チャプター5『黒騎士、復活!』
宇宙捕獲メカ獣 Σズイグル
ラグストーン・メカレーター 登場
海中………
ラグストーン・メカレーターの攻撃で吹き飛ばされ、海中へと没したランスロット。
その身はドンドンと沈んで行き、徐々に光の届かない暗闇が広がり始める。
(私は………このまま死ぬのかな?………)
海底へと沈んで行きながら、そんな想像が過る。
(それも良いかな………誰にも見つからず、1人寂しく………私にはお似合いの最期だね………)
最早全てを諦め、意識を手放そうとする。
しかしそこで………
Σズイグルに捕らわれたアーサーの姿が過る。
(! アーサーッ!!)
その瞬間に、ランスロットの意識は呼び覚まされる。
(駄目だ駄目だ駄目だ! アーサーは私を………こんな私を助けようとしてくれた………私の事を恨んで当然の筈なのに………)
剣を握り締めたままだった手に力が籠る。
(私はアーサーのその想いに応えたい………アーサーが私に騎士である事を望むなら………私は償いの為、騎士で在り続ける!)
海中なのも関わらず、目を見開くランスロット。
(動け! 動いてくれ、私の身体!! せめて最後に………アーサーを助ける力を私に!!)
ランスロットは祈る様にそう念じる。
と、その瞬間!!
暗闇の海底から、青い光が上がって来た!!
(!!)
驚くランスロットを包み込む青い光。
(この光………温かい)
青い光から安心する様な温かさを感じるランスロット。
抜け殻同然だった身体に、力が甦るのを感じる。
(力が………溢れて来る!)
そして次の瞬間………
ランスロットの目の前に、光輝く青い巨人が現れた!
(! ウルトラマンッ!!)
そう、その青い巨人は紛れも無く………
ウルトラマンであった!
帝都・とある海岸………
グルロロオオオオオッ!!
肩からの撃砕光線を連射するラグストーン・メカレーター。
「おわっ!?」
「キャアッ!?」
爆撃の様な攻撃の前に、花組メンバーは逃げ回るしかない。
ゼットーン………ピポポポポポポポ………
と、花組メンバーを助けようと、ゼットンがラグストーン・メカレーターに向かって行く。
グルロロオオオオオッ!!
するとラグストーン・メカレーターは、片手を地面に付いて身を屈めたかと思うと、向かって来たゼットンに対し、強烈な突進を繰り出した!!
ゼットーン………ピポポポポポポポ………
受け止めようとしたゼットンだったが、ラグストーン・メカレーターのタックルは強烈極まりなく、火花を上げて数10メートルもブッ飛ばされた!!
「! ゼットンッ!!」
「クソッ! このままじゃ、アーサーさんもランスロットさんも!!」
クラリスが叫び、誠十郎の焦りが益々募る。
グルロロオオオオオッ!!
と、その誠十郎機目掛けて、ラグストーン・メカレーターの破砕光線が炸裂する。
「!? しまっ………」
た、と言い切る間も無く、破砕光線が誠十郎機に直撃!!
誠十郎機は爆発・炎上した!!
「!? 誠兄さああああぁぁぁぁぁーーーーーーんっ!!」
グルロロオオオオオッ!!
さくらの悲鳴が木霊する中、ラグストーン・メカレーターは勝ち誇る様に唸り声を挙げる。
「よくも誠十郎を!!」
「許しませんっ!!」
「ブッ潰すっ!!」
怒りに駆られたあざみ・クラリス・初穂がラグストーン・メカレーターに突撃しようとする。
「待って! アレはっ!?」
するとそこで、アナスタシアが何かに気付いた様に、海の方を向いて声を挙げる。
「「「「!?」」」」
グルロロオオオオオッ!?
そこでさくら達だけでなく、ラグストーン・メカレーターも異変に気付き、海へと視線を向ける。
一同の視線が集まる中、海の一角が光輝いたかと思うと………
何と!!
まるで聖書に於けるモーセの海割りの如く、海が真っ二つに割れたではないか!!
