イデ隊員は普段はコミカルなイメージが強いながらも、時折見せるシリアスなシーンがとても印象的なキャラクターで、大好きでした。
例え二瓶さんが亡くなられても、イデ隊員の雄姿は私達の心の中で輝き続け、永遠に色褪せる事は無いでしょう。
ありがとうございました、二瓶さん。
如何か安らかに………
チャプター8『運命を覆すウルトラマン』
金属生命体 アパテー
暗黒魔鎧装 アーマードダークネス 登場
世界華撃団大戦の試合会場………
スタジアム………
アーマードダークネス(ランスロット)によって、またもや瓦礫の山へと変えられた世界華撃団大戦の試合会場。
『フウウウウゥゥゥゥゥ~~~~~~………』
力を行使したアーマードダークネス(ランスロット)は、その様を見て満足そうに大きく息を吐く。
と、そこで………
上空から『何か』が降下してきた………
右手にクラリス機、左手にアーサー機を掴んだ試製桜武だ。
背部のバーニアを使ってゆっくりと降下し、クラリス機とアーサー機を降ろすと、自身も軟着陸する。
「すまない、天宮くん。助かったよ」
アーサーがさくらに礼を言う。
「いえ、そんな………」
「でも、さくらさん。誠十郎さんが………」
それに返答をしていたさくらに、クラリスがそう言って来る。
アーマードダークネス(ランスロット)の攻撃で上空高くへと舞い上げられた誠十郎機、試製桜武、クラリス機、アーサー機。
その中で、限定的ながら飛行能力を持つ試製桜武が他機の救助に入ったのだ。
最初は誠十郎機とクラリス機を優先したさくらだったが、他ならぬ誠十郎自身が、『俺よりクラリスとアーサーさんを!!』と言った為、さくらはクラリス機とアーサー機の救出を優先。
結果誠十郎機だけが吹き飛ばされて行ってしまったのだ。
「………神山隊長ならきっと大丈夫! 今までもそうだったじゃない!!」
さくらは一瞬間を空けながらも、クラリスにそう返した。
「その通りだぜ」
「誠十郎は結構しぶとい………」
「悪運も強いみたいだからね」
とそこで、そう言う台詞と共に、初穂機・あざみ機・アナスタシア機が姿を見せた。
「! 皆っ!!」
「ったく、今回もこのパターンかよ」
さくらが声を挙げると、何度目ともならぬ世界華撃団大戦のスタジアムでの怪獣との対峙に、初穂が呆れた様に言い放つ。
『おお~~! 帝国華撃団が勢揃いだね~! 丁度良いや~………皆で戦おうよぉ!』
と、集結した帝国華撃団の姿を見たアーマードダークネス(ランスロット)が、嬉しそうな声を響かせながら2剣を広げて近づいて来る。
「「「「「!!」」」」」
それを見たさくら達は、一斉に得物を構える。
「団員の不始末は団長の責任だ。僕も参戦させて貰うよ」
更に、アーサー機も剣を構え直した。
………そこで!!
「ハアッ!!」
上空から現れたゼロが、土片を巻き上げながら、スタジアム跡へと着地して来た!
「! ゼロさん!!」
「ウルトラマンゼロ………」
さくらとアーサーが、ゼロを見て声を挙げる。
『おお~~っ! 噂のウルトラマンゼロまで来てくれるなんて~!! 良~し! 先ずは君と勝負だぁっ!!』
と、ゼロの姿を見たアーマードダークネス(ランスロット)が、2剣を構えて突撃する!!
「フッ!!」
ゼロはゼロスラッガーを両手に握ったかと思うと、ゼロツインソードへ合体させ、斬り掛かって来たアーマードダークネス(ランスロット)の斬撃を受け止める!
『私の剣を難なく受け止めたぁ! やるじゃないかぁっ!!』
「チイッ! よりによってエンペラ星人の鎧だなんて、厄介な物を持ち出しやがって!!」
『エンペラ星人って、前に言っていた………!?』
興奮状態で言い放つアーマードダークネス(ランスロット)に、ゼロは愚痴る様にそう言い放ち、誠十郎が以前ゼロから聞いていた話を思い出す。
「ゼロさんっ!!」
すぐに花組がゼロの援護に入ろうとするが………
!#$%&=¥@?*+
その前に、アパテーが立ちはだかる。
!#$%&=¥@?*+
形容し難い咆哮と共に、アパテーの右手がランスの様な形となる!
