チャプター8『闇の巨人達』
ウルティノイド ダークメフィスト・ドライ
愛憎戦士 カミーラ 登場
魔幻空間内………
「さ、さくらっ!?」
『アレは!?』
カミーラへと変身したさくらを見上げ、驚愕を露わにしている誠十郎とゼロ。
「ぶるあああああぁぁぁぁぁぁぁ、愛憎戦士 カミーラよぉ! 後は任せたぞぉ!!」
「愛した女と戦えるかな? ハハハハハハッ!!」
そんな誠十郎達を尻目に、アゴナと幻庵は高笑いを残して姿を消す。
『野郎! 高みの見物か!!』
「フウウウウ~~~~………」
と、ゼロがそう言った瞬間、カミーラ(さくら)が動き出す。
「!!」
身構える誠十郎。
「…………」
しかし、カミーラ(さくら)の視線が向けられたのは誠十郎ではなかった。
「!? 何っ!?」
カミーラが視線を向けたのは、アゴナと幻庵が居なくなった帝劇の方だった。
「…………」
そのまま帝劇に向かって拳を握った右腕を振り被るカミーラ(さくら)。
「!! さくらっ! 止めろぉっ!!」
「フワアッ!!」
誠十郎の制止も虚しく、カミーラ(さくら)は右腕を振り下ろし、帝劇の時計台を破壊した!!
「ウワアァッ!!」
更に今度は足を振り上げたかと思うと、外壁の一部を踏み潰す!!
「ウワアアアアァァァァァーーーーーッ!!」
咆哮を挙げ、更に帝劇を叩き壊して行くカミーラ(さくら)。
「止めろっ! 止めるんだ、さくらぁっ!!」
必死にそう叫ぶ誠十郎。
例え本物でなくとも、あれ程に帝国華撃団に誇りを持っていたさくらが帝劇を破壊するなど、悪夢以外の何ものでもなかった。
『誠十郎! 行くぞっ!!』
と、ゼロもマズイと感じ、すぐさまウルティメイトブレスレットからウルトラゼロアイを出現させる。
「! デュワッ!!」
誠十郎はすぐさまウルトラゼロアイを装着し、ゼロへと変身した!!
「ハアッ!!」
「フウウウウゥゥゥゥゥ~~~~~………」
地響きを立てて着地を決めるゼロだったが、その時には既に帝劇は跡形も無く破壊され尽くされてしまっていた………
『帝劇が………』
「さくら! お前、如何言う積りだ!?』
愕然とする誠十郎と、カミーラ(さくら)に向かって問い質すゼロ。
「………如何言う積り? 誠十郎さんやゼロさんこそ如何言う積りなんですか?」
しかし、カミーラ(さくら)は逆にそう問い返した。
「何だと?」
「二都作戦の時、降魔皇を封印出来たのはお母さんの命を使ったから………けど、帝都の人達はそんな事なんて知らずにいて、誰も感謝なんてしてない………そして降魔王が復活しそうだから、今度は私の命を犠牲にしろって………」
『さくら! それは違………』
「そんな帝都や人々を何で守らなきゃならないんですか!? 折角お母さんと会えたのに、また引き裂こうとするんですか!?」
否定しようとした誠十郎の声を遮り、カミーラ(さくら)の激昂の声が木霊する。
「そうですよ! 帝都に守る価値何て無い! 帝国華撃団なんて、必要無いんです!!」
『さくら! お前!!………』
「ウワアアアアァァァァァーーーーーッ!!」
とそこで、カミーラ(さくら)の右手に氷の鞭『カミーラウィップ』が出現!
それをゼロに向けて振るった!!
