人理修復をサモナーさんと共に行く   作:1579

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 ホントにこれでいいのだろうか。


 別にいいか。突っ走ろう。




5

 

 

 

 出てきたウィンドウを注視すると、前回は所々ノイズが入っていたのに対し、ハッキリと映っているのが分かる。

 改めて見ると随分と若いな。

 30にも達していないように思える。

 

 

 「3人ともご苦労さま、空間固定に成功した。これで安定して通信も出来るようになったし、補給物資だって」

 

 「マシュから聞いていた通り、本当にロマニが仕切ってるのね」

 

 

 立香君とウィンドウの間にオルガマリーが割り込んで声を掛けた。

 ウィンドウ越しでも分かるくらいロマニが画面を2度見したのが分かる。

 あまりにも綺麗な2度見だったので声こそ出さなかったが笑ってしまった。

 立香君もくすりと笑っている。

 マシュとオルガマリーはそんな俺たちを目だけで叱る。

 割とおっかない。

 というか、マシュが遠慮なくなってきてる気がする。

 イリーナや此花を思い出させるな。

 

 

 「うひゃぁあ?! しょ、所長、生きてらしたんですか!? あの爆発で!? しかも無傷!? どんだけ!?」

 

 「どういう意味ですかっ! いえ、今はそれよりも、レフは無事? カルデアはどうなってるの? 医療セレクションのトップがなぜその席にいるのか教えなさい!」

 

 「なぜ、と言われてもボクも困る。 自分でもこんな役目は向いていないと自覚してます」

 

 「だったら! いえ、そうね、そういうことなのね」

 

 「お察しの通りです、オルガマリー。 現在生き残ったカルデアの正規スタッフはボクを入れて20人に満たない。 ボクが作戦指揮を任されているのはボクより上の階級の生存者がいない為です」

 

 「つまりレフは⋯⋯」

 

 「レフ教授は管制室でレイシフトの指揮をとっていた。 あの爆発の中心にいた以上、生存は絶望的だ」

 

 

 オルガマリーがフリーズした。

 予想していたとはいえ信じたくないのだろう。

 それに、俺が想像した以上に凄まじい被害だな。

 組織としては壊滅的では無かろうか。

 何人規模とかはあまり説明されていなかったが国連だとかが関わっている以上、かなりカルデアは期待されていたような気がしたが。

 

 

 「そんな⋯⋯レフ、が⋯⋯?」

 

 

 先程からオルガマリーが言っているレフとは余程頼りになる部下だったのだろう。

 生存者の数よりも先にレフという人物が亡くなったことにショックを受けているようだし。

 

 

 「いえ、それより待って、待ちなさい、待ってよね。 生き残ったのが20人に満たない? じゃあ、マスター適性者は? コフィンはどうなったの!?」

 

 「⋯⋯47人、全員が危篤状態です。 医療器具も足りません。 何名かは助ける事が出来ても、全員は⋯⋯」

 

 

 センス・マジックに反応があった。

 魔力が揺らめいているだけでなく明確にこちらに近づいてきている。

 コール・モンスターが使えないことを考えると、新手だろう。

 立香君とマシュに少し外に出ると言って迎撃に向かう。

 さて、カーム・モンスターが効いてないし、何らかの意図があってこちらに来るか、強敵か、だな。

 出来れば強敵で意思疎通が取れる相手がいいのだが。

 

 やってきたのはスケルトンに酷似しているが違うモンスターだった。

 

 

 識別結果

 

 竜牙兵(剣) Lv.10

 魔物 討伐対象 アクティブ

 

 竜牙兵(弓) Lv.10

 魔物 討伐対象 アクティブ

 

 

 スケルトンよりは強そうかな?

 それがそれぞれ10体ずつくらい。

 弓持ちは早めに潰しておこう。

 今も矢が飛んできているが弱過ぎて刺さる気配すらないし、気が散るだけだからな。

 というか、識別結果を見て思ったのだが、レベルってどういう事だ?

 いやまぁ、ASOも異世界だったがレベルとかあったしこの世界も、とか思ったけど、違う気がするんだよな。

 戦うついでに、ここに来るまでの間に試せなかったことをやるか。

 先ずはスクリーンショットを。

 ダメ。

 動画もダメか。

 まあ、スクリーンショットや動画を保存する場所が無いからだろうが。

 ただ、既に撮ってあったスクリーンショットは見れるらしいな。

 俺というデータを大して弄らずコピペしたからだろうか。

 そういったところ、ちょっと雑に感じられるな。

 アイテムや召喚モンスターのテキストも手抜きだと思ったところが多々あったし。

 《アイテム・ボックス》からドロップ品の方のグレイプニル、それにミョルニルやグングニルを取り出す。

 ミョルニルを弓持ちに投擲に的中。

 その後、手元に戻ってきた。

 ふむ、アイテムの効果はきっちり反映されてそうだな?

