新サクラ大戦・光   作:宇宙刑事ブルーノア

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チャプター4『試製桜武』

チャプター4『試製桜武』

 

怪獣酋長 ジェロニモン

 

暴君怪獣 タイラント 登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不時着した翔鯨丸の格納庫………

 

「ハアッ! ハアッ!」

 

息を切らせながら、格納庫内へ飛び込んで来るさくら。

 

「待っていましたわ、天宮さん」

 

「! 神崎司令!」

 

そこに待ち構えていたすみれの姿に驚くさくら。

 

「此方へいらっしゃい………」

 

そんなさくらの驚きを無視しながら、すみれは翔鯨丸内の格納庫の一角へさくらを誘う。

 

そこには、見た事の無い桜色の霊子戦闘機の姿が在った。

 

「! この機体は!?………」

 

「『試製桜武』………神崎重工初の霊子戦闘機として、1台だけ作られた試作機体よ」

 

さくらに向かってその霊子戦闘機………『試製桜武』の説明をするすみれ。

 

「『試製桜武』………」

 

「けど、性能が高過ぎて、乗り手の霊力を激しく消耗する為に、誰も乗りこなす事が出来ませんでした………あの、さくらさんでさえね」

 

「! 真宮寺 さくらさんでも、乗りこなせなかった!? そ、そんな機体を………私に?」

 

「今の貴方だから、渡すのよ」

 

再度驚くさくらに向かって、すみれは不敵に笑いながらもそう言い放つ。

 

「私、だから………?」

 

「超えなさい………貴方の中の夢を。今こそ、追い続けた夢に挑む時ですわ!」

 

「………!」

 

すみれにそう言われ、さくらは試製桜武を見やった。

 

「………行きます!」

 

そしてすぐさま乗り込むと、中に在った戦闘服に着替え、天宮國定を座席の後ろに納めた。

 

ハッチを閉め、戦闘服のコネクタ部分が試製桜武と繋がると、霊力が吸われる様な負荷がさくらに襲い掛かる。

 

「ぐうっ………」

 

さくらの口から苦悶の声が漏れる。

 

(お願い桜武………私に………答えて!!)

 

しかし歯を食いしばって気合を入れ、心の中でそう叫ぶと、試製桜武のモノアイに光が灯る!!

 

更に、背部に装着されていたジェットエンジンの様なパーツも稼働し始めたかと思うと、閉じていた翼が展開された!!

 

「はあああああっ!!」

 

さくらの気合の掛け声と共に、試製桜武は刀を抜いてポーズを決める!!

 

「桜武! 行きますっ!!」

 

そして、カタパルトで射出され、飛び出して行った。

 

「………頼むわよ、天宮さん」

 

それを見送ったすみれは、ひっそりとそう呟いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

岩石地帯の奥地………

 

キュリラアアアアアアアーーーーーーーーッ!!

 

ゼットーン………ピポポポポポポポ………

 

タイラントと組み合いを展開しているゼットン。

 

ゼットーン………ピポポポポポポポ………

 

と、不意を突く様に組みを解いたゼットンが、両手で張り手を繰り出し、タイラントを押し退けたかと思うと、そのまま火球を放つ。

 

キュリラアアアアアアアーーーーーーーーッ!!

 

しかし、タイラントは腹部を構成している『宇宙大怪獣 ベムスター』の腹の口『吸引アトラクタースパウト』を使い、火球を吸収してしまう。

 

キュリラアアアアアアアーーーーーーーーッ!!

 

そして反撃にと、身体を回転させて『大蟹超獣 キングクラブ』の尻尾での攻撃を見舞う!

 

ゼットーン………ピポポポポポポポ………

 

真面に喰らったゼットンは、岩肌に叩き付けられる様に倒れる。

 

「ゼットンッ! くうっ!! アルビトル・ダンフェールッ!!」

 

そこでクラリス機が必殺技を発動し、無数の魔導弾をタイラントに向けて放った。

 

キュリラアアアアアアアーーーーーーーーッ!!

 

しかし、背中を構成している『液汁超獣 ハンザギラン』の生命力により、タイラントは無数の魔導弾が直撃してもビクともしない。

 

「望月流忍法………無双手裏剣!!」

 

キュリラアアアアアアアーーーーーーーーッ!!

