尚、原作だとこの時期雪乃は実家にいますが今作品では一人暮らしに戻っている設定です。
また数日後の昼休み、今日は珍しく葉山は一人で食事をしていた。
一人でもやはり女子からは見られているのか黄昏ているのがかっこいいだの、声をかけてきなよとかボソボソとしゃべってるのが聞こえる。
ちなみに今日は比企谷も教室で食事をしていた、珍しいと思ったら今日締め切りのレポートをまだ書いていなかったらしくパンをかじりつつスマホをいじりながらレポートを描いてる模様、ずいぶんと器用だな。
ブラックコーヒーを飲みつつサンドイッチをほおばっているとまたもやLINEが入る、相手は雪ノ下、電話で簡潔に済ますんじゃなかったのかとコーヒーを飲みながらだるい気持ちで見ると
『初めては彼氏の部屋でというのが一般的らしいのだけど、比企谷くんの家にお邪魔して自分から体を求めに行ったらふしだらな女と思われないかしら?私のマンションでも良いのだけれどそれだと余計にいやらしい女と思われそうで嫌だわ』
「ぶはっ!ゲッホ!ゲッホ!」
吐き出した時にコーヒーが気管に入ったらしい、咳き込みが止まらない
「葉山君大丈夫?」
クラスの女子たちが集まってくる
「大丈夫、ちょっと咳き込んだだけ、ゲッホ、だから、ゲッホ」
めちゃくちゃ苦しいがなんとか女子たちをなだめて席に戻らせる、雪乃ちゃんはいったいどうしてしまったんだ?
確かにこんなの誰かに聞かれたら大変まずい、LINEで聞くのは正解だが、なぜそんな考えに至ったのか理由を問いただすと
『大学は新入生の女性を次々と犯すような下卑た男どもの巣窟なのでしょう?もちろん私はそんなのとは接点を持たないつもりなのだけれど、もしそんな男どもにハイエースに連れ込まれたらきっと抵抗できないでしょう、だからそうなる前に比企谷くんに私のすべてを捧げたいの』
んなわけないだろ・・・大学を何だと思っているんだ?そしてハイエースとか具体的過ぎるだろ
『この間比企谷くんと遊戯部に行った時に見たのよ、『清楚な彼女が大学生になった結果』というラノベが置いてあって、比企谷くんはラノベが好きでしょう?それにこれからの参考になるかもと思って、でも私がラノベとか恥ずかしいから黙って持ってきてしまったの、そして読んだら戦慄したわ』
いやそれただのエロ本なんじゃないか?勝手に持ち出すのもどうかと思うが、その前に彼らは学校になんて物持ち込んでいるんだ、ともかく雪乃ちゃんから取り上げてあとで説教だな。
と考えていると
『私がもしそうなったら男どもの一族郎党皆社会的に抹殺して私も死ぬ覚悟だわ、でもその前に比企谷くんに私のすべてを捧げておきたいの、すべての穴を・・・わかるでしょう?』
分からないよ!一族郎党とか怖すぎだろ、そして穴とか具体的すぎるだろ!エロ本読みすぎだ!
声にならない突っ込みを入れていると今度は比企谷からである
『なあ、そういえば普通付き合ってどのくらいでするもんなんだ?家でやりたいが家は小町が何か仕掛けてそうだし雪ノ下のとこはあの人が絶対何か仕掛けてるだろうしな、やっぱラブホがいいのか?未成年で入ってもばれないもんか?最近二人っきりになると雪ノ下のことをやけに意識してしまってな、お前だったら余裕で知ってるだろ?もう本当にどうにかなってしまいそうなんでな』
「そういえばってタイミング良すぎだろ・・・大体君はそんなこと考える前にさっさとレポートを終わらせろよ・・・」
というかこいつら本当に俺が知ってる比企谷八幡と雪ノ下雪乃なんだろうか?
