新サクラ大戦・光   作:宇宙刑事ブルーノア

52 / 112
チャプター10『戦慄! カミンスキーの正体!!』

チャプター10『戦慄! カミンスキーの正体!!』

 

偽莫斯科華撃団

 

蛾超獣 ドラゴリー

 

殺し屋超獣 バラバ 登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界華撃団大戦の試合会場………

 

スタジアム………

 

「さあ………ショーの始まりです!」

 

カミンスキーがそう言うと、彼のエカテリーナが箒のような形状をした機体の身長を超える程の巨大なレーザー銃を構え、発砲。

 

「「「!!」」」

 

迫って来たレーザーを、誠十郎達は散開して躱す。

 

「カミンスキーッ!!」

 

其処で誠十郎機が大きく跳び上がり、ビルの上に居たカミンスキー機に斬り掛かった!!

 

「おっと」

 

カミンスキー機はレーザー銃を棍棒にして、誠十郎機の二刀を受け止める。

 

「お前だけは許さんっ!」

 

「怖い怖い。穏やかに行きましょう」

 

怒りを露わにする誠十郎に対し、カミンスキーは挑発する様に小馬鹿にした態度を取る。

 

「…………」

 

その間に、今度は莫斯科華撃団隊員が乗っていると思われるエカテリーナ3号機が動く。

 

ビルの上から跳躍すると、さくら機に迫る。

 

「!!」

 

迎え撃とうと彼方を構えるさくら機。

 

そのさくら機に向かって、エカテリーナ3号機は胴体に内蔵された2門の機関銃を発砲する。

 

「おおりゃあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

しかし其処へ、初穂機が間に割って入り、ハンマーを機体の前でバトンの様に回転させ、機関銃弾を全て弾き飛ばす。

 

「! 初穂っ!!」

 

「さくらっ! お前はクラーラのとこへ行けっ!!」

 

「えっ!?」

 

「助けるんだろ!? アイツ(クラーラ)を!!」

 

「!!」

 

そう叱咤されてさくらは、再度塔の上に磔にされているクラーラを見遣った。

 

「………初穂、お願い!」

 

そして、一瞬躊躇する様な様子を見せたが、機体を反転させて塔の方へと向かった。

 

そのさくら機を、エカテリーナ3号機が追おうとしたが………

 

「オリャアッ!!」

 

初穂機がハンマーで殴り掛かって阻止する。

 

手前(テメェ)の相手はアタシだっ!!」

 

ハンマーを構え直し、初穂はそう宣言するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、クラーラが拘束されている塔へと向かったさくら機は………

 

「待ってて、クラーラ。今行くから」

 

モニター越しにクラーラを見ながら、塔へと急ぐさくら機。

 

だがその前に、新たなエカテリーナが立ちはだかった。

 

「!!」

 

「…………」

 

レイラの機体だ。

 

「レイラさん!」

 

「…………」

 

レイラ機は“問答無用”とばかりに、レーザー銃を棍棒にしてさくら機に殴り掛かる。

 

「! クウッ!」

 

さくら機が回避すると、レーザー銃は建物の壁に当たり、破片を撒き散らす。

 

「レイラさん! 待って下さいっ!!」

 

「…………」

 

クラーラの姉であるレイラとは戦えないと訴えようとするさくらだが、レイラ機からは()()()()()()()が続く。

 

「クウッ!………?」

 

回避を続けるさくら機だったが、其処でさくらは“或る事”に気付く。

 

(狙いが()()………?)

 

そう………先程からのレイラ機の攻撃は、どれも“狙いが甘く”、コレまで激戦を潜り抜けて来たさくらからすれば、“回避するのは容易な攻撃”ばかりだった。

 

実際に、カウンターを打ち込めるタイミングが次々に見えている。

 

(!? まさかっ!?)

 

其処でさくらは、“或る可能性”に思い至る。

 

「!」

 

と其処で、レイラ機がレーザー銃を大きく振り被った。

 

強烈な1撃の予備動作だが、同時に“隙も大きな”体勢だ。

 

「! 隙有りっ!!」

 

当然、さくらはその隙を見逃さず、レイラ機に袈裟懸けを繰り出した!!