「「「!?」」」
「う、海がっ!?」
「割れたっ!?」
驚愕を露わにするさくら達。
その割れた海の中に、輝く光………
その光が徐々に治まって行くと、そこには………
青い光の巨人の姿が現れた。
「! 青い………ウルトラマン」
それは地球生まれの光………
大いなる海からの青き使者………
『ウルトラマンアグル(V2)』の姿だった。
膝立ちの状態からゆっくりと立ち上がるアグル。
良く見ると、掌を上に向けて胸元まで上げている左手の上に人の姿が在った。
「アレは………ランスロットさん!?」
再度驚きの声を挙げるさくら。
浮浪者の様だったボロボロの姿が嘘だった様に、綺麗な団員服を纏い、髪をお馴染みのポニーテールに纏め上げた、二振りの剣を携えたランスロットが、アグルの掌の上に居た。
「…………」
そのランスロットにアグルが視線を向ける。
「…………」
振り返ったランスロットは、アグルに向かって無言で頷く。
「………ツォワァッ!!」
それに対し、アグルも頷き返すと、空へと飛び上がった!!
そして、ワームホールへ向かっているΣズイグルを追った!!
グルロロオオオオオッ!!
と、そうはさせないと、ラグストーン・メカレーターが破砕光線を放とうとする。
「オリャアアアアアアァァァァァァァッ!!」
グルロロオオオオオッ!?
しかし、突如現れたゼロが、ウルトラゼロキックをお見舞いし、蹴り飛ばした!
「ゼロさん!」
「待たせたなっ!」
歓喜の声を挙げるさくらに、ゼロはそう返す。
グルロロオオオオオッ!!
とそこで、ウルトラゼロキックでも余りダメージを受けた様子の無いラグストーン・メカレーターが起き上がり、唸り声を挙げる。
「チッ! やっぱ大して効いちゃいねえか………けど、コスモスの雪辱は俺が果たしてやるぜっ!!」
インナースペースの誠十郎の前に、ニュージェネレーションカプセルαとβが出現すると、ウルトラゼロアイをライザーにセットする。
「ギンガ! オーブ!」
『ショオラッ!』
『デュアッ!』
そして先ず、ニュージェネレーションカプセルαを起動。
ギンガとオーブのビジョンが現れ向かい合うと、カプセルを装填ナックルにセット。
「ビクトリー! エックス!」
『テアッ!』
『イィィィーッ! サーーーッ!』
続いてニュージェネレーションカプセルβを起動。
ビクトリーとエックスのビジョンが現れ向かい合うと、カプセルを装填ナックルにセット。
ウルトラゼロアイを装着したスキャナーのトリガーを押すと、装填ナックルを読み込む。
『ネオフュージョンライズ!』
「『俺に限界はねぇっ!!』」
音声が響く中、誠十郎とゼロがそう叫び、ライザーを目の前に持って来て、トリガーを押す!
「『ハアッ!!』」
そして気合を入れると、誠十郎の姿がゼロへと変わり、背後にギンガ、ビクトリー、エックス、オーブ(オリジン)のビジョンが出現!!
『ニュージェネレーションカプセル! α! β!』
そのビジョンが、次々にゼロに重なる様に融合。
『ウルトラマンゼロビヨンド!』
そして、ゼロの姿が、ゼロビヨンドへと変わった!!
「行くぜっ!!」
ゼロビヨンドへと変わったゼロが、ラグストーン・メカレーターへと向かって行く。
一方、ワームホールへと向かうΣズイグルを追ったアグルとランスロットは………
上昇を続けるシグナルは、間も無くワームホールへと到達する。
(僕は………如何なるんだ?………)
絶望的な表情でワームホールを見やるアーサー。
とそこで、下から青い光が上って来る。
「!? アレはッ!?」
アーサーが驚いていると、光はアグルの姿となる。
「ツォワァッ!!」
Σズイグルに組み付き、上昇を押し止めるアグル。
「アーサーッ!!」
「!?」
その瞬間、アーサーの目の前に2剣を握ったランスロットが躍り出た。
「ランスロットッ!?」
「動かないでっ!!」
そう言い放つと、ランスロットは2剣を振り抜く!
一瞬の静寂の後………
アーサーを捕らえていた十字架状のポッドのカバーが、火花と共に斬り飛んだ!!
「!!」
「アーサーッ!!」
ランスロットは素早く剣を鞘に納めると、零れ堕ちる様に飛び出たアーサーの身体を受け止める。
「ツォワァッ!!」
そこでアグルが、Σズイグルから離れたかと思うと蹴りを入れる。
グギャアアアアァァァァァーーーーーーッ!?
