新サクラ大戦・光   作:宇宙刑事ブルーノア

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チャプター4『ジュネッスバイオレット』

チャプター4『ジュネッスバイオレット』

 

スペースビースト ベドレオン・グロース

 

バグバズンブルード 登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀座・帝劇前………

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!

 

バグバズンブルードが腕を振り、建物を破壊したかと思うと、その瓦礫が散弾の様に飛ぶ。

 

「フッ! ハアッ!!」

 

しかし、その瓦礫を足場に、あざみ機がバグバズンブルードに接近。

 

「ニンッ!」

 

そしてバグバズンブルードに向かって、焙烙火矢型の手投げ弾をばら撒く。

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!

 

多数の爆発で一瞬怯んだかに見えたバグバズンブルードだったが、直ぐに態勢を立て直し、あざみ機を叩き落そうとする。

 

「ドロンッ!」

 

しかし、バグバズンブルードの手が当たるかと思われた瞬間、あざみ機は煙と共に消える。

 

「ハアアアアァァァァァーーーーーーッ!!」

 

「オリャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!」

 

其処で、今度はさくら機がバグバズンブルードの右脚、初穂機が左脚を狙って、其々刀とハンマーを振るう。

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!

 

しかし何と!

 

バグバズンブルードは跳躍して回避したかと思うと、そのままビルの上に乗っかった。

 

「!?」

 

「何っ!?」

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!

 

驚くさくら機と初穂機に向かって、バグバズンブルードは飛び掛かる。

 

「!!」

 

「危ねっ!!」

 

慌てて回避行動を取ると、バグバズンブルードの手に付いた鋭い爪が、石畳の地面を大きく爆ぜさせる。

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!

 

相も変わらず涎を撒き散らしながら咆哮を挙げるバグバズンブルード。

 

「うっ」

 

「ったく、気持ち(わり)ぃ野郎だぜ!」

 

「でも、油断は出来ない相手………」

 

その姿に生理的嫌悪を覚えるさくらと悪態を吐く初穂に、傍に現れたあざみ機からあざみがそう言うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!!

 

「行かせませんっ!!」

 

帝劇を目指して進撃するペドレオン・グロースに向かって、魔導書を開いたクラリス機が重魔導を浴びせようとする。

 

『待つんだ、クラリス君!!』

 

すると其処へ、慌てた様子のイデから通信が入る。

 

「イデさん!?」

 

『解析の結果、そのスペースビーストの身体は殆どが水分で、其れも全てが“可燃性物質”だ。若し誘爆すれば、相当な被害が出る」

 

「! そんなっ!?」

 

イデからの報告に、クラリスが思わず声を挙げると………

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!!

 

ペドレオン・グロースは、帝劇目掛けて頭部の触角から火球を放った!

 

「! クウッ!」

 

クラリス機は火球に先回りすると、帝劇を守る為に大きく魔法陣を展開。

 

火球は魔法陣に当たって燃え尽きる。

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!!

 

するとペドレオン・グロースは、連続で火球を放ち始める。

 

「ぐううっ!」

 

魔法陣に次々に火球が命中し、クラリスが呻き声を漏らす。

 

迂闊に攻撃出来ない為、相手の攻撃を防ぐ事しか出来ない彼女は、文字通り防戦一方だ。

 

だが其処で………

 

ペドレオン・グロースに弾丸が命中したかと思うと、命中した部分が凍り付いた。

 

「!!」

 

「此処は私の出番ね」

 

クラリスが驚いていると、銃口から硝煙を立ち昇らせているアナスタシア機から、そう通信が送られて来る。

 

「アナスタシアさん!」

 

「ハッ!」

 

次々に、銃弾をペドレオン・グロースに浴びせるアナスタシア機。

 

ペドレオン・グロースの身体がドンドン凍り付いて行く。

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!!

 

堪らず悲鳴の様な咆哮を挙げるペドレオン・グロースだが、直ぐに両腕の触手をアナスタシア機に向かって伸ばす。

 

「させるかぁっ!!」

 

だが、その間に誠十郎機が割って入り、迫り来る触手を二刀で次々に斬り飛ばす。

 

「フォローありがとう、キャプテン」

 

「隊長として当然さ。アナスタシア、このまま奴を氷漬けにしてしまうんだ」

 

「その積りよ」

 

誠十郎の指示に応え、アナスタシア機は更に弾丸をペドレオン・グロースに浴びせて行く。

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!!

