新サクラ大戦・光   作:宇宙刑事ブルーノア

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チャプター9『強き太陽の光』

チャプター9『強き太陽の光』

 

極悪宇宙人 テンペラー星人・ヘラク

 

降魔機兵『狂骨』登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀座・魔幻空間内………

 

「せ、誠兄さん………」

 

突然現れた誠十郎に、さくらは思わず以前の呼び方で呼んでしまう。

 

「ほう? 貴様がコイツ等の隊長か?」

 

一方、テンペラー星人・ヘラクの方は、誠十郎の姿を観察するかの様に繁々と眺める。

 

「バカ! 何やってんだっ!?」

 

「生身で来るなんてっ!!」

 

と其処で、初穂とクラリスから悲鳴の様な声が挙がる。

 

霊子戦闘機も無く生身で現れ、しかも上海華撃団隊長・シャオロンを一方的にボコボコにしたテンペラー星人・ヘラクの前に立ちはだかっている誠十郎を狂気の沙汰だと思っている様だ。

 

「! か、神山隊長! 危険です! 逃げて下さいっ!!」

 

と其処で、ハッと我に返ったさくらも、慌てて誠十郎に呼び掛ける。

 

「心配すんな、コイツは俺に任せろ!」

 

だが、誠十郎(ゼロ)は心配は要らないと、二刀の刃を擦り合わせて火花を散らす。

 

「フン、()()()地球人に何が出来る?」

 

「試してみるか?」

 

挑発するかの様なテンペラー星人・ヘラクの言葉にも、不敵な笑みで返す。

 

「望み通りにっ!!」

 

と、次の瞬間!!

 

テンペラー星人・ヘラクは、誠十郎(ゼロ)に向かって怪光線を放った!!

 

「!? 誠兄さんっ!!」

 

「ああっ!?」

 

「うっ!!」

 

悲鳴の様な声を挙げるさくらと初穂に、思わず目を逸らすクラリス。

 

「ハアッ!!」

 

だが誠十郎(ゼロ)は、右の掌の中で刀を扇風機の羽の様に回転させたかと思うと、怪光線を受け止めて掻き消した!!

 

「!? 何っ!?」

 

「「「!?」」」

 

コレにはテンペラー星人・ヘラクとさくら達は驚きを露わにする。

 

「セエリャアッ!!」

 

誠十郎(ゼロ)は回転を止めると、再度逆手に構えて跳躍。

 

テンペラー星人・ヘラクに斬り掛かる!

 

「ぬうっ!?」

 

「セヤッ! オリャアッ!」

 

初撃は躱したテンペラー星人・ヘラクだが、誠十郎(ゼロ)は流れる様に2撃、3撃と追撃して来る。

 

「チイッ!!」

 

躱し切れなくなったテンペラー星人・ヘラクが、誠十郎(ゼロ)の二刀を腕で受け止める。

 

「オオリャアッ!!」

 

「! グオッ!?」

 

その瞬間、誠十郎(ゼロ)は腹にケンカキックを叩き込む。

 

「セリャアッ!!」

 

そして、ノックバックしたテンペラー星人・ヘラクに向かって二刀を投擲した。

 

「小癪なっ!!」

 

飛んで来た二刀を電磁ムチで弾き飛ばすテンペラー星人・ヘラク。

 

「フッ! ハアッ!!」

 

だが、誠十郎(ゼロ)が弾かれた二刀に手を翳して気合を入れる様な様子を見せたかと思うと………

 

二刀が空中で止まって高速回転を始めた!

 

「!? ぬうっ!?」

 

「セヤアッ!!」

 

驚くテンペラー星人・ヘラクに向かって、誠十郎(ゼロ)が腕を振ると、回転していた二刀がブーメランの様に襲い掛かる!

 

「グアッ! ヌウッ!?」

 

高速回転して飛び回る二刀に何度も斬り付けられ、身体の表面から火花を散らすテンペラー星人・ヘラク。

 

「ハアッ!!」

 

其処で、誠十郎(ゼロ)が大きく跳躍したかと思うと………

 

「オオオリャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

炎を纏った右足の飛び蹴りを繰り出す!!