「! くうっ!!」
驚きながらも、すぐに刀を構えるさくらの試製桜武。
「さくら! 先ずはコイツを!!」
「分かってます!」
「クラリス、ゼットンは?」
「まだこの前の戦いでのダメージが回復してなくて………」
アナスタシアにそう返事を返すさくらの横で、クラリスとあざみもそんな会話を交わす。
「仕方ねえ! アタシ達だけで!!………」
と、初穂がそう意気込んだ瞬間………
その横を擦り抜け、更にはアパテーをもスルーして、アーサー機がゼロと戦っているアーマードダークネス(ランスロット)の方へと向かった!!
「!?」
「アーサーさん!?」
「すまない、花組の諸君! だが、倫敦華撃団の団長として! ランスロットは僕が止めなければいけないんだ!!」
驚く初穂とさくらにそう言い、アーマードダークネス(ランスロット)へと向かって行くアーサー機。
!#$%&=¥@?*+
アパテーはアーサー機を追う様子は見せず、ランスになった右手を振り被る。
「! 来るっ!!」
「「「「!!」」」」
あざみの声でさくら達は身構え、止むを得ずにそのままアパテーとの交戦を開始するのだった。
ゼロVSアーマードダークネス(ランスロット)………
『ハハハハハハハッ!!』
心底楽しそうな笑い声を挙げながら、両手のダークネスブロードで嵐の様な連撃を繰り出して来るアーマードダークネス(ランスロット)。
「チイイッ!!」
その激しい斬撃の前に、ゼロは防戦一方だった。
2剣のダークネスブロードとゼロツインソードが斬り結ぶ度に激しく火花が散る。
『何て激しい攻撃だっ!!』
「厄介な奴が厄介な力を得ちまったぜっ!!」
ランスロットの剣技にアーマードダークネスの強さが合わさり、コレまでにない強敵と化した事に誠十郎とゼロはそう言い合う。
『隙有りっ!!』
と、その一瞬の隙を衝き、アーマードダークネス(ランスロット)が右の剣で斬り上げを繰り出すと、ゼロツインソードが弾かれて宙に舞い、ゼロの背後の地面に突き刺さった!!
「!? しまったっ!!」
『貰ったぁっ!!』
驚いたゼロに向かって、アーマードダークネス(ランスロット)は左の剣で突きを繰り出す!!
「!!」
咄嗟に身を捻るゼロだったが、完全には躱し切れず、ダークネスブロードの刃が胸を掠る!
「! うおわっ!?」
胸から火花を散らして倒れるゼロ。
『おおおおっ!!』
アーマードダークネス(ランスロット)は間髪入れずに2剣を振り被り、追撃を喰らわせようとしたが………
「エメリウムスラッシュッ!!」
ゼロは倒れたままエメリウムスラッシュを発射!
額のビームランプから放たれた緑色の光線が、2本のダークネスブロードの柄に命中!
ダークネスブロードが2本とも宙に舞う。
『! むうっ!!』
するとアーマードダークネス(ランスロット)は大跳躍し、宙に舞ったダークネスブロードをキャッチする。
「!!」
しかしその間にゼロも、アーマードダークネス(ランスロット)から離れ、地面に突き刺さっていたゼロツインソードを回収する。
「ハアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」
そのまま、まだ空中に居たアーマードダークネス(ランスロット)に向かって、プラズマスパークスラッシュを繰り出す。
『むううっ!!』
光輝くゼロツインソードの攻撃を、2剣を身体の前に交差させて構えた状態で受け止めるアーマードダークネス(ランスロット)。
「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!」
気合の声を挙げ、押し切ろうとするゼロ。
しかし………
『でりゃあああぁぁぁぁーーーーーっ!!』
「!? うおわあっ!?」
アーマードダークネス(ランスロット)は2剣を広げる様に振るい、プラズマスパークスラッシュを完全に打ち消し、ゼロを弾き飛ばした!!
