チャプター11『銀河の風来坊』
異次元人 カミンスキー
異次元超人 カブト・ザ・キラー
蛾超獣 ドラゴリー
殺し屋超獣 バラバ 登場
世界華撃団大戦の試合会場………
スタジアム………
「異次元人?………ヤプール?」
突如明かされた“カミンスキーの
『あの野郎! やっぱり“ヤプールの一味”だったのか!!』
「ゼロ、ヤプールと言うと、あの超獣を造っていたって言う………?」
『ああ。俺達ウルトラ一族にとってはエンペラ星人と同じで、決して“
『ヤプール人』………
異次元に生息している“知的生命体”で、超獣を使っての地球侵略を目論んだ。
個体差や人格は有るものの、“
その性格・性質は、極めて卑劣且つ陰惨。
度々、人間の負の感情を利用した狡猾な作戦を立て、相手を精神的に追い詰める事を得意とする、悪魔の様な存在だ。
更に、人間等の他の知的生命体の負の心を好んでマイナスエネルギーに変え、“自らのエネルギー源”としている為、“その存在を完全に消し去る事は
故に、
「さて、クラーラ………貴女にプレゼントを差し上げましょう………“絶望”と言う名のね」
と其処で、カミンスキーはそう嘯くと、クラーラを
その掌に、赤紫色のエネルギーが集まる。
「!!」
「! 止めて! さくらを殺さないで!! お願いっ!!」
狙われたさくらが目を見開き、カミンスキーがさくらを殺す積りだと察したクラーラが更に暴れるが、カミンスキーの拘束は
「さくらっ!」
「さくらさんっ!!」
初穂機とクラリス機が救援に向かおうとするが………
グルルルルルルルルッ!!
「! アッチッ!?」
「キャアッ!?」
ドラゴリーが、口から火炎を放って妨害する。
キュアアアアアアアアッ!!
バラバも、あざみ機とアナスタシア機を行かせまいと右手の鉄球に仕込まれたアンカーを鞭の様に振り回す。
「駄目! 突破出来ないっ!!」
「くうっ!」
あざみとアナスタシアから苦い声が漏れる。
「ふふふ、良いですよ、クラーラ。さあ、更なる絶望を………」
「ハアアアッ!!」
と、不気味に笑うカミンスキーに、何者かが蹴り掛かった!!
「おっと」
「! キャッ!?」
さくらへの攻撃を中止し、腕でその蹴りを防いだカミンスキーだったが、衝撃でクラーラが解放される。
「クラーラッ! 逃げなさいっ!!」
着地を決めた蹴り掛かった人物………レイラがそう声を挙げる。
「姉さん!?」
「レイラ………やはり来ましたか」
驚くクラーラと、“予想していた”と言わんばかりの表情を浮かべるカミンスキー。
「カミンスキー!」
そんなカミンスキーを、レイラは怒りを露わに睨み付けてる。
「怖い怖い。レイラ、君にそんな表情は似合いませんよ。君にはやはり、笑顔が似合う」
「黙れっ! 上っ面だけの言葉なぞ聞きたくない!!」
まるで口説いているかの様な甘い言葉を口にするカミンスキーだが、レイラは益々怒りを滾らせる。
「“上っ面だけ”だなんて、心外です。私は“貴女を
「お前の言葉なぞ………私の心には、何1つ響かないっ!!」
と、レイラがそう叫んだかと思うと、その身体から光が溢れ………
背中に黒い翼を生やし、右目の部分を結晶状の仮面で隠した異形………『上級降魔レイラ』へと変わる。
「! 黒い翼の上級降魔!」
「やっぱりアイツが!!」
其れを見たクラリスと初穂が声を挙げる。
「美しい………レイラ。“
「黙れと言っているぅっ!!」
尚も甘い言葉を続けるカミンスキーだったが、上級降魔レイラは怒りのままにカミンスキーに突撃し、殴り掛かった!!
