聖杯戦争は終わりだっ!   作:佐月檀

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 さてさて、そろそろクライマックスに近づいてきております……!


施しの英雄と狂った光の御子・Ⅰ

 拠点を失った魔術師・日野晴人。

 彼はあれから、冬木市のあるボロアパートに拠点を移し、聖杯の泥に対する策を考えていた。

 

 

(ランサーの宝具で焼き払えるか……? ……いや、無理だ。焼き払ったとしても、大元を破壊しない限り、あの泥は無尽蔵に湧きやがる)

 

 

 晴人はひたすら思案する。あの泥の対策を。しかし、良い策が思い浮かばず、彼は卓袱台(ちゃぶだい)に右腕を叩きつける。

 

 

「ランサー」

 

「どうした? マスター」

 

 

 晴人は己がサーヴァントであるランサー──カルナを呼び出し、カルナも霊体化を解き、応じる。

 次に、晴人から紡がれた言葉は、突拍子のないものであった。

 

 

「今夜、言峰を倒す」

 

 

 それに対し、カルナは静かに頷いたのだった。

 

 

 

 

 夜になり、言峰がいる教会に向かった晴人とランサー。

 闇夜の中、教会の門前に煌々と輝く電灯は、どこか不気味さを纏っていた。

 

 

「よく来たな、ランサーとそのマスター」

 

「────ッ」

 

 

 門をくぐったその先に、奴──言峰綺礼はいた。

 

 

「言峰綺礼……お前を、殺す」

 

 

 僅かな憎悪を纏った声音で、晴人は宣言し、抜刀する。

 同時に、カルナも霊体化を解き、闇夜を微かに照らす黄金の槍を構える。

 

 

「ほう……私を殺す、ときたか……。ならば──殺してみるがいい。殺せるなら、な」

 

 

 そう言った瞬間、教会の墓地が、聖杯の泥で溢れ返った。

 

 

「──ッ! ランサーッ!!」

 

 

 晴人が叫んだ刹那、カルナは溢れ返り、自らに襲い来る泥を躱し、言峰に接近。今にも言峰に死の一撃を手向けようとしていた。

 しかし、それにも関わらず、言峰はフッと嘲笑っていた。

 

 

「────『抉り穿つ鏖殺の槍(ゲイ・ボルク)』」

 

 

 刹那──紅き魔槍が、カルナの身を貫いた。

 カルナは吐血し、力無く膝をつく。

 

 

「遅くなったな。ライダーとそのマスターを捜してたが、結局は見つからず終いだったぜ」

 

 

 血に濡れた漆黒の戦士──クー・フーリンがその場に降り立つ。

 

 

「クー・フーリンッ……!? もう召喚されるクラスの枠は無い筈……!」

 

 

 晴人が驚愕の声を漏らす。

 それもその筈、何せ八騎目のサーヴァントだからだ。

 聖杯戦争には既に七騎のサーヴァントが揃っている。

 セイバー・アルトリア・ペンドラゴン。

 アーチャー・エミヤ。

 ランサー・カルナ。

 ライダー・オデュッセウス。

 キャスターは恐らく佐々木小次郎の言動から考え、メディア。

 アサシン・佐々木小次郎。

 バーサーカー・ヘラクレス。

 それらが、此度の聖杯戦争で召喚されたサーヴァントだ。

 しかし、眼前には、八騎目のサーヴァントであるクー・フーリンがいる。

 そこで晴人はあることに気付いた。

 

 

(聖杯の泥、聖杯、アインツベルン……!)

 

 

 連想ゲームのような感覚だが、晴人は間違いなく、聖杯の器であるイリヤスフィールをこのサーヴァントが喰らっていると断定した。

 そうでもなければ、あのサーヴァントから発せられる膨大な魔力は、説明のしようがない。

 

 

「質問だが、そのクー・フーリン、聖杯の器を喰らっているな?」

 

 

 その質問に対し、言峰は薄ら笑いを浮かべ、答えた。

 

 

「ああ、そうだとも。聖杯の器且つバーサーカーのマスターであったアインツベルンの娘を触媒にし、喰らわせ、聖杯の泥を浴びせ、召喚したとも」

 

 

 平然と、イリヤスフィールを殺したことなど、何も思ってないように、言峰は言った。

 

 

「さて、話を変えるが、お前のサーヴァントは今、絶体絶命らしいぞ」

 

 

 そこで晴人はハッと気付く。いや、気付いてしまった。

 カルナが、聖杯の泥に纏わりつかれていることに。

 

 

「ぐっ……!」

 

 

 苦しそうに藻掻くカルナ。その身には、黄金の鎧があれど、今はサーヴァント。所々汚染されてしまっている。

 

 

「さあ、どうする? ランサーのマスター」




 現在、FGOはアトランティス攻略中の作者。絶賛、苦戦中。
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