新サクラ大戦・光   作:宇宙刑事ブルーノア

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チャプター7『クラーラの秘密』

チャプター7『クラーラの秘密』

 

一角紅蓮超獣 バキシマム

 

ゴブニュ(ヴァハ)

 

怪人 巨大黒マント

 

上級降魔??? 登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝都・銀座………

 

クワクワクワクワガーッ!!

 

咆哮と共に、薙ぎ払う様に紅蓮火炎弾を連射するバキシマム。

 

爆発と共に次々と建物が吹き飛んで行く。

 

「クッ! このぉっ!!」

 

アナスタシア機が、少しでも被害を食い止めようと飛び交う紅蓮火炎弾に向けて、氷の銃弾を放って迎撃するが焼け石に水である。

 

「テメェッ!! いい加減にしやがれぇっ!!」

 

更に、初穂機が必殺の東雲神社の御神楽ハンマーを繰り出し、強力な1撃をバキシマムの足へと叩き込んだ。

 

「!? うわあっ!?」

 

しかし、初穂機の渾身の攻撃も通用せず、強靭な表皮にアッサリと跳ね返されてしまう。

 

「やああああぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!」

 

今度は、さくら機がジャンプしながら刀で斬り掛かったが、コレも表皮に火花を散らしただけで終わる。

 

「くうっ!!」

 

クワクワクワクワガーッ!!

 

と、さくら機の着地の瞬間を狙って、バキシマムが足を振り上げて踏み潰そうとする。

 

「!? しまっ………」

 

「さくらっ!!」

 

しかし、あざみ機が空中でさくら機を掻っ攫い、共に回避に成功する。

 

「ありがとう、あざみ」

 

「気にしないで………でも、このままじゃ駄目」

 

お礼を言うさくらに、あざみは苦い顔でそう返す。

 

既に幾度と無く攻撃を加えているものの、バキシマムはダメージらしいダメージを受けた様子が無い。

 

状況は、花組が完全に不利である。

 

クワクワクワクワガーッ!!

 

そんな花組に向かって、勝ち誇るかの様に咆哮を挙げるバキシマム。

 

 

 

 

 

と、其処で!!

 

 

 

 

 

「ウルトラゼロキイイイイィィィィィックッ!!」

 

雄叫びと共に上空から現れたゼロが、ウルトラゼロキックをバキシマムの頭部に命中させた!

 

クワクワクワクワガーッ!?

 

頭から爆発の火花を挙げ、地響きと共にバキシマムは地面に倒れる。

 

「セヤッ!!」

 

「! ゼロさんっ!!」

 

「待ってたぜっ!!」

 

着地を決めたゼロに、さくらと初穂が歓声を挙げる。

 

「コイツ………“バキシムの強化型”か?」

 

『あの“開会式での超獣”か?』

 

バキシマムを見てゼロがそう言うと、誠十郎が開会式に現れたバキシムの事を思い出す。

 

クワクワクワクワガーッ!!

 

と其処で、起き上がったバキシマムが咆哮を挙げたかと思うと、両腕をゼロに向けて紅蓮火炎弾を連射する。

 

「ハアッ!!」

 

ゼロはバリア・ゼロディフェンダーを展開し、紅蓮火炎弾を防ぐ。

 

「エメリウムスラッシュッ!!」

 

そして紅蓮火炎弾が途切れると、バリアを解除すると同時にエメリウムスラッシュを発射。

 

クワクワクワクワガーッ!!

 

直撃を受けるものの、構わずゼロに突進して来るバキシマム。

 

「チイッ! オラアッ!!」

 

突進して来たバキシマムと組み合うゼロ。

 

『構わずに突っ込んで来るなんて!』

 

「超獣は痛みや恐怖を感じない! “完全に動きを止める”しか()えっ!!」

 

驚く誠十郎にそう返しながら、ゼロはバキシマムを押し切ろうとする。

 

クワクワクワクワガーッ!!

 

「うおっ!? コイツッ!!」

 

しかし逆に、バキシマムのパワーに押され始める。

 

「チイッ! オラアッ!!」

 

其処でゼロは、相手の力を利用して巴投げで投げ飛ばす。

 

クワクワクワクワガーッ!?

 

地面に頭から叩き付けられたバキシマムだが、怯まず直ぐ様起き上がる。

 

クワクワクワクワガーッ!!