「フッ」
だが、カミンスキーはその拳をアッサリと掌で受け止める。
「やれやれ、やはり君は私に心を開いてはくれない様ですね………所詮は“出来損ない”と言う事ですか」
カミンスキーは、態とらしく溜息を吐いたかと思うと………
その身体が赤紫色のオーラに包まれ、まるで鎧武者を思わせる異形の姿へと変わった。
『!? 【エースキラー】!? いや、違う………バキシムと同じ“強化体”か!?』
その姿が、嘗てウルトラマンAを苦戦させた強敵『異次元超人 エースキラー』に酷似している事に気付いたゼロがそう言う。
「“貴女の出来損ないの力”が、この『カブト・ザ・キラー』に通用するのか………試してあげましょう」
カミンスキーの声で、エースキラーの強化体『異次元超人 カブト・ザ・キラー』はそう言い放つ。
「クッ!」
其処で上級降魔レイラは一旦距離を取る。
「フッ………エメリウムスラッシュッ!」
「!? えっ!?」
するとカブト・ザ・キラーがそう叫び、さくらが驚愕していると、その額からエメリウムスラッシュが放たれた!!
「!? ぐあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」
真面に喰らってしまった上級降魔レイラは、爆発と共に床に叩き付けられる。
「ミラクルゼロスラッガー」
続けてカブト・ザ・キラーがそう言ったかと思うと、その周りに8つの赤紫色のゼロスラッガーが出現。
上級降魔レイラに向かって次々と飛んだ!!
「!?」
咄嗟に、翼を使って真上に飛んで躱す上級降魔レイラ。
「クウッ! ハアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーッ!!」
其処で今度は、落下の勢いを乗せた飛び蹴りを繰り出す。
「フッ」
だが、かなりの威力が有った筈のその蹴りも、カブト・ザ・キラーの蟹の様な左腕の鋏で挟まれ、止められてしまう。
「ウルトラハリケーンッ!」
そしてそのまま、上級降魔レイラをウルトラハリケーンで投げ飛ばすカブト・ザ・キラー。
「!?」
竜巻が発生する程の勢いで投げ飛ばされ、身動きが取れない上級降魔レイラ。
「ワイドゼロショットッ!!」
その上級降魔レイラに向かって、カブト・ザ・キラーがワイドゼロショットを放つ!
「!!」
咄嗟に身を捻るが、カブト・ザ・キラーが放ったワイドゼロショットは、上級降魔レイラの背の翼を焼く。
「! ああああっ!?」
上級降魔レイラの悲鳴が響き、背の翼が燃え上がった状態で落下し、地面に叩き付けられる。
「姉さんっ!!」
「ゼロさんの技を、こんなに!?」
クラーラも悲鳴の様な声を挙げ、さくらがカブト・ザ・キラーが次々にゼロが使っていた技を繰り出した事に驚愕する。
「フフフ、これぞ“偉大なる神”………ヤプール様のお力です」
「う、ううう………」
カブト・ザ・キラーからカミンスキーの得意気な声が響き、翼がすっかり焼け焦げた上級降魔レイラが呻き声を漏らす。
「いや………いや………嫌ああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」
と、姉の痛々しい姿に遂に感情が爆発したのか、クラーラの背に真っ白な翼が出現し、その身体から凄まじい妖力と霊力が溢れる!
「其れを待っていました!」
その途端、カブト・ザ・キラーはクラーラの方に向き直り、クラーラの発したエネルギーを胸の結晶部分で吸収し始めた!!
「!? ああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」
エネルギーが吸収され、悲鳴を挙げるクラーラ。
「! クラーラッ!!」
「おお、素晴らしい………コレが“貴女の力”ですか! クラーラッ!!」
さくらが叫ぶ中、カブト・ザ・キラーは恍惚の声を漏らす。
「あ………」
そして、とうとう全てのエネルギーを奪われたクラーラから背の翼が消え、バタリと倒れる。
「ご苦労様でした、クラーラ。コレで“貴女の役目は終わり”です」
そのクラーラへと近付くと、またも右手で首根っこを摑み、動物の様に持ち上げるカブト・ザ・キラー。
「や、止めろ………汚い手で妹に触るな………」
と、上級降魔レイラがそう言いながらやっとの思いで立ち上がる。
「では返してあげましょう」
するとカブト・ザ・キラーは、その上級降魔レイラに向かってクラーラを投げ付けた!!