 

袈裟懸けは諸に入り、レイラ機に斜めの大きな傷が入る。

 

レイラ機はスパークを発し、蒸気漏れを起こして動かなくなった。

 

「………レイラさん………貴女、態と?」

 

「…………」

 

レイラが“()()隙を晒して攻撃させたのでは無いか”と問うさくらだったが、レイラの答えは沈黙だった。

 

しかし、さくらにとって其れは“肯定の意”と取れた。

 

「………ありがとうございます。“クラーラは()()助けます”」

 

動かなくなったレイラ機に向かってそう告げ、さくら機は再度塔を目指し始めた。

 

「………天宮 さくら………頼むわ」

 

その背を見送りながら、レイラは沈黙したエカテリーナの中でそう呟いた。

 

だが、その時………

 

そのレイラ機の頭上を、3つの影が通り過ぎた!!

 

「!? アレはっ!?」

 

その影の“正体”を見たレイラは、驚愕の声を挙げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中央の搭の頂上………

 

「クラーラッ!!」

 

塔の頂上へと到達したさくらが叫ぶ。

 

「…………」

 

クラーラは相変わらず気を失ったまま磔にされている。

 

「! 今助けるから!!」

 

そのクラーラを助け出そうと近づくさくら機。

 

だが、その瞬間!!

 

眼前にレーザーが着弾し、爆風でブッ飛ばされる!!

 

「!? キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

さくら機は背中から叩き付けられた後にバウンドして1回転し、俯せに倒れる。

 

「ぐ、うう………な、何が………?」

 

何が起こったのかと機体を立ち上がらせながら顔を上げるさくら。

 

すると、その眼前に3つの影が降り立つ。

 

「!?」

 

その影を見て、さくらは驚愕する。

 

其れは3機のエカテリーナ………

 

()()()()()()()()莫斯科(モスクワ)華撃団の残りの隊員達の機体だった。

 

「エカテリーナ!?」

 

『ああっと!? コレは如何した事でしょう!? 突如として莫斯科華撃団のエカテリーナが新たに3機出現!! 出場選手に選ばれなかったメンバーと思われますが!?』

 

突然の乱入に、さくらも実況者も困惑の声を挙げる。

 

直後、3機のエカテリーナはレーザー銃を構え、さくら機に向かって発砲して来た!

 

「!?」

 

慌てて立ち上がり、回避運動を取るさくら機。

 

そんなさくら機に向かって、3機のエカテリーナはレーザー銃を連射する。

 

「くうっ!?」

 

『ああーっと!? 乱入したエカテリーナが帝国華撃団を攻撃!! コレは明らかなルール違反だ!!』

 

余りにも堂々とした(明から様な)ルール違反に、実況者も驚愕を露わにする。

 

当然ながら、街頭テレビ等でその様子を見ていた人々からも、非難の声が挙がる。

 

しかし、直後に中継が途切れ、人々は試合会場の様子を窺えなくなったのだった。

 

3機のエカテリーナは、さくら機の前に降り立つ。

 

「くうっ!」

 

刀を構えるさくら機。

 

其れに反応する様に、3機のエカテリーナもレーザー銃を構える。

 

「其処を………退()いてぇっ!!」

 

一気に突破しようと、さくら機が思いっ切り踏み込んでダッシュする。

 

しかし、何時もの様に速度と距離が出ない。

 

「くっ! 機体の調子が………」

 

無理をして直した機体が悲鳴を挙げている様だ。

 

そんなさくら機に、容赦無くレーザーを叩き込もうと3機のエカテリーナが引き金(トリガー)に指を掛ける。

 

 

 

 

 

が、その瞬間!!

 

 

 

 

 

エカテリーナ達に其々、魔導弾・氷の弾丸・クナイ(苦無)が叩き込まれた!

 

「!?」

 

「さくらさん!」

 

「お待たせっ!」

 

驚くさくら機の前に、クラリス機とあざみ機が降り立つ。

 

「クラリス! あざみ!」

 

「ルール違反をしたのは()()()()()よ」

 

そして、一瞬遅れてアナスタシア機も降り立つ。

 

「アナスタシアさんも!」

 

「さくら! コイツ等は任せて!!」

 

「さくらさんはクラーラさんを!」

 

鎖分銅を振り回すあざみ機と、魔法陣を展開させるクラリス機から、さくら機へそう通信が送られる。

 

「! 分かった!」

 

直ぐ様3機のエカテリーナを擦り抜け、クラーラの許へと向かうさくら機。

 

エカテリーナの1機が振り返りながらレーザー銃を向けたが、氷の弾が命中して銃身が凍り付く。

 

「邪魔はさせないわよ………」

 