 

そして、ゼロ目掛けて一角紅蓮ミサイルを放つ。

 

「セヤッ! ハアッ!」

 

ゼロも、ゼロスラッガーを2つ共投擲して対抗。

 

しかし、一角紅蓮ミサイルはゼロスラッガーを弾き飛ばし、そのままゼロに直撃する。

 

「うおわっ!?」

 

今度はゼロが真面に喰らい、身体から火花を挙げて地面に倒れる。

 

クワクワクワクワガーッ!!

 

一角紅蓮ミサイルを頭部に戻すと、勝ち誇るかの様に咆哮するバキシマム。

 

「チイッ! 調子に乗んなよっ!!」

 

其処で、ゼロはゼロスラッガーを手元に戻すと、ゼロツインソードに合体させて持ち、立ち上がると同時にバキシマムに向かって行く。

 

「ゼロさんを援護しましょう!」

 

「「「「了解っ!!」」」」」

 

ゼットーン………ピポポポポポポポ………

 

其処へ続く様に、さくら達花組メンバーとゼットンもバキシマムに向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

帝劇の屋根の上では………

 

「ハアッ!」

 

気合の一閃でゴブニュ(ヴァハ)の腕を斬り落とす白マント。

 

「…………」

 

しかし、斬り落としたがらんどうの腕が浮かび上がると、切断部分にくっ付いてしまう。

 

「やれやれ、()りが無いな………」

 

声色や表情からは窺えないが、白マントは苦々しい様子を見せる。

 

「…………」

 

そんな白マントとゴブニュ(ヴァハ)を、物陰からおっかなびっくりと窺っているクラーラ。

 

「………已むを得ないか」

 

すると其処で、白マントが刀を握っていた腕を下げ、やや脱力したかの様な様子を見せる。

 

「………?」

 

その白マントの姿に、ゴブニュ(ヴァハ)が怪訝そうな様子を見せたかと思うと………

 

「………ハアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

その瞳が赤く光り、身体からも赤いオーラの様な物が立ち昇り始める。

 

「…………!?」

 

ゴブニュ(ヴァハ)が怯む様な様子を見せた瞬間!

 

「セヤアアアアアッ!!」

 

白マントは、一瞬にしてゴブニュ(ヴァハ)に肉薄。

 

刀を、両手で掲げる様に構えて垂直に振り下ろす唐竹割りを繰り出した!!

 

一瞬の間の後、ゴブニュ(ヴァハ)の脳天から股間に掛けて赤い光が走り、真っ二つに分かれる。

 

切断面が赤く発光しており、そのまま再生する事無く倒れたかと思うと、爆発四散するゴブニュ(ヴァハ)。

 

「ふう………何とかなったか」

 

刀を振り、爆散したゴブニュ(ヴァハ)を見てそう呟く白マント。

 

と、その時!!

 

「キャアッ!?」

 

「!?」

 

クラーラの悲鳴が聞こえて白マントが振り返ると、其処には………

 

「離して! 離してぇっ!!」

 

「…………」

 

クラーラを左腕で確保している黒マントの姿が在った。

 

「しまったっ!? コイツも来ていたのか!?」

 

「…………」

 

直ぐ様クラーラを助けようとする白マントだったが、黒マントが其れよりも早く背中のブースターを噴かして飛翔。

 

「キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

クラーラの悲鳴が響く中、空高く舞い上がってしまう。

 

「クッ! 待てっ!!」

 

すると、白マントは大きく跳躍。

 

やがて跳躍限界点に達したかと思うと………

 

何と、その背から“鳥の様な白い翼”が出現!!

 

黒マントを追って飛翔するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝都・銀座………

 

クワクワクワクワガーッ!!

 

紅蓮火炎弾を連射するバキシマム。

 

「ウルトラゼロディフェンダーッ!!」

 

だがゼロは、ウルティメイトブレスレットを盾・『ウルトラゼロディフェンダー』に変形させて左手に持ち、紅蓮火炎弾を防ぎながら接近。

 

「オリャアアアアアアァァァァァァァッ!!」

 

クワクワクワクワガーッ!!

