新サクラ大戦・光   作:宇宙刑事ブルーノア

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ジャグラスジャグラーの青柳 尊哉さんがご結婚なされました。

まさか彼の存在を匂わせ始めたところで、こんなニュースが出て来てビックリしてます。

ともあれ、青柳さん、おめでとうございます!


チャプター5『クラーラの不安』

チャプター5『クラーラの不安』

 

火星怪獣 ナメゴン

 

暗黒星人 シャプレー星人 登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀座・帝劇付近………

 

「オリャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

気合の掛け声と共に、ハンマーを振るう初穂機。

 

キシャオオオオオォォォォォォーーーーーーーッ!!

 

「!? おうわっ!?」

 

しかし、『火星怪獣 ナメゴン』の軟性の身体には通用せず、跳ね返されてしまう。

 

「やあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

今度は、さくら機が刀で斬り掛かったが………

 

キシャオオオオオォォォォォォーーーーーーーッ!!

 

「!? ぬ、抜けないぃ!?」

 

此方も、軟性のナメゴンの身体を斬り切る事が出来ず、刃が途中で止まって抜けなくなってしまう。

 

キシャオオオオオォォォォォォーーーーーーーッ!!

 

必死に刀を抜こうとしているさくら機に、ナメゴンが触角の様な目を向ける。

 

「さくらさん! 危ないっ!!」

 

「!!」

 

クラリスの声に、さくら機が刀を手放して離脱すると、直後に先程までさくら機が居た場所にナメゴンの目から放たれた硬直光線が直撃する。

 

「チキショー! やり難い相手だぜ!!」

 

態勢を立て直した初穂機からそう言う声が響く。

 

「刀が………」

 

刀がナメゴンの身体に刺さったままになってしまい、丸腰となったさくら機からは不安気な声が挙がる。

 

「2人共、もう少しです! あと少しで………」

 

と、そんな2人にクラリスがそう言っていると………

 

上空から風切り音が聞こえて来た。

 

「! 来ましたっ!!」

 

そう言ってクラリス機が空を見上げると、編隊を組んで飛んでいるガンクルセイダー部隊の姿が在った。

 

『お待たせしました! これより散布致します!!』

 

と、ガンクルセイダー部隊からそう通信が入ったかと思うと、機体下部の爆弾倉らしき部分の扉が開く。

 

そして、其処から大量の水の様な液体が噴射され、ナメゴンの身体に浴びせられた!

 

キシャオオオオオォォォォォォーーーーーーーッ!?

 

ナメゴンが悲鳴の様な咆哮を挙げ、その身体から白い煙が上がり始めてどんどん溶けて行く。

 

「やった!」

 

「成功です!」

 

「へっ! やっぱ“ナメクジ”だな! ()()()()()()ぜっ!!」

 

さくら・クラリス・初穂が歓声を挙げる。

 

そう。ガンクルセイダー部隊が浴びせた液体は、「塩水」だった。

 

“ナメクジ型”の怪獣であるナメゴンにとって塩水は大敵であり、嘗てのナメゴンも海に落ちて絶命している。

 

キシャオオオオオォォォォォォーーーーーーーッ!?

 

見る見る内に溶けて小さくなって行くナメゴン。

 

そして、とうとう完全に消えて無くなってしまった………

 

「ふう~、何とかなりましたね」

 

ナメゴンが溶けた跡に落ちていた刀を拾い、鞘へと納めたさくら機からそう声が響く。

 

「隊長達は大丈夫か?」

 

「直ぐに救援に行きましょう」

 

そして初穂とクラリスがそう言い合うと、3機の無限は直ぐに帝劇へと帰還して行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

帝劇・2階の階段前の廊下にて………

 

「待てっ!!」

 

「逃げられ無いわよ」

 

二刀を手にしている誠十郎とデリンジャーの様な拳銃を手にしているアナスタシアが、“帝劇への侵入者”を追う。

 

「チイッ! 小癪なっ!!」

 

侵入者………昆虫のような巨大な複眼と金色の服、透明な上着が特徴の星人・『暗黒星人 シャプレー星人』が独特な形状の銃を向ける。

 

「! 危ないっ!!」

 

「!!」

 