「!? うおっ!?」
慌てて転がる様にして回避すると、カミーラウィップは先程までゼロが居た地面を爆ぜさせた。
「ハアッ! ハアッ! ハアアッ!!」
尚も回避を続けるゼロに向かってカミーラウィップを振り回すカミーラ(さくら)。
幻影ではあるが、帝都の街がドンドン瓦礫の山に変わって行く………
『さくら!』
「誠十郎! 今は戦うしかねえ! 手加減して止められる相手じゃねえ!!」
『クソオオオオオォォォォォォーーーーーーーッ!!』
ゼロの言葉に、誠十郎は無力感からの咆哮を挙げるしかなかった………
インナースペースの誠十郎の前に、ニュージェネレーションカプセルαとβが出現すると、ウルトラゼロアイをライザーにセットする。
「ギンガ! オーブ!」
『ショオラッ!』
『デュアッ!』
そして先ず、ニュージェネレーションカプセルαを起動。
ギンガとオーブのビジョンが現れ向かい合うと、カプセルを装填ナックルにセット。
「ビクトリー! エックス!」
『テアッ!』
『イィィィーッ! サーーーッ!』
続いてニュージェネレーションカプセルβを起動。
ビクトリーとエックスのビジョンが現れ向かい合うと、カプセルを装填ナックルにセット。
ウルトラゼロアイを装着したスキャナーのトリガーを押すと、装填ナックルを読み込む。
『ネオフュージョンライズ!』
「『俺に限界はねぇっ!!』」
音声が響く中、誠十郎とゼロがそう叫び、ライザーを目の前に持って来て、トリガーを押す!
「『ハアッ!!』」
そして気合を入れると、誠十郎の姿がゼロへと変わり、背後にギンガ、ビクトリー、エックス、オーブ(オリジン)のビジョンが出現!!
『ニュージェネレーションカプセル! α! β!』
そのビジョンが、次々にゼロに重なる様に融合。
『ウルトラマンゼロビヨンド!』
そして、ゼロの姿が、ゼロビヨンドへと変わった!!
「ビヨンドツインエッジッ!!」
両手にゼロツインソードを握るゼロビヨンド。
「フッ!」
そこでカミーラ(さくら)も、カミーラウィップを氷の刃『アイゾード』へと変える。
「シャアッ!」
「テヤッ!」
カミーラ(さくら)の繰り出して来た袈裟斬りを、左手のゼロツインソードで受け止めると、右手のゼロツインソードを横薙ぎに振るうゼロビヨンド。
「ハッ!」
しかし、カミーラ(さくら)は跳躍して回避したかと思うと、ゼロビヨンドの頭上を飛び越え、背後に着地。
「チイッ!」
ゼロビヨンドはすぐさま振り返ったが、その瞬間に振り返りもせずに繰り出されたアイゾードの突きを喰らってしまう。
「グハッ!?」
刺された部分から光エネルギーを血飛沫の様に飛び散らせながらよろけて後退るゼロビヨンド。
「フッ!」
そこでカミーラ(さくら)が、アイゾードを握ったまま構えを執る。
『!? あの構えは!? マズイ、ゼロッ!!』
「天剣………千本桜っ!!」
それが何の構えであるか気付いた誠十郎が叫んだ瞬間、カミーラ(さくら)は必殺の天剣・千本桜を繰り出す!!
「! ツインギガブレイクッ!!」
ゼロビヨンドは咄嗟にツインギガブレイクを繰り出し、飛んで来た斬撃波を相殺する。
「ハアアアアアアァァァァァァァッ!!」
しかし、その間に突っ込んで来ていたカミーラ(さくら)が、アイゾードで突きを繰り出して来る。
「うおっ!?」
「ハアッ! ハアッ! ハアアッ!!」
間一髪首を曲げて回避したゼロビヨンドだったが、カミーラ(さくら)は連続で突きを繰り出して来る。
「よっ! はっ! ほっ!」
「フアッ!!」
それにボクシングの回避の様に次々と躱すゼロだったが、そこでカミーラ(さくら)は不意を突いてアイゾードを再度カミーラウィップに変えて振るう。
カミーラウィップはゼロビヨンドの両手首に巻き付き、ゼロビヨンドはゼロツインソードを手放してしまう。
「!? しまっ………」
「ハアアアアアアァァァァァァァッ!!」
た、と言い切る前に、はそのままカミーラウィップを振るい、ゼロビヨンドを投げ飛ばす!