硝煙の立ち昇る銃を構えたアナスタシア機から、そんな声が響く。

 

「クラーラッ!」

 

漸く、クラーラの眼前にまで辿り着いたさくら機はハッチを開放。

 

さくらが機体から降りて、クラーラが拘束されている十字架に近付く。

 

「う………!? ハッ!? 此処は?………!? さくらっ!?」

 

其処で漸く意識を取り戻したクラーラが、さくらの姿を見て驚愕の声を挙げる。

 

「気が付いたのね! 今助けるから!!」

 

直ぐ様クラーラを十字架に縛り付けている縄を解こうとするさくら。

 

「! さくら! 止めて! 私はさくら達とは一緒に居られないの! だって私は………!!」

 

「全部知ってるっ!!」

 

「!? えっ!?」

 

“自分は降魔人間である”と告白しようとしたクラーラだったが、其れを遮って言って来たさくらに再度驚愕の表情を浮かべる。

 

「でも“其れが何だ?”って言うの!? そんな事くらいで“私がクラーラを()()()()理由”になると思ってるの!?」

 

「さくら………」

 

「其れに………クラーラには“知らないといけない事”が有るの」

 

「えっ!?」

 

「だから絶対に助ける! だって………『()()』なんだから!!」

 

「!!」

 

その瞬間、クラーラの目にはさくらとあの“コートの青年”が重なって見えた。

 

「さくら………」

 

クラーラの頬を熱い涙が伝う………

 

其れは(まさ)しく、()()()()だった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スタジアム………

 

「素晴らしい。実に“素晴らしい()()”です」

 

そんな光景を嘲笑っているカミンスキー。

 

「カミンスキー! 貴様ぁっ!!」

 

誠十郎機は怒りを露わに二刀で斬り掛かる。

 

「天宮 さくらさんは随分と()()でいらっしゃる様ですね。隊長として、その愚かさを忠告して挙げるべきでは無いのですか?」

 

カミンスキー機はレーザー銃でその二刀の攻撃を受け止める。

 

「黙れっ! 貴様(キサマ)に………さくらを嗤う資格は無いっ!!」

 

益々怒りのボルテージが上がり、遂に誠十郎機の二刀がカミンスキー機のレーザー銃に食い込み始める。

 

『行け! 誠十郎!!』

 

「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!」

 

ゼロの声を後押しに、誠十郎機は遂にカミンスキー機のレーザー銃を斬り裂いた!!

 

「おやっ?」

 

「闇を斬り裂く、神速の刃! 縦横無刃・嵐っ!!」

 

場違いなカミンスキーの呑気な声が響いた瞬間、誠十郎機の必殺技がカミンスキー機に叩き込まれる!!

 

両腕と両足を斬り飛ばされ、全身を(くま)無く斬り刻まれたカミンスキー機が、試合会場の地面に転がる。

 

スパークと蒸気漏れを起こし、動かなくなるカミンスキー機。

 

「終わりだ、カミンスキー。貴様には“()()()聞きたい事”が有る」

 

刀の切先を、倒れているカミンスキー機に突き付けながら、誠十郎はそう言い放つ。

 

「フッ」

 

だが、カミンスキーが不敵に笑った瞬間!

 

突如カミンスキー機が光を放ち始めた!!

 

『!? 誠十郎! 逃げろっ!!』

 

「!?」

 

ゼロが慌てて警告して来たが間に合わず、誠十郎機は咄嗟に防御姿勢を取る。

 

その次の瞬間!!

 

カミンスキー機は大爆発を起こした!!

 

「!? うわあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」

 

防御したものの、諸に爆風を浴びた誠十郎機はブッ飛ばされ、試合会場内の建物の壁に叩き付けられた!!

 

其処へ瓦礫が降って来て、誠十郎機は完全に埋もれてしまう。

 

「じ、自爆か!?」

 

『いや、違う!!』

 

自爆したのかと問う誠十郎だが、ゼロが否定すると………

 

「ハハハハハッ!!」

 

何と、燃え盛るエカテリーナの残骸の中から、赤紫のオーラに包まれた()()のカミンスキーが、宙に浮かびながら出現した!!

