葉山の受難   作:もよぶ

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第一話

「雪ノ下雪乃が男子と付き合いだしたらしい」

既に学校中の噂になっているようだ、当然であろう何しろ知らぬものはいない学校一の美少女である、もう片方は文化祭、体育祭といろいろ悪い方面で噂がある上に今年から開催されたプロムは雪ノ下雪乃を手に入れるため反対する保護者達を彼が恫喝し開催にこぎ着けたらしいという噂が流れるほど曰く付きの男なのだ。

 

「雪ノ下さん付き合い始めたんだって」

「えーだれだれ?やっぱ葉山君?」

「それが違うの、ほら、めったに誰とも話をしないあいつ、ひきなんとかってあそこの・・・」

「えーマジで?あいつヤバイ噂しか聞かないんだけど?そういえば雪ノ下さんを無理やり手に入れる為に色々やったとか・・・脅されてるのかな・・・可愛そう」

 

やれやれまたか、葉山は重い腰を上げ噂話をしてる女子達のもとへ行く

 

「君たちなにか用かな?俺のこと話してたみたいだけど?」

「あ!葉山君、雪ノ下さんが付き合いだしたって知ってる?なんかあの変なやつとらしいの!葉山君の方が絶対お似合いだと思うんだけど!」

「そうみたいだね、でも残念ながら俺には他に気になってる人がいるんだよ」

というと二人は目を輝かせる

「えー!本当?だれだれ?三浦さん?海老名さん?」

「さーだれでしょう?もしかすると君たちの身近な人かもしれないよ?でも告白するとしたら卒業の時かな?」

こう言うと

 

「え?それってもしかして・・・」

と二人は顔を見合わせぼそぼそと話始める、これで彼女たちの頭から比企谷達の話題は消滅した。

 

二人が付き合いだしてからちょくちょくこういうことは起きている、他のクラスとなるとわからないが大きな問題になってないところを見ると、結衣や優美子のいるところは彼女らがうまくやっているんだろう。

 

葉山本人としてはあの二人が付き合い始めたということに関して少しほっとしているのだった。

なにしろあの二人にはあまりに色々有りすぎたからである。

自分も関与していることがいくつかあるので、これから多少は協力をしないとなとは思ってはいるのだ。

 

しかし噂程度であの二人の仲が裂かれるとは全く思ってはいないのではあるのだが、放っておくと嫉妬した男どもや、目の前の女子の様に余計な気遣いをして比企谷に何かを言ったりしたりするか分らないのである。

 

そして何かが起きてしまうと今度は雪ノ下雪乃が何をするかわからない、そしてその結果、陽乃さんが動いて最終的に被害が来るのは自分になるのは想像に難くない、つまりは保身のためということもある。

 

ただそんな事より葉山にとってもっと大きな問題が生じていた。

ピロリンと葉山のスマホにLINEメッセージが届いたという通知が来る

 

「あ!もしかして葉山君、それって気になる人から?」

女子達が色めき立つ

メッセージの相手を確認すると葉山はニッコリと笑うと

「どうやらそのようだ、ちょっと失礼するよ」

女子達は完全に葉山の相手の話で盛り上がっている中自分の席へ戻る葉山

 

「んなわけないだろ・・・」

ボソッと独り言を言い席についた葉山はため息をつき内容を確認する。

相手は雪ノ下雪乃であった。

 

『あなたにこんなことを聞くのは誠に遺憾なのだけれど男性と一緒に歩く時に毎回女性から手を繋ぐというのは、男性から見るとはしたない女として見てしまったりするのかしら?』

 

葉山のLINEに雪ノ下から男女の接し方の相談みたいなものが良く来るようになったのだ。

 

もし困ったらいつでも相談に乗ると二人につい言ってしまったことがある。

その時二人ともいらないだの不要だだのいっていたがその結果がこれである。

 

しかも枕には必ず遺憾だのなんだのと入れてくる、ため息混じりになんと返答をするか考えてるとさらに別な人からLINEが来る

 

『おまえにこういうこと聞くのは癪なんだが彼女の家で二人っきりになりたいと思うのはどうなんだ?いやらしいことする気満々だろこいつとか思われたりしないだろうか?そんな気はさらさらないんだが、いや少しはあるんだが、いやあわよくばとか思ってないが、いや高校生活最後の思い出とか彼女が拒否らなかったらとかまあ色々あるんだがそれはまず置いといてどうなんだ?なかなか周りが放っておいてくれなくてな、二人っきりで話がしたいとか同じ本を読んだ感想を言い合いたいとかそういう理由なんだが』

 

相手は比企谷八幡、この男も雪ノ下と同様接し方について聞いてくる、海浜合同プロムの時連絡先を教えたのだがその結果がこれである。

しかも雪ノ下同様必ず枕詞に聞くのが嫌だけどみたいな言葉を淹れてくるあたりどうしようもない。

 

「クドい、そして無駄に長いよ、それに同じクラスですぐ近くにいるんだから直接聞きに来いよ・・・大体お互いそんなこと気にする様な性格じゃないだろ・・・」

頭を抱える葉山

 

以前、いつでも相談に乗ると言ってしまった手前言いにくいがなぜ自分ばかりにこんなことを聞くのか、もっと他にいるだろうと面と向かって苦言を申し立てたことがあるが、雪ノ下の場合は

 

「仕方ないじゃない、あなた以外にこういうことに詳しい人が私の知り合いにいると思って?」

「陽乃さんやいろはや結衣がいるだろ?」

 

「姉さんは特定の男性と付き合ったことなんてないでしょ?それにそんなこと聞いたら散々バカにされて笑われた挙句比企谷くんに迷惑がかかるわ、一色さんに聞くと小町さん経由で比企谷くんの耳に入る可能性があるでしょう?それと由比ヶ浜さんに聞けとかあなた正気?バカ?」

 

このあと散々人のことを罵倒して

「とても遺憾なのだけれどほかに聞く人がいないのよ、あとこの件姉さんに伝えたらどうなるかわかっているわよね?比企谷くんにも内緒よ?気を使わせたら悪いし何より恥ずかしいもの」

そう言うとさっさと立ち去ってしまった。

 

比企谷の場合は

「大体俺の周りでこの手の事情に詳しい奴がお前以外にいると思うか?この件に関しては小町は正直あてにならん、あいつは自分の姉を増やすことに執着していてな、相談したらいつのまにか由比ヶ浜や一色が混じることになるからできん」

 

他の男どもに聞けよと言ったが

 

「戸塚にそんな気を遣わせるとかおまえ正気か?バカなのか?他には材木座一派ぐらいだがあいつらは二次元に生きているから駄目だ、セーブはこまめにしとけとか平気で言いそうだからな、戸部だと翌日はクラス全員が相談内容を知ることになるから駄目だ、本牧に聞いたことあるがあいつはもう人の話を聞いちゃいねぇ、逆に受験が大丈夫か心配になるまである」

 

この後自分がいかに友達が少ないか、ボッチのコミュ障なのかを熱弁され

「んじゃ悪いがまた相談するから、他の人にバラしたら雪ノ下さんにあることないこと吹き込むからな、無論雪ノ下にも秘密だ、あいつに余計な気を使わせるわけにはいかないし恥ずかしいからな」

 

そういうと去っていった。

 

「なんなんだあの二人、恥ずかしいなら俺に聞くな!俺を何だと思っているんだ?大体俺だって彼女いた事なんてねぇよ!特に比企谷!毎日一緒に弁当食べる仲間がいて何がボッチだ!いい加減にしろ!」

人に見られないよう悪態をつく葉山であった。

 

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