 

ドンドンと凍り付いて行き、次第に動きが鈍くなり始めるペドレオン・グロース。

 

「良いぞ! このまま………」

 

と、誠十郎がそう言い掛けた瞬間!

 

突如、アナスタシア機の背後の石畳が爆ぜ、舞い上がった土煙の中から細い2本の触手が現れる。

 

「!? なっ!?」

 

「! しまったっ!!」

 

アナスタシアが驚き、誠十郎機が慌てて斬り捨てようとしたが1歩間に合わず、アナスタシア機の両腕に触手が巻き付き、そのまま地中へと引き摺り込まれた!

 

「アナスタシアッ!!」

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!!

 

誠十郎の叫びが木霊した瞬間、ペドレオン・グロースが密かに口の中から伸ばしていた触手を地面から引き抜く。

 

引き抜かれた触手の先端には、拘束されたアナスタシア機の姿が在った。

 

「クッ! このっ!!」

 

拘束を解こうとするアナスタシア機だったが………

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!!

 

「!? あああああっ!!」

 

触手から電撃が放たれ、アナスタシアが悲鳴を挙げる。

 

そして、彼女の機体はガクリと脱力して動かなくなった。

 

「アナスタシア! アナスタシアッ!!」

 

『アカンッ! 気を失ってしもうたみたいや!』

 

呼び掛ける誠十郎に、こまちからそう通信が送られて来る。

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!!

 

ペドレオン・グロースは、動かないアナスタシア機を見せ付ける様に突き出す。

 

「アナスタシアさんを人質にっ!?」

 

「クソッ! 確実に賢くなってるっ!!」

 

『この“学習能力の高さ”がスペースビーストの恐ろしい所だ………』

 

クラリスと誠十郎の声に、ゼロがそう呟く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝劇地下・地下司令室………

 

「アカン!! アレじゃ攻撃出来ひん!!」

 

「何とかしてアナスタシアさんを解放させないと………」

 

こまちとカオルが、何とかしようと情報を精査する。

 

「「…………」」

 

サコミズとイデも難しい顔をしている。

 

「…………」

 

そしてすみれは、モニターに映るアナスタシア機を人質にしているペドレオン・グロースを睨む様に見詰めている。

 

ふと其処で、エボルトラスターを取り出す。

 

エボルトラスターは、相変わらず“警告”の様に発光している。

 

(わたくし)は………)

 

だが、すみれの心には今だ迷いが在った。

 

只々エボルトラスターを握り締めるだけのすみれ。

 

 

 

 

 

………その時!

 

 

 

 

 

()()()()()! 行くんだっ!!』

 

「!?」

 

“突如聞こえて来た()”に、すみれは驚愕を露わにする。

 

何故なら、其れは彼女にとって“とても()()()()()声”だったからだ。

 

「今のは………まさか!?」

 

と、そう呟いた瞬間………

 

すみれの意識は彼女の身体を離れ、“不思議な空間”の中に入って行った………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???………

 

「!? 此処はっ!?」

 

自分が居る場所に驚くすみれ。

 

今、彼女が居るのは“改装される前”の、“彼女が()()()()大帝国劇場”の前だった。

 

ご丁寧に、すみれの姿も“()()()のモノ”となっている。

 

「………すみれくん」

 

「!!」

 

自分を呼ぶ声がして、其れが聞こえて来た方を見たすみれの眼に飛び込んで来たのは………

 

初代帝国華撃団隊長・『大神 一郎』の姿だった!

 

「大尉っ!!」

 

すみれが驚きの声を挙げると、更に………

 

「すみれさん」

 

「すみれ」

 

「すみれー!」

 

「すみれはん」

 

「すみれさーん」

 

「すみれ」

 

『真宮寺 さくら』・『マリア・タチバナ』・『イリス・シャトーブリアン』こと『アイリス』・『李 紅蘭』・『ソレッタ・織姫』・『レニ・ミルヒシュトラーセ』が現れる。

 

「さくらさん………マリアさん………アイリス………紅蘭………織姫さん………レニ………」

 

「よ~、元気そうじゃねえか………“サボテン女”」

 

