新サクラ大戦・光   作:宇宙刑事ブルーノア

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チャプター3『ウルトラマンとは』

チャプター3『ウルトラマンとは』

 

スペースビースト ベドレオン・クライン&グロース

 

バグバズンブルード 登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀座に現れたスペースビーストを、途中救援に来た上海華撃団と共に如何にか掃討し終えた花組一同は、帝劇へ戻ると直ぐに司令室へ集合していた。

 

 

 

 

 

帝劇地下・地下司令室………

 

モニターに映し出されている、銀座に現れた銀色のウルトラマン………ネクサスの姿。

 

さくらに、助けたと思われる民間人を託すと、一瞬で空高く舞い上がる。

 

其処で映像が切り替わり、今度は神崎家に現れたベムラーと戦うネクサスの姿が映し出される。

 

「銀座に現れたこのウルトラマンは、助けたと思われる民間人を天宮さんに託して飛び去り、殆ど時間を置かずに神崎邸に出現。怪獣を撃破しています」

 

「一体何者なんだ?」

 

「ゼロさんのお知り合いでしょうか?」

 

カオルの説明を聞いた初穂とクラリスがそう言い合う。

 

(ゼロ。あのウルトラマンを知ってるか?)

 

其処で誠十郎は、ネクサスの事をゼロに尋ねる。

 

()()()()()()が………』

 

(? 如何した?)

 

歯切れが悪いゼロの様子に、誠十郎は首を傾げる。

 

『アイツの名は【ウルトラマンネクサス】………【()()()()()()()()()()()()()()()()だとされている」

 

(!? ウルトラマンノアって、あの!?)

 

誠十郎は、左腕のウルティメイトブレスレットを見遣る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ウルトラマンノア』

 

太古より、“全宇宙の平和を守り続けている”と言い伝えられる伝説の存在である。

 

神々しい姿と神の如き力を持つ、正に『()()のウルトラマン』だ。

 

その存在を含めて殆どが謎に包まれており、『決して“諦めない”者の前に姿を現す』と言う特徴が有る。

 

ゼロのウルティメイトイージスも、ノアから“授かった物”だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『只、何と無くだが………アイツはノア()()()()気がする』

 

(如何言う事だ?)

 

『恐らく、俺のウルティメイトイージスみたいに、“ノアの力の一部を与えられた()()”が変身したんじゃないか?』

 

(誰かが………)

 

「あの………神崎司令は、未だ具合が悪いんですか?」

 

と、ゼロと誠十郎がそう言い合っていると、さくらがそう尋ねた。

 

「ハイ。未だ部屋に御籠りになられたままです………」

 

心配そうな様子を見せるカオル。

 

「帰還するや否や、私室に戻って休むやなんて………しかも、会議もサコミズはん任せや」

 

「司令らしく無いわね。何か有ったのかしら?」

 

こまちとアナスタシアも、怪訝そうな顔でそう言う。

 

(………まさか?)

 

『ひょっとするかも知れねえな』

 

しかし、誠十郎とゼロは“或る可能性”に思い至る。

 

「きっと疲れが溜まっていたんだろう。すみれさんだって人間だ。そう言う事も有るさ」

 

と其処で、サコミズのフォローが飛ぶ。

 

「そうですね。ずっとこの帝劇を“1人で支えてた”んですから」

 

「だな。偶にはゆっくりと休んだって、罰は当たら無えよ」

 

「休む事も任務の内」

 

さくら・初穂・あざみが、すみれを気遣う。

 

「兎に角、今はスペースビーストへの対処を優先しよう」

 

「今日出て来たのは全て倒したと思うけど、未だ安心は出来ないわね」

 

「性質を考えると、1匹だけでも生き延びていたら大変ですからね」

 

続くサコミズの言葉に、アナスタシアとクラリスがそう言い合う。

 

その後も2、3話し合い、会議は終了となったのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝劇・すみれの私室………

 

「…………」

 

日もすっかり落ち、夜の闇を帝都の灯りが照らす中、すみれは自室の灯りも点けず、窓際に佇んでいた。

 

「…………」

 

やがて、懐からあの『短刀状の物体』………『エボルトラスター』を取り出す。

 

その中央部分に在る“宝石状の物”が淡く発光している。

 

「………()()(わたくし)なのですか?」

 

すみれはそう呟き、エボルトラスターを強く握り締める。

 

と其処で、部屋の扉を誰かがノックした。

 

「! 何方(どなた)?」

 

()()()()()

 

すみれが問い質すと、扉越しに“誠十郎の声”が聞こえて来る。

 

「神山くん?………いいえ、“ゼロ”ね。どうぞ」

 

「邪魔するぜ」

 

直ぐに、誠十郎では無くゼロの方だと気付いたすみれに許可され、誠十郎(ゼロ)が入室する。

 