誠十郎がそう叫んで物陰に身を隠し、アナスタシアも其れに倣うと、シャプレー星人の銃から光線が発射されて廊下の床を焦がした。

 

「今の内に………」

 

2人が身を隠したのを見たシャプレー星人は、そのまま階段を下ろうとしたが………

 

「逃がさないっ!」

 

突如、その前に現れたあざみがクナイを投擲。

 

「!? うおっ!?」

 

クナイはシャプレー星人が持っていた銃を弾き飛ばした。

 

「大人しくする!」

 

続いてあざみは分銅鎖を取り出して、シャプレー星人を捕縛しようと試みる。

 

「小娘がぁっ!!」

 

だが、シャプレー星人の口が開いたかと思うと、其処から光弾が放たれる。

 

「!?」

 

咄嗟に分銅鎖で防いだものの、衝撃でバランスを崩したあざみは階段を転げ落ちる。

 

「! あうっ!」

 

踊り場まで落ちたかと思うと、壁に強かに背を打ち付ける。

 

その隙に、シャプレー星人は階段を駆け下りて行った。

 

「! あざみ!」

 

踊り場の壁に凭れ掛かっているあざみに、アナスタシアが慌てて駆け寄って助け起こす。

 

「アナスタシア! 頼むっ!!」

 

誠十郎は、アナスタシアにあざみを任せてシャプレー星人を追った。

 

「!!」

 

シャプレー星人は1階まで降りたかと思うと、支配人室を見付ける。

 

『マズイ! すみれが狙われるぞっ!!』

 

「! 神崎支配人!!」

 

シャプレー星人が狙いをすみれに定めた事を察したゼロが声を挙げ、誠十郎が叫ぶ中、シャプレー星人は支配人室の扉を開け放つ。

 

「神崎 すみれ! 命は貰った!!」

 

が、シャプレー星人がそう叫んで支配人室に飛び込んだ瞬間、光弾が命中!

 

「!? グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

シャプレー星人は悲鳴を挙げ、爆発四散した。

 

「! 支配人!?」

 

「この(わたくし)の命を狙おう、だ等と………()()()()()図に乗らないで頂きたいわね」

 

一瞬遅れて誠十郎が支配人室へ入ると、其処にはデュナミストの武器『ブラストショット』を構えたすみれの姿が在った。

 

『やるじゃ()えか、流石だな』

 

「申し訳有りません。自分が不甲斐無いばかりに、支配人を危険に………」

 

ゼロが軽口を叩くが、誠十郎はすみれの手を煩わせてしまった事を詫びようとする。

 

「気にしなくて良いわ、神山くん。しかし………こうも襲撃が続くと流石に………」

 

ブラスショットを仕舞いながら、すみれは険しい表情を浮かべてそう呟く。

 

実は帝劇近くに怪獣が出現し、星人が帝劇内へ侵入して来たのはコレで“3日()()”なのだ。

 

幸いにも怪獣は全て撃退され、侵入して来た星人も、イデが『こんなこともあろうかと』発明して置いた『星人探知機』によって早々に発見出来ており、重要区画への侵入は何とか免れている。

 

だが、このまま襲撃が続けば帝劇のスタッフも無事では済まなくなり、公演を開く事さえ(まま)ならなくなる………

 

イデは現在、風組や帝劇スタッフの護身用武装の開発を進めているらしいが、未だ時間が掛かるようだ。

 

「敵の狙いはやはり………」

 

「神山くん、“其れ以上は”()()よ」

 

「! すみません」

 

怪獣や星人達の狙いはクラーラであると口に仕掛けた誠十郎だったが、すみれが制する。

 

「…………」

 

しかし、その遣り取りを、支配人室入口の陰でクラーラが聞いていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し時は流れ………

 

事後処理が終わり、静けさを取り戻した帝劇の時計台に在る隠れ部屋にて………

 

「…………」

 

クラーラが膝を抱えて(うずくま)っていた。

 

()()()()()()………“だから帝劇が襲われる”………)

 

自分の所為(せい)で帝劇が襲撃を受けている。

 

そう考えるクラーラの気持ちはドンドンと沈んで行く………

 

(私は“此処に居てはいけない”………“()()を運んでしまう”………)

 