 

そして、右手のゼロツインソードを振るが、バキシマムはクロー状の両腕で受け止める。

 

ゼットーン………ピポポポポポポポ………

 

しかし其処で、ゼットンが背後に回ってバキシマムの尻尾を両手で摑んだ。

 

クワクワクワクワガーッ!!

 

ゼットーン………ピポポポポポポポ………

 

振り解こうとするバキシマムだが、ゼットンは必死で抑える。

 

「隙有りだっ!!」

 

其れによって生じた隙を衝き、ゼロはクロー状の両腕を弾き飛ばすと、再度ゼロツインソードを横薙ぎに振るい、バキシマムの身体に斬り付けた!

 

クワクワクワクワガーッ!?

 

バキシマムのボディに横一直線の傷が入り、緑色の血液の様な液体が噴出する。

 

「アポリト・ミデンッ!」

 

「天剣・桜吹雪っ!!」

 

その傷目掛けて、アナスタシア機が番傘状のライフルからレーザーを放ち、さくら機が斬撃波を飛ばす。

 

クワクワクワクワガーッ!?

 

傷口が広がり、緑色の血液が辺りに飛び散る。

 

クワクワクワクワガーッ!!

 

しかし、超獣であるバキシマムは全く怯まず、アナスタシア機とさくら機目掛けて一角紅蓮ミサイルを発射する。

 

「クッ!」

 

「キャアッ!!」

 

衝撃波で吹き飛ばされながらも、ギリギリのところで直撃は回避する両機。

 

「今ですっ!!」

 

其処で、クラリスが空中に魔法陣を横向きに出現させた。

 

「おっしゃあっ!!」

 

すると初穂機が、その魔法陣の上へと跳躍したかと思うと、魔法陣を足場にして更に空高く跳躍。

 

「おりゃあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

そして機体を縦に回転させながら、勢いを載せたハンマーの1撃を、一角紅蓮ミサイルが外れていたバキシマムの頭頂部に叩き込む!

 

クワクワクワクワガーッ!?

 

霊力をふんだんに込めたその1撃によって、バキシマムの頭頂部が爆発。

 

其れによりコントロールが途切れ、戻れなくなった一角紅蓮ミサイルがフラフラと宙を漂う。

 

「にんっ!!」

 

その一角紅蓮ミサイルに向かって、鎖分銅を投げ縄の様に投げて巻き付けるあざみ機。

 

「ハアアアアアアッ!!」

 

そして、機体の出力を最大にして如何にか振り回すと、バキシマム目掛けて投げ付けた!

 

クワクワクワクワガーッ!?

 

自らの一角紅蓮ミサイルをまたも傷口へと食らうバキシマム。

 

一角紅蓮ミサイルはバキシマムのボディの傷口に深々と突き刺さった。

 

「くうっ!」

 

しかし、相当無茶をしたのか、あざみ機が膝を突き、関節部から蒸気漏れを起こす。

 

「あざみ!!」

 

「私は大丈夫。それよりもアイツを………」

 

心配の声を挙げる初穂に、自分の事は気にせずバキシマムにトドメをと呼び掛けるが………

 

「!? 何か来ますっ!!」

 

クラリスが“接近して来るモノ”が有る事に気付いて声を挙げる。

 

其れは、クラーラを抱えて飛ぶ黒マントの姿だった。

 

「!? クラーラッ!!」

 

「!? 何っ!?」

 

さくらが悲鳴の様な声を挙げ、ゼロも反応する。

 

「如何してクラーラさんがっ!?」

 

「クソッ! 隊長さんの奴、何やってんだよっ!?」

 

『クウッ!』

 

クラリスも声を挙げ、事情を知らぬ初穂が誠十郎を責める様に言うと、誠十郎は苦い声を漏らす。

 

と、其処へ………

 

「待てっ!!」

 

その黒マントを追って、背中の翼で飛ぶ白マントが現れる。

 

「! 白マントッ!?」

 

「飛んでる!?」

 

続いて現れた白マントが、空を飛んでいる事にさくらとあざみが驚きの声を挙げる。

 

と、その時………

 

「………!」

 

黒マントの鉄仮面の目の部分が赤く光ったかと思うと、彼方の空から“無数の黒い影”が飛んで来る。

 

「!? アレはっ!?」

 

其れは、ゴブニュ(ヴァハ)の“軍団”だった。

 

まるでイナゴの大群を思わせるゴブニュ(ヴァハ)の軍団は、地上に降りて来たかと思うと、1つの形に纏まって行く。

 

やがて其処には、巨大なゴブニュ(ギガ)の姿が現れた!!

