聖杯戦争は終わりだっ!   作:佐月檀

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 構想を改めて練っていたら、こんなに遅くなってしまいました……。今回から本格的に三人称になります。
 今回は主人公とカルナさんは出てきません。


アーチャーの消失

 ランサーとそのマスターである晴人を襲撃し、拠点を放棄させることに成功したサーヴァントの一騎──アーチャー。

 彼は今、己のマスターである遠坂凛と共に、ビルの屋上にいた。

 

 

「アーチャー、どうだった? ランサーとそのマスターは仕留めれた?」

 

「すまない、リン。仕留めることは流石に困難だった」

 

「そう……」

 

 

 アーチャーの戦果報告に、少々の落胆を見せる凛。

 だが、皮肉なものだ。彼女は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「あのランサー──太陽の子カルナは、私たちの最大の敵に値するわ。だから、何としてでも、早く倒さなきゃ」

 

「ああ。しかし、施しの英雄には、あの黄金の鎧がある限り、私では一切の傷を負わせることも出来ないだろう」

 

「ええ。だから──」

 

「……ッ!? リンッ!!」

 

 

 会話の最中(さなか)、アーチャーが突然凛を抱え、その場から離脱する。

 そして、凛がいた地面を、禍々しい男と共に、紅き魔槍が穿った。

 

 

「……チッ。外したか……」

 

 

 土埃が晴れ、禍々しい男が言い放つ。

 

 

「くっ……! 貴様、何者だ!」

 

 

 アーチャーは男の正体を探るように問いを投げた。

 

 

「……サーヴァント・バーサーカーとだけ言っておこう」

 

 

 男──バーサーカーは答え、そして槍を構える。

 顔は漆黒のフードに隠されており、輪郭が分かるぐらいだ。

 

 

「バーサーカー!? バーサーカーはもう召喚されてる筈……ッ!?」

 

「ごちゃごちゃうるせぇぞ」

 

 

 刹那、バーサーカーは紅き一撃を凛に手向けた。

 しかし、あと少しのところで、アーチャーが双剣で受け止める。

 

 

「……チッ」

 

 

 それが開戦の狼煙となったのか、バーサーカーが次々と紅の魔槍を音速で浴びせる。

 卓越した鋭い一撃。それを幾度もアーチャーに向ける。

 アーチャーは冷や汗を額から流しながらも、その一撃を幾度も捌き、躱す。

 

 

 幾度か打ち合ったところで、アーチャーの双剣が壊れる。

 アーチャーが双剣を投影しようとした刹那──アーチャーの左肩を魔槍が穿った。

 左肩からは、鮮血が流れ、苦悶の表情を浮かべるアーチャー。

 

 

「これで左腕は使い物にならなくなったな」

 

 

 バーサーカーはニヤリと嗤う。

 

 

「リン、逃げろ……! ここは俺が食い止める……!」

 

 

 アーチャーはまだ機能する右腕で剣を投影し、バーサーカーに立ち塞がる。

 

 

「──ごめんなさい、アーチャー」

 

 

 凛は身体能力を魔術で強化し、ビルからビルへと伝い、逃げて行く。

 

 

「チッ……! 小賢しい真似を……!」

 

 

 バーサーカーは苛立ちを露にし、アーチャーの剣を一撃で破壊する。

 

 

「まあいい。お前は惨めに散っていけ」

 

 

 そう言った瞬間、バーサーカーの魔槍に魔力が集中し始めた。

 

 

「……ッ! 『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』……ッ!」

 

 

「死ね────『抉り穿つ鏖殺の槍(ゲイ・ボルク)』」

 

 

 刹那──真名解放された紅き魔槍は、七つの花弁の盾を、あっという間に全て貫き、アーチャーの霊核を穿った。

 

 

 ここに、アーチャーは脱落した。




 バーサーカーの正体がバレバレな件。
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