そして、最後にそう言う台詞と共に『桐島 カンナ』が姿を見せる。

 

「カンナさん………」

 

「すみれくん、行くんだ」

 

呆然となっていたすみれに、大神がそう言う。

 

「えっ?」

 

「“()君に出来る事をする”………其れを躊躇する必要なんて無い」

 

「ですが、(わたくし)は………」

 

「何ウジウジしてやがる!?お前らしく()えぞ!!」

 

大神に続く様に、カンナが言い放つ。

 

「すみれ。貴女は“1人じゃ無い”わ」

 

「例え身体は離れていても………」

 

「心は何時も繋がってるんだよ」

 

「私達の絆は不滅デース」

 

「僕達は、()()………“()()()()()()

 

マリア・紅蘭・アイリス・織姫・レニもそう言って来る。

 

「すみれさん。()()()()()………帝都をお願いします」

 

「…………」

 

最後にさくらの言葉を聞いた瞬間、すみれの心の中に在った迷いは完全に消えていた。

 

その右手に、エボルトラスターが現れる。

 

「皆さん………ありがとうございます」

 

「「「「「「「「…………」」」」」」」」

 

すみれが笑顔を浮かべてそう言うと、大神達も全員笑顔を浮かべる。

 

「「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」」

 

何時の間にか、その傍には巴里(パリ)華撃団と紐育(ニューヨーク)華撃団の姿も現れており、同じ様に笑顔を浮かべていた。

 

そしてその瞬間、光が溢れ………

 

「…………」

 

すみれの目の前に、ネクサスが現れる。

 

「………分かりました。貴方が何故、(わたくし)に“力を託した”のか」

 

「…………」

 

ネクサスを見上げながらすみれが言う。

 

「“皆さんとの絆は繋がっている”………だから(わたくし)は………決して()()()()()わっ!!」

 

「…………」

 

すみれがそう宣言した瞬間………

 

ネクサスの姿が一瞬………

 

『ウルトラマンノア』に変わった様に見えた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝劇地下・地下司令室………

 

「…………」

 

現実へと戻ってきたすみれは、一瞬モニター越しにペドレオン・グロースとバグバズンブルードを見据えた。

 

「………サコミズさん。申し訳有りませんが、後をお願い出来ますか?」

 

「すみれさん?」

 

突然のすみれの言葉に、一瞬戸惑うサコミズ。

 

「…………」

 

「………行って下さい。後の事はお任せを」

 

しかし迷いを振り切ったすみれの顔を見て、悟ったかの様な様子を見せたかと思うとそう応える。

 

「お願いしますわ」

 

そう言い残して、すみれは司令室を後にした。

 

「!? すみれ様っ!?」

 

「ちょっ! すみれはんっ!?」

 

すみれの突然の行動に、カオルとこまちが驚きの声を挙げる。

 

「行かせてあげなさい」

 

「サコミズさん!?」

 

サコミズまでもがそう言って来て、カオル達は更に戸惑う。

 

「大丈夫だ………」

 

サコミズは只優しく微笑む。

 

“心配は要らない”と言う様に………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝劇・中庭………

 

司令室から飛び出したすみれは、中庭へと躍り出たかと思うと、エボルトラスターの鞘の部分を左手で握って左腰の辺りに構え、右手で柄の方を握る。

 

「…………」

 

目を閉じ、集中する様子を見せるすみれ。

 

脳裏に大神達の姿が過る。

 

「光………絆………ネクサス!」

 

そしてカッと目を見開いたかと思うと、エボルトラスターを鞘から勢い良く引き抜いた!!

 

「シュアッ!!」

 

エボルトラスターから溢れた光の中から、ネクサスが飛び出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀座・帝劇前………

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!!

 

人質のアナスタシア機を見せ付ける様にしながら、クラリス機と誠十郎機に迫るペドレオン・グロース。

 

「アナスタシアさん! アナスタシアさん!」

 

クラリスが必死に呼び掛けているが、アナスタシアから応答は無い。

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!

 

と其処で、バグバズンブルードが合流して来た。

 

「隊長!!」

 

「アイツ、アナスタシアを!?」

 

「卑怯な………」

 

さくら機・初穂機・あざみ機も誠十郎達に合流すると、アナスタシアが人質にされている事に気付く。

 

『誠十郎! 此処は俺に任せろっ!!』

 

「其れしか無いか!」

 

と、誠十郎が変身しようとしたその時!!

