新サクラ大戦・光   作:宇宙刑事ブルーノア

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チャプター2『暴露』

チャプター2『暴露』

 

キリエル人・アゴナ

 

炎魔戦士 キリエロイド 登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝劇・地下司令室………

 

『! キリエル人だと!?』

 

(ゼロ! 知ってるのか!?)

 

『直接見たのは初めてだが………大昔から存在していたらしい精神生命体だ。人間の心を支配し揺さぶる悪魔の様な奴だ』

 

「ぶるあああああぁぁぁぁぁぁ………」

 

ゼロと誠十郎がそう遣り取りしている中、さくらを拘束したまま低く唸るキリエロイド・アゴナ。

 

「くうっ! は、放して………! あうっ!?」

 

「喚くな、小娘がぁ」

 

さくらが逃れようと身を捩ると、キリエロイド・アゴナは更に首を締め上げる。

 

「! さくら! さくらを放せっ!!」

 

それを見た誠十郎が、怒りのままに飛び掛かろうとしたが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「動くな、神山 誠十郎!! いや………『ウルトラマンゼロ』!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!? なっ!?」

 

「! 何ぃっ!?」

 

「神山さんが………ゼロさん?」

 

「まさか………」

 

「「!!」」

 

『『『『『『『!?』』』』』』』

 

キリエロイド・アゴナの思わぬ暴露に、誠十郎は元より、初穂・クラリス・あざみ、カオルとこまち、そしてモニターの先の3国華撃団メンバーは驚愕する。

 

「………やっぱりそうなの?」

 

一方、何処かでそんな予感がしていたアナスタシアは、納得が行った様な表情を見せる。

 

「ゼロさんが………誠兄さん?」

 

さくらも驚愕に目を見開いている。

 

「な、何を………」

 

「惚けるのかぁ? ならば、こうしてやろう」

 

何とか誤魔化そうと誠十郎が口を開いた瞬間、キリエロイド・アゴナはノーモーションで左手から火球を放った!

 

「!!」

 

慌てる誠十郎。

 

この状況では、躱せば他の誰かに当たってしまう。

 

ミライ達のフォローも間に合わない。

 

『誠十郎! 仕方ねえっ!!』

 

とそこで、ゼロがそう言って、ウルティメイトブレスレットからウルトラゼロアイを出現させる!

 

「! うおおおっ!!」

 

すぐさまそれを掴んで目に当て、誠十郎はゼロへと変身!

 

「ハアッ!!」

 

ウルトラゼロディフェンサーを展開して、火球を防ぐゼロ。

 

「! ゼロッ!」

 

「本当に、神山さんがゼロさんに………」

 

「「…………」」

 

遂に誠十郎がゼロへと変身する様を目撃する事となり、唖然となる初穂達。

 

「せ、誠兄さん………」

 

さくらも信じられないと言う表情をしている。

 

「ふんっ!」

 

とそこで、キリエロイド・アゴナがさくらの眼前に左手を翳す。

 

「!?」

 

その掌から怪しい光が放たれたかと思うと、さくらの瞳から光が消え、ガクリと気を失う。

 

「! さくら! テメェッ!!」

 

「ウルトラマンゼロォ。この娘を助けたくば、幻庵の魔城へと来るのだなぁ………フハハハハハハハッ!!」

 

怒りの声を挙げるゼロを気にも留めず、キリエロイド・アゴナはさくらと共に怪しい光に包まれ、司令室から姿を消した。

 

『! さくらっ!!』

 

「クソッ! 何てこった!!」

 

誠十郎が悲痛な叫びを挙げ、ゼロは思わず悪態を吐く。

 

「ゼロ………いや、神山………なのか?」

 

とそこで、初穂が恐る恐ると言った様子でゼロに声を掛ける。

 

「「「…………」」」

 

あざみ・クラリス・アナスタシアを始めとした他の面子もゼロに注目している。

 