 

「! うおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーっ!?」

 

咄嗟にガードしたものの、大きく吹き飛ばされるテンペラー星人・ヘラク。

 

「フッ!!」

 

誠十郎(ゼロ)は着地を決めると、手元に戻って来た二刀をキャッチする。

 

「如何した? そんなモンかよ?」

 

そして、テンペラー星人・ヘラクに向かって挑発するかの様にそう言い放つ。

 

「う、嘘………」

 

「スゲェ………」

 

「信じられません………」

 

ユイ、初穂、クラリスはその光景に唖然となる。

 

(アレ? “今の”誠兄さんの戦い方って………?)

 

一方さくらは、誠十郎(ゼロ)の戦い方に既視感(見覚え)を感じる。

 

「この力………成程、()()()()()か」

 

其処でテンペラー星人・ヘラクは、何やら納得が行った様な様子を見せる。

 

「考えてみれば、“この星に手を出して()()()が黙っている筈が無い”か………」

 

「何ゴチャゴチャ言ってやがる。今度はコッチから………」

 

と、誠十郎(ゼロ)がテンペラー星人・ヘラクに仕掛けようと、僅かに腰を落とした瞬間………

 

『神山隊長! 巨大な妖力反応をキャッチしました!!』

 

作戦司令室のカオルから、そう通信が送られて来た!

 

「! 何っ!?」

 

誠十郎(ゼロ)が声を挙げた瞬間………

 

近くに、巨大な魔法陣の様な物が展開!

 

其処から這い出して来る様に、所々に機械の部品を鎧の様に装着した、光武の数倍の大きさを誇る降魔………

 

降魔機兵『狂骨』が出現した!!

 

グガアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!

 

その巨大な口を目一杯開いて、咆哮を挙げる狂骨。

 

「で、デケェ………」

 

「あの時の怪獣程じゃ無いけど………」

 

「ああ、そんな………」

 

狂骨の姿を見て戦慄する初穂、さくら、クラリス。

 

「チッ! 邪魔が入ったか………一旦勝負は預けるぞ!」

 

一方、テンペラー星人・ヘラクは狂骨の姿を見て舌打ちをすると、マントを皮膜の様に広げ、飛び去って行った。

 

「あ! 待ちやがれ!!………! うおっとっ!?」

 

追おうとした誠十郎(ゼロ)だったが、其処で狂骨が捻り潰そうと腕を振り下ろして来たので慌てて回避する。

 

(ゼロ! 変身を!!)

 

『駄目だ! ()()()()()()()()で変身する事は出来ねえ!』

 

誠十郎がウルトラマンに変身しろと促してくるが、さくら達の目が在る為、変身出来ない。

 

(けど、このままじゃ………!!)

 

『神山くん。聞こえますか?』

 

と其処で、すみれから通信が送られて来た。

 

「! 司令かっ!?」

 

『お待たせしましたわ。今到着よ』

 

誠十郎(ゼロ)が返事をし、すみれがそう言葉を続けたかと思うと………

 

魔幻空間の空が罅割れ、突き破る様にして“何か”が突入して来た!

 

「! アレはッ!?」

 

其れは嘗て、帝国華撃団が使っていた武装飛行船を近代化改装した強襲揚陸輸送空船『翔鯨丸・甲壬』だった。

 

そしてその翔鯨丸から、誠十郎(ゼロ)の元に向かって『何か』が射出された!

 

射出された『何か』は、派手に粉塵を上げて、誠十郎(ゼロ)の眼前に着地する。

 

「! コレは!?」

 

誠十郎(ゼロ)の目の前に降りて来たのは、真っ白な塗装を施され、両腰に二刀を携えた霊子戦闘機だった。

 

『『霊子戦闘機・無限』………貴方専用の機体よ』

 

「霊子戦闘機・無限………良し!」

 

誠十郎(ゼロ)は、直ぐ様無限へと乗り込む。

 

(ゼロ………ココからは俺にやらせてくれ!)

