チャプター5『帝劇、絶体絶命!』
シビルジャッジメンター ギャラクトロンMK2 登場
帝劇地下・医療室………
「「「「「「「「…………」」」」」」」」
アナスタシアが入れられた霊子再生槽の前に集まり、鎮痛な表情を浮かべている誠十郎(+ゼロ)・さくら・初穂・クラリス・あざみ・リク・ペガ。
「「…………」」
霊子再生槽の操作をしている令士とこまちも、険しい表情を浮かべている。
「令士、こまちさん………アナスタシアの容態は?」
やがて、誠十郎が重々しく令士とこまちに尋ねた。
「霊子再生槽はフル稼働している。だが………」
「アカン………このままやと、時間の問題や」
「!? そんなっ!?」
令士とこまちから返って来た答えを聞いて、さくらが顔を青褪めさせる。
「オイ! 何とかしてくれよ!!」
「出来るならとっくにやってる! 傷が深過ぎるんだ!!」
怒鳴る初穂に、令士がそう怒鳴り返す。
その手は悔しさを表すかの様に、血が出んばかりに握り締められている。
「それに………アナスタシアさん自身が助かろうと思うてへんよう何や」
「! アナスタシアさん自身がって………」
「如何言う事?」
と、続くこまちの言葉に、クラリスとあざみが驚きを示していると………
「………もう………私には………生きている理由が無いからよ………」
「「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」」
響いて来た弱々しい声に、その場に居た全員が驚愕する。
それは、霊子再生槽に入れられているアナスタシアの声だった。
薄らとだが、目も開かれている。
「アナスタシア! 意識が戻ったのか!?」
「「「「「「アナスタシアさん!」」」」」」」
誠十郎を始め、さくら達は慌てて霊子再生槽の傍に寄る。
「キャプテン………皆………何故私を助けようとしているの? 私は………皆を裏切ったのよ………」
「アナスタシア………俺達は、仲間だろ」
「何か………事情が有るんですよね」
アナスタシアの言葉に、誠十郎とさくらがそう返す。
「………本当にバカね………そんなだから………私にも騙されるのよ………! ゴホッ!」
そう言っていた途中で、苦しそうに咳き込むアナスタシア。
「アナスタシア、良いんだ。今は、無理に話さなくて良い」
「………いいえ、言わせて………コレが………最後だから………」
無理に喋らなくて良いと言う誠十郎だが、アナスタシアはそう返して来る。
「アナスタシアさん!」
「縁起でも無いこと言わないでよ!」
『最後』などと不穏な事を言うアナスタシアに、リクとペガが慌てる。
「私は………いつだって………偽りの生を生きて来たわ………私が、私だった事なんて………1度も無い………」
そんな2人を無視する様に、アナスタシアは語り出す………
「私の家族は………昔………戦争に巻き込まれて死んだの………そして孤児になった私を………『ある人』が拾って育ててくれた」
「『ある人』?」
「………プレジデント………いいえ、ミスターGよ」
「!? 何だってっ!?」
「「「「!?」」」」
アナスタシアの口から出た人物の名に、誠十郎とさくら達が驚愕する。
降魔のスパイであったアナスタシア………
そんな彼女を育てたのがミスターGだと言うのだ。
それは即ち………
「ミスターGは………降魔だったのか!?」
「…………」
誠十郎の言葉を、アナスタシアは無言で肯定する。
『道理で最初からいけ好かねえ野郎だと思ったぜ』
「そんな………」
「WLOFが………降魔に乗っ取られてたんですか!」
ゼロがそう呟く中、さくらとクラリスが信じられないと声を挙げる。
「でも、そうだと考えれば………まだプレジデントGだった頃の傍若無人ぶりにも納得出来る」
「チキショー! ふざけやがってっ!!」
あざみが続いてそう言うと、初穂が悔しさの余り壁を殴り付ける。
「あの開会式での出来事以来………ずっと音沙汰が無かったのだけど………この前、急に連絡が来て………帝剣を手に入れろって………」
「! もしかして、あの時の!?」
リクが少し前に、アナスタシアが手紙を受け取っていた事を思い出す。
「私は彼の為に働いた………スパイとして………自由に使える………駒として………それしか………道を知らなかったから………」
「アナスタシア………」
「彼が………降魔だと知ってからも………同じだった………人も………降魔も………私には、変わらなかった………」
「…………」
アナスタシアの言葉に、何とも言えなく様子を見せるペガ。
「いいえ………降魔の方が、良いとさえ思った………だって………ミスターGは………私の家族を………蘇らせてくれる………そう約束してくれた………」
「! 家族を蘇らせる!?」
「んな事出来んのかよ!?」
「待て………神崎司令に聞いた事がある………降魔には死者を蘇らせ、意のままに操る秘術………『反魂の術』と言う秘術が有ると」
さくらと初穂が驚きの声を挙げると、誠十郎が以前にすみれから聞いた話を思い出してそう言う。
「戦争で………人に殺された………私の家族と………大好きだった家族と………また、会わせてくれるって………だから………私は………」
「アナスタシアさん………」
「でも………それももうお終い………彼は………約束を守る気なんてなかった………ごめんなさい………お父さん………お母さん………」
と、徐々に言葉が弱くなって行くのに呼応するかの様に、アナスタシアのバイタルサインが弱くなって行く。
「! アカン! バイタルが!?」
「アナスタシアちゃん!」
「私………こんな風に………なっちゃった………駄目な………私で………ごめんなさい………」
こまちと令士が慌てて霊子再生槽の操作を行うが、バイタルサインは弱くなって行く一方だった。
「もう………会えない………天国には………行けない………でも………もう………疲れちゃった………」
「アナスタシア!!」
「「「「「「アナスタシア(さん)!!」」」」」」
死へと向かおうとしているアナスタシアに、誠十郎達は必死に呼び掛ける。
「皆………本当に………ごめんなさい………でも………もう………眠らせて………きっとコレが………星の導き………私の『運命』なのよ」
「違うっ!!」
とそこで、リクが叫んだ!