 グングニルの方も投げるが、きっちり戻ってくる。

 ポーション類は今は使っても意味ないし。

 竜牙兵の最後の1体をグレイプニルで梱包し、効果が使えるか確認する。

 うん、多分、効果を発揮してそうだな。

 あまりにも弱すぎて効果を発揮して捕らえているのか単純に抜け出せないのか分からないけど、問題は無さそうだ。

 《アイテム・ボックス》からエネミー・バーンの呪符を取り出して、竜牙兵に使用するときっちり燃えた。

 なるほど、呪符もいけそうだな。

 この呪符は他のプレイヤーに渡しても使えたし、もしかしたら立香君達も⋯⋯?

 試してみる価値はあるだろう。

 さて、モンスターも倒しきったし、ベースキャンプに戻るか。

 

 

 

 

 「戻ってきてくれたのね、良かった」

 

 「ああ、竜牙兵というスケルトンに似たモンスターがここに近付いてきてるのが分かってな。 撃退してきた」

 

 「守ってくれてありがとう。でも、それは悪い話だわ。竜牙兵なら使役している者がいるはず。攻撃意思を持って襲ってきたのなら間違いなく、敵対者ね」

 

 「そうか、まぁあの程度だったらどうとでもなる。 で、話し合いはどうなった?」

 

 「カルデアが復興するまで、この特異点の調査。 そしてその原因の発見をしようということに決めたわ。 あなたがいれば原因の排除も出来るかもしれないけど、立香君やマシュがまだ未熟なので危険を冒したくないの。 でも手ぶらでは帰れない」

 

 「なるほど。分かった」

 

 

 手ぶらでは帰れない、か。

 所長という立場だからだろうか。

 ヒステリックな部分があるのも、ストレスが原因かもしれない。

 事故なのかテロなのか分からないが、人類の詰みを回避しようとした矢先にコレだ。

 責任を取らされて辞職、或いは更迭も有り得るか。

 俺個人としてはオルガマリーは良くも悪くも人間的で協力したいと思えるから、なんとかしてやりたいが⋯⋯。

 

 

 「とはいえ、戦闘を全てあなたとマシュに任せたくはないのだけど。 現状、他のサーヴァントを喚び出すには色々と足りなくて⋯⋯」 

 

 「その前に、サーヴァントとマスターの説明をしてほしい。いまいち、よく掴めていないからね」

 

 「あっ、俺もほとんど知らないんですよね。 教えてください!」

 

 「っ! キースはともかくとしてあなた! 震えていたけどわたしを庇ってくれたから管制室での事は大目に見ようかと思っていたのに!」

 

 「管制室⋯⋯?」

 

 「先輩、よく思い出してください」

 

 

 立香君が少し考え込んでから、ポンと手を叩いた。

 

 

 「すみませんでした、所長! 眠くて話をよく聞いてませんでした!」

 

 「〜〜〜〜〜〜〜っ! あなたねぇ! カルデアがどれほど重要な使命を!」

 

 

 オルガマリーが怒りに大きく声を上げたところで、水が入る。

 

 

 「オルガマリー。 立香君がなにも知らないのはこちらの責任でもあるんだ。 ほら、全世界からレイシフト出来る存在を集める過程で一般人の中からもレイシフト適性がある人を探していただろう?」

 

 「聞いていたのね、ロマニ。 ええ、確か、レフが主導したのだったかしら。 その一般人の1人がこの子ってわけ?」

 

 「その通り。 資料の通りなら彼はレイシフト適性が脅威の100%。 彼を逃してなるものかとほぼ、拉致同然に連れてこられ、その上、訓練を数時間しか受けられなかったらしい」

 

 「それで、ほとんど知識がないって事ね。 立香君、理不尽に怒ったことを謝罪するわ。 でもね、カルデアは人類の未来を背負ってるの。 それだけは自覚して 」 

 

 「いえ、俺が真面目に話を聞いていなかったのも悪いんで。 自覚はまだちょっと難しいけど、それでも出来る限り頑張ります。 キースさんに任せっぱなしじゃいられないんで」

 

 「わたしも先輩のサーヴァントとして負けていられません!」

 

 「はぁ⋯⋯。 うん、今はそれでもいいわ。 さて、サーヴァントとマスターについてだったわね」

 

 

 ふむふむ、つまり英霊召喚の呪文みたいなものか。

 ん?なら俺の英霊召喚をこの世界で使えばどうなるのだろう?