「グアッ!?」
弾かれたゼロは、スタジアム跡の地面に背中から叩き付けられ、激しく土片を舞い上げる。
そのゼロから少し離れた位置に、アーマードダークネス(ランスロット)は着地を決める。
『フフフフフ………』
再度心底楽しそうだが不気味な笑い声を響かせつつ、2剣を構えているアーマードダークネス(ランスロット)が、ゼロとの距離をゆっくりと詰めて来る。
「この野郎!………」
『ゼロ! マズイぞ! このままじゃ………』
「分かってるっ!!」
焦る様子を見せる誠十郎に、ゼロも余裕が無いのか怒鳴り返す。
と、その時!!
「ランスロットッ! 待つんだっ!!」
アーマードダークネス(ランスロット)の背後に姿を見せた蒼いブリドヴェンから、アーサーの声が響く。
『! アーサーさんっ!?』
「アイツッ!?」
『…………』
驚く誠十郎とゼロだったが、アーマードダークネス(ランスロット)は気に留めずに、ジリジリとゼロとの距離を詰める。
「クッ! ランスロット………コレ以上、君の暴挙を許すワケには行かないっ!!」
それを見たアーサーが一瞬葛藤した様な様子を見せたかと思うと、その機体から霊力が溢れる。
「王に逆らう者に鉄槌を! 喰らえ、断罪! オーバーロード・エクスカリバーッ!!」
そして、両手で剣を振り被ると、その刀身に霊力が集まり、巨大なエネルギーの刃を形成する!
その巨大な刃を、アーマードダークネス(ランスロット)に向かって振り下ろす!!
『ああん?』
そこで漸くアーマードダークネス(ランスロット)は振り返り、自分に迫る巨大なエネルギーの刃を確認する。
そして………
『フンッ!!』
左のダークネスブロードを軽く振るったかと思うと、巨大なエネルギーの刃をアッサリと掻き消してしまった!
「!? なっ!? ば、馬鹿なっ!? エクスカリバーがっ!?」
自身の最大技が呆気無く敗れた事に、アーサーは思わず動揺する。
と、そのアーサーに大きな影が落ちる。
「!?」
見上げたアーサーが見たのは、自身に迫り来るアーマードダークネス(ランスロット)の足だった。
避ける間も無く、アーサー機はアーマードダークネス(ランスロット)によって踏み潰される。
『アアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!!』
アーマードダークネス(ランスロット)は狂った様にアーサー機に向かって何度も何度も足を振り下ろす。
『ふううぅぅぅぅ~~~~~………』
と、漸く落ち着いた様に息を吐き、足を止めたアーマードダークネス(ランスロット)。
舞い上がっていた粉煙が治まって来ると、そこには………
手足が全て千切れ、煎餅の様にペシャンコにされたアーサー機の姿が在った………
「ガハッ!! ラ、ランス………ロット………」
奇跡的にもアーサーはまだ生きていたが、潰れたコックピットに全身を挟まれ、激しく吐血していた。
『邪魔しないでよぉ、アーサー………今、私………凄く良い気分なんだからぁ………』
恍惚した様子でそう言いながら、ダークネスブロードを振り被るアーマードダークネス(ランスロット)。
トドメを刺す積りの様だ。
『! マズイッ!!』
「止せっ!!」
それに気づいた誠十郎が慌て、ゼロがすぐさま止めようと突進したが………
『フンッ!!』
「!? ぐおああっ!!」
アーマードダークネス(ランスロット)は信じられない速度で反応し、逆にゼロにダークネスブロードでの斬撃を食らわせた!!
ブッ飛ばされたゼロは、辛うじて残っていたスタジアムの客席部分に背中から突っ込み、客席を押し潰しながら倒れた。
『…………』
そこで改めてアーサーへのトドメを刺そうとするアーマードダークネス(ランスロット)。
「! アーサーさんっ!!」
「「「「!!」」」」
!#$%&=¥@?*+
気付いた花組が声を挙げるが、アパテーに阻まれ、助けに行く事は出来ない。
万事休すか!?
………と、思われたその時!!