だんだん自信が無くなってきた。
比企谷を見るとレポートを書く手が止まってないようだ。
「頭の中は雪乃ちゃんでいっぱいかよ・・・よくレポート書けるな」
頭を抱える葉山だったがここは学生らしくさせないとと思い直し
『とにかく俺たちは今受験が一番大事だ、そういうことは受験が終わってから考えようか?受験前にそういうことして勉強が手につかなくなるとかまずいだろ』
と二人に送るとすぐさま返信が来る
『でもキスぐらいはしたいのだけれど、キスと言えば恋人同士ではどんなキスが一般的なのかしら?この『清楚な彼女が大学生になった結果』によると彼氏とは軽いフレンチキスだけど下卑た男どもとは無理やりとはいえいきなりディープキスをしているわ、本来はどっちなのかしら?』
『キスもまだなんだよなぁ、ああお前はキスなんて日常茶飯事だろうから鼻で笑うかもしれんが俺たちにとっては真剣な悩みなんだよ、俺達?雪ノ下はまだ誰ともキスしてないよな?どうなんだその辺?もしかして俺だけ?』
どんだけキスしたいんだよ、まあわからんでもないけど!本当こいつら勘弁してくれよ、特に比企谷は俺をいったい何だと思っているんだ?
いろいろ言いたいことはあるがそこは葉山ぐっとこらえると
『キスについて知りたければここがお勧めだ、あとは各自解釈してやればいいと思うよ?でも時と場合を考えてね』
とイラついてる感情を見せることなくさわやかなメッセージと共に「やる夫で学ぼう!キスのあれこれ」のアドレスを教えてあげた。
これキスうんぬんもそうだがキスの歴史や文化背景も知れて面白いんだよね。
ただのハウツー動画よりもあの二人にはこういった学ぶ系の方がいいだろ、きっと正しいキスとはという議論からスタートして真面目に考えてなかなか実行に移さないだろう、あの二人はなんだかんだで真面目だし。
因みにスマホだとAAが崩れてしまうのが難点だがアプリを入れれば普通に見れる、読み物としても面白いのでキスをする予定がない人でも大変おすすめだ。
二人にメッセージを送った後比企谷を見るとレポートそっちのけでスマホを凝視している、アレ結構面白いからな、でも君はレポートをやるべきだろ。
その様子を見て教えたことをちょっぴり後悔する葉山だったが、5分もたったころに比企谷のスマホに着信があったようだ、何事か話していたが突如表情を変えてスマホを文字通り放り出しどっかに走って行ってしまった。
「いったいどうしたんだ?」
葉山は放り出されたスマホを拾い上げるとちょうど着信が来る、相手は比企谷の妹の小町
知らない間柄ではないので代わりに出ることにした
「もしもし」
「あれ?おにいちゃん?」
「残念、比企谷はこれ放り出してどっかに走っていったよ、俺は葉山だ」
「ありゃりゃ、葉山先輩でしたか!全くお兄ちゃんは・・・んじゃ伝言お願いします!今日小町たちはこれからちょっと用事があって海浜高校に行かないといけなくて、放課後も部活でられないってお兄ちゃんにいっといて下さい!雪乃先輩には伝えたのでそっちは大丈夫です!ではよろしくお願いします!」
「うん、わかった伝えておくね、生徒会頑張ってね」
「はい!あと結衣先輩も手伝ってくれるそうなので連れて行きます!そういうことでよろしくです!」
と電話を切られる
ははあ成程、だと今奉仕部の部室にいるのは雪乃ちゃんだけか・・・もしかして比企谷が走っていったのって雪乃ちゃんに何かあったのか?