「………()()()()お前だったのか」

 

誠十郎(ゼロ)は、すみれが手にしているエボルトラスターを見て、彼女がネクサスである事を確信する。

 

『神崎支配人が………ウルトラマン』

 

「…………」

 

誠十郎が呟く中、すみれはエボルトラスターを持っていた手を下げる。

 

「………如何だ? “ウルトラマンになった気分”は?」

 

と其処で、誠十郎(ゼロ)はすみれに尋ねた。

 

「やるべき事が有る………出来る事が有る。そんな()()()使()()が、“自分の中に流れ込んで来た”様な気がしますわ」

 

「『…………』」

 

「ウルトラマンになるという事は、その使命を背負う事なのかも知れませんわね………ですが、其れは“今までの帝国華撃団としての人生”でも同じ事でした………いえ、人間誰しもが何等かの使命を背負っている。“ウルトラマンだから”と、()()()()()()()()のだと思いますわ」

 

『!!』

 

「そうだな………」

 

すみれの言葉に誠十郎は驚き、ゼロは同意する。

 

「ですが………」

 

其処ですみれの表情に影が差す。

 

「あの時、(わたくし)はスペースビーストが現れた現場を離れ、自分の家族を守った。“()()よりも()()を優先した”………コレは、『帝国華撃団司令』として決して許される事では有りませんわ」

 

『支配人、其れは………』

 

(わたくし)が勝手な事をすれば、多くの人に迷惑が掛かります。今の(わたくし)は………“そう言う立場”に居るのです」

 

『…………』

 

フォローしようとした誠十郎だったが、続くすみれの言葉で『摩利支天』の艦長だった頃を思い出し、何も言えなくなる。

 

「“家族を助けたい”と思うのは()()()

 

しかし其処で、ゼロはそう言い放った。

 

「ゼロさん………」

 

「俺も、嘗てベリアルが脱獄して怪獣墓場で暴れてた時、親父の危機と知って飛んで行った。そん時になって、“セブンが俺の親父だ”って()()()知ったんだけどな」

 

「…………」

 

「そんなに難しく考えるんじゃ無えよ。“守りたいと思ったものを守る”のは、俺達ウルトラマンだって同じだ。()()()()()、ノアはお前に“その力を託した”んだと思うぜ」

 

すみれの掌中のエボルトラスターを見てそう言うゼロ。

 

「…………」

 

其処ですみれは、再びエボルトラスターを持ち上げて見遣る。

 

エボルトラスターは、今だ中央部分に在る宝石状の物から淡い光を放っていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日………

 

銀座の地下・地下鉄の保線用作業員通路内にて………

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーー………

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーー………

 

1匹のベドレオン・クラインとバグバズンブルードが弱々しく咆哮を挙げている。

 

昨日の戦闘の際、生き永らえた個体の様だ。

 

しかしその身は瀕死であり、力尽きるのも時間の問題だろう。

 

「フフフフフ」

 

そんなベドレオン・クラインとバグバズンブルードの前に、1人の人物が現れる。

 

ジェネラルAことキリエル(ひと)・アゴナだ。

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーー………

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーー………

 

アゴナに向かって咆哮するベドレオン・クラインとバグバズンブルードだが、既に襲い掛かる気力も無い。

 

「スペースビースト………貴様等も“有効に()()させて貰う”ぞ」

 

アゴナはそう呟くと、2匹に向かってダークリングを翳した。

 

ダークリングから怪しい光が放たれる。

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!!

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!

 

その光を浴びたベドレオン・クラインとバグバズンブルードが忽ち回復!

 

そして、そのまま巨大化を始めた!!

 

「フハハハハハハハッ!!」

 

アゴナは、その様子を見て高笑いしたかと思うと瓦礫が降り注ぐ中、スーッと消えて行った。

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!!

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!

 

やがて、ベドレオンとバグバズンブルードは道路を突き破り、銀座の街中に姿を現す!

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!!

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!

 

そして其処で、ペドレオンの姿が巨大化形態である『ペドレオン・グロース』に変わり、バグバズンブルードも両肩にクワガタの様な大顎が生え、胸部にも爪状のトゲが無数に生えると言う変化が起きた。

 

「うわあぁっ! 怪獣だぁっ!!」

 

「助けてくれぇっ!!」

 

ペドレオン・グロースとバグバズンブルードの姿を見た市民達が逃げ出し始める。

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!!

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!