 

続いてあざみ機が必殺技を繰り出したが、タイラントはアロー光線で相殺する。

 

「野郎! 東雲神社の! 御神楽ハンマーッ!!」

 

そこで初穂機が、炎を纏って独楽の様に回転しながらハンマーを振り回してタイラントへと向かう。

 

キュリラアアアアアアアーーーーーーーーッ!!

 

するとタイラントは、両足を構成している『どくろ怪獣 レッドキング』の右足を上げたかと思うと、思いっ切り踏み締めた!!

 

途端に、辺り一面に地震の様な振動が走る!

 

「!? うおわぁっ!?」

 

初穂機はバランスを崩して転倒。

 

必殺技は空振りに終わってしまう。

 

「アポリト・ミデンッ!」

 

しかしそこで、アナスタシア機が番傘型ライフルからのビームを放ち、タイラントの鼻先の角へと命中させた。

 

「やったっ!」

 

コレは決まったと思ったクラリスが歓声を挙げたが………

 

キュリラアアアアアアアーーーーーーーーッ!!

 

タイラントが咆哮すると、頭部を構成している『竜巻怪獣 シーゴラス』の角が稲妻を放ち、アルビトル・ダンフェールを掻き消してしまった!

 

「!? そんなっ!?」

 

「クッ!」

 

一転して驚愕の声を挙げるクラリスに、思わず苦い声を漏らすアナスタシア。

 

キュリラアアアアアアアーーーーーーーーッ!!

 

タイラントは再度咆哮を挙げると、両腕を構成している『殺し屋超獣 バラバ』の腕を振り回す。

 

アンカー付き鉄球と鎌が、周りの岩山を破壊し、破片となった岩石が次々と初穂達に降り注ぐ!

 

「! アブネッ!」

 

「ニンッ!!」

 

キュリラアアアアアアアーーーーーーーーッ!!

 

回避する初穂達だが、タイラントは次々に岩山を崩して岩石を雨霰と飛ばして来る。

 

ゼットーン………ピポポポポポポポ………

 

そこでゼットンが、タイラントを取り押さえようとしたが………

 

キュリラアアアアアアアーーーーーーーーッ!!

 

タイラントは、左手の鉄球からアンカーを発射し、ゼットンに巻き付ける。

 

キュリラアアアアアアアーーーーーーーーッ!!

 

そしてそのまま、ゼットンを振り回し、地面に叩き付けた!!

 

ゼットーン………ピポポポポポポポ………

 

キュリラアアアアアアアーーーーーーーーッ!!

 

悶えるゼットンに、追い打ちとばかりに腹部から冷凍ガスを浴びせるタイラント。

 

ゼットーン………ピポポポポポポポ………

 

身体が凍り付いて行き、動きの鈍るゼットン。

 

「ゼットンッ!!」

 

「野郎っ!!」

 

クラリス機と初穂機が援護に動くが………

 

グロロロロロォォォォォォーーーーーーーッ!

 

そこで、ジェロニモンが姿を現す。

 

「! もう1匹!?」

 

「コイツがジェロニモンかっ!?」

 

クラリスと初穂がそう言った瞬間………

 

グロロロロロォォォォォォーーーーーーーッ!

 

ジェロニモンは、初穂機とクラリス機に向かって、反重力ガスを浴びせた!!

 

「!? うおわあっ!?」

 

「キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

忽ち2人の機体が空高く舞い上げられる。

 

「! 初穂! クラリス!」

 

「マズイわ! あの高さから落ちたら霊子戦闘機でも!!………」

 

あざみが悲鳴の様な声を挙げ、アナスタシアがあの高さから落ちては霊子戦闘機でも持たないと言った瞬間………

 

「よっ、とっ!!」

 

上空から現れたゼロが、初穂機とクラリス機をキャッチ。

 

そのまま着地を決めると、2機を地面に降ろした。

 

「! ゼロさん!」

 

「あんがとよ、ゼロ! 助かったぜっ!!」

 

「良いって事よ! エメリウムスラッシュッ!!」

 

クラリスと初穂に礼を言われながら、ゼロはタイラントにエメリウムスラッシュをお見舞い。

 

キュリラアアアアアアアーーーーーーーーッ!!