「そんな運命だなんて僕は信じない! もしそうだったとしても、変えてやれば良い!!」
「リクくん………」
アナスタシアの部屋を訪れた際に言った事を再度言うリク。
「リク………」
そんなリクの事を見つめていたアナスタシアだったが、やがて力尽きた様にその目が閉じられる。
「! アナスタシアさん!」
「オイ、退いてろ!」
「死なせへん! 絶対に死なせへんでぇっ!!」
呼び掛けるリクを押し退け、令士とこまちが必死に霊子再生槽の操作を続ける。
「皆!!」
とそこへ、医務室にミライが飛び込んで来た。
「! ミライくん!」
「夜叉の追撃に出てくれたエリスちゃん達が危ないんです! すぐに救援に向かいましょう!」
誠十郎達にそう告げるミライだったが………
そこで、警報が鳴り響いた!!
「「「「「「「「!?」」」」」」」」
『緊急事態発生! 帝劇付近に謎の巨大ロボットが出現! 至急迎撃に出て下さい!!』
誠十郎達が反応すると、カオルのやや焦っている様なアナウンスが響いて来る。
「こんな時に!!………ミライくん! すまないが、エリスさん達の方を頼む!! 俺達は帝劇を守らなければ!!」
「………分かりました!」
誠十郎にそう返すと、ミライは医務室を後にする。
「僕達も!………」
「待て、リクくん。君はペガと一緒にアナスタシアに付いていてやってくれ」
「えっ!?」
「頼む………」
自分も続こうとしたリクを押し止め、誠十郎が頭を下げて頼み込む。
「………分かりました」
「リク………」
その誠十郎の姿を見て、リクは神妙な面持ちで頷いた。
「………良し! 行くぞ、皆!!」
「「「「了解っ!!」」」」
そのリクの姿を見た後、誠十郎はさくら達に呼び掛け、医務室を後にした。
「…………」
残されたリクは、再度霊子再生槽のアナスタシアに視線を向ける。
患者が危険な状態を告げるアラームは鳴り続けており、令士とこまちが必死に霊子再生槽の操作を行っている。
「僕には何も出来ないのか………」
付いていてやってくれと言われたものの、そんなアナスタシアに何もしてやる事が出来ず、リクは悔しさに顔を歪ませる。
『アナスタシア・パルマを救う方法が有ります』
しかしそこで!
レムからそう通信が送られて来た!!
「! レム! 本当か!?」
『ハイ。ですが………極めて高いリスクを伴います』
「何だって良い! アナスタシアさんを助けられるなら!!」
リスクが高いと言うレムに、リクは構わないと断言する。
『………分かりました。良く聞いて下さい』
一瞬の沈黙の後、レムはアナスタシアを助ける方法を説明し始めるのだった………
一方、その頃………
帝劇へと迫る謎のロボットの迎撃に出た誠十郎達は………
「アレか!!」
射出口から飛び出し、車道へと着地した無限と試製桜武の中で、ロボットの姿を確認した誠十郎がそう言う。
ラ~
進路上の建物を粉砕しながら、地響きと共に帝劇へと迫るギャラクトロンに似たロボット………
『シビルジャッジメンター ギャラクトロンMK2』
『ギャラクトロン! しかもMK2の方か!! 気を付けろ、誠十郎! アイツは強敵だ!!』
「お前がそこまで言うとは、余程の相手なんだな………」
ギャラクトロンMK2の姿を見たゼロが誠十郎に警告し、それを受けた誠十郎はやや戦慄を覚える。
ラ~
とそこで、ギャラクトロンMK2は右手を構えたかと思うと、手先のマシンガン『ギャラクトロンゲベール』を発射する。
「! 散開っ!!」
「「「「!!」」」」
誠十郎の声が飛び、慌てて散会するさくら達。
ギャラクトロンゲベールは先程まで誠十郎達が居た場所に命中し、派手な爆発を起こす。
「! 凄い威力………」
「真面に喰らったらヤベェぞ!」
「!………」
その威力に、今度はさくら・初穂・あざみが戦慄する。
「ゼットンッ!!」
とそこで、クラリスが魔導書からゼットンを呼び出す。
ゼットーン………ピポポポポポポポ………
ラ~
ゼットンとギャラクトロンMK2が睨み合う様に対峙する。
「良し! ゼットンを中心に戦うんだ!!」
「「「「了解っ!!」」」」
そして花組は、ゼットンを中心にする様にフォーメーションを組み、ギャラクトロンMK2との戦いに突入するのだった。
つづく
新話、投稿させて頂きました。
瀕死のアナスタシアから語られた事実。
遂にミスターGの正体が花組に露見します。
絶望のアナスタシアは死を選ぼうとしますが、リクが呼び止める。
そして、レムから彼女を助ける手段があると教えられる。
相当な危険を伴うと言うその方法とは?
そして帝劇にもギャラクトロンMK2が強襲!
またもや強敵が現れましたが、実は更に………
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