「ハァッ!」
「■■■ー!!」
繰り出されるランサーの一撃を石斧剣で受け止めるバーサーカー。
ランサーはスキルの魔力放出を駆使し、筋力A+のバーサーカーと互角に打ち合っている。
(魔力放出込みでも打ち合いは互角か……!)
俺はランサーとバーサーカーの剣戟をなんとか視認し、同時に分析する。
しばらく打ち合っていると、急にランサーがバーサーカーから距離を取る。
「打ち合いは互角。ならば、宝具を使用する──!」
刹那、ランサーの眼から閃光が放たれる──。
「『
閃光はバーサーカーの腹部を焼き切り、バーサーカーは腹から大量の血を流し、絶命する。
しかし、バーサーカーは再び咆哮を挙げ、焼き切られた腹部も瞬時に再生する。
「やはり蘇るか」
ランサーはバーサーカーとの距離を一瞬で詰め、バーサーカーの首を槍で貫き、再び命を刈り取る。
それでも尚、バーサーカーは蘇生する。
瞬間、バーサーカーは至近距離にいたランサーを掴み、地面に叩きつける。
「ぐっ……!」
バーサーカーは地面に叩きつけたランサーに石斧剣を振り下ろそうとする。
しかし、魔力放出で瞬間的に加速したランサーに回避される。
その加速を利用し、ランサーは再びバーサーカーとつばぜり合う。
これでは完全に硬直状態だ。
つばぜり合いは筋力で勝るバーサーカーが押し勝ち、ランサーを石斧剣で薙ぎ払う。
横薙ぎされた石斧剣はランサーの横腹に当たり、ランサーは鮮血を撒き散らしながら吹き飛ぶ。
「まずいぞ、ヤバくなってきた……!」
吹き飛ばされたランサーを視認出来た瞬間、分かったことは、普通のサーヴァントでは死ぬレベルの傷を負っていたことだった。
だが、それすらもランサーの黄金の鎧は治療し、瞬時に傷は塞がった。
しかし、同時に思い知らされるのは、大英雄・ヘラクレスが予想以上に規格外だったことだ。
だから、こちらも切り札を一つ切るとしよう──!
「ランサー! 第三宝具を使用してくれ!」
ランサーは「了解した、マスター」とだけ返し、槍に膨大な魔力を集結させる。
「……っ!? 駄目よ! バーサーカー!」
イリヤスフィールがバーサーカーに制止を掛けるも、もう遅い。
ランサーは炎を纏った槍をバーサーカーに全力で投擲した──!
「『
それは、国すら滅ぼしえる“対国宝具”なのだ。
恐らく、バーサーカーのストックを五個以上は削る威力だ。
それにバーサーカーは直撃した──。
辺りの建造物は対国宝具の余波により吹き飛び、かくいう俺も吹き飛ばされかけた。
施しの英雄・カルナ。
やはり、俺の予想以上の凄まじさだ。
やがて、煙が晴れると、辺り一面には建物が一切無かった。
肝心のバーサーカーは──
「■■■■……!」
最早立てるような状態ではない程、ダメージを食らっていた。
恐らく、あと何秒かで消滅するだろう。
しかし、なんと立てるような状態ではない筈が、イリヤスフィールを守備する体制で立ったのだ。
「……それ程主を守りたいのか、バーサーカー」
ランサーがバーサーカーに対し、そう言葉を紡ぐ。
しかしやがて、バーサーカーの体が粒子と化して消えてゆく。
「バーサーカー……」
イリヤスフィールは光の粒子と化し、消滅したバーサーカーを見て崩れ落ちる。
そういえば、確かイリヤスフィールは聖杯の器だったか。
……どうしようか、これ。バーサーカーとの死闘で完全に忘れてたぞ。
……仕方ない、今は放置だ。
とにかく、今は間桐邸に向かう。
「ランサー、感傷に浸っているところに申し訳ないが、本来の目的地に行くぞ」
「了解した、向かうとしよう」
俺たちはその場に崩れ落ちたイリヤスフィールを横切り、間桐邸へと駆けた──。
展開が崩壊寸前だ……!