 

直撃を受けて怯んだタイラントは、ゼットンを解放してしまう。

 

「ハアッ!」

 

そこで初穂達とゼロは終結。

 

タイラントとジェロニモンに向き直る。

 

キュリラアアアアアアアーーーーーーーーッ!!

 

グロロロロロォォォォォォーーーーーーーッ!

 

タイラントとジェロニモンは、現れたゼロを睨みながら咆哮を挙げる。

 

とそこで、ジェットエンジンの様な音が響いて来た。

 

「ん?」

 

『何だ?』

 

ゼロと誠十郎が反応した瞬間………

 

空を飛んで来た鮮やかな桜色の霊子戦闘機………試製桜武が、派手に地面を抉りながら着地を決めた。

 

「帝国華撃団! 参上っ!!」

 

そう高らかに名乗りを挙げるさくら。

 

「! さくらさん!」

 

「馬鹿野郎! 心配させやがって!!」

 

「お帰り、さくら」

 

「良く戻って来たわね………」

 

その声を聴いたクラリス・初穂・あざみ・アナスタシアから歓喜の声が挙がる。

 

「皆、ゴメン………私の力なんて大した事無いかも知れない………それでも! 私は戦う! ピグモンの為にも!!」

 

さくらは初穂達にそう返しながら、刀の切っ先をジェロニモンとタイラントに突き付けて、そう叫んだ!!

 

『さくら………』

 

(もう心配は要らねえみてぇだな)

 

その様を見た誠十郎とゼロがそう確信する。

 

グロロロロロォォォォォォーーーーーーーッ!

 

キュリラアアアアアアアーーーーーーーーッ!!

 

そこで、ジェロニモンが指示を出す様な動きをしたかと思うと、タイラントが突進して来る。

 

「ヘッ! オリャアッ!!」

 

するとゼロが駆け出し、突進して来たタイラントとぶつかり、組み合う。

 

「コイツは俺に任せろ! ジェロニモンは任せたぜ! 帝国華撃団っ!!」

 

「「「「「了解っ!!」」」」」

 

ゼットーン………ピポポポポポポポ………

 

その脇を擦り抜ける様にして、花組メンバーはゼットンと共にジェロニモンへ向かって行ったのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花組メンバー+ゼットンVSジェロニモン………

 

グロロロロロォォォォォォーーーーーーーッ!

 

ジェロニモンが咆哮を挙げながら尻尾を左右に振り出したかと思うと、尻尾の先端部に生えていた羽根が宙に舞い始めた。

 

「!?」

 

「何だっ!?」

 

さくらと初穂が驚きを示した瞬間、その羽根がまるで意思を持っているかの様に飛び回り、花組メンバーに襲い掛かった!

 

「! 危ないっ!!」

 

「クッ!」

 

クラリスが声を挙げ、アナスタシア機を筆頭に回避行動を取る花組メンバー。

 

飛び回っていた羽根が、固い岩肌に次々と突き刺さる!

 

「念力かっ!? まるで手裏剣だぜ!!」

 

「なら、本当の手裏剣を見せてあげる」

 

初穂がそう叫んだかと思うと、あざみ機が崖を蹴り、三角跳びで空中に舞い上がる。

 

そのあざみ機を、忽ちジェロニモンの羽根が取り囲むが………

 

「望月流忍法………無双手裏剣!!」

 

あざみ機は必殺の望月流忍法・無双手裏剣で、手裏剣やクナイを四方八方へと飛ばす。

 

花火の様に飛び散った手裏剣やクナイが、ジェロニモンの羽根を次々に撃ち落とす!

 

グロロロロロォォォォォォーーーーーーーッ!

 

だが、ジェロニモンは空かさず新たな羽根を飛ばし、流星群の様にまだ空中に居たあざみ機へ向かわせた!

 

「!?」

 

空中で身動きの取れないあざみ機に襲い掛かるジェロニモンの羽根。

 

「アポリト・ミデンッ!」

 

しかし、アナスタシア機が番傘型ライフルからアポリト・ミデンを放つ。

 

あざみ機へ向かっていた羽根が、極太のビームで薙ぎ払われる。

 

「ありがとう、アナスタシア!」

 

「どういたしまして」

 

隣に着地ながらお礼を言うあざみにそう返しながら、今度はハンドガンをジェロニモンに向けて発砲するアナスタシア。

 

グロロロロロォォォォォォーーーーーーーッ!