着信履歴を見ると確かに雪ノ下雪乃とある、スマホも届けないといけないしちょっと心配になったので奉仕部の部室へと行くことにした。
部室の扉の前まできてノックをするが返事がない
「?おかしいな?」
明かりはついているので間違いなく中にだれかいるはずだ
「失礼するよ」
と扉をガラッと開けると
「違うわ、目を閉じるのよ?」
「すまん雪ノ下、あと顔の角度はクロスするようにだろ?いくぞ・・・」
「ええ・・・ん・・・もう一回やりましょ?」
「次はこっちに挑戦しようぜ?」
「ふふふ、あなたの口、マックスコーヒーの味がするわ?」
「お前の口は紅茶の味がする、しかし本当にキスの間は手のやり場に困るな」
「あなたの好きなところでいいのよ?」
「んじゃここだな」
「きゃっ、んもうエッチ・・・ん・・・」
バタン
扉を閉める葉山
「なに学校でキスの実践やってるんだよ・・・しかもノックの音にも気が付かない上に俺にも気が付かないとか夢中になりすぎだろ・・・」
どうやら実践してみましょうと雪ノ下が比企谷を呼び出した模様、扉の向こうではチュッチュッとした音が微妙に聞こえてくる。
今度は唇を啄むキスを実践してる模様、葉山はアドレスを教えたことをちょっぴり後悔しため息をつくとドアをガンガンと強くノックをする
ガタガタ
中から慌てて移動するような音が聞こえると
「どうぞ」
雪ノ下の声がする
「しつれいするよ」
と葉山は中に入る、二人を見ると微妙に顔が赤いし汗をかいているようだ。
こいつら夢中になりすぎだろ、心の中で突っ込みを入れつつ
「比企谷、忘れ物」
とスマホを渡す。
二人とも無言でこちらを見ている、いや睨んでると言った方がいいのか、葉山は再度ため息をつくと雪乃に向かう
「雪ノ下さん、遊戯部の連中から聞いたんだが、本が一冊無くなってるそうだ、もしかして『間違って』持ってきてたりしないかな?俺が返しておくから」
葉山は「間違って」の部分を強調しそう言うとハッとなる雪ノ下
「な、なんのことかしら?私は・・・」
「俺は今から遊戯部に行く用事があるから、もし『間違って』持ってきてたらついでに返しに行くけど?」
と今度は若干強めに言うと、雪ノ下はカバンを漁り一冊の本を取り出す
「・・・そ、そうね、そういえば、この本間違って持ってきてしまったの・・・ごめんなさい、私が返しに行くわ・・・」
「それには及ばない、俺が返してくるからね?」
と本を受け取る葉山、幸い本にはカバーがしてあり比企谷にはわからない模様
「なんだその本?」
比企谷が聞いてくる、葉山は本をポケットへ入れながら
「ちょっとした実用書だそうだ、カバーもかかっててわからないからね、間違いやすいんだろ」
適当にごまかすとそれよりと比企谷へ向き直る
「そんなことよりだ、あのな比企谷?レポート出さないとやばいぞ?今日締め切りなの忘れてないよな?俺は見せないから自分でやれよ?」
と言いうと
「比企谷くん?ちゃんと卒業できるのよね?留年したらわかってるわね?これでは安心してさっきの続きもできないわね!しばらくお預けね!」
どうやら雪乃ちゃんはお怒りの模様
「すまん!雪ノ下!この通り土下座でもなんでもするから!それだけは!」
「土下座する暇があったらレポート書いたらどうかしら?・・・そういえばあの男にも土下座してたそうね?噂を聞いたわ?」
とこちらを睨みつけてくる
あ、そういやそうだったな、なんかどうでもいいので忘れてた。
「ちょっとまて雪ノ下、それはだな・・・」
という比企谷を制して
「比企谷くんは黙ってて?葉山くんどういうことかしら?あなた比企谷くんになにか・・・」
もうこの人多分俺が何言っても聞かないだろうな、それにデートの為のアドバイスとか力説したら多分比企谷が色々かわいそうになるなと思う葉山
「それは男の約束でね、言うことはできないし別にやましいことはない、比企谷も納得している」
「あなた、そんなことを私が信じるとでも?」
と追及しようとしてくるので色々めんどくさくなる葉山
「例えばこの本の中身は俺は興味もないし読みたいとも思わない、『間違って』持ってきたんだろ?あるべきところに代わりに返しに行くだけ、そもそも君たちをどうこうするなら既に色々やってる、違うかい?」
と件のカバーがかかっている状態のエロ本を雪ノ下へ見せる
「なあ、その本、本当になんなんだ?俺にも読ませろよ」
とその様子を見ていた比企谷が興味深そうに言ってくるので
「実用書といっただろ、これは恋愛のハウツー本だよ、雪ノ下さんは比企谷との付き合い方をいろいろ考えてるみたいだからね、遊戯部に何故か置いてあったらしい、もしかしたら連中も色々考えてるのかもな」
と適当な作り話をする
「そっか、雪ノ下すまんな、苦労を掛けて」
「え・・・ええ、そうね、一般的な恋愛なんて知らないですものね、そうね、葉山くんの言う通りなの、ごめんなさい」
よしこれで一件落着だ
「んじゃ比企谷、レポート忘れんなよ」
と鎮火した爆弾に火をつけて部室を出る、後ろでは雪乃ちゃんがまたお怒りモードになって比企谷へ説教を始める。
しかしさっきの甘い雰囲気とは一転、比企谷はお叱りを受けているようだが、雪乃ちゃんもキスに夢中になっていたくせにどの口がそういうんだろうか?