「おわああっ!?」
投げ飛ばされて空中で1回転すると、ビルの上に背中から叩き付けられ、ビルを押し潰すゼロビヨンド。
「チイイッ!」
とそこで、ゼロビヨンドはウルトラ念力で、地面に落ちていたゼロツインソードをクワトロスラッガーに戻し、カミーラ(さくら)へ放つ。
「フッ! ハアッ!!」
カミーラ(さくら)は再びアイゾードを構えると、クアトロスラッガーを次々に跳ね飛ばすが、その間にゼロビヨンドは体勢を立て直し、一旦距離を取ってクアトロスラッガーを頭部に戻す。
「エメリウムスラッシュッ!!」
3つのビームランプから、通常時とは比べ物にならないエメリウムスラッシュを放つ。
「グウウウウウウッ!!」
そのエメリウムスラッシュをアイゾードで受け止めるカミーラ(さくら)。
「!? ウワアァッ!!」
しかし、受け止め切れずにアイゾードが消滅する。
「ウオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーッ!!」
そこでゼロビヨンドは一気にカミーラ(さくら)に接近。
その横っ面を思いっ切り殴り飛ばした!!
「!!」
『目を覚ませ! さくら!!』
よろけて後退ったカミーラ(さくら)に向かって、誠十郎は叫ぶ。
『お前は真宮寺 さくらさんに助けられ、その姿に憧れて帝国華撃団に入ったんだろ! そのお前が帝都を滅ぼす降魔皇の復活を許すのか!!』
「………結局誠兄さんも帝都を守る為に、私に犠牲になれって言うんですね」
呼び掛けを続ける誠十郎だったが、カミーラ(さくら)には届かない………
『さくら、違う! 俺は!!………』
「五月蠅い! 黙れ黙れ黙れぇっ!!」
尚も説得を試みた誠十郎の言葉を遮り、カミーラ(さくら)は叫び散らす。
「嫌いだ! お父さんも、帝都も、華撃団も、誠兄さんも! 皆皆嫌いだあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」
完全に負の感情が暴走し始めるカミーラ(さくら)。
途端にその身体から、凄まじい闇とマイナスエネルギーが溢れ出す!!
「『!? うおわぁっ!?』」
その量は半端では無く、溢れ出した際の衝撃波だけで、ゼロビヨンドがブッ飛ばされる。
「そぉうぅだぁ、天宮さくらぁっ!! それを待っていたぁっ!!」
とそこで、突如としてアゴナの声が響いて来た。
「! アゴナッ!!」
ゼロビヨンドが声を挙げた瞬間………
地面から怪しげな炎が立ち上り、ゼロビヨンドとカミーラ(さくら)を包み込んだのだった………
◇
その頃………
魔城・外部では………
「ひえあぁっ!!」
メフィストクローでジード(ロイヤルメガマスター)に斬り掛かるダークメフィスト・ドライ。
「ハアァ!」
ジード(ロイヤルメガマスター)はキングソード(剣モード)で受け止める。
「ひゃひゃひゃひゃあっ!!」
「フッ、ハアァ!」
そのままメフィストクローを何度も振るって来るダークメフィスト・ドライだが、ジード(ロイヤルメガマスター)はその1撃1撃を見逃さず的確に受け止める。
「ハッ!」
「グハッ!?」
そして一瞬の隙を衝き、身体ごと回転しながらの横薙ぎを叩き込む。
「野郎っ!!」
背中を向けたままのジード(ロイヤルメガマスター)に、再度メフィストクローを叩き込もうとするダークメフィスト・ドライだったが………
「ハアァ!」
ジード(ロイヤルメガマスター)は振り返ると同時に、左手に逆手に持ち替えたキングソード(剣モード)で受け止め、空いた右手でダークメフィスト・ドライの腹に掌底を叩き込む。
「ゴフッ!?」
よろけて後退った後、腹を押さえて膝を着くダークメフィスト・ドライ。
「ハアァ」
そのダークメフィスト・ドライを見下ろす様にしながら、優雅に構えを執っているジード(ロイヤルメガマスター)。
「この、金ぴか野郎っ!!」
そんな姿に怒り心頭と言った様子で、ダークメフィスト・ドライは三日月形光線『ダークレイフェザー』を放つ。
『アン! ドゥ!』
「ハッ! スウィングスパークルッ!!」
空かさずインナースペースのリクは、キングソード(剣モード)に2回左手を翳し、回転しながら刀身に集めたエネルギーを放って斬り付ける必殺技『スウィングスパークル』を繰り出した!