 

しかし、大したダメージは無く、ジェロニモンは反重力ガスを吐く。

 

「フウッ!!」

 

しかし、クラリス機が巨大な魔法陣を展開!

 

反重力ガスが魔法陣に当たると、ジェロニモンに向かって跳ね返る。

 

グロロロロロォォォォォォーーーーーーーッ!?

 

自らの反重力ガスを食らって、空へと舞い上げられるジェロニモン。

 

「アルビトル・ダンフェールッ!!」

 

ゼットーン………ピポポポポポポポ………

 

そのジェロニモンに向かって、クラリス機とゼットンが無数の魔導弾と火球を放つ。

 

グロロロロロォォォォォォーーーーーーーッ!?

 

ジェロニモンは爆発に包まれたかと思うと、表面が焼け焦げた状態で落下して来て、地面に叩き付けられる。

 

グロロロロロォォォォォォーーーーーーーッ!

 

「うおりゃああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

と、ジェロニモンがよろけながら起き上がると、初穂機が大跳躍。

 

「東雲神社の! 御神楽ハンマーッ!!」

 

そして、いつもの独楽の様に横回転するのではなく、空中で縦向きに回転しての東雲神社の御神楽ハンマーを繰り出す。

 

炎を纏ったハンマーが、ジェロニモンの脳天に叩き込まれる!!

 

グロロロロロォォォォォォーーーーーーーッ!?

 

苦悶の咆哮を挙げて後退るジェロニモン。

 

更に、燃え移った炎によって、頭の羽根飾りが燃え始めた!!

 

グロロロロロォォォォォォーーーーーーーッ!?

 

慌てて頭を叩いて火を消すジェロニモンだったが、消えた頃には羽根飾りはすっかり燃え堕ち、ハゲ頭となっていた。

 

そのジェロニモンの前に、さくらの試製桜武が立ちはだかる。

 

「…………」

 

さくらが目を閉じて、精神を集中させると、試製桜武が右手に握った刀を天に掲げる様に構える。

 

(ピグモン………ごめんなさい………わたしが、迷ってさえいなければ、貴方が死ぬ事は無かった………)

 

脳裏に自分を庇って命を落としたピグモンの事が過る。

 

(許して欲しいなんて言わない………わたしは今まで色々な人達に助けられて来た………真宮寺 さくらさん………花組の皆………誠兄さん………ゼロさん………そしてピグモン………)

 

そこで、カッと目を見開くさくら。

 

「私は皆に助けて貰ったこの命で………戦い続ける!!」

 

さくらの決意に呼応するかの様に、試製桜武が桜色に光を放ち始める。

 

「蒼き空を駆ける………千の衝撃! 天剣・千本桜っ!!」

 

新たな必殺技………『天剣・千本桜』が発動!!

 

天剣・桜吹雪とは比べ物にならない巨大な斬撃波が、ジェロニモンに向かって放たれる!!

 

グロロロロロォォォォォォーーーーーーーッ!?

 

その斬撃波を食らったジェロニモンの身体が、縦に真っ二つとなる!!

 

そして、一瞬の間の後に、まるでくす玉の様に左右に割れたかと思うと倒れ、爆発四散した!!

 

「ス、スゲェ………」

 

「怪獣を1撃で………」

 

「アレが試製桜武の力………」

 

「と言うよりも、さくらの力かしら?」

 

その光景に、初穂・クラリス・あざみ・アナスタシアは驚愕を露わにする。

 

 

 

 

 

だが、その時!!

 

 

 

 

 

突如、ジェロニモンが爆発四散した地点に、紫色の人魂の様な物が出現する。

 

「「「「!?」」」」

 

「アレはっ!?」

 

初穂達が再度驚愕し、さくらが声を挙げると………

 

紫色の人魂は、ゼロと戦っているタイラントの方へと向かって行ったのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

さくらの元に届けられた新たな機体『試製桜武』
嘗て真宮寺 さくらでさえも乗りこなせなかった曰くの機体。
しかし、ピグモンの犠牲を繰り返さない為に、決意を新たにしたさくらの手のより、遂に試製桜武は起動!
その力は圧倒的であり、ジェロニモンを葬りさった。
しかし、怪獣酋長はコレで終わりません。
次回、ゼロと戦っているタイラントが………

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
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