 

そんな市民達の恐怖を煽るかの様に2体は咆哮を挙げ、やがて建物を破壊しながら前進を始めた。

 

“と或る場所”を目指して………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝劇地下・地下司令室………

 

2日続けての警報に、花組の面々は直ぐ様戦闘服姿で集合した。

 

「銀座に2体の怪獣が出現しました」

 

「今映像に出すで」

 

カオルがそう言うと、こまちがモニターに銀座の映像を映し出す。

 

其処には、建物を破壊しながら突き進んでいるペドレオン・グロースとバグバズンブルードが映し出された。

 

「! スペースビーストッ!! しかもあんなに()()()なってる!?」

 

「やっぱり、昨日の奴に生き残りが居たのね………」

 

さくらが驚きの声を挙げると、アナスタシアが苦い表情をする。

 

「現在、2体は街を破壊しながら()()()()進撃を続けている」

 

「一直線? 何処かを目指してんのか?」

 

サコミズの説明に、初穂がそう口を挟む。

 

「………()()です」

 

「え?」

 

「2体が現在の進行ルートを維持した場合………間も無く此処、“大帝国劇場に到達します”」

 

「!? という事は!?」

 

「! 私達の基地を狙って来た?」

 

カオルの言葉に、クラリスとあざみがそう驚きの声を挙げる。

 

「恐らく、昨日の戦いで(わたくし)達を“最優先で排除すべき対象”である、と認識したのでしょう………」

 

そう推察を述べるすみれ。

 

その表情には、未だ迷いの様なモノが見える。

 

「帝劇を()らせるワケには行かない! 皆! 急いで出撃だ!! 敵は強大だが、倒せない相手では無い筈だ!!」

 

「「「「「ハイッ!!」」」」」

 

誠十郎が鼓舞する様にそう叫び、花組の面々が勇ましい返事を返す。

 

「帝国華撃団・花組、出撃せよ!」

 

「「「「「了解っ!!」」」」」

 

号令が掛かると、一斉に無限の在る格納庫へと向かう花組。

 

「…………」

 

すみれは其れを見送ると、コッソリとエボルトラスターを取り出す。

 

中央部分に在る宝石状の物からの光が、激しく点滅を繰り返している。

 

まるで“危機を知らせている”かの様に………

 

「…………」

 

そんなエボルトラスターを見て、すみれは苦悩する様子を見せる。

 

(わたくし)は………)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀座・帝劇前………

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!!

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!

 

ペドレオン・グロースとバグバズンブルードは、もう帝劇の目と鼻の先にまで到達。

 

不気味に触手をくねらせるペドレオン・グロースと、相変わらず口から涎を撒き散らしているバグバズンブルード。

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!!

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!

 

そして2体は、一気に帝劇へと迫ろうとする。

 

「其処までですっ!!」

 

と、其処で!

 

帝劇から6つの影が飛び出し、ペドレオン・グロースとバグバズンブルードの前に立ちはだかった。

 

「「「「「「帝国華撃団! 参上っ!!」」」」」」

 

ペドレオン・グロースとバグバズンブルードに向かって、勇ましく名乗りを挙げる帝国華撃団。

 

「大帝国劇場は()らせません!」

 

「アタイ達の家には、指一本触れさせ無いぜっ!!」

 

「あざみの掟その2、大帝国劇場は大切な場所」

 

「次の公演の脚本はもう出来てるんです!」

 

「“帝都の象徴”をそう簡単に潰せると思わない事ね」

 

さくら・初穂・あざみ・クラリス・アナスタシアが、口々に言い放つ。

 

「よし、皆! 行くぞっ!!」

 

「「「「「了解っ!!」」」」」

 

そして誠十郎がそう叫ぶと、一斉にペドレオン・グロースとバグバズンブルードに向かって行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウルトラ怪獣大百科

 

怪獣コンピューター、チェック!

 

『宇宙怪獣 ベムラー』

 

身長:50メートル

 

体重:2万5000トン

 

能力:口から吐く青い熱線

 

初登場作品:初代ウルトラマン第1話『ウルトラ作戦第一号』

 

『全ての始まり』の敵。

 

宇宙の平和を乱す悪魔のような怪獣であり、コレを初代ウルトラマンが追って来たのが、地球人とウルトラマンのファーストコンタクトとなった。

 

恐竜を思わせるオーソドックスな外見であり、宇宙空間を青い球となって飛ぶ。

 

その状態で逃亡しようとしたところを、スペシウム光線で倒された。

 

その後スーツがギャンゴに改造されたのもあり、映像作品での再登場は無かったが、ウルトラ銀河伝説で復活。

 

後の作品にもちょくちょく登場し、オーブでは強化体も登場した。




新話、投稿させて頂きました。

この作品でのネクサスは、ノアがすみれさんに力の一部を与えて変身させたという設定になります。
この設定にした理由は後々の展開の為です。
何れ明かされますので、それまではお楽しみに。

突如与えられたウルトラマンの力に悩むすみれさん。
そこへ、生き延びていたスペースビースト達がアゴナに強化されて出現!
帝劇を目指して侵攻して来ます。
果たして、すみれさんの決断は?

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
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