傾げる。

 

「うむ。さて………神山くんと言ったかな? 何か、儂に聞きたい事が有る様じゃが」

 

そう言って、八丹斎は近くに在ったベンチに腰を下ろす。

 

「先ず教えろ。お前とあざみは“如何言う関係”だ?」

 

「儂か? 儂は………あざみの“育ての親”じゃよ」

 

『其れにしては、凄い身の熟しだったな。その仮面も、かなり変だし………正直、“()()育ての親”とは思えないが?』

 

誠十郎が、八丹斎の身の熟しを思い出しながらそう言う。

 

「当然だな。コイツは“人間じゃ無え”んだから」

 

『!? 何っ!?』

 

するとゼロがそう言い、誠十郎は驚愕の声を挙げる。

 

「………やはりお主が()()か」

 

一方、八丹斎も何かを確信したかの様な様子を見せたかと思うと、顔に付けていた赤い仮面を外した。

 

其処に在ったのは“普通の老人”の顔である。

 

 

 

 

 

………だが、しかし!!

 

 

 

 

 

八丹斎の背後に出来ていた彼の“影の形”が変わり始め、()()()()()()となる!

 

その変わった影の中に、ぼんやりと浮かび上がる異形の姿………

 

フォッフォッフォフッフォッフォフォッフォッフォッフォッフォッフォッ………

 

『!? 宇宙人!?』

 

「ああ、そうだ。俺が知ってる姿とちょいと違うが、コイツは俺達ウルトラマンと因縁深い宇宙人………『バルタン星人』だ」

 

再度驚愕の声を挙げる誠十郎にゼロがそう返す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう………

 

其れは、幾度と無く地球侵略を企て………

 

何年にも亘りウルトラマンと戦い続けた星人………

 

『宇宙忍者 バルタン星人』だった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「儂はバルタン星人………またの名をバルタンバトラー・ゲカホ。ウルトラマン………儂を倒しに来たのか?」

 

八丹斎の影の中に浮かんでいるバルタン星人改めバルタンバトラー・ゲカホがそう問い質す。

 

「お前が、他の連中みたいに“この星(地球)を侵略する”って企てるんならな………」

 

『!!』

 

一触即発になると思い、誠十郎に緊張感が走る。

 

「………“侵略”か。()()()()をどれ程繰り返して来たか………」

 

しかし、バルタンバトラー・ゲカホは何処か“遠い目”をしてそう呟く。

 

『えっ?』

 

肩透かしを喰らう事になった誠十郎が戸惑いを見せる。

 

「………何で“宇宙人”のお前が、あざみの()()()()なんだ?」

 

そんな誠十郎の戸惑いを感じながら、ゼロはバルタンバトラー・ゲカホに問い掛ける。

 

「其れは………」

 

何やら言い淀むバルタンバトラー・ゲカホ。

 

「「…………」」

 

両者の間に沈黙が流れる。

 

「『…………』」

 

じっと、バルタンバトラー・ゲカホが口を開くのを待つゼロと誠十郎。

 

「………儂が」

 

やがて、意を決した様に口を開くバルタンバトラー・ゲカホ。

 

「………儂があの子の両親を………『()()()しまった』からじゃ」

 

『!? 何だって!?』

 

バルタンバトラー・ゲカホから語られた衝撃的な言葉に、誠十郎は三度(みたび)驚愕の声を挙げた。

 

「………詳しく聞かせて貰おうか?」

 

対するゼロは冷静なまま、更にバルタンバトラー・ゲカホに問い質す。

 

「アレは………儂がこの星(地球)に辿り着いた時のことじゃった」

 

そして、バルタンバトラー・ゲカホは語り出す。

 

彼が、あざみの両親を………

 

()()()()()()()時の事を………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

ミスターIが押し入る様にあざみを探して帝劇へとやって来た。
一先ずは退散させた誠十郎は、すぐさまあざみを探しに掛かる。

そしてやっと見つけたあざみの傍には、彼女の祖父であり望月流忍術の頭領『望月 八丹斎』と会合。
しかし、ゼロはすぐさまその正体を看破。
八丹斎はバルタンバトラー・ゲカホであった。
そして彼の口から語られる衝撃の事実。
あざみの両親を殺してしまったとは如何言う事なのか?

バルタンバトラーと言うのは、カードダス作品の『大怪獣ラッシュ』の映像作品に登場したタイプのバルタン星人です。
如何いう作品かと言うと、所謂ウルトラシリーズ版モンハンですかね。
このバルタンバトラー、かなりスタイリッシュなデザインで一見するとバルタン星人だと分からないくらいですが、映像作品での活躍は凄くカッコいいです。
ググって見るとそのカッコよさが良く分かります。

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
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