 

突如伸びて来た光の鞭がアナスタシア機を包み込んだかと思うと、一瞬でペドレオン・グロースから奪い去った!

 

「「「「「!?」」」」」

 

誠十郎達が驚きながら、光の鞭が伸びて来た方向を見遣ると、其処には………

 

「…………」

 

アナスタシア機を抱えて佇むネクサスの姿が在った。

 

「! 銀色のウルトラマンッ!!」

 

(! 神崎司令!!)

 

『そうか………“()()を決めた”か』

 

さくらが驚きの声を挙げ、その正体を知る誠十郎も内心で驚愕するが、ゼロだけは“全てを分かっていた”かの様に呟いていた。

 

「…………」

 

ネクサスは、アナスタシア機を光の鞭『セービングビュート』で離れた場所の地上へと優しく降ろすと、ペドレオン・グロースとバグバズンブルードに向き直る。

 

「シュアッ!!」

 

其処で、ネクサスが左腕を構えたかと思うと、『アームドネクサス』が光を放つ。

 

そして左腕を戻す様に振ったかと思うと、ネクサスの姿が銀色から紫………

 

否、鮮やかな『菫色』を纏った姿………

 

『ウルトラマンネクサス・ジュネッスバイオレット』へと変わる。

 

「! 変わったっ!?」

 

「ジュワッ!」

 

さくらが声を挙げた瞬間、ネクサスは左腕に右腕を添える様な構えを執る。

 

すると右の拳に光が宿り、その拳を円を描く様に動かしたかと思うと、天に向かって突き出した。

 

右手の光から、『フェーズシフトウェーブ』が放たれて上空で花火の様に弾け、ドーム状に光が広がって行く。

 

そのドームの範囲内では、黄金の光がシャワーのように降り注ぎ、地表からは水泡のような光が立ち昇る。

 

「あの光は………?」

 

クラリスが呟いた瞬間、ドーム状の光は完全にネクサスとペドレオン・グロース、バグバズンブルードを包み込み………

 

その姿を忽然と消してしまった!

 

「!? 消えたっ!?」

 

『如何やら、異空間を作り出して其処へ“自身とスペースビーストを隔離した”みたいだね』

 

あざみが驚きの声を挙げると、イデが直ぐに解析結果を知らせて来る。

 

「!? 異空間!? 降魔の魔幻空間みたいな事が出来んのか、あのウルトラマン!?」

 

「驚いてる場合じゃ無い! さくらはアナスタシアの安否を確認! 残りは俺と一緒に周辺の警戒だ! 未だ油断は出来ないぞ!」

 

初穂が驚きの声を挙げるが、其処で誠十郎が食い気味にそう指示を飛ばした。

 

「「「「! 了解っ!!」」」」

 

花組は直ぐ様散開し、さくらがアナスタシアの安否確認に向かい、他の者は周辺の警戒に入る。

 

其処で誠十郎は、無限を自動操縦に切り替えるとコッソリと機体を降り、路地裏に身を隠して変身する。

 

「デュワッ!」

 

ウルトラゼロアイを装着した誠十郎の姿が、ゼロへと変わる。

 

「良し………」

 

そして意識を集中させると、ノアから授かったウルティメイトブレスレットがネクサスが展開している異空間………『メタフィールド』の存在を感じ取り、発光する。

 

「デエヤッ!!」

 

そして其れによってメタフィールドに干渉。

 

ゼロもその中へと飛び込んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メタフィールド内………

 

赤土色の荒野の様な地面に発光する物質が点在し、空にもオーロラの様な光が満ちている空間内で、ネクサスはペドレオン・グロースとバグバズンブルードと睨み合う。

 

「シュウアッ!!」

 

其処でネクサスは、両手の拳を合わせる様な構えを執る。

 

するとアームドネクサスが光を放ち、其れを媒介にして両端に刃の付いた薙刀………

 

『アームドグレイヴ』を形成した。

 

「セアッ!!」

 

そのアームドグレイヴを手に取ると、回転させながら振り回し、まるで“舞を舞っている”かの様な優雅な型を見せる。

 

すみれの特技『神崎風塵流』の型だ。

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!