 

と乗り込んで直ぐ、誠十郎はゼロにそう言った。

 

「! 誠十郎………」

 

(お前に任せっ切りにしちゃ、隊長()()だからな)

 

「………良し! お前がやれ、誠十郎!」

 

ゼロは、主導権を誠十郎へと返した。

 

「………さあ、ココからが本当の戦いだ!!」

 

誠十郎はそう言い放つと、無限が二刀を抜き放ち、狂骨に向かって構えを執る!

 

グガアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!

 

途端に、狂骨は誠十郎機を叩き潰さんと両手を広げ、拍手をする様に左右から振って来た!!

 

「ハッ!!」

 

しかし、誠十郎機(無限)は跳躍して躱したかと思うと、そのまま合わさった狂骨の手の上に着地。

 

そのまま、ローラーダッシュで狂骨の腕の上を駆け上がる!

 

「セエヤァッ!!」

 

そして、顔面を右の刀で斬り付けたかと思うと跳躍し、アクロバットの様に空中で月面宙返り(ムーンサルト)を決めながら、左の刀で背中を斬り付ける!

 

グガアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!?

 

どちらも機械の装甲が施された場所であったが、それを紙の様に易々と切り裂いて、紫色の血液を噴出させる。

 

グガアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!

 

狂骨は、怒りに任せて着地した誠十郎機に長い尻尾を振るったが………

 

尻尾が誠十郎機に命中するかと思われた瞬間、閃光が走り、狂骨の尻尾は宙に舞った!

 

グガアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!?

 

切断面から紫色の血液を振り撒いて悲鳴の様な咆哮を挙げる狂骨。

 

「無限………良い機体だ………俺の思った通りに動いてくれる」

 

残心状態の誠十郎が、無限の性能を改めて知り、そう声に出す。

 

グガアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!

 

と、尻尾の無くなった狂骨が、自棄の様に誠十郎機に突っ込んで行く。

 

「!!」

 

それに対し、誠十郎機もまた、狂骨へと向かって行った!!

 

「! 危ない! 神山隊長っ!!」

 

さくらが叫んだ瞬間、狂骨の勢いに乗せた右腕が、誠十郎機に向かって振られる。

 

だが、その右腕が命中するかに思われた瞬間!

 

「! ココだっ!!」

 

誠十郎機は独楽の様に回転し、振られて来た狂骨の腕に沿う様にして躱し、懐へと飛び込む!

 

「セエエヤァッ!!」

 

そして、狂骨の右足を二刀で横薙ぎに斬り付けた!!

 

!? グガアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!?

 

足をやられた狂骨は、立っている事が出来なくなり、膝を突く。

 

『誠十郎! 決めろっ!!』

 

「ああ! コレで………トドメだっ!!」

 

ゼロにそう返すと、誠十郎機から霊力のオーラが立ち昇る。

 

「闇を斬り裂く、神速の刃! 縦横無刃・嵐っ!!」

 

刀身が青白く発光した二刀を振るい、連続で体勢の崩れた狂骨に斬り付ける!

 

「おおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

最後に気合の一閃を喰らわせたかと思うと、狂骨を通り過ぎ、残心を執る誠十郎機。

 

その背後で、狂骨の身体に幾重にも光の線が走ったかと思うと………

 

其処からバラバラになり、爆発四散した!!

 

其れと同時に魔幻空間が崩壊し、見慣れた帝都の街並みが広がり始めた。

 

「やったぁっ!」

 

「スゲェな、あの隊長。アタシもあんな風に戦えるかな?」

 

「ひょっとしたら………」

 

帝国華撃団として、初めて勝利を飾った事に、さくら達が大なり小なり喜びを露わにする。

 

「シャオロン! 大丈夫!?」

 

「う、うう………如何なったんだ?」

 

一方、ユイに助け出され、半壊していた王龍の中から抜け出したシャオロンが漸く意識を取り戻す。

 

「………もう終わったよ。()()()()()()で」

 

其れを聞いたユイが、言い辛そうな様子で無限から降りる誠十郎を視線で指しながら答える。

 

「! アイツが!?」

 

途端に、シャオロンは憎悪の籠った視線で誠十郎を睨み付ける。

 

「神山隊長!」

 

「隊長さん!」

 

「隊長!」

 