 

「が、合体したっ!?」

 

クラリスが驚きの声を挙げた瞬間、黒マントがゴブニュ(ギガ)の頭頂部へと降り立つ。

 

右手を翳したかと思うと、其処から紫色の稲妻状のエネルギーが放射され、ゴブニュ(ギガ)に流れ込む。

 

すると、ゴブニュ(ギガ)の7つのカメラアイが発光。

 

その形が粘土の様に変形し始めたかと思うと………

 

何と、巨大な黒マントの姿となった!!

 

「なっ!? 巨大黒マントッ!?」

 

「もう“何でも有り”ね………」

 

今度は初穂が驚きの声を挙げると、アナスタシアが他人事の様に呟く。

 

巨大黒マントは、手に投げナイフを出現させたかと思うと、地上の花組に向かって投げ付けて来る。

 

「「「「「!?」」」」」

 

人間サイズだった頃とは比べ物にならない大きさとなった投げナイフを、花組は慌てて散開して躱す。

 

投げナイフは、次々に地面に刺さると爆発する。

 

「キャアッ!?」

 

「うおわっ!?」

 

煽られた花組の無限達が地面の上を転がる。

 

「野郎っ!!」

 

其処でゼロが、巨大黒マントに向き直ったが………

 

『ゼロ、駄目だ!! 今攻撃したらクラーラを巻き込んでしまう!!』

 

「チイッ!」

 

誠十郎の指摘通り、巨大黒マントの頭頂部には、黒マントに捕まっているクラーラが居るので、今のままでは攻撃出来ない。

 

「! クッ!」

 

翼で飛んでいる白マントも、巨大黒マントの攻撃で近付けないでいる。

 

クワクワクワクワガーッ!!

 

ゼットーン………ピポポポポポポポ………

 

と其処で、援軍の登場で息を吹き返したかの様に、バキシマムが尻尾を摑んでいたゼットンを振り解く。

 

そして、巨大黒マントの方を向いていたゼロに襲い掛かる。

 

「! うおっ!?」

 

反応が間に合い、バキシマムの両腕のクローをゼロツインソードとウルトラゼロディフェンダーで防ぐが、動きを封じられるゼロ。

 

其処で巨大黒マントは、背中のブースターを噴射し始める。

 

如何やら、このままクラーラを連れて離脱する積りの様だ。

 

「! させないっ!!」

 

すると、さくら機がそうはさせるかと巨大黒マントに向かって突撃する。

 

「!? さくらっ!?」

 

「! 止せっ! 無茶だっ!!」

 

無謀な突撃に初穂とゼロが声を挙げるが、さくら機は止まらない。

 

「ハアアアアアアッ!!」

 

機体出力を限界(リミット)以上に発動し、巨大黒マントの頭頂部目掛けて大跳躍するさくら機。

 

「クラーラッ!!」

 

「! さくらっ!!」

 

その姿に気付いたクラーラが声を挙げるが、次の瞬間!!

 

「…………」

 

巨大黒マントの右腕が再び粘土の様に形を変え始めたかと思うと、巨大なペンチへと変わった!

 

そして、その右腕で大跳躍して来たさくら機を捕まえた!!

 

「!? しまっ………」

 

た、とさくらが言い切る前に、そのままさくら機をプレスし始める巨大黒マント。

 

さくら機が見る見る内に変形し、潰されて行く。

 

「キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

コクピット内が徐々に狭くなって行く様に、さくらは思わず恐怖の悲鳴を挙げる。

 

「さくらっ!!」

 

「さくらさんっ!!」

 

初穂達から悲鳴が挙がるが、如何する事も出来ない。

 

「さくらっ! クソッ! 邪魔するなっ!!」

 

クワクワクワクワガーッ!!

 

頼みのゼロもバキシマムに動きを封じられている。

 

最早原型が無くなり始めたさくら機から、爆発と共に手足が外れる。

 

そして完全に潰されてしまうかと思われた、その時!!

 

「止めてええええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!」

 

クラーラの叫び声が木霊し、その身体から強烈な光が発せられる!!