「待てぇっ!!」
「「「「「「「『『!?』』」」」」」」
その場に居る誰のモノでも無い声が聞こえ、思わず全員が動きを止める。
「…………」
その次の瞬間には、まるでアーサーを守る様に、1人の少年が立ちはだかった!
「!? 民間人っ!?」
「何でこんな所にっ!?」
突如現れた民間人と思われる少年の姿に、さくらと初穂が仰天する。
「!? アイツはっ!? 何で此処にっ!?」
『ゼロ! 彼を知ってるのか!?………!? まさかっ!?』
一方、ゼロはその少年を知っている様子を見せ、その様子を見た誠十郎は『ある可能性』を思い至る。
「早く逃げてっ!!」
「此処は危険ですっ!!」
あざみとクラリスが、少年に逃げる様に促す。
「ジッとしてて! 今行くわっ!!」
と、アナスタシアが少年を助けに向かおうとそう言った時………
「ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!」
少年………『朝倉 リク』はそう言い放ち、右手に『ジードライザー(スキャナー)』を構えた!
インナースペースが展開されるとリクは右脇腰のボックスから、カプセル状の物体………『ウルトラカプセル』を取り出した!
「融合(ユーゴー)!」
『シェアッ!』
リクがそう言って初代ウルトラマンカプセルの脇に付いていたスイッチを上げると、リクの右側に右腕を掲げる初代ウルトラマンのビジョンが現れる。
起動させたカプセルを、左脇腰に装着し、グリップ部分を左手で握っていた装填ナックルにセットする。
「アイゴー!」
『ヌェアッ!』
続けて、ベリアルカプセルを起動させると、今度は左側に同じく右手を掲げるベリアルのビジョンが出現する。
そして同じ様に、装填ナックルにセットする。
「ヒアウィーゴー!」
そこで、ジードライザーのトリガーを押し、待機状態にする。
そして、2つのカプセルをセットした装填ナックルをベルトから外したかと思うと、ジードライザーで読み込む。
すると、ジードライザーの中央の透明部分に、赤と青の遺伝子構造の様な光が宿る。
『フュージョンライズ!』
「決めるぜ! 覚悟!! ハアアッ! ハアッ!!」
ジードライザーから声が響く中、リクはそう言い放ち、ジードライザーを掲げたかと思うと、胸の前に構えて、再度トリガーを押した。
赤と青の遺伝子構造の様な光が回転を始めたかと思うと、更に明るく光り始める。
「ジィィィィド!」
『ウルトラマン! ウルトラマンベリアル!』
リクとジードライザーの声が響く中、その姿はウルトラマンへと変わって行った!
『ウルトラマンジード! プリミティブ!』
「ハアッ!!」
アーマードダークネス(ランスロット)の前に獣の様な姿勢で着地を決めるウルトラマン。
「! ウルトラマンッ!?」
「アイツもウルトラマンだったのか!?」
現れた新たなウルトラマンの姿に驚愕するさくらと初穂。
「でも………何か目付きが悪い」
「今まで見たウルトラマンとは大分違うわね………」
と、あざみアナスタシアがそのウルトラマンを見て、そんな言葉を漏らす。
しかし、彼女の言う通り………
そのウルトラマンは、青い鋭い目付きをしており、ボディカラーも基本である赤と銀に黒が混じっていると言う、異色な姿をしていた。
「あ、あの方はっ!?」
だが、クラリスだけは、ゼロからそのウルトラマンについて聞かされていた。
「ジードッ!!」
『! ジードだってっ!?』
叫ぶゼロに、誠十郎が驚きの声を挙げる。
そう………
彼の名は『ウルトラマンジード』
あの『ウルトラマンベリアル』の息子に当たる存在であり………
運命を覆した、若きウルトラマンだ!!
つづく
新話、投稿させて頂きました。
暴れ回るアーマードダークネス(ランスロット)。
止めようとしたアーサーさえも薙ぎ倒し、取り返しのつかない事態になりかけます。
しかし、そこへ………
遂に『彼』の登場です!
その名は『ウルトラマンジード』!!
ベリアルの息子である若きウルトラマン!!
そして次回………
遂にゼロの『あの形態』が解禁となります!!
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。