 そう思って、呪文一覧から英霊召喚を選択し、確認すると中はグレーに染まっていた。

 試しに緋炎聖女をタップするが、なにも反応が起こらない。

 使えないのだろうか。

 他もタップしてみるがエラーメッセージすら出てこない。

 考えられるとすれば、俺が呼び出す英霊は俺がいた世界でのデータであって、異世界であるこの世界には呼び出せないって感じだろうか。

 立香君はマシュと何か話している。

 ワニ?

 ワニがどうしたのだろうか。

 仮想ウィンドウを弄っていた俺をオルガマリーが見つめているのに気付いた。

 まぁ、傍から見れば空中をタップしたりフリックしたりしてるだけで何も無いからな。

 仮想ウィンドウに視線を戻すと、パーティーメンバーの欄にオルガマリーの名前が出ていた。

 いつからパーティーに入っていた?

 そもそも、パーティー加入の条件は?

 仲間と認め合うこと、とかか。

 何はともあれ、彼女もパーティーメンバー。

 範囲魔法に巻き込むことはなくなったと言える。

 実はフォース・ブラストを使った時にオルガマリーに当たらないか不安だったからな。

 この世界でマーカーが赤くなったところで誰も分からないだろうが、それでもつい気にしてしまう。

 

 

 「コレで一通り説明は終わったわけだけど、質問はあるかしら?」

 

 「いや、大丈夫だ。大体、分かった」

 

 「なんとなく理解は出来ました」

 

 「ああもう! 立香君はカルデアに戻ったらしっかり復習するように。 いいわね?」

 

 「分かりました!」

 

 「あ、少し聞きたいことがあった。 サーヴァントの召喚に色々と足りないって言っていたが具体的には?」

 

 「一番はサーヴァントの召喚を維持する魔力ね。 いえ、この場合は電力と言ってもいいわ。 マスター適性があるのは現状、立香君だけ。 カルデアではマスターへの魔力供給の負荷を軽減するために電力で補っているのだけど、立香君は魔術師として教育されてないからその分、カルデアへの負担も大きくなると考えられるわ。 今のカルデアにそんな負荷はかけられない」

 

 「それだけなら俺が必要な魔力を肩代わりするのはどうだ? カルデアが肩代わり出来るのなら俺でも可能なんじゃないか?」

 

 「ちょっと待って、確かに理論上は出来ると思うわ。 見たところキースは間違いなく、こちらの世界の魔力で魔術を行使してるわけだし」

 

 「やってみる価値はあると思うがどうかな?」

 

 「でも、それはダメ。 カルデアには国連や魔術協会などから課された条件が幾つかあってその中には召喚出来るサーヴァントは7騎のみというものがあるの」

 

 「俺はカルデアに協力するだけであって、カルデアの一員になるわけではない。 違うか?」

 

 

 数秒の沈黙の後、オルガマリーがコクリと頷いた。

 俺はあくまでも協力するだけであって彼女の部下になるわけではない。

 それに、俺個人では出来る事に限りがある。

 多方向から同時に攻撃を受けたら、彼女達を守りきれるか不安だからだ。

 だが、英霊様を召喚出来るのならその不安も解消されるだろう。

 この世界の英霊召喚ならMPを持続的に消費するが、時間制限なく英霊様を喚び出せるのなら俺が使う英霊召喚よりかなり便利だろうな。

 英霊様はかなり強いはずだ。

 少なくとも前の世界では俺は一度も勝てなかった。

 いや、敵として現れる英霊様には何度か勝っているので味方として召喚した英霊様には勝てなかった、が正しいか。

 それがずっと召喚していられるのなら強力な手札になる。

 

 オルガマリーにこの世界の英霊召喚の詠唱を教えてもらう。

 《アイテム・ボックス》から魔結晶の品質A+を5つほど取り出しておく。

 オルガマリーに魔結晶を召喚に使用する魔力の代用可能か聞いたところ、大丈夫だと言われたからだ。

 盾の上に置いておけばそちらから使われるようにサポートしてくれるらしい。

 マシュが基点となる場所に盾を下ろし、それを俺とオルガマリーで囲んで盾の上の空間で手を重ねて、詠唱を始める。

 

 

 「抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」

 

 