 

とその瞬間、バグバズンブルードが咆哮と共にネクサスへ飛び掛かる。

 

「!!」

 

迎え撃とうとしたネクサスだったが………

 

「オオオリャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

突如現れたゼロが、ネクサスに飛び掛かろうとしていたバグバズンブルードにウルトラゼロキックを見舞った!

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!?

 

バグバズンブルードは地面に叩き付けられ、そのまま地上を滑って行く。

 

「!?」

 

「すみれ! コッチは任せなっ!!」

 

驚いた様な様子を見せたネクサスに、ゼロはそう呼び掛けてバグバズンブルードに向かい会う。

 

「………シュアッ!!」

 

ネクサスは一瞬間を置いて、ペドレオン・グロースに向かって行った。

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!

 

起き上がったバグバズンブルードが、ゼロに激しく敵意を向ける。

 

「来いっ! お前の相手は俺がしてやる!!」

 

そう言って、ゼロは両手にゼロスラッガーを握った。

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!

 

バグバズンブルードが、咆哮と共にゼロに向かう。

 

「ハアッ!!」

 

対するゼロもバグバズンブルードへと向かう。

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!

 

「フッ!!」

 

咆哮と共に振られたバグバズンブルードの左手の爪の攻撃を、右手に握ったゼロスラッガーで受け止めるゼロ。

 

「ハアッ!!」

 

そして左手のゼロスラッガーで斬り掛かったが、バグバズンブルードの右手の爪に受け止められる。

 

「セエヤッ!!」

 

其処でゼロは両腕を上へ振り上げ、バグバズンブルードの腕を払う。

 

「ハアッ!!」

 

そして、がら空きになった胴体をゼロスラッガーで左右から横薙ぎに斬り付ける。

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!?

 

バグバズンブルードは悲鳴の様な咆哮を挙げながらも、その場で跳び上がってゼロにドロップキックを見舞う。

 

「うおっ!?」

 

モロに喰らったゼロが後ろに退がる。

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!

 

追撃を掛けようと距離を詰めるバグバズンブルード。

 

「オラッ! そりゃあっ!」

 

其れに対しゼロは、ゼロスラッガーを2つ共投げ付ける。

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!

 

飛んで来たゼロスラッガーを爪で弾き飛ばすバグバズンブルード。

 

「エメリウムスラッシュッ!!」

 

間髪容れず、エメリウムスラッシュを放つゼロ。

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!

 

だが、バグバズンブルードは跳躍して躱し、そのままゼロに襲い掛かる。

 

「………フッ」

 

しかし、ゼロが不敵に笑ったかと思うと………

 

何と、外れたと思われたエメリウムスラッシュが、弾かれたゼロスラッガーに当たり反射!

 

バグバズンブルードの背中に命中した!!

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!?

 

忽ち失速し、地面に叩き付けられるバグバズンブルード。

 

「ハアッ!!」

 

其処で、ゼロはウルトラ念力でゼロスラッガーを手繰り寄せ、カラータイマーの左右に装着。

 

「ゼロツインシュートッ!!」

 

そのまま、ゼロツインシュートを放つ!!

 

キシャアアアアァァァァァーーーーーーッ!?

 

光刃から変換されたエネルギーの奔流に耐え切れず、バグバズンブルードは光に呑まれる様に消滅したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ネクサスVSペドレオン・グロースの方は………

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!!

 

咆哮と共に、その巨大な口から無数の触手をネクサス目掛けて伸ばすペドレオン・グロース。

 

「シェアッ!!」

 

しかし、ネクサスはアームドグレイヴを振り回し、迫り来る触手群を次々と斬り落とす。

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!!

 

「ヘヤッ!!」

 

ならばと、頭部の触手から火球を放つが、其れもアームドグレイヴで斬り払われる。

 

「シュウワッ!!」

 

其処でネクサスはアームドグレイヴを横薙ぎに振るい、光粒子エネルギーの刃『パーティクル・フェザー』を飛ばす。

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!?

 

三日月状の光の刃が、ペドレオン・グロースの頭部の触手を切断する。

 

「シュイアッ!!」

 

其処でネクサスは跳躍。

 

落下の勢いも乗せて、アームドグレイヴをペドレオン・グロースの身体に突き刺す!

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!?