其れに気付かず、無限から降りた誠十郎の前に、同じく光武から降りたさくら達が集まる。

 

「皆、ありがとう。君達が頑張ってくれたお陰で勝つ事が出来た」

 

「何言ってんだよ?殆どアンタの独壇場だったじゃないかよ」

 

誠十郎の言葉に、初穂がそう返す。

 

「そんな事は無いさ。皆が頑張ってくれたから俺も戦う事が出来たんだ」

 

「そ、そんな事を言われると、何だか照れちゃいます………」

 

クラリスが頬を染めながら言う。

 

「あ、そうだ! 神山隊長! 戦闘が無事終わった事を祝して………」

 

と、さくらが何かを誠十郎に訴えようとしたその瞬間!!

 

「ぬあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」

 

叫び声が響いたかと思うと、怪しい光と共に、身長52メートルに巨大化したテンペラー星人・ヘラクが帝都の街中に出現した!

 

「!?」

 

「んなっ!? アイツはッ!?」

 

「テンペラー星人!?」

 

「嘘っ!? あんな大きくっ!?」

 

巨大化したテンペラー星人・ヘラクの姿に、誠十郎達は驚愕する。

 

「ムウウンッ!!」

 

テンペラー星人・ヘラクの気合の声と共に、右手から怪光線が放たれる。

 

そのまま右手を横に振り、怪光線は薙ぎ払う様に帝都の街を直撃。

 

忽ち帝都は炎に包まれた!!

 

「キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーッ!!」

 

「うわああああっ!?」

 

「助けてくれぇっ!!」

 

その被害は、降魔警報で避難が呼び掛けられていた地域外にも及び、避難していなかった人々が慌てて逃げ惑う!

 

「! 大変! 行かないとっ!!」

 

「けど、如何すんだ!? 光武はもう動かねえぞっ!?」

 

さくらがそう言うが、初穂がそう返す。

 

先程の魔幻空間での戦闘で、既に帝国華撃団の光武は限界となっていた。

 

『聞こえる、皆! 先ずは逃げ遅れている人達を助けて!!』

 

と其処で、作戦司令室のすみれからそう通信が入る。

 

「! すみれさん! 分かりました! 皆! 先ずは街の人達を避難させるんだ!!」

 

「「「! 了解っ!!」」」

 

誠十郎がそう呼び掛けると、さくら達は分散して、逃げ遅れている人達の避難誘導へと向かった。

 

「!!」

 

誠十郎も、同じ様に避難誘導に向かう………

 

と見せて、人気の無い路地裏へと飛び込む。

 

「ゼロ! 行くぞっ!!」

 

『ああ! ココからはまた俺の出番だっ!!』

 

「デュワッ!!」

 

そしてウルティメイトブレスレットからウルトラゼロアイを取り出して装着!

 

「セエエヤァッ!!」

 

ウルトラマンゼロへと変身すると、巨大化する!!

 

「ハアッ!!」

 

そして、テンペラー星人・ヘラクの前に着地を決めた!!

 

「! ゼロさんっ!!」

 

「! あ、アレがっ!?」

 

「ウルトラマンゼロ………」

 

その姿を見たさくらが嬉しそうな声を挙げ、初めてゼロを直に見た初穂とクラリスは圧倒される。

 

「俺はゼロ! ウルトラマンゼロだっ!!」

 

お馴染みの名乗りと共に、テンペラー星人・ヘラクに向かって構えを執るゼロ。

 

「ほほう? 貴様が噂に名高いあのウルトラマンゼロか………」

 

ゼロの姿を見たテンペラー星人・ヘラクは、何処か嬉しそうにそう呟く。

 

「つまらぬ星だと思っていたが、如何して如何して。中々良い強者と出会えるとはな………」

 

「そんな余裕が続くと思うなよ!! 行くぜっ!!」

 

先手必勝とばかりに、ゼロが仕掛ける。

 

「ムンッ!!」

 

だが其れに対し、テンペラー星人・ヘラクは右手を向けて、火炎放射を放った!