「…………」

 

ゼロはゆっくりと一同の方を振り返ったかと思うと、その姿が光に包まれ、誠十郎へと戻る。

 

「「「「「!………」」」」」

 

その様に改めて驚きを示す一同。

 

「皆………その………俺は………」

 

何と説明したものかと、誠十郎は言葉に詰まる。

 

「皆! 説明は後よ! 今は鉄幹さんを医務室に!」

 

「「「「「「!!」」」」」

 

しかし、すみれがそう言い放ち、一旦誠十郎とゼロの事は置いて置き、鉄幹を医務室へと運ぶのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

医務室………

 

「完全に折れとるなぁ。全治1ヶ月ってところや」

 

鉄幹の治療を終えたこまちがそう言う。

 

「…………」

 

添木を当てられ、首から三角巾で釣っている左腕を右手で触りながら、鉄幹は無念の表情を浮かべている。

 

「そうですか………」

 

「オイ、神山。もう良いか? 話して貰っても?」

 

誠十郎がそう言うと、初穂がそう言って来る。

 

「こっちの準備は出来てるよ」

 

と、トランク型キネマトロンを用意していたイデがそう言い、キネマトロンを起動させると、画面に3国華撃団の面々が映し出される。

 

「………それじゃあ、話させてもらうぜ」

 

そこで、誠十郎はゼロと意識を入れ替えた。

 

「! ゼロ………か?」

 

「ああ、そうだ」

 

「時々神山さんが豹変したした様に見えた事があったのは、ゼロさんになってたからなんですね」

 

「納得………」

 

クラリスとあざみが、誠十郎(ゼロ)の様を見てそう言う。

 

 

 

 

 

そのまま誠十郎(ゼロ)は、自分の素性とこの地球に来た理由、そして誠十郎と一体化した理由を説明した………

 

 

 

 

 

『じゃあ、帝都中央駅で降魔を生身で倒したってのは、お前等の事だったのか!?』

 

シャオロンがゼロが誠十郎と一体化した時にあった帝都中央駅の出来事を思い出してそう言う。

 

『光の国………宇宙警備隊………マルチバース………』

 

『余りにもスケールが壮大過ぎて、正直圧倒されてしまったよ』

 

エリスとアーサーは、桁違いのスケールの話に圧巻される。

 

「黙ってて悪かったな………」

 

「ゼロ………」

 

申し訳無さそうに言う誠十郎(ゼロ)に、初穂が近づいたかと思うと………

 

「………あんがとな」

 

「! 何っ?」

 

突然礼を言われ、誠十郎(ゼロ)は困惑する。

 

「アタイ達が今までやって来れたのはお前のお陰だ」

 

「黙っていたのだって、事情が有ったからなんですよね?」

 

初穂とクラリスがそう言い合う。

 

「ゼロは私達の仲間………」

 

「今更何か言う事なんてないわ」

 

『我々も同じだ』

 

『『『『『『…………』』』』』』

 

続いてあざみとアナスタシアがそう言うと、エリスを始めとした3国華撃団の面々も無言で頷いた。

 

「お前等………へへ、ありがとよ」

 

誠十郎(ゼロ)は照れ臭そうに鼻を擦る。

 

「………それで、コレから如何しましょう?」

 

とそこで、カオルがそう言って話をコレからの事に切り替えさせる。

 

「あのアゴナってキリエル人が降魔皇の仲間だとするなら、天宮さんは恐らく幻庵の魔城ね」

 

「………やはり、乗り込むしかありませんね」

 

すみれがそう推察すると、ゼロから交代した誠十郎がそう言う。

 

「誠ボン、さくらを取り戻すんだ。そうすれば、私が片腕でも帝剣を打って見せる」

 

「! おっさん! アンタ、まだそんなこと言ってんのか!?」

 

とそこで、誠十郎にそう言って来た鉄幹の言葉を聞いて、初穂が怒鳴りつける。

 

