自称ボッチの比企谷は昼休みになると奉仕部部室で雪ノ下や由比ヶ浜、一色、小町と一緒に弁当を食べてるのであった。
たまに戸塚や戸部も混じってくる、材木座もいつのまにかいる。
部室とはいえ空き教室を占拠、美少女に囲まれ騒がしい男子もいる、もはやだれが見てもリア充なのだが比企谷からするとこれもボッチらしい。
因みに葉山は、クラス替えにより二年までのグループメンバーがバラバラになったので特定の人とつるむ事はなくなっていた。
クラスが違っても友達だとか言っていたような気もするが現実はこんなもんである、たまに戸部や三浦や由比ヶ浜はやって来るが、海老名は同士を募ってそっちと一緒にいる事の方が多いし、大和や大岡なんぞ三年になってから一度も見てない。
今年は受験もある為、新しくグループを作るということをしなかったのだが、最もなんだかんだで人気が高い葉山のこと、お昼になるといろんな女子や男子から声をかけられ毎日誰かと一緒に食事をするはめにはなっていたのだ。
ブツクサと文句を言いながら頭を抱えていると今度は別な人からメッセージが
『あたしが好きな人と二人っきりになりたいんだけどあたしの友達もその人のこと大好きだから困ってるの、隼人君なんとかできないかな?あと優美子が隼人くんのことばかり話して対応に困るから構ってあげてね?』
なんとかって俺にどうしろと?それと結衣は色々吹っ切れ過ぎるだろ、立場逆転してるじゃないか
由比ヶ浜は比企谷達が付き合いだしてしまった辺りから色々吹っ切れたのか、三浦相手にもハッキリ強く物を言うようになり、三浦も生来からの面倒見の良さもあり、逆に由比ヶ浜に気を使うようになってしまったため結果として立場が逆転してしまったようだ。
『葉山先輩、ちょっと雪乃先輩と結衣先輩を呼び出してくれません?放課後2時間ぐらい、その間に既成事実作ろうと思うので、今日ならイケるはずです!』
いろは、おまえは学校で何する気なんだ?仮にも生徒会長だろ?
『八幡と話すと雪ノ下さんの話題で楽しそうなんだけどそればっかりだからちょっと寂しくなったよね、葉山君も寂しい?』
戸塚、何故に俺が寂しいと想うんだ?それに前みたいに嫁になってくれと言われてたほうが良かったのか?それはそれでアレじゃないだろうか?
『葉山殿、最近八幡がかまってくれないのよ、我寂しい』
君には遊戯部の二人がいるだろ
『最後に思いっきり生ハヤハチが見たいから隼人君脱いで』
・・・・・
対処が仕切れなくなった葉山は唐突に叫んでしまう
「あーもう!うるさい!」
「葉山君どうしたの?」
隣の席の女子が心配そうにこちらを見ている
「ああ、受験勉強で疲れていてね・・・大丈夫だよ心配させてごめん」
といつもの愛想笑いをすると女子はぱっと顔を赤らめて黙り込んでしまった。
とりあえずこれでごまかせたと安堵のため息をもらす葉山。
雪ノ下、比企谷以外にも比企谷の知り合いが葉山に無遠慮なメッセージを送るようになり、その対処に頭を悩ませていた。
材木座や遊戯部の二人になつかれてしまっているのはこの際別にどうでもいい、戸塚や一色や由比ヶ浜も適当に返信しておけば問題はない。
だが他人との接点が薄かったあの二人はいざお互い付き合うことになった現在、どうしていいかわからないことがかなり多いようで疑問が出るたびに自分に質問をするようになったのだ。
とある日の授業中、葉山のスマホにメッセージが届く、チラッと見るとプロムの時に作った関係者専用LINEグループに雪ノ下のメッセージが入っていた。
その内容を見て葉山は机に肘をついて額に手をやり深いため息をついた後ボソッと独り言を言う
「雪乃ちゃん、勘弁してくれよ・・・」
内容はこうだった
『明日比企谷くんの分もお弁当を作ってくるわ、だからあなたの好きよ比企谷くんな食べ物を教えてもらえないかしら?』
変な変換の仕方でもして予測変換にやられたのか?