 

「! アチチチチッ!!」

 

真面に火炎に飛び込んでしまい、慌てて側転で距離を取って抜け出すゼロ。

 

「隙有りっ!!」

 

その隙を見逃さず、マントを広げて飛翔したテンペラー星人・ヘラクは、ゼロに体当たりを喰らわせる!

 

「! おうわっ!?」

 

「そうら! ほうらっ!!」

 

倒れたゼロに向かって、着地したテンペラー星人・ヘラクは、電磁ムチを連続で振り下ろす。

 

「ぐおっ! があっ!?」

 

何発か喰らいながらも、地面の上を転がって逃げるゼロ。

 

「野郎! エメリウムスラッシュッ!!」

 

そして素早く起き上がると、テンペラー星人・ヘラクに向かってエメリウムスラッシュを放つ!

 

「そんなものっ!!」

 

だが、テンペラー星人・ヘラクは腕を交差させてガードする。

 

「ウルトラマン必殺光線!!」

 

そしてお返しとばかりに、『ウルトラ兄弟必殺光線』を改良・発展させた『ウルトラマン必殺光線』を放つ!

 

「!? ウオワァッ!!」

 

直撃を喰らったゼロは大きくブッ飛ばされ、背中でビルを押し潰しながら地面に倒れる。

 

「! ゼロさんっ!!」

 

「アイツ、さっきとは違うぞっ!!」

 

「そ、そんな………如何したら………」

 

ゼロが押されているのを見て、さくら達にも動揺が走る。

 

「チイッ! この野郎っ!!」

 

身体の上に乗っていた瓦礫を払いながら起き上がるゼロ。

 

ウルティメイトブレスレットからのエネルギー供給のお陰で、カラータイマーは未だ青のままだが、其れなりのダメージは受けていた。

 

「戯けめが! 先程までと同じと侮りおって! 其れでもウルトラ戦士か!?」

 

テンペラー星人・ヘラクは、何処か怒っているかの様な様子でゼロにそう言い放つ。

 

親父(セブン)師匠(レオ)みてぇな事を吐かしやがって………けど、その通りだな。確かに侮ってた。けどな………」

 

と其処で、ゼロはウルティメイトブレスレットを構え、右手で叩いた!

 

すると、ウルティメイトブレスレットから赤い光が溢れる!

 

「ストロングコロナ! ゼロッ!!」

 

そして、何時もよりも荒々しい声とエレキギターのような効果音が鳴り響いたかと思うと、上半身が赤で下半身が銀色を基調とした姿へと変わる。

 

ダイナとコスモスより授かった力で変身するもう1つの姿………

 

『ストロングコロナゼロ』だ!!

 

「!? 何っ!?」

 

「! 今度は赤に変わったっ!?」

 

「「!?」」

 

ゼロの姿が変わった事に、テンペラー星人・ヘラクとさくら達は驚きを露わにする。

 

「行くぜぇっ!!」

 

と、ストロングコロナゼロが、テンペラー星人・ヘラクに向かって突撃する!

 

「馬鹿め! 同じ事をぉっ!!」

 

テンペラー星人・ヘラクは、再び突っ込んで来るストロングコロナゼロに向かって火炎放射を浴びせる!

 

「うおおおおぉぉぉぉぉっ!!」

 

だがストロングコロナゼロは、高温火炎を物共せずに突き進んで来る!!

 

「!? 何とぉっ!?」

 

「おおりゃああぁっ!!」

 

そして完全に火炎を突っ切ると、炎を纏ったパンチ………『ストロングコロナアタック』で、テンペラー星人・ヘラクの顔を殴り付ける!

 

「ぐうおっ!?」

 

「セエエヤァッ!!」

 

更に続け様にミドルキックを脇腹へと見舞う!

 

「ガッ!!」

 

「おおりゃあっ!!」

 

そして、テンペラー星人・ヘラクの上体が下がった瞬間、頭を脇の下へと抱え込む様に捕える!

 

「ウルトラハリケーンッ!!」

 

叫びと共に、テンペラー星人・ヘラクに竜巻が発生する程の高速回転を加えて上空へと投げ飛ばした!!