 

その光は、一瞬にして彼女を拘束していた黒マントと巨大黒マント、そしてさくら機を呑み込んで消滅させる。

 

「「「「「!?」」」」」

 

「!? 何っ!?」

 

『この光はっ!?』

 

初穂達とゼロ、誠十郎が驚きの声を挙げる中、光は尚も広がってゼロ達にも迫って来る。

 

「! ハアッ!!」

 

直感的に“マズイ”と感じたゼロは、バキシマムを無理矢理振り解いて、その光の方に向けて投げ飛ばす。

 

クワクワクワクワガーッ!?

 

バキシマムはその光に触れた瞬間、黒マント達と同様に一瞬で消滅してしまう。

 

「! 逃げろっ!!」

 

「ゼットン! 戻って!!」

 

其れを見た初穂達が慌てて退避し始め、クラリスもゼットンを魔導書に戻す。

 

しかし、間に合いそうに無い。

 

「マズイッ!!」

 

其処でゼロは、その光を包み込む様にバリアをドーム状に展開!

 

光をバリア内へと抑え込む!!

 

「ぐうっ! うおおおっ!!」

 

相当なエネルギー量なのか、バリアを展開し続けているゼロが苦悶の声を漏らし、カラータイマーが点滅を始める。

 

広がり続けていたかに思えた光だが、やがて終息を始め、徐々に消えて行く。

 

「ぐっ!?」

 

光が消えたのを確認し、バリアを解除した瞬間に膝を突くゼロ。

 

カラータイマーは激しく点滅している。

 

と、光が放たれた中心地点に“光点”が出現する。

 

「!!」

 

「! アレはっ!?」

 

其処でゼロと初穂達が見たものは………

 

背中から“天使の様な白い翼”を生やしたクラーラの姿だった。

 

「クラーラ………?」

 

「あの姿は………?」

 

その“人ならざる姿”に、あざみとアナスタシアが茫然と呟く。

 

「………ハッ!?」

 

と、其処で目を閉じていたクラーラが、我に返った様に目を開ける。

 

「そうだ………私は………」

 

自分の両手を見て、ワナワナと震え出すクラーラ。

 

失われた記憶の一部が蘇り、自分が“()()であるか”を思い出したのだ。

 

「! さくらっ!?」

 

と其処で、黒マント達と同様に光に呑み込まれたさくらの事を思い出し、慌てて周囲を見回す。

 

しかし、さくら機の姿は何処にも無かった………

 

「そ、そんな………あ、あああ………」

 

()()()さくらを死なせてしまった”と思い込み、クラーラは更に震え出す。

 

其処へ、突如上空から巨大な影が降りて来た。

 

「! 莫斯科(モスクワ)華撃団のセバストーポリ(移動要塞)ッ!?」

 

其れは、莫斯科華撃団の空中移動要塞セバストーポリだった。

 

『クラーラ、聞こえますか?』

 

「!?」

 

セバストーポリの外部スピーカーから、カミンスキーの声が響いて来る。

 

『コレで分かったでしょう? “貴女が()()()()場所”が何処なのか? さあ、戻って来なさい、クラーラ』

 

「…………」

 

カミンスキーの言葉に、クラーラは俯いて黙っていたかと思うと………

 

「さくら………ゴメン………ゴメンね、さくら」

 

さくらへの謝罪の言葉と共に涙を流し、セバストーポリへと向かって飛んだ。

 

「! クラーラさん!」

 

「オイ、待てっ!!」

 

クラリスと初穂が慌てて叫ぶが、クラーラは振り返らずにセバストーポリに向かって行く。

 

「チイッ!………!? グウッ!」

 

ゼロが追おうとしたものの、消耗が激しく、立ち上がったかと思ったらまた膝を突いてしまう。

 

やがて、クラーラの姿がセバストーポリの中へと消えると、セバストーポリはゆっくりと上昇し始め、見えなくなってしまう。

 

「………ルナミラクルゼロ………ミラクル・リアライズ」

 

其処でゼロは、ルナミラクルゼロへとフォームチェンジすると、最後の力を振り絞ってミラクル・リアライズを照射。

 

バキシマムの攻撃で、甚大な被害が出ていた街を修復する。

 

「…………」

 

其れを見届けると、何時もの様に飛び去るのでは無く、溶ける様に消えて行った………

 

