前話で設定ミスがあったので少し変更してます。
具体的にはマシュが資料で知っている冬木は炎上前であり、間違えて炎上後の冬木を資料で知っていることにしてしまっていた点ですね。
それは俺と2人とを挟んで現れた。
若い男が映る青っぽいウィンドウ。
そこから発せられる声にどこか軽いものを感じる。
「ドクターロマン!」
「ちょっと待って!2人のすぐ近くに捉えきれないおかしな反応があるんだけど他に誰かいるのかい!」
2人が俺の方を見る。
戦闘終了のインフォが無かったからまだ敵に捕捉されているのかと思っていたが、こいつが見ていたからか?
いや、遠くから視線や殺気のようなものを感じるがこの男とは別だと判断出来る。
なんというか、ヘラヘラとしていて雰囲気が軽いのだ。
殺気とは結びつかないと思う。
2人が現状と俺の事を伝えたようだが、殺気を感じる方向を確かめていたせいであまり話を聞いていなかった。
取り敢えず、サーヴァントのマシュはマスターの立香君が居ないと駄目ってことだな。
「えーと、多数のスケルトンに囲まれて絶体絶命の窮地だった所を助けられたってことで合ってる?」
「はい。間違いありません」
「あー⋯⋯。取り敢えずお礼を。2人を助けてくれてありがとうございました」
「大した事じゃないよ。それより、色々と詳しいみたいですけど話を聞いても?」
「答えられることなら答えるけど、改めて聞くね。キースさん、君はサーヴァントで合ってる?」
「サーヴァント?いや、私は人間だが」
「えっ?」
沈黙が流れる。
サーヴァントと言うのはマシュの識別結果で見たが、確か、あの位置は種族を表す所だったはずだから種族を答えたけど、違うのか?
男がブツブツと気配遮断だとかアサシンだとか呟いている。
気配遮断に暗殺術のスキルは確かにあるが。
「質問はいいか?」
「あっ、うん、ごめん」
「一番知りたいのはここが何処かって事なんだが」
「あーっと、確か資料によると、うん、2004年の日本の地方都市冬木市だね」
「2004年?ちょっと待ってくれ、今は203X年じゃないのか?それに日本って」
「え、203X年?今は2016年だよ?」
「いやいやいやいや、あんた今、2004年って」
「ドクターロマン!通信途絶まで後10秒です!」
「むっ、予備電源に切り替えたばかりでシバの出力が安定していないのか。マシュに立香君にキースさん、そこから2キロ先に霊脈の強い所がある。そこでなら通信が安定す⋯⋯キー⋯⋯はな⋯⋯で⋯⋯」
ブツ、という音ともにウィンドウが閉じる。
クソッ!
何が起こっている?
ホーリーランドオンラインの奴らでも西暦だけは合っていたはずだが、運営の調整ミスか?
と言うか、この光景が日本?
第三次大戦の事が頭を過るが、ゲームでこれを?
そもそも、ファンタジーな世界観からどうしてこんなマップを作り出す?
ああ、そういえば近代兵器だとかを出してくる運営だったな。
それにしたってこれは酷いだろう。
呆然と立ち尽くしていると、立香君が俺の手を引いた。
「取り敢えず、ここから行くしかないみたいだし、俺やマシュが分かる範囲でですけど、色々聞いてください」
「そうだな、ありがとう。2キロ先と言っていたが何処か分かるのか?」
「通信が途絶する前にマップを送ってくれたんで、大丈夫です」
立香君が取り出したスマホにはおそらく、この都市の全域が映っていた。
あちこち炎が燃え盛り、建物は崩れ、とてもでは無いが人が住んでいたとは思えない光景。
マップの上の方にはレールガンを放ったあとを拡大したような一直線の傷跡がある。
マップにはピンが刺さっており、これから向かう場所がハッキリしていた。
サモナーさんが人を呼ぶとき、君付けさん付け、呼び捨てで結構迷う。