 

「うおおおおおっ!?」

 

高速回転の影響で、空中で身動きが取れなくなるテンペラー星人・ヘラク。

 

「ガルネイトォ………」

 

そこでストロングコロナゼロは、握った右手にエネルギーを集める!

 

「チイイッ! ウルトラマン必殺光線ッ!!」

 

だが、テンペラー星人・ヘラクは一瞬の隙を見出し、ストロングコロナゼロに向かってウルトラマン必殺光線を放つ!

 

「! グウッ!!………バスタアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!」

 

ウルトラマン必殺光線を食らい、一瞬怯んだかに見えたストロングコロナゼロだったが、構わず炎状の強力光線………『ガルネイトバスター』を放った!!

 

「! ぬおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!?」

 

ガルネイトバスターが直撃したテンペラー星人・ヘラクの身体が燃え上がったかと思うと、そのまま巨大な爆発に包まれた。

 

「! キャアッ!?」

 

「うわっ!?」

 

「わわわっ!?」

 

その爆風は地上に居たさくら達にも届く程だった。

 

と、上空に漂っていた爆煙の中から何かが落ちて来て、地面に叩き付けられる。

 

「ぐ………あ………」

 

ボロボロになったテンペラー星人・ヘラクだ。

 

「ぐおおお………」

 

如何見ても虫の息だが、ヨロヨロと起き上がり始める。

 

「セヤッ!」

 

そのテンペラー星人・ヘラクに対し、構えを取るストロングコロナゼロだったが………

 

「………見事だ、ウルトラマンゼロ。儂の負けだ」

 

「!!」

 

テンペラー星人・ヘラクは、潔く敗北を認めた。

 

「フフフ………『奴』に連れて来られた時には如何なるかと思ったが………こんな良い勝負が出来るとはなぁ………」

 

「『奴』? 何者だ?」

 

テンペラー星人・ヘラクを“この宇宙”へと連れてきた存在が居る事を知るストロングコロナゼロ。

 

「其れは自分で確かめるのだな………『奴』は………強いぞ」

 

「オイ!」

 

「ウルトラマンゼロォッ! 貴様が『奴』に勝てるか如何か! 地獄でゆっくりと見物させて貰うぞぉっ!!」

 

更に問い質そうとしたストロングコロナゼロだったが、テンペラー星人・ヘラクはそう言い放ち、万歳の様な姿勢を取ったかと思うと、爆発・四散した。

 

「………テンペラー星人・ヘラク。敵ながら見事な奴だったぜ」

 

ストロングコロナゼロは、最後まで武人としての矜持を見せたテンペラー星人・ヘラクを称える。

 

「………ルナミラクルゼロ」

 

と其処で、ストロングコロナゼロはルナミラクルゼロへとフォームチェンジ。

 

「ミラクル・リアライズ」

 

そしてクレッセントの時と同じ様に、ミラクル・リアライズで破壊された街並みを修復する。

 

「………シュワッ!!」

 

街が修復されたのを見届けると、ゼロは空の彼方へ飛び去って行った。

 

「ありがとう~! ゼロさ~んっ!!」

 

「全く………噂以上だったな、ウルトラマンゼロ」

 

「正に神秘の巨人です………」

 

飛び去るゼロを手を振って見送るさくらと、その力に感動にも似た思いを感じている初穂とクラリス。

 

「お~い! 皆~!!」

 

と其処で、誠十郎が戻って来る。

 

「あ! 神山隊長!」

 

「今まで何処に居たんですか?」

 

「え? え~と………ああ、そうそう! ゼロの活躍に見惚れちゃっててね!」

 

クラリスの問いに、誠十郎はそう誤魔化して答える。

 

「何やってんだよ………って言いたいとこだけど、見惚れてたのはアタイ達も一緒だからなぁ」

 

呆れる様な様子を見せる初穂だったが、自分達もゼロに見惚れていただけに、強くは言えないのだった。

 

「そう言えば、さくら。さっき、何か言い掛けてたみたいだったけど、何なんだ?」

 

其処で誠十郎は、さっきさくらが言おうとしていた事を問い質す。

 

「あ、ハイ。“戦いに勝利した時の花組の伝統”が有るんです」

 

「伝統? 何だい、其れは?」

 