やがてはそんな考えが頭を過り始める。

 

「クラーラ」

 

「!?」

 

と其処へ、“()()()()は居ない筈のこの場所”に誰かの声が響き、驚きながら顔を上げると………

 

「フフフ」

 

何と、カミンスキーが不敵な笑みを浮かべて佇んでいた。

 

「!?」

 

慌てて立ち上がると若干後退るクラーラ。

 

()()()()()帰って来る決心は付きましたか? クラーラ」

 

「!?」

 

カミンスキーのその問いに、クラーラはビクリと身体を震わせる。

 

「帝劇が狙われる理由………其れは君の考えている通り、“君自身が狙い”だからです」

 

「私が………」

 

「君が此処に留まっている限り、奴等は際限無く襲って来ます。そして何れは帝国華撃団のメンバーも………」

 

「! 止めてっ!!」

 

その続きを聞きたく無い、とクラーラは手で耳を塞いでその場に蹲る。

 

「君がコレ以上、帝国華撃団の皆さんに迷惑を掛けたく無いと思うのなら、私達の許へ戻って来るのです。大丈夫です。何も不安に思う事はありません。“我々は()()仲間なのです”から」

 

「仲間………」

 

「さあ、クラーラ。我々の許へ………」

 

そう言って、“胡散臭い”笑みを浮かべたままクラーラへと手を伸ばすカミンスキー。

 

「…………」

 

立ち上がったクラーラは、そんなカミンスキーの姿を暫し見遣る。

 

と、其処で………

 

「クラーラーッ! 何処に居るのーっ!?」

 

クラーラを探しているさくらの声が響いて来た。

 

「! さくらっ!」

 

「おっと、()()が入ってしまいましたね。今日はコレにて………ですが、クラーラ。“()()()()()()は我々の許以外に無い”。その事をお忘れ無く」

 

「!!」

 

再度クラーラがビクリと震える中、カミンスキーは持っていた傘を広げたかと思うとそのままフワリと浮かび、展望窓から飛び去って行った。

 

「クラーラ! 此処に居たんだ、探したよ」

 

その直後に、さくらが展望室へと現れる。

 

「…………」

 

「? クラーラ? 如何したの?」

 

俯いているクラーラを見たさくらが、首を傾げながら尋ねる。

 

「さくら………私が『此処から出て行く』って言ったら、如何する?」

 

「えっ!?」

 

クラーラの言葉に驚くさくら。

 

「怪獣や星人が現れるのは私の所為(せい)………私が狙われているから、帝劇が襲われちゃう。だから、私なんて居ない方が………」

 

「クラーラッ!!」

 

と其処で、さくらは怒った様な声を挙げてクラーラの目の前に座り込み、その両肩を摑む。

 

「さ、さくら………?」

 

「何でそんな事言うの!?」

 

戸惑うクラーラに、さくらは怒った様子のままでそう言う。

 

「だ、だって、()()()()()()皆に迷惑が………」

 

「私達が、何時クラーラの事を迷惑だ、なんて言ったの!?」

 

クラーラの言葉を遮り、さくらはそう言い放つ。

 

「さ、さくら………」

 

「…………」

 

そしてそのまま、さくらはクラーラを抱き締める。

 

「!!」

 

「クラーラ………“自分が居たら迷惑が掛かる”なんて………そんな()()()事言わないで。クラーラが居なくなっちゃったら、私寂しいよ」

 

先程までとは打って変わり、優しい口調でそう言うさくら。

 

「如何して………?」

 

「だって、()()()()()()。それ以上の理由が要る?」

 

「!!」

 

さくらの言葉に目を見開くクラーラ。

 

『気にするな。「()()」なんだからな』

 

そして脳裏に、あの“コートの青年”が浮かび上がる。

 

「さくら………」

 

やがて、クラーラもさくらを抱き締め返す。

 

「………ありがとう」

 

「クラーラ………」

 

2人は暫し、そのまま抱き合っていた。

 

「ふむ………もう少し揺さぶりを掛ける必要が有りそうですね」

 

そんな2人の様子を、空中に浮かんだ状態でちゃっかりと覗いていたカミンスキーは、邪悪な笑みを浮かべてそう(うそぶ)いたのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空中移動要塞セバストーポリ・テラス………