「ゼロさんが………」

 

「其れよりもさくらは如何したんだ!?」

 

ゼロが消えてしまった事にクラリスが呆然としていると、初穂が叫ぶ。

 

彼女の脳裏には“最悪の想像”が過っている。

 

と、その時………

 

初穂達の目の前に、『何か』が降りて来た。

 

「「「「!?」」」」

 

「…………」

 

其れは背中に“黒い翼を生やし、右目の部分を結晶状の仮面で隠した”()()()()()だった。

 

その腕の中には、ボロボロで頭から血を流しているさくらが抱き抱えられている。

 

「! さくらっ!!」

 

「貴女は一体………?」

 

初穂が声を挙げ、クラリスが異形の女性を警戒する。

 

「! 妖力反応を感知!」

 

「と言う事は………()()()()っ!?」

 

其処で、あざみが異形の女性から“妖力反応”が出ている事に気付き、アナスタシアがそう声を挙げる。

 

その言葉で、初穂達は一斉に身構える。

 

「…………」

 

しかし、上級降魔の女性は反応を見せない。

 

すると其処へ、その眼前に白マントが降り立つ。

 

「「「「!?」」」」

 

「…………」

 

初穂達が驚く中、白マントは上級降魔の女性に近付く。

 

「…………」

 

其処で上級降魔の女性は、さくらを白マントへと差し出す。

 

「…………」

 

白マントはさくらを受け取り、抱き抱える。

 

「………ゴメンなさい」

 

と、白マントに抱き抱えられたさくらに向かって、上級降魔の女性はそう呟いて悲し気な表情を見せた。

 

「「「「!?」」」」

 

その様子に初穂達が驚きを露わにしていると………

 

「…………」

 

上級降魔の女性はその黒い翼を広げ、黒い羽根を撒き散らしながら飛び去った。

 

「あ!」

 

「追跡を!」

 

「待て! 今はさくらの方が先だ!!」

 

クラリスが声を挙げ、あざみが追跡しようとしたが、初穂がそう言って止める。

 

「………貴女は一体誰かしら?」

 

アナスタシアが、さくらを抱き抱える白マントに向かって問う。

 

「………その質問に答える為にも、帝劇へ御案内願おうか?」

 

白マントはそう返し、抵抗する積りは無いとアピールするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウルトラ怪獣大百科

 

怪獣コンピューター、チェック!

 

『一角紅蓮超獣 バキシマム』

 

身長:66メートル

 

体重:7万9000トン

 

能力:一角紅蓮ミサイル、紅蓮火炎弾

 

バキシムの強化体。

 

元は児童雑誌で行われたバキシム強化改造計画の最優秀作品。

 

名前のセンスと、元を損なわずに炎属性を追加したデザインで秘かに人気が高い。

 

残念ながら、映像作品への出演は無く、アーケードゲーム『大怪獣バトル』シリーズでしかその姿は拝めない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『機械人形 ゴブニュ(ギガ)』

 

身長:60メートル

 

体重:8万トン

 

能力:ティガ・パワータイプを上回る怪力、自爆装置

 

無数のヴァハが合体し、巨大なロボットとなった姿。

 

ティガのパワータイプをも上回る怪力と強力な自爆装置を内蔵している。

 

この作品では、黒マント(ゴーレム)から妖力を供給され、巨大黒マントへと変化。

 

元がヴァハの集合体である事を活かし、身体の形を自在に変化させた。




新話、投稿させて頂きました。

ゼロが参戦し、形勢逆転かに思われたバキシマム戦。
しかし、白マントがヴァハに相手をしている隙を衝き、黒マントがクラーラを拉致。
取り戻そうと無茶をしたさくらは、巨大黒マントに殺されそうになってしまう。

そこで、クラーラが再び力を解放。
バキシマム達は消滅したものの、さくらまでも巻き込んでしまったと思い込んだクラーラは、カミンスキーに誘われるがままに莫斯科華撃団に下ってしまう。

しかし、さくらは謎の上級降魔によって救出されていた。
急ぎさくらの手当の為、花組は白マントを引き連れて帝劇へと帰還する。

次回はいよいよクラーラと白マントの正体が発覚。
そして私の独自解釈と設定が行われますので、予めご了承ください。

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