 

「!? 宙にっ!?」

 

『この禍々しい気配………テメェ、やっぱり!!』

 

空に浮かび上がったカミンスキーに驚愕する誠十郎と、その身体から立ち昇るオーラで“何か”を確信するゼロ。

 

「“お遊び”はココまでとしましょうか………『ドラゴリー』! 『バラバ』!」

 

と、カミンスキーがそう叫んだかと思うと………

 

初穂達と戦っていたレイラ機を除くエカテリーナ達が、カミンスキーと同じ赤紫のオーラに包まれて浮かび上がる。

 

「!? 何ぃっ!?」

 

「コレはっ!?」

 

「!?」

 

「何なの!?」

 

初穂達の驚きの声が挙がる中、4機のエカテリーナは其々2機ずつのペアを組んだかと思うと………

 

何と、その姿が粘土の様にグニャグニャと変形し始めた!!

 

「「「「「!?」」」」」

 

そして、ペアだったエカテリーナ同士がくっ付き、2つの巨大な粘土の様な塊になったかと思うと………

 

グルルルルルルルルッ!!

 

キュアアアアアアアアッ!!

 

『蛾超獣 ドラゴリー』と『殺し屋超獣 バラバ』となり、試合会場内へと降り立った!

 

「!? 超獣っ!!」

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

誠十郎が声を挙げ、さくら達が驚愕を露わにした瞬間………

 

グルルルルルルルルッ!!

 

キュアアアアアアアアッ!!

 

ドラゴリーが両手からミサイルを放ち、バラバが頭部に装備された剣からショック光線を発射。

 

試合会場内の建物状の構造物が次々に爆発!

 

さくら達が居る塔にも攻撃が命中!

 

「!? キャアッ!?」

 

「ニンッ!?」

 

「! しまっ………」

 

幸いにも崩落は免れたが、衝撃でクラリス機・あざみ機・アナスタシア機が足を踏み外して落下した!

 

「! 皆っ!!」

 

「フフフフ」

 

さくらが思わず声を挙げた瞬間、赤紫のオーラに包まれたカミンスキーが降り立って来る。

 

「! カミンスキー! クラーラ! 離れてっ!!」

 

其れを見たさくらは、直ぐ様解放したクラーラを下げると無限に乗り込み、カミンスキーに刀を向けたが………

 

その瞬間、カミンスキーの姿が()()()に現れる!!

 

「!?」

 

「邪魔です………」

 

驚くさくらの無限に向かって、カミンスキーはまるで虫でも払うかの様に無造作に腕を振った。

 

「!? キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

すると1トン半以上も有る無限が、まるで玩具の様にブッ飛ばされた!!

 

ブッ飛ばされた衝撃で右手脚が千切れ、更に床に叩き付けられた衝撃で左手脚が千切れ飛び、さくら機はダルマ状態となって塔の上に転がった。

 

「! さくらっ!?」

 

「フッ」

 

慌てて駆け寄ろうとしたクラーラの首根っこを摑み、まるで猫の様に片腕で持ち上げるカミンスキー。

 

「いや! 離して! 離してぇっ!!」

 

「クラーラッ!!」

 

クラーラが手足をバタバタとして暴れていると、ハッチをパージして脱出したさくらが、今度は天宮國定を手に斬り掛かって行く。

 

「!? ぐうっ!?」

 

しかし途中で全身に痛みが走り、耐えられずに転倒して倒れた。

 

「か、身体が………」

 

如何やら痛み止めの効果が切れてしまった様だ。

 

「さくらっ!!」

 

「優しいですね、クラーラ。自分よりも彼女の心配をするなんて」

 

クラーラが声を挙げると、嘲笑を浮かべたカミンスキーがそう言う。

 

「ヴァレリー・カミンスキー………貴方は………何者なの………?」

 

全身に走る痛みで脂汗を流しながらも、さくらはカミンスキーを睨み付けてそう問い質す。

 

其処でカミンスキーは、“驚くべき()()”を明らかにした!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我が名は、『()()()() カミンスキー』………偉大なる()・『ヤプール』様の使徒なり!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

偽莫斯科華撃団との対戦。
レイラと仲間達に手助けを受け、クラーラの元へ辿り着くさくら。

しかし、そんな姿を嘲笑っていたカミンスキーが超常的な力を見せたかと思うと………
何と、偽莫斯科華撃団が超獣に!?
そしてカミンスキーの正体が明らかに………

何と!!
奴は異次元人!!
ヤプールの一派だったのです!!
この作品ならではの正体です。

まさかの異次元人登場に大ピンチと言えるでしょう。
ですが………
そう!
世界中が君を待っていた!!
次回、いよいよ『彼』が登場です!!

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。