 

「…………」

 

陽が傾いて夕日が差し込む中で、1人テラスに佇んでいるレイラ。

 

その瞳は沈み行く夕日をジッと見詰めている。

 

『どうせ“地球は丸い”んだ。またそのうち、何処かで会えるだろう』

 

その脳裏に、クラーラと同じく“コートの青年”が思い浮かぶ。

 

「………『ガイ』」

 

そう呟き、思いに耽るかの様に目を閉じるレイラ。

 

「………~~♪~~♪」

 

やがて“或るメロディ”を口ずさみ始めた。

 

其れは、“クラーラが無意識に演奏していた”あのメロディだった。

 

「~~♪~~♪」

 

優しくも、何処か物悲しいメロディがテラスに響く。

 

すると………

 

「グアアアッ!?」

 

「!?」

 

突然絶叫が聞こえて来て、レイラが驚きながら振り返ると其処には………

 

「レ、レイラ………“その歌は止めなさい”と言った筈ですよ………」

 

強烈な頭痛に頭を押さえて蹲っているカミンスキーの姿が在った。

 

「申し訳ございません。カミンスキー様」

 

頭を下げて謝るレイラだが、その言葉は何処か事務的に聞こえる。

 

「………まあ、良いでしょう。其れよりも、“例のモノ”は用意出来ていますか?」

 

カミンスキーは不満そうにしながらも、漸く頭痛が収まったので立ち上がるとそう尋ねる。

 

「ハイ、既に………」

 

とレイラがそう言うと、テラスの窓がモニターへと変わり、映像が映し出される。

 

クワクワクワクワガーッ!!

 

其処には、真っ赤な空間の中で不気味に目を光らせている“バキシムに似た”超獣の姿が在った。

 

「結構。コレでクラーラも我々の許へ帰って来ざるを得なくなるでしょう、フフフ………」

 

その超獣の姿を見ながら、不気味に笑うカミンスキー。

 

「…………」

 

一方のレイラは、カミンスキーには見せない様に“何かに耐えるかの様に”グッと拳を握り締めていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウルトラ怪獣大百科

 

怪獣コンピューター、チェック!

 

『火星怪獣 ナメゴン』

 

身長:30メートル

 

体重:1万トン

 

能力:目から放つ硬直光線

 

初登場作品:ウルトラQ第3話『宇宙からの贈りもの』

 

火星から帰還した無人探査機に乗せられていた金色の卵から誕生した宇宙怪獣。

 

名前の通り、ナメクジの怪獣である。

 

火星人により地球人の闇雲な宇宙開発に対する挑戦か、或いは威嚇を目的として送り込まれたと推測されている。

 

ナメクジなだけに塩水に弱く、最後は海に落ちて溶けた。

 

ウルトラマンメビウスでも存在が示唆されており、ウルトラマンZの雑誌スチール写真では、特空機セブンガーと戦っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『暗黒星人 シャプレー星人』

 

身長:1.7メートル

 

体重:60キロ

 

初登場作品:ウルトラセブン第20話『地震源Xを倒せ』

 

『核怪獣 ギラドラス』を使い、地球の中心核に存在する物質『ウルトニウム』を採掘しようと来訪した。

 

地質学者の村博士の助手の榊として地球に潜伏していたが、正体を見破られ、ウルトラ警備隊のソガ隊員とアンヌ隊員に倒された。

 

『ウルトラ銀河伝説』で再登場を果たし、変身前のメビウス=ヒビノ・ミライを追い詰める活躍を見せたが、初代ウルトラマン=ハヤタに倒される。

 

この作品以降、巨大化能力は持たないが高い戦闘力を持つ宇宙人として、度々登場している。

 

実は元はあの『宇宙帝王 バド星人』としてデザインされていたが、製作時に急遽入れ替えが行われ、此方がシャプレー星人となった。




新話、投稿させて頂きました。

帝劇への襲撃が連日連夜続く事態。
狙いはやはりクラーラであり、カミンスキーが裏で糸を引いていた。

思い悩むクラーラだが、さくらの言葉で踏み止まる。
しかし、カミンスキーの更なる策略が………

果たして『ガイ』とは一体?(棒読み)

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
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