「其れはですね………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、行くぞ! せーの………」

 

「「「「勝利のポーズ、決めっ!」」」」

 

『コレ良いな。今度グレン達とやってみるか』

 

花組の伝統・勝利のポーズを見て、ウルティメイトフォースゼロでもやってみようかと思案するゼロだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

人気の無い路地裏にて………

 

「う、ううう………」

 

テンペラー星人・ヘラクによって瀕死の状態にされた夜叉が、地面を這っている。

 

這った後には、降魔と同じ紫色の血液が痕を曳いている。

 

「は、早く戻らなくては………『幻庵』様の所へ………」

 

今にも死にそうな状態にも関わらず、気力だけで動いている夜叉。

 

と、その目の前に立つ者が居た。

 

「!?」

 

その人物を見上げる夜叉だったが、既に目が霞んでいる為、確認出来ない。

 

「コレは………面白い“素材”だな」

 

人影は、夜叉を見下ろしながらそう呟く。

 

「何………を………」

 

夜叉がそう言った瞬間!

 

人影は右手に銃の様な物を出現させ、夜叉を撃った!

 

「!? ぐああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?………」

 

全身にスパークの様な物が走ったかと思うと、動かなくなる夜叉。

 

すると、その両脇にも人影が出現。

 

夜叉の腕を摑んで立ち上がらせる。

 

「貴重な()()()()だ。有効に活用させて貰うよ………我々『サロメ』がね」

 

そして3人の人影と夜叉は、路地裏から忽然と姿を消したのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回予告

 

クラリス「漸く動き出した帝国華撃団。

 

山積みかと思われた問題も如何いうワケか解決して行きます。

 

コレで一安心………って、ええっ!? 私がやるんですかっ!?

 

次回『新サクラ大戦』

 

第2話『手のひらほどの倖せに優しさを込めて』

 

太正桜にブラックホールが吹き荒れるぜっ!!

 

隊長さん………私、あの子を助けたい!!」

 

ゼロ「お前には力以上に、優しい心があるんだっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1話・完

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウルトラ怪獣大百科

 

怪獣コンピューター、チェック!

 

『極悪宇宙人 テンペラー星人・ヘラク』

 

身長:2~52メートル

 

体重:120キロ~3万5千トン

 

能力:電磁ムチ、ウルトラマン必殺光線、火炎放射

 

イメージCV:Gガンの師匠

 

初登場作品:ウルトラマンタロウ 第33話『ウルトラの国大爆発5秒前!』・第34話『ウルトラ6兄弟最後の日!』

 

初めてウルトラ6兄弟全員と戦った強豪宇宙人。

 

エンペラ星人の血筋との設定も有り。

 

多彩な技や策略を駆使して6兄弟を追い詰めるが、最後は腕を切り落とされ、空中に投げ飛ばされたところを、タロウのネオ・ストリウム光線で倒される。

 

その後、メビウスの劇場版でビックリするぐらいスリムなデザインにリファインされ、度々強豪としてウルトラ戦士達の前に立ちはだかった。

 

この作品に登場した個体は、STORY0の様な武人派だな性格で、ウルトラ兄弟必殺光線をパワーアップした『ウルトラマン必殺光線』を使用する。

 

名前の由来はヘラクレスから。




新話、投稿させて頂きました。

第1話、完結。
誠十郎(ゼロ)VSテンペラー星人、無限・誠十郎機VS狂骨、ゼロVSテンペラー星人の豪華3戦でお送りいたしました。
やはり誠十郎も頑張らないと立つ瀬が無いと思い、狂骨との戦いは誠十郎自身に行わせました。
見事新生花組は、最初の勝利を飾る事となりました。

一方、テンペラー星人によって瀕死となっていた夜叉は何と『サロメ星人』に回収されてしまいます。
サロメ星人をご存じの方なら、この後夜叉がどんな運命を辿るかご想像がつくかと………

そして次回、第2話はクラリス回。
タイトルがちょっと変わっている様に、話の内容も少し変化しています。
花組メンバーも出揃い、更なる強敵怪獣・星人も登場。
楽しみにしていて下さい。

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