いつもどんなやり取りしてるんだ?まあ予想つくけど!
とうんざりと言った表情をしているとLINEに次々とメッセージが入る
『雪ノ下、それは知っている、大丈夫だ』
『ごめんなさい、勝手に予測変換が出てしまったのよ、でも本当に好きよ?』
こいつらなにやってんの?いやマジで、今授業中なんだけど?
そう思い比企谷の方を見る
うわー気持ち悪いなー
ちょっと赤くなり凄い顔でニヤニヤしている。
他人のニヤニヤ顔というのは大変気持ちが悪い。
『わかっている、ただ今お前が発言しているのは知り合い全員が見れるグループのだ』
『これって消せないのかしら?』
『消せるらしいが諦めろ、こういうことは良くあることだ』
『そう、それじゃ関係者全員の頭から直接消さないと駄目ね』
『大丈夫!我もう知ってるから!全部知っているから!歪ませるとか!人生くれとか!誰にも言わないから!我だけは助けてほしいなり!』
『あ!この人また自分だけ逃げようとしてる』
『秦野、今授業中、あとこの先輩はいつもそうだろ』
『やっぱヒキタニ君パネーわやべーわ』
『先輩達が熱々なのは結構ですけどそういうのはちゃんと確認してからにしてほしいですね』
『あーあたしも好きな人にお弁当作ってみたいなー』
『由比ヶ浜、それはやめておけ』
『ひどいし!』
『やっぱ義兄さんはすごいっす!』
『大志、その文字はなんだ?お前放課後校舎裏な』
『あ?あんたうちの弟になにしてくれようとしてんの?大志、代わりにあたしが行くから家に帰るときに醤油買ってきてね』
『比企谷くん?なんで財津君が知っているのかしら?あとでじっくり二人っきりでゆっくり聞かせてもらうわ、それと川崎さん?比企谷くんに手を出すつもりなら私が相手になるから、私こうみえて強いのよ?』
『へぇー、金持ちはちがうね、何でも手に入って』
『あなた言っていいことと悪いことがあるのをご存じ?いいわ決闘ね』
『望むところ』
『私としてはヒキタニくんと隼人くんの尻闘(ケッとう)が見たいんだけど』
カオスすぎんだろ・・・なんで弁当の話から決闘になっているんだよ、しかも今授業中だろ、あと最後のは見なかったことにする、ものすごいねっとりとした視線を感じるけど無視だ無視、それよりエスカレートする前に納めないと
『ちょっと二人とも落ち着こうか、雪ノ下さん、比企谷への弁当の話じゃなかったのか?』
とメッセージをいれたところ
「おい!葉山!授業中になにをしている!お前弛んでるんじゃないか?!廊下に立ってろ!」
何故か俺が先生に見つかり注意されることに
比企谷の方をみるとなんのことですか?
みたいな面をしている、睨み付けるとぷいっと目をそらしやがった。
葉山はため息をつくと
「すみませんでした、廊下に立ってます」
もう無茶苦茶だ。
ため息を深くつくと廊下へと出る葉山であった。
廊下に出ると少し向こうのクラスの廊下には既に巨体が立っている、その向こうには黒髪ロングの女子が腕組みしながら廊下に出てきた。
葉山は初めは無視を決め込んでいたが強烈な視線を感じる、ちらっと見ると案の定J組の彼女はこちらを仁王立ちでにらんでいた。
「雪乃ちゃん怖すぎるだろ」
とりあえず顔をこわばらせて一応微笑んでみたところ間にいた材木座が何を勘違いしたのか喜んでる
またもやLINEが入る
『尊い笑顔をいただいた!我は幸せなり!』
いや君にじゃないんだが
『あの男に反論しようとしたら見つかって廊下に立たされてしまったわ、絶対に許さない』
「雪乃ちゃん本当にしっかりしてくれよ・・・」
ついボソッとつぶやいてしまう。
「放課後も俺がフォローすんの?やっぱこの流れだと」
頭が痛くなり座り込む葉山、それを見て何を勘違いしたかサムズアップをする材木座であった。