「現実を見ろ! 今の状況で打てる手立ては新たな帝剣を打つ事だけだ! だから10年前! 私は妻の命を使った!! ひなたもそれを受け入れた!!」

 

しかし、鉄幹は逆に怒鳴り返す。

 

「ひなたは、大切な人達を守る為に………何よりさくらの未来を守る為に………命を懸けたのだ!」

 

「犠牲者はいつもそうだ。文句だけは美しいけれど………」

 

「!?」

 

と、飽く迄正論だと通そうとした鉄幹に、イデがピシャリと冷や水を浴びせた。

 

「イデさん………」

 

温厚な彼らしからぬ怒りと嫌悪を露わにしたイデの表情を見て、誠十郎も思わず黙り込む。

 

「兎に角! アタイ達は新しい帝剣なんか必要無えっ!!」

 

「そもそも幻庵達を倒してしまえばそれで済む話………」

 

「その通りよ………」

 

初穂・あざみ・アナスタシアが口々に言う。

 

「それに………今此処にはウルトラマンさんが4人も居るんです! 例え降魔皇が復活したとしても、決して遅れは取らない筈です!」

 

クラリスも、誠十郎を始め、リク・ミライ・大地を見ながらそう言い放つ。

 

「「「…………」」」

 

それを聞いたリク・ミライ・大地は、力強く頷いて見せる。

 

『無論我々も協力する。降魔皇の復活は世界の危機だからな』

 

『『『『『『………』』』』』』

 

当然、3国華撃団の面々の気持ちは同じだった。

 

「良し! 行くぞっ!! さくらと帝剣を取り戻し、幻庵達を倒し、降魔皇の復活を阻止する!!」

 

そしてその場を締める様に、誠十郎がそう高らかに宣言する。

 

「………やっぱり………花組の隊長はこうじゃないと、ね」

 

そんな誠十郎の姿に、大神の姿を重ねながら、すみれは微笑んだ。

 

「貴方達の覚悟に、わたくしも賭けます!………勝ちますわよ、この戦い!!」

 

「すみれさん!」

 

「いよいよ帝国華撃団の『切り札』を切る時が来たみたいね………」

 

「! 『切り札』!? それは一体!?」

 

初めて聞く、帝国華撃団の『切り札』なる存在に、誠十郎が驚きを示す。

 

『こちら司馬。すみれさん、準備完了しましたぜ』

 

とそこで、キネマトロンの映像に、何やら機関室の様な場所に居る令士の姿が割り込んで来た。

 

「令士!? お前、今何処に居るんだ!?」

 

「詳しい事はまた後で………一旦司令室へ戻りますわよ」

 

見慣れぬ場所に立つ令士の姿に誠十郎が尋ねるが、それを遮る様にすみれがそう言う。

 

「わ、分かりました………」

 

一抹の謎を残しながらも、一同は再び司令室へと向かう。

 

「…………」

 

一方、1人取り残された鉄幹は、診察用の椅子に腰掛けたまま、若干顔を伏せていた。

 

『犠牲者はいつもそうだ。文句だけは美しいけれど………』

 

「………私は………間違っていない」

 

脳裏に先程のイデの言葉が反復し、鉄幹はそう呟く。

 

まるで自らにそう言い聞かせているかの様に………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

華撃団の本拠地を強襲してきたアゴナ。
誠十郎とゼロの正体を暴露し、さくらを連れ去ります。
幸い、誠十郎とゼロは今までの活躍があり、すんなりと受け入れられましたが………
連れ去られたさくらですが、勿論大変な事になります。

そして尚も新しい帝剣を作ろうとしている鉄幹。
そんな彼に、イデさんのあの名台詞を言ってもらいました。
結局犠牲者を賞賛するのって、只の綺麗事なんですよね………
自分は間違っていないと思う鉄幹ですが、後にそれが根底から崩される事になります………

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