 その一文と共に辺りが光に包まれる。

 右手に鈍い痛みが走った。

 数秒後、視界が回復すると今までいなかった男が存在していた。

 左肩と左腕にだけついた鎧。

 緑色のタイツのようなものを着ており、腰には革鎧。

 足は黒いブーツのようなものが腰まで伸びている。

 手には2本の槍を持ち、髪はふさふさしていて後ろに流しているがひと房だけ前に垂らしている。

 そして顔は凄いイケメンだ。

 黒子がチャームポイントだな。

 髪と共に毟り取りたい。

 いかん、思考が逸れた。

 おそらく、召喚出来たのだろう。

 これがサーヴァントか。

 元の世界で感じた英霊様と似た圧を感じる。

 かなり強そうだ。

 手合わせしてみたい。

 オルガマリー達はというと本当に召喚出来ると思っていなかったのか絶句していた。

 正直、俺も出来るとは思ってなかったけど。

 MPバーを見ると全く減っていない。

 召喚に使った魔力は魔結晶だけで足りたみたいだ。

 MPバーが1ドット削れたのを確認したが、自然回復分で直ぐに回復した。

 召喚維持のためのMP消費はかなり軽そうだな。

 このくらいならあと2人くらい喚んでも余裕なんじゃないか?

 イケメンが俺を見ていることに気付いた。。

 なんなんだ、喧嘩を売ってるのか。

 買うぞ。

 俺もイケメンの目を見る。

 クソ、無駄にカッコイイな。

 

 

 「フィオナ騎士団が一番槍、ディルムッド・オディナ。 推参致しました。 これより貴方に仕えるサーヴァントとなります」

 

 

 イケメンがそう言って俺の方を向いて手に持った槍を床に置き、膝を着ついて、頭を垂れた。

 くっ、その所作も圧倒的にカッコイイ。

 それにしても、ディルムッド・オディナか。

 知らない名前だ。

 こういう時、外部リンクがあれば調べることが出来ると思うが無い物ねだり。

 俺も名乗るべきだろう。

 

 

 「俺の名はキース。 えーと、ディルムッドでいいか? 俺が君を召喚したマスターだ」

 

 「はっ、好きにお呼びください。 不肖、このディルムッド、人理の危機と知り、召喚に呼応して馳せ参じた次第でありますが、見たところ主どのはカルデアの者ではなさそうですが⋯⋯?」

 

 「ああ、色々とあってな。 だが、安心してくれ。 間違いなく、俺はカルデアの味方だから」

 

 

 そこで、オルガマリー達も再起動したらしい。

 彼女達に説明を任せ、俺はディルムッドに識別を使う。

 

 

 識別結果

 

 ディルムッド・オディナ サーヴァント 男性

 ランサーLv.1

 会話中 戦闘位置:地上

 

 ステータス

 筋力:B

 耐久:C

 敏捷:A+

 魔力:D

 幸運:E

 宝具:B

 

 スキル

 心眼(真):B 愛の黒子:C 騎士の武略:B 対魔力:B

 

 

 うん?

 識別結果がかなり変わってるな。

 召喚モンスターに対して使った時に似ているような気がする。

 だいぶ昔のスクリーンショットを呼び出して確認するが確かに似ていた。

 マーカーは緑色。

 あれ?オルガマリー達の識別マーカーも緑色になっている。

 たしか前まで緑と黄色のストライプだったような?

 まさか、運営が見ていて調整しているのか?

 この世界で起こっていることを考えると、運営がやっていることに近いように思える。

 まさか、な。

 魔結晶の方を見ると一つだけが3分の1ほど魔力が減っている。

 思っていたよりも魔力消費が少ない。

 サーヴァントへの魔力供給も全く問題ないし、もう1人喚んでもいいな。

 戦力は多ければ多いほど良い。

 詠唱が終わったあと痛みが走った右手には令呪が刻まれているのも確認した。

 三本の剣が並ぶように見える文様だ。

 意外とカッコイイな。

 だがコレで銭湯や温泉とはおさらばか。

 実に悲しい。

 まあ、全て終われば契約も解除するだろうから、問題は無いのだが。

 

 

 「なるほど、にわかには信じ難いが我が主どのはそのような状況で。そして物は試しと召喚をし、私がそれに応えたわけですか」

 

 「ああ、カルデアからの呼び掛けに反応して来たはいいものの、期待していたようなマスターではなかったか?」

 

 「滅相もございません!主どのが人々の為に動くのであれば、それで十分です。我が槍は貴方様に捧げましょう」

 