「!!」
驚きながらも咄嗟にクラーラを受け止める上級降魔レイラ。
「ぐあっ!!」
しかし、弱った身体では受け止め切れず、共にブッ飛ばされる。
「ぐうっ!!」
其れでも、必死にクラーラを庇って背中から地面に着地する上級降魔レイラ。
其処で、その身体が光に包まれたかと思うと、人間の姿に戻る。
「如何やらココまでの様ですね。最期は姉妹仲良く葬ってあげましょう」
そんなレイラとクラーラを冷たく見下ろしつつ、カブト・ザ・キラーが両腕を広げると、その胸に怪しい光が集まり出す。
ゼロツインシュートを放つ積りの様だ。
「く、う………」
無意味だとは知りつつ、レイラは身を翻してカブト・ザ・キラーに背を向け、自らの身体でクラーラを庇う。
と、其処へ………
「やらせないっ!!」
天宮國定を正眼に構えたさくらが、2人を守る様にカブト・ザ・キラーに立ちはだかる。
しかし全身の痛みは引いておらず、腕も足も小刻みに震えており、その姿は非常に弱々しい………
「! 天宮 さくら!?」
「さくら! 逃げて!!」
「…………」
レイラとクラーラが叫ぶが、さくらはコレが“自分に出来る最後の抵抗”だとばかりに、天宮國定を正眼で構え続ける。
「お優しいですね。2人の旅路に御一緒なさるのですか? では、良い旅を………」
「さくらぁっ!!」
『誠十郎、急げっ!! 変身だっ!!』
遂にカブト・ザ・キラーからゼロツインシュートが放たれそうになり、誠十郎とゼロは慌てて変身しようとする。
その時!!
~~♪~~♪
「!? ぐあああああぁぁぁぁぁぁっ!?」
何処からとも無く“ハーモニカの様な音のメロディー”が響き、カブト・ザ・キラーが頭を押さえて
グルルルルルルルルッ!?
キュアアアアアアアアッ!?
更には、ドラゴリーとバラバまでもが苦しんでいる様子を見せる。
「な、何だぁっ!?」
「苦しんでる?」
「如何言う事なの?」
突然苦しみ出したドラゴリーとバラバに、初穂・クラリス・アナスタシアは驚いて首を傾げる。
「………この
あざみは、先程から流れているメロディーの
「!? コレって!?」
さくらは、そのメロディーがクラーラが以前、“ハーモニカで奏でていたモノ”と同じ事に気付く。
『!? コイツは!?………ったく、良いタイミングで来やがって』
「ゼロ!? 何を言ってるんだ!?」
突然安堵の声を漏らしたゼロに、誠十郎が困惑する。
「!! コレは!?」
「!?」
そして、他の面々よりも強い驚愕の様子を見せているレイラとクラーラ。
~~♪~~♪
更にメロディーが響き渡ったかと思うと………
「…………」
何時の間にか、“ハーモニカの様な物”を吹いている、“テンガロンハットに茶色のレザージャケット姿”の青年の姿が塔の上に在った。
「!?」
「誰だ、アイツ!? 何時の間に!?」
さくらが驚き、初穂も思わず声を挙げる。
「!!」
その青年の姿を見たクラーラが目を見開く。
『気にするな。【
何度も浮かび上がって来ていたコートの青年の姿が、目の前の人物と一致してその顔をハッキリと思い出せた!
「き、貴様! 何者だぁっ!?」
強烈な頭痛に余裕が無くなったのか、カブト・ザ・キラーが乱暴な口調で青年に問い質す。
「………俺か? 俺は………」
其処で青年はハーモニカの様な楽器………『オーブニカ』を吹くのを止めると、帽子を取る。
「『ガイ』………『クレナイ ガイ』だ」
青年………『クレナイ ガイ』はそう言い放ち、カブト・ザ・キラーを睨む。
「ガイッ!!」
「ガイ………私の………太陽」
そして、ガイの姿を見たクラーラが笑顔を見せ、レイラは嬉し涙を流してそう呟いたのだった。
つづく
新話、投稿させて頂きました。
遂に正体を現した異次元人カミンスキー。
クラーラの力を引き出す為に、絶望を与えようとするが、その前に妹を守る為にレイラが立ちはだかる。
しかし、カミンスキーはエースキラーの強化体『カブト・ザ・キラー』へと変身。
ゼロのデータを収集して同じ技を繰り出すカブト・ザ・キラーに、レイラまでもが倒れてしまい、クラーラは力を発動。
それを待っていたとばかりに吸収し。己が物とすると、レイラとクラーラを始末に掛かる。
絶体絶命かと思われた、その時!!
世界中が君を待っていた!!
オーブニカの音色と共に………
夕日の風来坊・クレナイ ガイ見参です!!
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。