「……アサシン、佐々木小次郎が死んだか……」
とある教会。そこの神父と思われる男が自らの右手を眺め、そう零す。
「ほう、あの侍は死んだか」
神父の言葉に対し、返したのは黒のライダースーツを着こなした金髪の男であった。
「あの侍には一切期待していなかったが、聖杯戦争の初戦でいきなり死ぬとは、これは予想外だったぞ」
「なに、これしきで死ぬとは、あの侍はそれまでの存在だったということよ」
金髪の男はそう斬り捨てる。
「しかし、気になるのはアサシンを殺したサーヴァント、ランサーであろう」
唐突に男がその話を神父に振る。
「ランサー……か。容姿、得物、宝具。それら全てが全く分からず終い……。しかし、あのアサシンの『燕返し』を破り、倒したというならば、恐らくかなりのサーヴァントであることは間違いないだろう」
「ほう、では、そのかなりのサーヴァントとやらをこの
男はそう言うと、鎮座していた椅子から立ちあがり、教会の扉を潜ろうとする。
「そうか。では頼むぞ、“英雄王ギルガメッシュ”」
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一方、晴人の視点──
「そうか。それがお前の望みなら、オレは全力を以てこの聖杯戦争を共に駆け抜けよう」
「ああ、頼むぞ、ランサー」
アサシンを倒した直後、ランサーに問われたもの──即ち、願望。
その問いに俺は、“聖杯戦争の幕を下ろす”。即ち、聖杯戦争を終わらせるということを答えた。
何故、俺が聖杯戦争を終わらせたがっているのか。
それは、俺の母親が過去の聖杯戦争に巻き込まれ、死んだからだ。
確か、第四次聖杯戦争の時だったか。
その時に、キャスターの使い魔と思われる海魔に襲われ、胴を無惨にも引き裂かれ、死んだ。そう、俺の母親はそれで死んだのだ。
だから、俺は──この聖杯戦争をぶち壊したい。
そして、母さんのような犠牲者をもう出したくない。
これは完全に俺のエゴだ。だけど、もう俺は嫌なのだ。
だから、俺はこの第五次聖杯戦争で、聖杯戦争を終わらせる。それが俺の唯一の望みだ。
「マスター!」
俺が願望に浸っている最中、上空から槍、剣等が俺に向かって飛んでくる。俺はそれに気付き、咄嗟にかわす。
「フン、一刺しで終わりかと思えば、かわすとはな」
黄金のサーヴァントが腕組みをし、空に浮遊していた。
「ぎ、ギルガメッシュだと……!?」
「ほう、我の真名を一目で見抜くとは、中々やるな。ランサーのマスターよ」
黄金のサーヴァント──ギルガメッシュは真名を一目で見抜いた俺に少し感心した様子だった。
ってか、えぇ!? ここでギルガメッシュ戦!? 滅茶苦茶キツイよ! これェ!
「! マスター、下がっていろ。このサーヴァントはただ者ではないぞ」
ランサーはそう言って俺の前へと出る。カッコいい……! 惚れてまうやろ……!
「来るがいい、黄金の鎧を身に纏ったランサーよ!」
ギルガメッシュはそう言い、剣や槍を上空に出現させた。
ヤバいよ……、この戦い、ヤバいよ……。