 「そうか。取り敢えずは立香君とオルガマリーを守ってほしい。戦闘中に俺が指示を出せなさそうな時は自分で判断するか、2人に聞いてくれ。それでいいか?」

 

 「ええ、大丈夫です。してこれからどうするので?」

 

 「一番目立つ、あの橋を見に行きたいとかは思ってたけど、所長は?」

 

 「まぁ、それでいいでしょう。立香君の意見を採用するわ。今は何も手掛かりが無いわけだし」

 

 「ちょっと待ってくれ。もう1人、サーヴァントを召喚したい。カルデア式なら可能だったはずだよな?」

 

 「確かに出来ますが、魔力の方はよろしいので?」

 

 「余裕だな。この程度ならあと2人は喚んでも平気だろう」

 

 「驚きました。これほど潤沢に魔力を貰ってなお余裕とは。主どのは元の世界ではさぞや名のある魔術師だったのでは?」

 

 「いや、上には上がいるよ。俺なんかはギリギリ足下に届いているかどうかってところだった」

 

 「どんな世界よ、それ。ああ、キース。貴方が喚び出すというのであれば、わたしも手伝うわ」

 

 「いいのか?」

 

 「わたし達に貴方を止める権限もなければ、権利もない。だけど、協力してことに当たると決めたんだから、手伝うくらいはするわよ」

 

 「ありがとう。じゃあ、早速お願いしてもいいか?」

 

 「ええ」

 

 

 2度目の召喚。

 だが、少し様子がおかしい。

 先程は詠唱を終えてから光が発せられたのに、今は途中から光り始め、更には風が巻き起こっている。

 止めるべきか迷っていたが、オルガマリーは大して気にしていない。

 つまり、正常の範囲内ってことだろうか。

 構わず詠唱を続けると、光と風がどんどん強くなる。

 

 

 「抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」

 

 

 詠唱を終えると一際、光と風が強くなり何も見えない。

 重ねていた手からオルガマリーが飛ばされそうになったのを感じて、ぎゅっと掴み、こちらに引き寄せ、左手で抱きしめる。

 ドンッ!という大きな音ともに光が弾け、爆風で壁に叩きつけられる。

 オルガマリーは俺が抱えているから大丈夫だろうが、立香君はどうだろう。

 マシュやディルムッドが助けているといいのだが。

 光と壁に叩きつけられたせいで目がチカチカする。

 ベロン、と何かが頬を舐めた。

 いや、ベロべロと舐め続けている。

 

 

 「ちょっ!やめっ!なんだ!?」

 

 「わ!わわわ!なに?なんなの!?」

 

 

 左手の中でオルガマリーも何かを感じているようだ。

 思わず、右手で顔を舐めてくる相手を押しのけると、動物の毛のような触感がした。

 懐かしい感触を思わせる。

 漸く、視界が戻るとそこには⋯⋯。

 

 

 「ヴォルフ⋯⋯?」

 

 

 二度と会えないと思っていた姿がそこにあった。

 

 

 

 

 






 ヴォルフが召喚された理由としては、一度目は通常通り、英霊の座から呼び出されましたがその時にキースと一時的に繋がったことでその背後で見ている黄金人形までパスが届いた。
 英霊の座が黄金人形からサモナーさんの情報を閲覧しているところで黄金人形がそれに気付き、パスを切る。
 その時、データバンクでもある黄金人形からサモナーさんとサモナーさんに一番近いデータを抜き、それがヴォルフだった。
 サモナーさんは生きているがヴォルフは現時点ではFate世界には存在しない。
 だから、英霊の座はヴォルフを英霊として座に登録しました。
 そして、二度目の召喚ではマスターであるサモナーさんに一番近いヴォルフが召喚されようとしますが、データだけでは色々足らなかったのでサモナーさんのリソースを使い、復元。
 そして、見事召喚成功って感じです。

 いいよね?このまま行くよ、私。

 因みに、サモナーさんが使われたリソースは魔力だけではありません。
 座としては魔力だけにするつもりだったのですが、足りなかったので色々と使いました。
 つまり、サモナーさん弱体化します。
 やったね!
 でも、ヴォルフを呼び出してるから本体がちょっと弱くなったところでむしろ戦力増えてる。
 あれれー?おかしいぞー?
 
 ディルムッドが来た理由は、サモナーさんの情報を見た座がアイテム由来の効果には封印術が使えないという情報から、そういったアイテムに強いスキルや宝具を持っている英霊に優先的に選出。
 その中から一番に呼び掛けに応えたのがディルムッドって感じになります。

 オリ設定だよね、完全にこれ。
 本当に申し訳ないと思っている。



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