「!? ギャアアアアアアァァァァァァァッ!?」
ダークレイフェザーはアッサリと打ち破られ、逆にスウィングスパークルの直撃を浴び、ダークメフィスト・ドライは汚い悲鳴と共に倒れる。
「ハアッ」
「良いわよ、リク!」
そのダークメフィスト・ドライを見据えながら優雅に構えを執るジード(ロイヤルメガマスター)に、アナスタシアが声援を送る。
「ヘッ! 何でぇっ! トンだ見掛け倒しじゃねえかよ!!」
一方初穂は、ジード(ロイヤルメガマスター)に圧倒されているダークメフィスト・ドライに向かってそう言い放つ。
「クソがぁ! もっとだ! もっと闇の力が有れば………」
「? 闇の力?」
ダークメフィスト・ドライから洩れた愚痴に、クラリスが一抹の疑問を感じた瞬間………
突如として魔城に地響きが走る。
「! 何っ!?」
あざみがそう声を挙げたかと思うと、魔城の天辺から、まるで火山の噴火の様に火柱が立ち上る。
「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」
その場に居た全員の注目が、その火柱に集まった次の瞬間………
火柱が弾け、中からゼロビヨンドとカミーラ(さくら)が姿を現した。
「! ゼロさんっ!?」
「アッチの巨人は………」
声を挙げるクラリスと共に現れたカミーラ(さくら)を注視するアナスタシア。
「ウワアアアアァァァァァーーーーーッ!!」
「!? あの声は!?」
「さくらっ!? さくらなのか!?」
そこでカミーラ(さくら)が咆哮を挙げ、それによりあざみと初穂が気付く。
「! 此処はっ!?」
『!? 外に出たのか!?』
魔幻空間から魔城の外へと転移された事に戸惑うゼロビヨンドと誠十郎。
「時は来たぁっ!!」
とそこで、そう言う台詞と共に、アゴナと幻庵が宙に浮かんだ状態で現れる。
「! アゴナ!!」
『幻庵!!』
「幻庵よぉ、今こそ帝剣の真の力を解放させるのだぁ!」
「天宮 さくら! その力、使わせてもらうぞっ!!」
ゼロビヨンドと誠十郎の声が響く中、アゴナが呼び掛け、幻庵が帝剣を天に翳す。
すると、帝剣の刀身が光を放ち始める。
「アアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」
そしてカミーラ(さくら)が、闇とマイナスエネルギーの塊となり、帝剣へと吸い込まれた!!
『! さくらああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!』
「さあ、今度こそ復活の時です! 蘇り下さい! 降魔皇様ああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」
誠十郎の悲鳴の様な声が響く中、幻庵がそう言い放つと、帝剣の刀身から凄まじい負のエネルギーが放たれ、上空の時空の裂け目へと撃ち込まれたのだった………
つづく
新話、投稿させて頂きました。
カミーラとなったさくらと戦うゼロと誠十郎。
誠十郎が必死に呼び掛けるも、さくらには届かない………
遂に感情が暴走を始める。
一方、ロイヤルメガマスターとなったジードは、ダークメフィスト・ドライの朧を難なく捌いている。
しかし、如何やらまだダークメフィスト・ドライは本調子ではない様子………
そこで遂に!!
カミーラ(さくら)のマイナスエネルギーとして吸収した帝剣が、時空の裂け目を刺激。
遂に降魔皇が復活するのか!?
しかし………
次回遂に、アゴナの目的が明らかになります。
そして、帝剣と降魔皇の衝撃の事実が明らかに!?
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。