 

「セエヤァッ!!」

 

そして、その状態で自ら回転。

 

ペドレオン・グロースをアームドグレイヴの先端に突き刺したままスイングする!

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!?

 

ペドレオン・グロースの叫びが響いた瞬間にアームドグレイヴの刃が抜け、投げ飛ばされる!

 

傷口から形容し難い色の体液を撒き散らしながら、地面に叩き付けられるペドレオン・グロース。

 

「シュアッ!!」

 

其処でネクサスは、アームドグレイヴを振り回す。

 

すると、アームドグレイヴの刃から光の炎が溢れ始める。

 

やがてその炎は鳥………不死鳥(フェニックス)の形を取り始める。

 

「シュウワッ!!」

 

そしてネクサスが身体を1回転させながらアームドグレイヴを振るうと、その光の炎の不死鳥がペドレオン・グロースに向かって飛翔!

 

ジュネッスバイオレットの最大必殺技『フェニックス・シュトローム』だ!!

 

不死鳥(フェニックス)がペドレオン・グロースに直撃すると、その身体が光の炎に包まれる。

 

キュイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーッ!?

 

断末魔が響き渡る中、ペドレオン・グロースは分子レベルで焼却され、光の粒子となって消滅した。

 

「…………」

 

其れを見届けると、ネクサスは構えを解いて佇む。

 

「…………」

 

その隣にゼロが並び立つ。

 

「「…………」」

 

ネクサスとゼロはお互いに頷き合い、ネクサスは光を放ってメタフィールドを解除したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀座・帝劇前………

 

「…………」

 

元の世界に戻ってきたすみれは、帝劇の前に佇んでいた。

 

その手にはエボルトラスターが握られている。

 

「………ありがとう」

 

すみれは1度エボルトラスターを見遣ったかと思うとそう呟き、懐へと仕舞う。

 

「神崎司令っ!」

 

と其処へ、誠十郎がやって来る。

 

「神山くん………」

 

『見付けたみてぇだな。“ウルトラマンになる()()”をよ』

 

すみれが反応すると、ゼロがそう言う。

 

「ええ………(わたくし)と皆さんは今だ繋がっている………其れを教えてくれる為に、彼は(わたくし)の元へと来た………きっとそうよ」

 

すみれが空を見上げながらそう返す。

 

「隊長ーっ!」

 

と其処で、花組の面々が姿を見せる。

 

「! 神崎司令!」

 

「「「「!!」」」」

 

すみれが一緒なのに気付くと、慌てて姿勢を正す。

 

「………皆、もう大丈夫よ。戦いは終わったわ」

 

そんな花組の面々に、すみれはそう告げる。

 

「! ホントですか!?」

 

「ええ、ゼロと………あの“銀色のウルトラマン”のお陰でな」

 

さくらの問い掛けに、誠十郎がそう返す。

 

「そう言や、あのウルトラマン………何て名前なんだ?」

 

「凄く無口だったから分からなかった」

 

と其処で、初穂とあざみが声を挙げる。

 

「ネクサス………」

 

「えっ?」

 

不意に呟いたすみれに、クラリスが戸惑う。

 

「彼の名はネクサス………ウルトラマンネクサスよ」

 

「ウルトラマン………ネクサス」

 

其れを気にせずすみれはそう言葉を続け、アナスタシアが反芻する。

 

「ウルトラマンネクサス………頼もしい味方が増えましたね!」

 

「…………」

 

無邪気に喜ぶさくらを見て、すみれはひっそりと微笑みを浮かべた。

 

「まっ! 何はともあれ、終わったんなら、アレ行っとくか!」

 

「神崎司令。よろしければご一緒に」

 

と其処で、初穂がそう声を挙げると、誠十郎がすみれを誘った。

 

「フフフ、では久しぶりにやらせて頂こうかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では皆さん………行きますわよ!!」

 

「「「「「「「勝利のポーズ、決め!」」」」」」」

 

すみれを中心に、花組の面々は勝利のポーズを決めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜………

 

帝劇・支配人室にて………

 

「ふう~………コレで報告書は全部ね」

 

報告書に目を通し終えたすみれが、大きく息を吐きながらそう呟く。

 

「さて………」

 

ふと其処で、視線を机の上に在る電話に向けた。

 

「…………」

 

一瞬考える様な素振りを見せたかと思うと、受話器を取りダイヤルを回す。

 