しかもエロ本に触発されてとか、でもこの事態招いたのはやっぱ自分だよなぁと葉山は脱力感と後悔に襲われながら遊戯部の部室へと向かうことにする。
「失礼するよ」
遊戯部には相変わらず材木座と相模秦野がいた。
葉山は開口一番
「全員正座」
にこやかにその場にいた全員を正座させ、雪ノ下から没収したエロ本を見せながらこういうのは学校に持ってこないように、特に材木座は受験があるんだから問題を起こすなということを説教するのだった。
ついでに比企谷にも見せるなと言っておいた、見られて中身がこれだったら色々大変なことになりかねないからである。
教室に戻る途中廊下で三浦に遭遇
「あ、隼人久しぶり」
本当に久しぶりである、前のグループで未だに接触があるのは結衣と戸部ぐらいなものだ。
姫菜は3年になってからは教室の隅でほかの女子と俺と比企谷をねっとりとした視線で眺めている
一度話しかけたら、ものすごく残念そうな顔で
「なんでヒキタニ君と同じクラスになったのにそっちに話しかけないかな・・・これって運命だよ?」
と言われる始末、しかも同志とやらが周囲にいて皆一様にうなずくので接触しないようにしている。
因みに全員メガネである。
大岡と大和はどこのクラスになったかもしらん。
「なんか最近疲れてない?大丈夫?」
「え?そうだね、ちょっと比企谷達がね・・・」
と言ったとたん
「あ?ヒキオが隼人になんか迷惑かけてんの?ちょっとあーし文句つけてくる、どこ?部室?」
と三浦は怒り出す。
その様子に疲れ切った葉山は感激のあまり
「優美子・・・君だけだよ、俺の味方は・・・」
と三浦を抱きしめてしまう
「え・・・ちょっと隼人・・・こんな所じゃ・・・」
ちょうどその場にいた生徒たちも騒ぎだす
「葉山君が三浦さんを抱きしめてる!」
「三浦さんにはかなわないよ・・・」
「すごい!これスクープじゃね?」
「けっリア充め!」
「ちょっと隼人・・・ダメ・・・」
と身をよじる三浦にハッとなる葉山
「あ、ああゴメンね、ちょっと疲れてね、もう大丈夫」
「・・・隼人・・・疲れてるんなら今日あーしが癒してあげようか?」
「学生の常識の範疇ならな」
というわけで放課後二人は一緒に遊びに行くことになった。
ちなみに教室に戻った際、先に戻っていた比企谷に
「リア充はすげぇな、人前で抱き合っちゃうんだからな」
と皮肉交じりに言われたので
「君たちが部室で何をしようが勝手だが、人が入って来ても気が付かないのはどうかと思うけどな!」
とこちらも皮肉交じりに言ってやると
「え・・・もしかして・・・みてた?」
とたんに目が泳ぎだした、いい気味だ。
ちなみに比企谷のレポートは間に合わなかったらしく廊下で先生に土下座しているのを見た。
いきなり土下座とか普通の人はビビるだろ・・・
その後教室で一人猛烈な速度でレポートを書いていたところ見るとどうやらなんとかなるようだな。
夢中になるのは結構だがやるべきことはやれよと思うと
「じゃあね比企谷、がんばれよ」
と葉山はさわやかに言うと背後に恨みがましい目つきを感じながら廊下で自分を待っている三浦の元へ行くため教室を後にするのだった。
「やる夫で学ぼう!キスのあれこれ」
これ面白いです、キスに関する色々なことが知れるのでSS書く人の参考にもなります。