右肩部分の輪っか状のパーツが千切れ飛び、Σズイグルは真っ逆さまになって落下して行く。
それを見下ろしながら、再度ランスロットとアーサーをキャッチすると、Σズイグルを追う様に降下するアグル。
Σズイグルは、地面に叩き付けられ、派手に土片を巻き上げる。
「ツォワァッ!!」
アグルは、そこからやや離れた位置へと着地する。
そして、ランスロットとアーサーの乗った右手を地面に下げる。
「ありがとう、ウルトラマン………」
礼を言いながら、アーサーを支えてアグルの手の上から降りるランスロット。
「ランスロット………」
「ゴメンね、アーサー………私、もう逃げないよ………誰からも認められないし、許されないかも知れない………けど、それでも私はコレからも剣を振る………守らなきゃいけないモノの為に」
一片の曇りも迷いも無い瞳で、アーサーにそう言うランスロット。
「………ランスロット………今君は本当の騎士になった」
それを見たアーサーは、安堵と共に弱弱しくも笑顔を浮かべるのだった。
グギャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!
と、その時!!
咆哮と共に、Σズイグルが土片を舞い上がらせながら起き上がる!
「「!!」」
アーサーとランスロットが驚いていると、Σズイグルは格納していた両腕を出現させる。
そして、指先の発射口を2人に向けたかと思うと、光弾を連射した!!
「! ランスロットッ!!」
騎士団長のプライドが、瀕死の身体に鞭を打ってランスロットを庇う様に抱き締めるアーサー!
「!? アーサーッ!!」
ランスロットの声が響く中、光弾が迫り来る………
しかし………
青白い閃光が走ったかと思うと、光弾が全て真っ二つに斬り裂かれ、爆散した!
「「!!」」
そこでアーサーとランスロットが見ていたのは………
「…………」
右手に出現させた光の剣『アグルブレード』を振り切った姿勢を取っているアグルの姿だった。
「ウルトラマン!」
「…………」
アグルブレードを解除すると、アグルはランスロットの視線を向け、頷いて見せた。
「………ツォワァッ!!」
そして、Σズイグルに向かって構えを執る。
グギャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!
咆哮を挙げるΣズイグルだが、その様は何処か気後れしている様にも見える。
「…………」
と、そんなΣズイグルの心情を読み取ったかの様に、アグルは右手で手招きをして、Σズイグルを挑発した。
グギャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!
その姿を見たΣズイグルは、憤慨したかの様に咆哮を挙げ、両手をアグルに向ける。
「ハアッ! オオオオォォォォォーーーーーーッ!!」
しかしそこで、アグルも必殺技『フォトンスクリュー』を発動。
両腕で円を描く様にしながら、胸の前に青い渦巻く波動弾を形成。
グギャアアアアァァァァァーーーーーーッ!!
それを一旦引いて構えた瞬間、Σズイグルが光弾を連続発射する!
「ツアァッ!!」
その瞬間に、アグルもフォトンスクリューを放つ!
フォトンスクリューはΣズイグルの光弾を全て打ち消し、そのままΣズイグルに命中すると、身体を貫いて、背中から飛び出して行った。
「…………」
身体に大穴が空いたΣズイグルに背を向けるアグル。
そしてそのまま歩き出したかと思うと、Σズイグルはスパークを発して木っ端微塵に爆散したのだった。
「凄い………」
「…………」
アグルの姿を見上げるアーサーとランスロット。
(あのウルトラマン………ひょっとして………)
そして、何故かランスロットの脳裏には、アグルに藤宮の姿が重なるのだった。
つづく
ウルトラ怪獣大百科
怪獣コンピューター、チェック!
『宇宙捕獲メカ獣 Σズイグル』
身長:75メートル
体重:10万5000トン
能力:両手から放つ光弾とミサイル
初登場作品:ウルトラマンガイア第41話『アグル復活』
根源的破滅招来体の1体。
ガイアである我夢を罠に掛けて捕らえ、拉致しようとした。
しかし、復活したアグル(V2)により、我夢は救出され、フォトンスクリューで倒された。
新話、投稿させて頂きました。
遂にアグル登場!
そして黒騎士ランスロット復活です!!
いや~、この海を割って現れるってシチュエーションがやりたくて、アグルとランスロットを絡めてみました。
原作での『アグル復活』に掛けて、黒騎士としてのランスロットが復活するって言うのを表したくて。
見事アーサーを救出。
Σズイグルも、嘗てと同じ様に撃破です。
残るパンドンとラグストーン・メカレーターは、言ってしまえば消化試合ですが、次回に関する描写もありますので、お見逃しなく。
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。