『ハイ、神崎でございます』

 

「その声は宮田かしら? 久しぶりね」

 

『! す、すみれ様! すみれ様でございますかっ!?』

 

「ええ、申し訳有りませんけど、お父様とお母様の予定を確認して貰えるかしら? 久しぶりに一緒に食事でもと思いましてね」

 

『! ハイ! 直ちに!!』

 

「ふふふ………」

 

受話器の向こうから慌しい様子が伝わるのを聞きながら、すみれは軽く微笑むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回予告

 

誠十郎「帝劇に現れた謎の少女『クラーラ』

 

記憶を失っていた彼女を引き取りに現れたのは何と莫斯科(モスクワ)華撃団!?

 

だが、如何にも様子がおかしい………

 

彼等は“本当に”莫斯科華撃団なのか?

 

更に謎の怪人が帝都に現れる。

 

果たして、クラーラに隠された秘密とは?

 

次回『新サクラ大戦』

 

第5話『太陽より愛をこめて』

 

太正桜にブラックホールが吹き荒れるぜっ!!

 

クラーラ………君は一体?」

 

???「光の絆、繋いでみせます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第4.5話・完

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウルトラ怪獣大百科

 

怪獣コンピューター、チェック!

 

『ペドレオン』

 

体長:2~10メートル(クライン)、20~50メートル(グロース)

 

体重:不定(クライン)、2万5000~4万5000トン(グロース)

 

能力:頭部の触角から放つ火球、触手からの電撃、口を発光させて放つ衝撃波

 

初登場作品:ウルトラマンネクサス第1話『夜襲 -ナイトレイド-』、第2話『異生獣 -スペースビースト-』

 

ネクサスで最初に登場したスペースビースト。

 

ブロブタイプと呼ばれる分類に入る。

 

小型のクライン、大型のグロースの他、飛翔型のフリーゲンと言う形態も存在する。

 

1話から人間を次々に捕食すると言うスペースビーストの凶悪・凶暴性をまざまざと見せ付けた。

 

そしてこの敵との出会いから、孤門 一輝の壮大な物語が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『バグバズンブルード』

 

身長:1.8~40メートル

 

体重:150キロ~3万3000トン

 

能力:鋭い爪と素早い動き

 

初登場作品:ウルトラマンネクサス未放送回「詩織 -ロストメモリーズ-」

 

戦闘員タイプのスペースビースト。

 

初登場回が未放送な為、どちらかと言うとウルトラマンX第20話で登場した方が有名。

 

テレビシリーズ初のネクサス客演であり、各所に盛り込まれたネクサスオマージュの要素が堪らない神回。

 

Xを苦戦させたが、ネクサスにメタフィールドに連れ込まれ、ダブルウルトラマンの攻撃で分子レベルで分解されて消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウルトラナビ

 

『ウルトラマンネクサス・ジュネッスバイオレット』

 

身長:49メートル

 

体重:4万1000トン

 

新たなるデュナミスト・神崎 すみれによって宿ったネクサスの新たな形態。

 

彼女の名の通り、鮮やかな菫色が特徴。

 

両腕のアームドネクサスを媒介に、両端に刃の付いた薙刀『アームドグレイヴ』を形成出来、其れを使ってすみれの神崎風塵流で戦う。

 

ジュネッス(姫矢)をパワー、ジュネッスブルー(憐)をスピードタイプとするなら、この形態はテクニカルタイプとも言える。

 

必殺技は神崎風塵流・鳳凰の舞をベースにした『フェニックス・シュトローム』




新話、投稿させて頂きました。

スペースビースト達の帝劇侵攻を阻止する花組だったが、アナスタシアが人質にされて大ピンチに。
しかしそこで………
掛け替えの無い仲間達との絆を思い出し、迷いを振り切ったすみれがネクサスへ変身。
ジュネッスバイオレットへと覚醒します。

すみれさんをネクサスにしたのはコレが最大の理由ですね。
大神さん達との絆はまだ繋がっている、途切れていないと言うのを表したかったんです。
また後々への伏線でもあります。

そして次回からはいよいよ先行登場の莫斯科華撃団編。
元がアニメ1クール分の話なので、長くなると思いますが、どうかお付き合い下さい。
あのウルトラマンも登場しますので、お楽しみに。

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