もう関わりたくないと思うのですがそうは問屋が卸さない。
次の日葉山が学校に行くと比企谷達はすでに登校していたようだ、校舎に入ると見知った顔がこちらをチラチラ見る視線を感じる。
教室につくと比企谷は材木座と何事かささやいてる模様、しばらくすると巨体に見合わず材木座が忍者のごとくその場を離れるLINEにまたメッセージが入ってくる
『よし!朝の打ち合わせ通りプランAで行くぞ!』
『あれ?さっきプランBって言ってただろおぬし』
『ヒキタニ君!プランDの準備出来たっしょ!』
・・・君たちまとまり無さすぎだろう、プロムやったの時のあの実行力はなんだったんだ?
いきなりポンコツになりすぎじゃなかろうか、やっぱ雪乃ちゃんがいないと比企谷は駄目駄目だな・・・
というか相変わらず俺も参加しているグループでやり取りするなよ。
気が付いてないのか?
ともかく放置しておくとまためんどくさいことになると思い、葉山は深いため息をつくと比企谷に話しかける
「なあ、比企谷」
「うわっいきなり話しかけんな!ボッチはなぁ・・・」
「・・・ボッチって・・・それはもういい、なあ、今日一緒に晩飯食わないか?奢るよ?」
こいつ一人にでもこっちから奢ってやればこれ以上変なことに発展することはないだろ、流石に今日飯をおごるという人を賭け事で嵌めようとするなんてことはしないだろうし、そうしてしまえば自ずと悪巧みも無くなるだろと思ったが、ここで誤算が生じる
「おごってくれるってマジで!さすが葉山殿!我焼き肉がいい!カルビは飲み物!」
いつの間にか後ろにいた材木座が歓喜のあまり叫び出す。
「え?ちょっとまって」
と材木座を押さえるがもう遅い
「え?葉山君本当に?僕楽しみ!」
何か棒のような物を持った戸塚が現れた。
その棒で俺になにする気だったの?
「まじか!隼人くんやベーわ!」
バケツを持った戸部も現れる
「葉山先輩さすが、尊い・・・」
と遊戯部の二人も出てくるが、その手に持ってるロープはなんだ?
本牧も出てくるが手に持ってるのはなんとサスマタ
「本牧、そのサスマタはなんだ?」
流石にこれを持ってうろつくのまずいだろと思ったが
「ああ、俺生徒会だからな、俺と藤沢がちょっと手を回してな、まあなんだプランCの為的な?」
また違うプランかよ!
それに職権濫用って言うんだよそれは!
「せっかく姉ちゃんにつくってもらったのにな」
と大志くんが出てくるがその手に持ってるのはどうみても網
その網を一晩で作ったの?!川崎さん凄すぎだろ!
なんで君たちは物騒なものばかり持っているんだ?俺を賭け事で嵌めるつもりじゃなかったのか?
LINEのやり取り途中まで見てたけどアホらしくなってそのまま寝たのが良くなかったな、俺なにされるとこだったんだろう?
朝からどっと疲れてしまい、よろよろと自分の席に着く葉山であったがそこに比企谷の容赦ない言葉が浴びせられる。
「さすがみんなの葉山様だな、んじゃ焼き肉頼むわ、食い放題のとこでいいぜ」
「いいぜじゃないだろ・・・」
結局食べ放題の安い店を食べログで「焼肉 安い」で雑に検索して店を決めることにした。
なんか星が凄く少なかったが構うものかとあきらめ気味で放課後皆を連れていくことにしたのだ。
しかし店に着くとまた問題である、肉の消費速度が半端ない上にやかましいのだ。
戸部は材木座にわんこそばの要領で次々肉を渡し、材木座は肉を飲み込んでる。
カルビは飲み物ってマジかよ!
でも豚と鳥はちゃんと焼かないと腹壊すぞ?
唯一真面目と思われた戸塚は実は肉の焼き方にうるさかったりとまるで落ち着かない。
ホルモンの焼き方でマジ切れして説教食らうとは思わなかった。
「下手に焼くと火が出すぎて火事になるかもしれないんだよ?葉山君わかってるの?」
そんなこと言われてもしらないよ!
大志くんも家の姉ちゃんはとシスコンっぷりを発揮しまくってて、遊戯部に至っては同意してるかのようでエロい目でしか見てない。
大志くん、ちょっと気を付けたほうがいいよ?
そしてこいつらも手が止まらない、メガネ曇ってるのにどうやって肉を判別してるんだろう?
比企谷と本牧は自分の彼女どっちが上かで胸倉つかみあって揉めている、しかも内容は他人が聞いたら赤面するようなことばかりである。
しかも顔が微妙に赤いのだが・・・興奮してるからだよね?
飲んでるのウーロン茶だよね?ウーロンハイじゃないよね?今の時期にやらかすと進学やばいからね?大丈夫?
幸い?にも呂律は回っているので酔ってはいないと思われる、あと話の内容から察するに二人ともまだ清い交際の様だが・・・
そしてトイレに行った隙に勝手に延長されてた。
この時は流石に自分のキャラを考えずに叫んでしまった
「お前らドンだけ食うんだよ!」
「んなの満足するまでに決まってるだろうがなあ本牧」
「そうだな、まだ足りない、藤沢の魅力を伝えるには言葉が足りん」
「は?雪ノ下の魅力の方が万倍あるっつうの!」
君たち、満足って彼女のことを言い足りないってこと?
んじゃあ焼肉じゃなくてもいいだろ?
勘弁してくれ
「八幡の言うとおりである、戸部殿、レバーを頼む」
君は少し自重したまえ、そしていつの間に戸部と仲良くなってるんだ?
「イヤー隼人君やべーわ、材木座君やべーって、俺さぁ肉が飲み物って知らなかったわ」
いや、飲みものじゃないぞ?大丈夫か戸部?こいつらがおかしいんだからな?
「葉山君、ここお肉育てておいたからさ、ちゃんと食べなよ?」
戸塚、君なんか怖いよ
「あー姉ちゃんや京華にも持って帰りたいんで持ち帰りいいっすか?」
食べ放題で持ち帰りは駄目だろ!
「・・・へー川崎さんに・・・んじゃあこの肉を・・・」
ちょっと待とうか?君たちなんか変なもん入れてんじゃないだろうな?
ってか持ち帰りは駄目!
突っ込みつかれて椅子に倒れこむように座る葉山に
「おい葉山、俺が言うのもなんだが食わないと損だぞ?」
と比企谷
「君ねぇ・・・既にこの状態が損なんだけど」
いつものさわやかさはどこへやら、くたびれ切った葉山は深くうなだれてしまうのだった。
「イヤーくったくった!他人の金で食う飯はうまいな!さすが葉山様、またよろしく!」
「葉山先輩!ありがとうございました!」
礼なのかなんなのかわからん事を言われひきつった笑いを返す葉山。
「あれ?これって結局巻き上げられてるよな?」
なんだかんだで結果的に比企谷達の目論見通りになってしまったことに気が付き、空っぽの財布を見てもうかかわらんでおこうと強く思う葉山であったが、残念ながらそうはいかないのであった。